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再訪!パリ・オペラ座ガルニエ [海外音楽鑑賞旅行]

ルーブル美術館の北側というパリの中心地に堂々とそびえ立ち、ターコイズグリーンのドームと金の装飾が特徴の舞台芸術の殿堂、通称オペラ座ガルニエ。まさにパリを代表する建造物。ここも3年振りの訪問。

パリの滞在ホテルが、じつはこのガルニエのすぐそばにあったので、このガルニエの前には、メトロのOperaの駅の地下への入り口があって、毎朝出かけるときは、必ずこのガルニエの荘厳なるお姿を拝見するという夢のような生活を送っていたのだ。

こんな夢のような生活をしていたら、日本への超高速スピードの社会復帰は無理だと思ってしまった。(笑)

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じつは3年前に訪問した時に、大失敗したことがあって、それはまるでベルサイユ宮殿のような壮麗華美な廊下ホワイエがあり、そこの場所が分からなくて、写真に収めることができなかったのだ。

今回の訪問時には、ぜひこの超有名な廊下の写真を取るべく、安全を期して、 ガルニエの館内ガイドツアーに参加しようと思った。このガイドツアーに参加すれば無人のホールの写真も撮影できるし、もちろんこの廊下の場所も分かって撮影できると思ったのである。

館内ガイドツアーは、週に3回のみ実施。その日に合わせて、ガルニエのチケットオフィスに集まる。ガルニエのチケットオフィスは、ちょうど正面の入り口の真裏に存在する。

チケットオフィスのある側。(真裏にある。)
このオペラハウスの建設者であるシャルル・ガルニエの像が立っている。

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結構な人が集まっていた。日本人も多かった。ガイドツアーだけが目的ではなくて、ふつうに公演のチケットの当日券などを求める人も多いのだろうと思った。

ここでしばらく待っていた。そうしたら警備員の人が出てきて、無情の立て看板を立てる.....

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「今日は、NO VISIT DAY」

ガーン。立ち直れなかった。また今回も廊下の写真を撮影できないのか、と頭をよぎった。

でも神様は見捨てなかった。その夜、ガルニエでのバレエ公演を鑑賞しに、このホールの中に入った。エントランスのチケットをチェックするゲートを通って、階段を上がり、2階にあがる。公演のブレーク休憩時にこの2Fのドリンクコーナーで何気なくドリンクを注文。

ドリンクコーナー

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そうするとその横の奥のほうになにかしら広い空間が存在するのだ。「あっもしやして!!!」と思って胸ときめかしながら、行ってみると、やっぱりそうだった!!!こんなところにあった。2Fでホールのある側とちょうど反対方向にこの有名な廊下はあったのだ。

夢中で写真を撮った。中は凄く暗くて、焦っていたのでフラッシュをたかないで撮影したので、出来上がりは暗い写真になってしまった。

ここがまるでベルサイユ宮殿のような壮麗華美な廊下ホワイエ。
本当に美しくて圧倒される。

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撮影している場所の反対側を撮ると.....

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音楽の神様は我を見捨ててはいなかった。この幸運にひたすら感謝するばかり。これでガイドツアーに参加する必要もなくなった。今回のガルニエ訪問の目的は、これで達成された。

このガルニエは外装はもちろんのこと、この華やかさな彫刻を施され、あまりに圧倒される美しい内装空間は、もう実際訪問してみないと、その凄さは実感できないだろう。とにかく息を飲むほどスゴイ。

まずエントランスのチケットをチェックするゲートを通るとこのような階段があり、素晴らしい空間が広がる。

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この階段を上って、2Fに上がってロビー全体を俯瞰して撮影してみると、こんな感じ。

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いまこの写真を撮影している左手側の奥に、その有名な廊下ホワイエがあるのだ。

そしてホール内に潜入。

私の座席から観たステージを含むホール空間。いやぁここの内装の凄さは、毎度本当に驚く。壮麗・絢爛豪華とはまさにこのこと。なんか観劇をするだけでこういう建築物を造ってしまうのだから、現世代では全く考えられないことだと思う。

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そしてあまりに有名なシャガールの天井画「夢の花束」。この天井画の中心から大きなシャンデリア(7tもあるらしい!)が吊るされているのだが、吊っているのは棒状の物(こんな重いものは絶対紐ではない!)でこれが切れてシャンデリアが客席に落ちると大変な惨事になるな、とつまらないことを考える。(笑)

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私の座席は、3Fの後方上階席の中央のボックス席だ。馬蹄型のオペラハウスでボックス席の中に入るのも、あまり経験がない。ボックス席はこんな感じになっている。

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今回鑑賞したのは、現代バレエ。自分は、普段あまりバレエは鑑賞する機会がないのだが(ある意味オペラ以上に観ない。(^^;;)、いままで観てきたバレエというのはたとえば舞台装置・美術がかなり大がかりでしっかりしたものを使い、劇空間、ストーリー性のあるバレエ、つまり20世紀半ばのフランスなどで栄華を極めた、いわゆる「グランドバレエ」と呼ばれるものが圧倒的に多かった。

3年前のこのガルニエでもマスネの「マノン」を鑑賞した。この演目もグランドバレエである。バレエは予習素材などが乏しく予習が困難なので、今回の演目がどのような内容のバレエなのか、予習しないで本番突入したが、まったくそんなハンデを感じさせないくらい素晴らしい感動を得られた。

今回の演目は、舞台装置などはまったくない素の空間で、少し照明に工夫があるくらい。基本は音楽とダンサーたちの踊りを堪能するシンプルなものだった。

もうバレエはダンサーたちの細身&筋肉質の体形の造形美と、振付師によるその独創的なアクロバティックな振り付け、難度の高いリフトといったパフォーマンを観る芸術と言ってもよいと思う。

この夢のような内装美を誇る内装空間のホールの中で、オケの美しい調べとともに、このバレエのパフォーマンスを観劇することがいかに贅沢なシチュエーションなのか、ということをしみじみ。。

ニコ・マーリー、プロコフィエフ、チャイコフスキーの音楽による3部構成の演目であったが、ニコ・マーリーの演目は現代バレエらしいストィックな衣装に研ぎ澄まされたような硬派な、いかにも現代バレエという感じ。

最後のチャイコフスキーのバレエはさすがに盛り上がった。特に女性ダンサーの衣装が、「クラシカル チェチェ」この3部目の幕が開いたときに、チェチェ姿の女性ダンサーでステージが埋め尽くされた瞬間を見て、思わず館内は、「ウワォ~!」というどよめきが起こった。(笑)やっぱりバレエは、チェチェ姿が基本でみなに受けやすいのかな、さすがはチャイコフスキー、「バレエの王様」と思ったものだった。


ニコ・マーリーの作品

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プロコフィエフの作品

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チャイコフスキーの作品

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2015/10/5 パリ・オペラ座ガルニエ 現代バレエ

はっきりと、大声で、明るく、前へ。

音楽:ニコ・マーリー
振付:ベンジャミン・ミルビエ
空間:ユナイテッド・ビジュアル・アーティスツ
照明:ルーシー・カーター

作品19/ドリーマー

音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
   ヴァイオリン協奏曲第1番
監督:マキシム・パスカル
振付:ジェームス・ロビンス

テーマとバリエーション
音楽:ビュートル・イリイチ・チャイコフスキー
振付:ジョージ・バランシン

エトワール、プリンシパルダンサーと群舞

パリ国立歌劇場管弦楽団

やっぱりオペラの舞台装置は、年々IT化がどんどん進んで手の込んだものが多くなるにつれて、ガルニエのような古いオペラハウスではその実現が難しくなって、バスティーユのような新しいオペラハウスができたのだろうけど、ガルニエのような内装空間(もちろん外装も凄い。)を持つ歴史的建造物は、もうそれだけでパリの遺産というか至宝と言える。

だからこそ今後も絶対残していくべきだと思うし、バレエ、小規模オペラというジャンルでもいいからガルニエを活用していくべきで、そういう形でバスティーユと二輪で運営していくというソリューションは彼らフランス人にとってはまさに正論なのだろうという想いを強くした。

終演後の夜のガルニエ。

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