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マーラーの作曲小屋 [海外音楽鑑賞旅行]

グスタフ・マーラーは生涯に3か所の作曲小屋をつくった。


2013年にザルツブルク音楽祭に行ったとき、モーツァルテウムの通称「バスチオン(砦)庭園」内に、モーツァルトがウィーンでオペラ「魔笛」の一部を作曲したと言われる小屋があって、いわゆる「魔笛の小屋」といわれる作曲小屋を見学したことがあった。


そのとき思ったことは、クラシックの有名な作曲家は、なんでこんな狭いスペースに籠るのが好きなのだろうか、と思ったことだ。(笑)


普通の庶民の感覚で考えれば、豪邸で広いスペースのリビングで作曲したほうが、効率もいいと思うものだ。


マーラーが生涯で作った3か所の作曲小屋の写真を拝見して、う~ん、やっぱりクラシックの作曲家は狭い場所に籠ったほうが、アイデアが出やすいのだろうか、という思いを強くした。


小説家もそうかもしれないが、創作活動というのは、普段自分のいる空間ではなく、場所を変えると全然捗るということが常なのかもしれない。


”普段と違う場所”というのがキーポイントなのかもしれない。


自分がそう思うのは、旅先でホテルの部屋でパソコンで文章を書いているほうが、全然効率がいいと感じるからだ。綺麗に清掃された部屋で、旅行でハイな気分で、ベッドの隣に配置されている机の上でパソコンで書いているときは最高に気持ちがいい。頭の回転がすこぶる早い。


作曲小屋という発想は、そんなところから来るのかもしれない。


マーラーの建てた3つの作曲小屋は、どれも修復され、現在は観光スポットとして存在している。


小屋の中は、当時の時代の古楽器のピアノが置かれたり、マーラーの肖像写真が何枚も壁にかけられたり、とかで完全に綺麗にドレスアップされている。


こういうマニアックな観光スポットは自分の好奇心、行ってみたい病を激しくくすぐり、ぜひ行ってみたいと思うのだが、海外に渡航する費用をこのためだけに予算化するのは、ちょっといまの体力では無理かなぁと感じる。


ここではネットの写真を紹介して楽しむだけに留める。ネットに転がっている写真は、誰かが投稿した写真ということだから、情報の出どころと原文サイトも紹介する、という配慮をする。


みなさん、マーラーの作曲小屋について、実際の行き方の手順の写真や、標識の写真、現地で実際体験されて、楽しまれているようで、マニアックなコアなクラシックファンの方ばかり。


作曲小屋の由来や、そのときのマーラーが置かれている背景など、そして作曲小屋の雰囲気(小屋に入ったらセンサーが勝手に働いて、マーラーのBGMが流れるところもあるそうだ。)など、じつに見識深い内容で参考になります。


ぜひ原文サイトのほうをご覧になってください。


私からは、簡単な説明だけにとどめておきます。



ザルツブルクカンマーグートのアッター湖畔のシュタインバッハーの街の作曲小屋


ザルツブルクの風光明媚な湖水地帯ザルツカンマーグートに、マーラーが、1893年の夏、交響曲第2番の第2楽章から第4楽章までを書き上げたのが、ザルツカンマーグート最大の湖アッター湖畔の街シュタインバッハ。


1896年の夏は、シュタインバッハの小さなホテル「フェッティンガー」に滞在、湖畔に作曲するための小屋を建て、早朝から午前の間、作曲に専念する日々を送った。交響曲第2番の他、交響曲第3番全楽章を作曲し、さらに交響曲第1番を改訂した。


ザルツカンマーグートは最高のスポットですね。自分も2013年にハルシュタットを観光。まさに”世界で一番美しい街”でした。


自然豊かで美しい湖畔の街シュタインバッハを訪れると、この最高の自然環境の中で、”普段と違う場所”の小さな小屋で作曲に没頭すれば、それはそれは素晴らしい旋律が自然と溢れてくるのであろう。


作曲小屋


アッター湖畔のシュタインバッハーの街の作曲小屋.jpg


小屋内部


アッター湖畔のシュタインバッハーの作曲小屋の内部.jpg


(作曲小屋)

旅する音楽師・山本直幸の百聴百観ノート:第35回 マーラーの交響曲が作曲された場所



(小屋内部)

クラシックカフェ クラシックを気ままに聞くティータイム 2013/9/3 マーラー作曲小屋





オーストリアのヴェルター湖畔のマイアーニッヒの街の作曲小屋


マーラーは、1897年、ウィーン国立歌劇場の音楽監督に就任、1898年にはウィーン・フィルの首席指揮者も兼務し、拠点をウィーンに移す。1900年~1907年の8年間は、オーストリア南部のヴェルター湖畔の街マイアーニッヒに別荘を構え、その裏山に小屋を建て、交響曲第4番~第8番を作曲している。


作曲小屋


ヴェルター湖畔のマイアーニッヒの街の作曲小屋.jpg


小屋内部


ヴァルター湖畔のマイアーニッヒの作曲小屋の内部.jpg



(作曲小屋)

旅する音楽師・山本直幸の百聴百観ノート:第35回 マーラーの交響曲が作曲された場所



(内部写真)

Landschaft

マーラー「マイヤーニッヒの作曲小屋」




イタリアのトブラッハの作曲小屋


1908年~1910年の3年間の夏は、当時はオーストリア領だったイタリア北東部の山地ドロミテのトプラッハで過ごし、やはり小さな小屋で交響曲「大地の歌」、交響曲第9番、交響曲第10番(未完)を書き上げた。


作曲小屋


イタリアのトブラッハの作曲小屋.jpg



小屋内部


イタリア トブラッハの作曲小屋の内部.jpg



(作曲小屋)
ときどき軽井沢 小屋好きには嬉しい、マーラーの小屋

(内部写真)
チロル&ザルツブルク 落ち穂拾いの旅
7)マーラーの作曲小屋(トブラッハ/ドビアッコ)Ⅲ  2012年4月30日(月)



マーラーの作曲小屋に共通するポイントは自然が美しい風光明媚な場所であること、作曲期が夏であること、ですね。クラシックの作曲家の曲を聴いていて、その作風を肌で感じるとき、その作曲家が作曲したその場所、その風景が自然とその曲の作風の中に含まれている、というのは絶対あることだと思いますね。


マーラーの曲をよく知っている人ならば、これら3つの作曲小屋の場所に実際行ってみて、自分の足で立ってみて、その周りの風景を眺めてみたときに、あ~あの曲は、まさにここだから生まれた!というのがよく理解できるのかもしれないと思います。


でも予算がないから無理。(笑)










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