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体験!フィルハーモニー・ド・パリ Philharmonie 2 [海外音楽鑑賞旅行]

パリ管弦楽団の新しいフランチャイズ・ホールであるフィルハーモニー・ド・パリを経験すること。
これが今回のツアーの最大の目的といっても過言ではなかった。

パリの北の外れにあるので、交通の便が悪いとか、終演の夜遅くなった時にパリ市街に戻るのが大変そうだ、とか事前にいろいろ情報をもらっていたのだが、まったくそんな心配は無用であった。

メトロM5のPorte de Pantinで下車して地上に上がったときに、すぐ目の前に広がる公園の中に堂々とそびえ立っているのである。自分の滞在ホテルのOperaからも1回乗り換えで簡単に行ける。少し拍子抜けしたぐらい。

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ここは1980年代にラヴィレットという公園としてコンペで整備されたところで、建築界では有名なところなのだそうである。この中にシテ・ドゥ・ラ・ミュジークという音楽施設とコンセルヴァトワール(パリ音楽院)があり、このフィルハーモニー・ド・パリはその隣に出来たもの。

つまり現存するシテ・ドゥ・ラ・ミュジーク(Cite de la Musique、音楽の街)と一体となって、新しくフィルハーモニー・ド・パリと形成されているのである。

新設された2,400席のコンサートホ-ルはPhilharmonie1(つまり大ホール)、そしてこれまでシテ・ドゥ・ラ・ムジーク内にあった1,200席規模のホールは、今後はPhilharmonie2(小ホール)という扱いになる。こうしてみると今回新しく設計されたのは、Philharmonie1のほうで、Philharmonie2のほうは、元々の総合音楽施設の中にあったホールということのようだ。(リ・デザインはしているのかもしれないが。)


奥にあるのが、Philharmonie1(大ホール)、そして手前の右側に赤い枠のゲートのある施設が、シテ・ドゥ・ラ・ムジークという総合音楽施設で、この中にPhilharmonie2(小ホール)がある。

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Philharmonie1のホール設計はジャン・ヌーベルという有名な建築家で、リヨンのオペラハウスやルツェルンのコンサートホールも設計している。音響設計はニュージーランドのマーシャル・デイ社が担当し、日本の永田音響設計は設計者ジャン・ヌーベルのパーソナル・アドバイザーという立場でその音響設計に係わっているようだ。複数の音響設計者が一つのプロジェクトを担当するという複雑なデザイン・チームの構成は、やはりフランスならではのさらにこのホールの独特のユニークなデザイン設計に起因するものなのだろう。

Philharmonie1 (大ホール)

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目の前には美しい緑の芝生と公園が広がっている。

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このエスカレーターで上階に上がると、そこに大ホールのエントランスがあり、そこから大ホールに入る。これは、また後日日記にする。

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その上階に上がったところに大ホールへのエントランスがある。

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地上からは、さらにその横にこのような階段があり、それを上っていくと、この建物の側面に出る。そこには広いスペースがあるのだ。

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そこから建物を横から撮影する。

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ここがPhilharmonie1の正面エントランス。

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この中に入ると、このような空間が現れる。

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天井のこの尖った針のようなものが何本もぶらさがっているのはフランス人らしい感性なのでしょうか?

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このPhilharmonie1の建物の中には、カフェ、マルク・シャガールの画廊(スゴイ片隅スペースにあり、大したことないです。総合音楽施設の中のミュージアムの中に本格的な画廊があると思います。)、そして資料室/図書室、子供への楽器教育ルーム(私のつたないフランス語読解能力では....)などが1Fのフロアにあるわけです。

ここがカフェ。

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中はこんな感じ。

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マルクシャガールの画廊。(片隅スペースにある。)

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ここが資料室/図書室。(写真撮影禁止です。)
ここはまだ中ががらんどうでなにも入っていませんでした。

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子供への楽器教育ルーム

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次にPhilharmonie2(小ホール)の説明をおこなう。先述のように、総合施設の中に小ホールは存在する。Philharmonie1の手前側にその大きな総合施設があり、ゲートの部分は赤い枠でオシャレなセンスでいっぱい。

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中に入るとこんな空間が現れる。(写真右に見える大きな円柱状の建物がPhilharmonie2である。)

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レセプション

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セミナーなどができる会場スペース。

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そしてここが休憩カフェ。
ここはPhilharmonie2に直結していて、つまり小ホールでコンサートのブレーク休憩時に、渡り廊下を渡って、このスペースでドリンク休憩をする場所なのである。普通はスタンディングなのに、ここにはテーブルと椅子があるのが特徴ですね。もちろんここにトイレもあります。

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ブレーク時。

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ヨーロッパの休憩時にホールの外に出るときの決まりごとが面白い。日本のホールだといったん外に出るときは、チケットの半券をお持ちください、というアナウンスが流れるが、ここではこういうコインを渡してくれるのだ。そして再度入場するときそのコインを返却するのである。

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さらにCD,本などを売っているショップ。そしてミュージアム。

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大きなコンサートホールであれば、必ずあるショップ類だが、なぜかそのショップ名は、”harmonia mundi”になっていたこと。お膝元のフランスのインディーズレーベルだが、彼らの商品しか置いていないのか、と思ったが中を覗くと、CDであれば、フランスもので有名なEratoレーベル、その他DG,DECCA,EMIなど有名なレーベルの商品は全部揃っている感じでした。(PENTATONEもあった。(^^;;)本も置いてあって、バッハやモーツァルトの書籍など盛りだくさんである。


なんかこういう空間は、オーディオファンをかなり刺激しますね。記念に自分へのおみやげを買ってしまいました。

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グリモーの本、グルベローヴァさま、アネッテ・ダッシュ、ベルナルダ・フィンクの歌曲集。(なぜか女性ばかり...(^^;;)

なるべくharmonia munidレーベルのものを買いました。(笑)
ネットで買えるかも、ですが、ここで買うのが一生の記念でいいですね。

このホールで、リサイタルをやったグリモーであるが、たぶんグリモーは狼とともに暮らし、自分のコンサートの稼ぎをすべて狼の育成費に充て、それがなくなったら、またコンサートに出るというそういう人生というか狼愛....そして演奏会前にはスタインウェイのショップに現れて、心ゆくまで練習をする、なんてことが、この本には書かれているのだと思います???

この本、CDショップを突き抜けるようにしていくと、そこにミュージアムがある。入場料を払う必要があるが、ここにはマルク・シャガールの本格的な画廊があるのだと想像する。Philharmonie1のほうにあるのは簡易版だと思いますね。

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ちなみに、この施設に来た時の休憩場所というか憩いの場所は、Philharmonie1そしてその手前にある総合施設+Philharmonie2のさらに手前にあるカフェでした。ここは、カフェだけでなくレストランでもあり、公演前の時間つぶしに随分重宝しました。このコンサートホールでの大切なカフェ&レストランですね。店員さんは英語が通じません。(泣)

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いよいよPhilharmonie2(小ホール)を体験。

先述のように、総合施設のホワイエ空間の中に円柱状の建物があって、それがPhilharmonie2なのである。

Philharmonie2(小ホール)

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中に入るとホワイエ空間が現れる。

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そして、いよいよ小ホール潜入。

正面

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背面

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側方

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天井

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そして今日のコンサートはPA(拡声装置)を使うので、ホール後方にロックコンサートのようにコントロールルームがあったりするのだ。

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小ホールの内装空間だが、予想以上に大きなエアボリューム。(特に天井が高い。)日本の室内楽ホールよりずっと大きい感じがした。1200席のキャパというから、日本で言えば大ホールと室内楽ホールの中間くらいな感じだろうか。

内装デザインとしても不思議な空間で、こういうデザインは自分ではあまり観たことがないですね。単なるデザイン美なのか、音響上の仕掛けなのか判断つかないが、面白い空間でフランス人らしい設計だと思った。

この等間隔に立ってデザインされている長方形状の衝立は、自分の勘では間違いなく音響上の工夫によるもの。ぜひ近いうち解明したい。天井近い壁の部分は全方位面、なぜか吸音性の布製のカーテンで敷き詰められていたのは、とても気になって仕方なかった(笑)

それよりも、この天井の様子をみると、どうもクラシック専門ホールではないような気もする。もともとは、シテ・ドゥ・ラ・ミュジークという音楽施設の中のホールだった訳で、そこがロックやポップなどのPA施設の整った総合ホールのような趣だったんだろうという気がしてきた。今回のコンサートもPAを使用していたので、そこら辺はこのホールの範疇なのだろう、そんな感じがする。クラシックのコンサートホールではこんな天井はまずありえませんからね。

今日の室内楽コンサートは、ちょっと変わった趣向で、クラシックとインド音楽の融合のようなジャンルで、PA(拡声装置)を使うので、ホールの音響を確認するうえでは正直困った。

クラシックは生音・原音なので、ホールの音響は、直接音と間接音(反射音:響き)を聴くことで評価する。でもそこにPAサウンドが混ざってしまうと、なにを評価しているのか、わからなくなるからなのだ。ホールの素性がわからないのだ。

だから正直、音響がどうだったというのは正直ここで断言することはできない。

でもざっくばらんな評価からすると、この広いエアボリュームを音で埋め尽くすことが出来ていなかったような.....(^^;;
もっと端的に言うと客席に音が届いていないというか、ステージ上でこじんまりと音が鳴っているように聴こえる。1階席であったが、もっとステージからダイレクトに音が飛んでこないと......上空を見ると浮雲(反響板)のような工夫もないことから、観客席に音を向かわせるトリックをどこでやっているのか.....

自分の座席。

ステージを見てもらえばわかると思うが、たくさんの立脚式のマイクがセッティングされている。本公演を収録しているのか定かではないが、もし収録でないとすると単にPAを使ってホールに音を送る、そのためのマイク、そしてそれがこのホールのサウンドの作り方という考え方もできるのである。

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イベントとして凄く面白いコンサートであったが、ホールの素の音響評価が出来なかったのは、ちょっと自分にとっては残念であった。ぜひ近いうちリベンジしたい。(もしそういうホールであるのであれば...)

とにかくこの日は小ホールとはいえ、フィルハーモニー・ド・パリの建物に入れたことだけでも大興奮の1日であった。


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