じつはホワイト・アルバムが素晴らしい! [海外ロック]
「ゲット・バック・セッション」の日記でも書いたが、子供の頃にどうしても欲しかったビートルズのレコードがあった。でもお小遣いが少ないから、どうしても優先度があって買えなかったレコード3枚である。
ホワイトアルバムとリボルバー、そしてラバーソウルの3枚。
この3枚は、そのレコードとしての作品性がすごく評価されていたレコードで、当時欲しくて欲しくて堪らなかった3枚である。
もちろん買えばよかったのだけれど、その頃は、優先度があってサージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンドと、アビーロード、そしてレット・イット・ビーの3枚買うのが精いっぱい。あとは赤盤と青盤でビートルズの曲を全曲網羅する、という感じでその物欲を満たしていた。
うちは貧乏家庭だったから、そんなにお小遣いをもらっていなかった。(笑)
ビートルズに熱中していたのは、中学生、高校生くらいまでで、大学生からはもう卒業で音楽性の趣向もどんどん変わっていった。
あれから何十年経過したのだろう。
いま、この3枚を聴いている。
感慨深いです。
やっぱり自分の予想していた通り、本当に作品として素晴らしいクオリティーの高さ。ビートルズのメロディーメーカーとしての類まれなセンスは、50年以上経過した、いま聴いてもまったくもって新鮮で驚くばかりだ。
●ホワイトアルバム
1968年11月22日に発売されたビートルズの10作目のオリジナル・アルバム。正式な名称は「ザ・ビートルズ」だが、ジャケットが真っ白一色だから俗称「ホワイト・アルバム」と言われている。
2枚組である。
レコーディングの期間中リンゴが一時グループを脱退(厳密には「レコーディングをボイコットした」という言い方の方が近い)したエピソードがあったことから、ビートルズ崩壊の始まりと言われる作品でもある。(笑)
自分は初期、中期のしっかりと曲としての形式感が整っている感じより、どこか退廃的で、崩れている感じの美しさが漂う後期の曲のほうが好きである。だからSgt.Papersは本当に素晴らしい画期的なアルバムだと思うけれど、自分の好みからするとアビーロードのほうが全然好きなのである。
ホワイトアルバムも後期のアルバムなので、そういう後期独特の退廃的な美しさがあるに違いないとずっと確信していたのだ。(Sgt.Papersとアビーロードの間の作品)
実際聴いてみたら、期待を裏切ることなく、まったくもってじつに素晴らしいアルバムであった。
ポールはビデオ版「アンソロジー」の中で「このアルバムは脈絡がないだとか、ソロの曲ばっかりだとか言われるけど、後から色々言うのは簡単さ。ビートルズのホワイト・アルバムだぞ。黙れってんだ」と語っているそうだ。(笑)
まったくその通り!
Sgt.Papersがコンセプトアルバムとして画期的なアルバムだったので、その後にリリースされただけに、どこかソロ作品の集合体といった趣もあり、全体としてのまとまりに欠けると評されることが大方の評価だったようだ。
4人のメンバーがいままでのような一致結束の絆の強さのサウンドから、もっとそれぞれにソロ志向が強くなって、バンドとしてバラバラになっていく兆しとなったアルバムでもあった。
でも、そこに自分が好きな後期独特の退廃的な崩れていくような美しさ、の匂いを感じ取っていた。 今回初めて聴いてみて、まったく期待を裏切らない、予想以上に素晴らしい出来に感動してしまった。
フォーク、カントリー、ヘヴィ・メタル、ブルース、ジャズ、クラシック、現代音楽・・・など4人が”個”をぶつけあった結果生まれた音楽性の幅広さは、曲数の多さもさることながら、ビートルズの集大成と呼べるもの・・・確かにそう思う。
このアルバムで有名な曲は、「バック・イン・ザ・U.S.S.R」、「オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ」、「ブラックバード」、「レボリューション」とかあり、それはすでに知っていた。
でも今回全曲通して聴いてみて、さらに素晴らしい曲を発見。
「マーサ・マイ・ディア」
「ロッキー・ラックーン」
「ハニー・パイ」
「バースディ」
「サボイ・トラッフル」
「ロッキー・ラックーン」
「ハニー・パイ」
「バースディ」
「サボイ・トラッフル」
などなど。
シングルカットされていない、このアルバムを聴かないと発掘できていなかった名曲ばかりだ。このアルバムを聴くと、やっぱりジョンはロックンロール、ポールはポップスというそれぞれの得意なキャラクターが浮き彫りになる感じだ。もちろんジョージやリンゴもそれぞれキャラが出ていて素晴らしい。
「マーサ・マイ・ディア」なんて、まさにこれぞ、ポールの曲!という感じ。自分がいままで聴いていたポール愛そのまま、メロディメーカーとしての天才ぶりを遺憾なく発揮している、と思う。
”全体としてのまとまりに欠ける”ではない。
”音楽性の広さ”である。
”音楽性の広さ”である。
ぜひ聴いてみてほしい。
●リボルバー
これもどうしても子供の頃聴きたかったアルバムだった。
お小遣いがなくて買えなかった。
お小遣いがなくて買えなかった。
これはその中学生のときのおぼろげな記憶なのだけれど、ビートルズ3大アルバムと雑誌が勝手に命名していたチョイスがあって、それがSgt.Papersとアビーロードとこのリボルバーだったと記憶している。
その当時のすべての雑誌のライターが推薦しているチョイスだから、余計聴きたかった。Sgt.Papersとアビーロードはすでに持っていたので、あとはこのリボルバーだけだったのだ。
ジャケットがかなりインパクトが大きかった。
子供心に強烈なインパクトだった。
子供心に強烈なインパクトだった。
当時の技術的制限下では、コンサートでは再現できない楽曲が多く、「リボルバー」発表後「リボルバー」の曲がビートルズのコンサートで演奏されることはなかった。ライヴ・バンドからレコーディング・バンドへと変化する、過渡期の作品だと言われている。
ジャケットのサイケデリックなデザインといい、レコーディング・バンドになる立ち位置を明確にしたという点で次作のSgt.Papersへステップアップするための踏み台になった作品だった。
これも初めてアルバムとして、全体を聴いてみたが、じつに秀逸な作品ですね。
やっぱり中期に位置する作品だけあって、アルバム自体がきちんとした形式感というか、型にはまっている感じですね。この頃は4人とも一致団結してまとまりがあった。
あとこのアルバムで注目する点は、このアルバムからジョージが佳曲を生み出す才能を見せ始めたという点ですね。このアルバムでは3曲提供しています。ジョージは当時インド(とそのインド音楽)に凝っていて、その作曲した曲の中でもインドテイストな感じが見受けられます。
このアルバムで有名なのは、「エリナー・リクビー」、「ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア」、「イエロー・サブマリン」、「グッド・デイ・サンシャイン」があって、これは当然よく知っていた。
そういうシングルカットされていないこのアルバムを聴いたからこそ、見つけることができた掘り出しモンは、
「ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ」ですね。
これは最高にカッコいい!
まさにこれぞポールの曲という感じ。ポール愛が最高に唸りを上げるカッコよさですね。
ポール天才!
●ラバーソウル
このアルバムも欲しかったんだよね。
ビートルズの初期のアルバムの最後にあたる作品で、作品のクオリティがすごい高いという認識だった。
ビートルズの初期のアルバムの最後にあたる作品で、作品のクオリティがすごい高いという認識だった。
使用する楽器の幅が広がって、次作のリボルバーの実験的なアルバムに行く前の兆候が見えだしたアルバムでした。いまこうやって聴いてみると、やっぱり初期のアルバムだね。
でも本当にいい曲ばかり。若々しくて、きちっと形式感がある。売れるポップソングですね。
このアルバムの中には「ミッシェル」が入っている。
これも子供の頃の思い出だけど、ビートルズの3大メロディアスな名曲というのがあって(この当時はなんでも3大〇〇〇でしたね。)、それは、イエスタディとこのミッシェルと、あと残り1曲が思い出せない。このラバーソウルは、そのミッシェルが入っているアルバムということで思い出がある。
このアルバムでは、「ノルウェーの森」、「ミッシェル」、「ガール」、「イン・マイ・ライフ」が有名だけれど、このアルバムを聴いたからこそ見つけた掘り出しモンは、
「ユー・ウォント・シー・ミー」
「君はいずこへ」
「ウェイト」
「浮気娘」
「君はいずこへ」
「ウェイト」
「浮気娘」
ですね。
やっぱり聴いていて、そのコード進行に思わず自分が反応してしまうのは、ポールの曲だけど、「ウェイト」や「浮気娘」はジョンの曲。ジョンはやっぱりカリスマがあってカッコいいですね。
尚、誤解のないように釈明しますが、基本、ジョンの曲、ポールの曲ということはなくて、全曲「レノン=マッカートニー」の共作です。メインでやったほうが、リードボーカルをとることが多いです。
どちらか1人がメインであっても、クレジットは「レノン=マッカートニー」です。
どの曲が、どちらがメインかは謎です。ポールもいまもclarifyしません。
ということで、子供の頃からの夢をいま果たしました。
この3枚だけじゃなくて、他のオリジナル・アルバムやマジカル・ミステリー・ツアーやイエローサブマリンのようなサントラに至るまで、ビートルズの全アルバムをいま夢中になって聴いています。
2020-03-17 20:41
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