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マーラー・パビリオン [海外音楽鑑賞旅行]

マーラー・パビリオン(Mahler Pavilion)というのは、アムステルダム・コンセルトヘボウのコンサートホールの向かいにあるMuseumpleinという草原の広場(ここは同時にゴッホ美術館、アムステルダム市立美術館にも囲まれている地理になる。)に造営される大型テントのことである。


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ここでは、コンサートホールの本公演のチケットが取れなくてホールに入れなかった人のために、このテントの中の大型スクリーンで、ライブストリーミングでその公演をパブリック・ビューイングできるような企画になっているのだ。


これは前回のマーラーフェスト1995で初めて取り入れられた企画だった。今回のマーラーフェスト2020でも同じ試みがなされる。


ぜひ体験してみたいと思っていたのだが、このライブストリーミングは聴き逃し配信ではなく、リアルタイムのストリーミング配信である。だから本公演と同時の時間帯に開催される。


だからホールで生演奏を聴くのであれば、パブリックビューイングのほうは体験できない。


ただ、現在の自分のチケット獲得状況は、第2番「復活」だけが取れていなくて、リターンチケット待ちなのだ。だったら、ぜひこのマーラー・パビリオンのパブリックビューイングのほうで体験すればいいと思っていたのだが、なぜか第2番「復活」だけはこのライブストリーミングでさえもずっとSold Outだったのだ。


2番復活は本当にすごい人気だ。


ところがなんと今日、偶然にもマーラー・パビリオンのほうのライブストリーミングのほうの第2番「復活」のチケットにリターンがでた!もちろんすかさずゲット!


やったー!


大人気の第2番「復活」は、コンサートホールでの生演奏ではなく、マーラー・パビリオンでのライブストリーミングで体験できることになった。


これで見かけ上ではあるけれど、今回のマーラーフェスト2020は全公演コンプリートできたことになる。


もちろん本チケットの方のリターンチケットが出てきたら、そちらを買うけれど、ある意味、せっかく現地のマーラー・パビリオンのライブストリーミングを体験したいと思っていたのであるから、こちらのほうが返って好都合なのではないか?


2番復活のリターンチケットはなかなか出てこなかった。


昔、アバド&ルツェルン祝祭管のマーラーツィクルスのBlu-rayをコンプリートしようとしたら、どうしても2番復活だけ入手できなかった。そして今回も2番復活だ。やっぱりオレのマーラー人生は、復活に困るようになっているんだと、つくづく思いました。


そして昨日、「復活」の指揮に生涯をかけた男、ギルバート・キャプランの日記を書いた。


その翌日にまさか復活のチケットが出てくるとは!(笑)


効果あったかな?
やっぱり自分には音楽の神様がついているんだ、と思いました。


それも本チャンの生演奏のチケットでなく、ライブストリーミングのほうのチケットとはいかにもオレらしい。でもそれが結局、マーラー・パビリオンをも体験できる横裾を広げることになったんだから万事オーライだ。


もし、この後、本チャンの復活のリターンチケットが出てきたらどうする???(笑)買うか?そのままにするか・・・きっとプラチナだからプライスレスに凄い跳ね上がっているだろう。


確保してある予算もだんだん目減りしてきて、そこまでして、懐を痛めなくても、いまのままでOKじゃないのか?


コンシェルジェからの情報によると、コンセルトヘボウの営業と話す機会があったらしいのだが、ライブストリーミングはヨーロッパでも取り入れられ始めており自信があると言っていたそうだ。


ただ、コンセルトヘボウの隣の広場でのマーラー・パビリオン内のスクリーンへのライブストリーミング、コンセルトヘボウとしても初の試み。また、ヨーロッパ内でライブストリーミングの装置機材を使いまわしている、とも言っていたそうだ。


なんか生々しくてドキドキしてきたな。(笑)


オーディオマニア目線でしっかりとチェックしてきたい。
画質はブロックノイズなんか出ていないか?画質のクオリティーはどうか?音質はどうなのか?


できればどういう信号諸元で伝送されているのかも知りたい。


もちろん大型テントの中がそもそもどんな風景なのか、またシステムの機材の様子の写真なども撮影してしっかりレポートしてきたい。


マーラーフェストは、結局つぎの4つのイヴェントがおこなわれると要約することができる。


要はアムステルダムでおこわなわれるマーラーフェスト2020って全部でどんなことをやるの?と言われれば、この4つのイヴェントに要約できる、ということだ。


①アムステルダム・コンセルトヘボウでのコンサート
②マーラー・パビリオン(大型テント)でのイヴェント
③アムステルダム市街での施設(映画館・美術館・ライブハウス)での映画、展示、コンサート。
④各家庭へのオンラインのライブストリーミング


④については、2020年3月に発表があるので、そのときにまた報告する。


この4つのイヴェントの詳細は下記に記されている。ぜひご覧ください。



この日記では、②のマーラー・パビリオンについてさらに詳しく紹介してみたい。


マーラー・パビリオン(Mahler Pavilion)では、ライブストリーミングの他に、本番のコンサートの前の講義であるMalher talks、マーラーに関する映画やドキュメンタリー、ランチコンサート、そしてマーラーの時代にあったいまとは異なる様々な決まりごとについては、権威ある学者、プレゼンターによる講義などが企画されている。


フェスティバルの最初の1週間は、ウィーンの国際グスタフ・マーラー協会と、オランダのグスタフ・マーラー財団による2日間のシンポジウム~マーラーの交響曲と歌曲でつかったテクストについて:Life and Death(生と死)~が開催される。


飲み物や食べ物については、フード・トラック(キッチン・カー)というスタイルで提供される。”マーラー・カフェ”と言うそうだ(笑)。



マーラー・ドキュメンタリー


10の短いドキュメンタリーが、コンセルトヘボウからの依頼によって制作会社MediaLaneTVによって委託されてきた。もちろんその一部はマーラー財団によって出資されているものなのだが。ドキュメンタリーは各交響曲についてひとつずつ作られていて、その交響曲についてのバックグランド、環境などが描かれている。これらのドキュメンタリーはコンセルトヘボウのメインホールでコンサートの前に、そしてマーラー・パビリオンでライブ・ストリーミングで放映される。



マーラーと若い子供たち


オーディエンスには、マーラーの作品について紹介されることになる。コンセルトヘボウは、マーラーについての特別レッスンを、デジタル '123ZING'プログラムを通して提供する。そして2月上旬、”私、私自身、そしてマーラー (Me,Myself and Mahler)”というタイトルのプロダクションが発起され、10歳、11歳くらいの4000人の学校の子供たちが参加する予定である。春の終わりの頃のシーズンの春休みでは、Vreemde Vogels ”奇妙な鳥”とタイトルのつけられたファミリーコンサートが、Staatsbosbeheer(オランダ政府による環境保護政策団体)との協力で森の自然の中やホーゲフェルウェ国立公園で開催されることになる。



アムステルダム市街でのマーラー


他のアムステルダムの文化教育機関も同様にマーラーフェスティバルに参加する。パラディソ(1960年代後半のヒッピー運動がきっかけとなって設立されたライブハウスで、今でもオランダで一番有名なステージ)、アムステルダム国立美術館、そして映画館 Bellevueなどもホストコンサートや映画上映をおこなう。


ゴッホ美術館もマーラー、そして同時期に生きた人、グスタフ・クリムト(世紀末ウィーンを代表する帝政オーストリアの画家)やオスカー・ココシュカ(20世紀のオーストリアの画家。 クリムト、シーレと並び、近代オーストリアを代表する画家の一人)について、マーラー・パビリオンの中で講義をおこなう。


アムステルダム国立美術館は、”マーラーとオランダの友人たち”というタイトルで、マーラーやメンゲルベルクや他のオランダの友人たち、作曲家のアルフォンス・ディーペンブロックなどの写真を額縁入りで、特別に展示する予定である。


年初の日記での紹介では、やや漠然とした形で風呂敷を広げるような感じであったが、ここにきて、結局どんなことをやるのかが明確になったといえる。


それじゃ、結局自分が現地にいってやるべきThings To Doってなに?ということになると、


・アムステルダム・コンセルトヘボウでメインホール(交響曲、歌曲)とリサイタルホール(歌曲室内楽版)でコンサートを聴く。
・マーラー・パビリオンで第2番「復活」のライブストリーミングを鑑賞する。
・マーラー・パビリオンでランチタイム・コンサートを楽しむ。
・アムステルダム国立美術館で、”マーラーとオランダの友人たち”の絵画展を鑑賞する。
・アムステルダム国立美術館で、いま修復中(修復されているが鑑賞可能になっている。)のレンブラントの”夜警”を鑑賞する。(マーラーはこの絵画を見てインスピレーションを得た。)


いま決まっているのは、まずはこれだ。


マーラー・パビリオンで開催されるランチタイム・コンサートはぜひ体験したいと思う。


13:00~13:30の30分だけのコンサートで、無料コンサートだ。(無料だけれど、でもチケットは必要。定員数が決まっているから売り切れにならない内に買っておかないと。。。)


このコンサートでは若くて才能のある有名なアーティストを楽しむことができる。マーラーの音楽とはちょっとアレンジの違う音楽、マーラーと同世代の音楽や、マーラーの影響を受けているクレズマーやジャズのような幅広いジャンルの音楽の作曲家の方々の音楽など・・・。


自分が参加する予定のこのフリーランチタイム・コンサートの日程を紹介しよう。
全部で5公演行くつもりだ。



2020/5/11(月)13:00~13:30 Free Lunchtime Concert in Mahler Pavilion


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ピアノラを伴奏にしてのマーラー歌曲の独唱。

ソプラノ:ジャネッテ・フォン・シャイク


ピアノラは、ピアノラ博物館の協力による。

ピアノラ:穴の開いたテープを用いて鍵盤を動かす、機械的に演奏されるピアノ。
     (マーラーの歌曲がプログラミングされている。)



2020/5/12(火) 13:00~13:30 Free Lunchtime Concert in Mahler Pavilion


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クレズマー音楽
(東欧系ユダヤ(イディッシュ)、アシュケナジムの民謡をルーツに持つ音楽ジャンルのひとつ。)


'Trio C tot de derde'
ヴァイオリン:カール・デン・ヘルトッグ
クラリネット:カスパー・テラ
アコーディオン:クー・レッテイング




2020/5/13(水)13:00~13:30 Free Lunchtime Concert in Mahler Pavilion


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レオ・スミットの作品。
マーラー歌曲室内楽版など。


Leo Smit Ensemble(レオ・スミット・アンサンブル)
ソプラノ:イレーネ・マイセン
フルート:エレーノア・パーメイヤー
ピアノ:トービアス・ボースブーム


レオ・スミット財団の協力による。


レオ・スミット

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オランダの作曲家。 アムステルダム出身。ポルトガル系ユダヤ人。アムステルダム音楽院でセム・ドレスデンについて作曲を学んだ後、1927年にパリに出て、モーリス・ラヴェルとイーゴリ・ストラヴィンスキーに大きな影響を受けた。死後長らく忘れられた存在だったが、1980年代から定期的に作品が演奏されるようになり、1996年にレオ・スミット財団が設立された。




2020/5/14(木)  13:00~13:30 Free Lunchtime Concert in Mahler Pavilion


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ピアノ連弾

マーラー交響曲第6番 第2楽章 アンダンテ
マーラー交響曲第6番 第3楽章 スケルツォ


ピアノ:ヴィヴィアン・チョウ
ピアノ:シェーン・モーガン・ルーニー




2020/5/15(金) 13:00~13:30  Free Lunchtime Concert in Mahler Pavilion


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シェーンベルグ 浄められた夜
マーラー交響曲第5番 第4楽章 アダージェット


オランダ・ユース・弦楽オーケストラ
指揮:カール・デン・ハートッグ


あとThings To Doの中に入れるべきかどうか残されているのは、シンポジウムとMahler talksを入れるかどうかなんですよね。


Mahler talksは、その交響曲&歌曲が演奏される直前に、その曲についての解説、いわゆるパネルをつかったプレトークみたいなものだと思う。でも正直言ってマーラーの曲はもう完璧な知識があるから、今更45分程度のプレトークを聞きたいとも思わないんですよね。なんといっても有料なので。無料だったら聞くかもしれませんが。


問題なのは、やっぱりシンポジウムのほうだと思う。


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Life and Death(生と死)~マーラーの交響曲と歌曲でつかったテクストについて。2日間のシンポジウムなのだが、これはやっぱり受けたいかな?ウィーンの国際グスタフ・マーラー協会と、オランダのグスタフ・マーラー財団によるシンポジウムですからね。


これは貴重な経験だと思うんですよね。プログラム冊子みたいなものが配布されれば最高です。きちんと記録に残る。1日50ユーロだから5000円強。2日で1万円越えですか。


ちょっと悩ませてください。



あとは、マーラーの写真展や遺品などの展示会はどこでやるのであろうか?
マーラー・パビリオンの中でやるのだろうか?


そしてマーラーフェスト2020の記念グッズ売り場、これももうバンバン全部買っちゃいたいです。これもマーラー・パビリオンの中なのだろうか?


アムスのホテルは、コンセルトヘボウの近く。そしてマーラー・パビリオンもコンセルトヘボウの向かいの広場だとすると、フェスティバル期間中はずっとここら辺に居るという感じでしょうね。


アムス市街までトラムで出たりする時間はないと思う。


フェルメール美術館や、どうしても行きたいオランダ料理レストラン、そして運河の風景も写真に撮っておきたい。


あと、いまは言えないが極秘プロジェクトで訪問するところがある。(笑)


こういうミッションを満たす時間はあるのだろうか。



最後に、このマーラーフェスト2020をスポンサーしてくれる現時点での企業を紹介しよう。


まず、スポンサーとパートナー。


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そしてファウンディングとGrant Provider。


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まぁマーラー財団、メンゲルベルク財団、コンセルトヘボウ財団のほかオランダ企業多し。妥当と言えば妥当だが、放送・インターネット関係、IT・電機メーカー関係が見当たらないんだよね。この記念すべきフェスティバルの模様はぜひ放送してパッケージメディアとしても一般販売してほしいと思っているから、そういう関連の企業が見当たらないのがちょっとさびしい。


いくらいまのご時世とはいえ、ライブストリーミングで、ハイ終わりじゃなぁ~。(笑)


後世にちゃんと形として残してほしい。マーラーフェスト1995の非売品CD-Boxみたいな知る人ぞ知るというようなマイナーな扱いではなくて、ちゃんとメジャーな市場で一般商品として売ってほしいのだ。オーディオSACD Box(SACDはポリヒムニアなら絶対できる!)と映像Blu-ray Boxとして。(もちろんハイビジョンHD用CCD撮像素子の業務用カメラで撮影された完璧なHD画質で!(笑))


新型コロナウィルス騒動で、クラシック業界のみならず経済への大打撃などお先真っ暗な毎日のニュース。自分もマーラーフェスト2020に果たして行けるのか、全然不透明だけれど、ただ毎日鬱状態でボーっとしていても精神の健康に悪いだけ。


希望は捨てないよ。
ネバーギブアップ!!!


せめてこういう日記でも書いていたほうが気分晴らしで精神的にもいいや!(笑)









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