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ライプツィヒ・マーラーフェスティバル 2021 [海外音楽鑑賞旅行]

マーラーフェスティバルというのは、世界中でマーラーに所縁のある国、土地などで開催されているので、なにもアムステルダムだけではないのだ。マーラーフェストとしては、アムステルダムが1番歴史が深いが、その他の都市として、ライプツィヒやニューヨークなどでも開催されている。


マーラーフェストとしては、やはり毎年開催するものではなく、何年に1回というレアな音楽祭のようだ。


ライプツィヒで開催されるマーラーフェスティバルも、じつは本家アムステルダムに負けず劣らずスゴイキャストでマーラーの交響曲全曲が演奏されるのだ。


ライプツィヒで最初にマーラーフェスティバルが開催されたのは、9年前の2011年。
マーラー没後100周年記念の行事の一環として、マーラー音楽祭が設立された。
そして来年の2021年に2回目のマーラーフェスティバルが開催される。


ライプツィヒ・マーラーフェスティバル2021



比較的新しいマーラー音楽祭なのである。


ライプツィヒはグスタフ・マーラー所縁の街のひとつ。1886年の夏、28歳のマーラーはライプツィヒ市立劇場(歌劇場)の副楽長に就任。首席楽長が病気で休養したことで、1888年夏までの2シーズンの間に200以上の公演を指揮、その名を欧州楽壇に知らしめた。この成功がブダペスト王立歌劇場の音楽監督のポストを呼び、指揮者としての活躍が本格化。


また、交響曲作家としての地歩を固めたのもライプツィヒだった。劇場のオーケストラ・ピットに入っていたのはライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団。彼らもまたウィーン・フィルなどと同様、マーラー直伝の伝統を持っている。


2011年、マーラー没後100年に、本拠地ゲヴァントハウスで開催された「ライプツィヒ国際マーラー音楽祭」。この音楽祭は、作曲家の命日を含む5月17~29日に開催され、ゲヴァントハウス管がホストとなって世界の名門オーケストラと指揮者を招き、日替わりでマーラーの全交響曲を分担して演奏するという豪華な企画。


ゲヴァントハウス管は、リッカルド・シャイーの下、開幕コンサートで交響曲第2番「復活」を、そして閉幕コンサートでこの第8番「千人の交響曲」を演奏した。交響曲第8番は、指揮者でもあったマーラーが自身で初演した最後の作品でもあった。


ドイツ東部、ザクセン州のライプツィヒに拠点を置く「ゲヴァントハウス管弦楽団」は、1743年に民間の手によって創設された世界最古の民間管弦楽団である。カペルマイスターには、フェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディをはじめ、アルトゥール・ニキッチやクルト・マズア、そしてリッカルド・シャイーなど、錚々たる人物が名を連ねている。


第21代となる現在のカペルマイスターは、ラトビア出身のマエストロ、アンドリス・ネルソンス氏。世界的に有名な客演指揮者とソリストが、年間約70におよぶ主要コンサートに出演をし、「ゲヴァントハウス」「ライプツィヒオペラ」「トーマス教会」の3つの会場で演奏を行う他、毎年7月から8月にかけてバイロイト祝祭劇場で開催されている「バイロイト音楽祭」にも同楽団から多数出演している。


ゲヴァントハウス管弦楽団は、マーラーの没後100周年にあたる2011年に最初の「マーラーフェスティバル・ライプツィヒ」を開催したが、その第2回目が2021年の5月13日から24日まで開催される。


会期中は、同国の「ベルリンフィル」や「バイエルン放送交響楽団」をはじめ、「ロンドン交響楽団」や「ウィーンフィル」、さらには「グスタフ・マーラー ユーゲントオーケストラ」「ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団」など、世界トップレベルのマーラーオーケストラがライプツィヒに集い、作曲家マーラーの交響曲全曲を演奏する。


この2021年はマーラー没後110年にあたると同時に、世界的なオーケストラの演奏によりマーラーの全交響曲とオーケストラ作品が聴ける類まれな音楽祭である。




なんか、アムステルダムのマーラーフェストに負けず劣らずというか、ひょっとしてこっちのほうがスゴイ?(笑)


ライプツィヒのケブァントハウスの大ホールでおこなわれる。


下の写真は、ボクが2014年にライプツィヒ・バッハフェスティバルを訪問した時に撮影したライプツィヒのケブァントハウスの大ホールの写真。非常に音の濃いじつに素晴らしい音響であった。


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第2回目の2021年のライプツィヒ・マーラーフェスティバルの日程。


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これ見るとすごくねぇ?(笑)
あきらかにアムステルダムの本家本元よりすごいキャストだ。


なにが違うかと言うと、アムステルダムは、基本はRCO/BPO/VPOにそれぞれ2曲づつ担当させているのに対し、ライプツィヒのほうは、各々の楽団に1曲づつ担当させ、その代わり、たくさんの楽団を呼んでバリエーションを豊かにしていること。


ただし例外として、本拠地のアンドリス・ネルソンズ&ケブァントハウス管弦楽団は、2曲担当、しかもそれを複数回演奏することだ。(2番「復活」は2回、8番「千人の交響曲」は、なんと3回!)


前回の2011年の時も、指揮者はリッカルド・シャイーだったが、ケヴァントハウス管弦楽団は、開幕コンサートで交響曲第2番「復活」を、そして閉幕コンサートでこの第8番「千人の交響曲」を演奏した。


今回もそれに倣ったという感じだろう。


交響曲第8番は、指揮者でもあったマーラーが自身で初演した最後の作品。その演奏規模の巨大さから、初演時の興行主によって「千人の交響曲」と名付けられた。マーラー第8番は、このライプツィヒにとって、もっと所縁のある曲。だから3回も演奏するのだな。


ラトル&ロンドン響がラトル得意のマーラー6番。

ヤクブ・フルシャ&バイエルン放送響のマーラー3番。

ゲルギエフ&ミュンヘンフィルのマーラー4番と大地の歌。
しかもメッゾにエレザーベト・クールマン、バリトンにアンドレアス・シャガー。


本当にすごいキャストだ。


そしてアントニオ・パッパーノ&シュターツカペレ・ドレスデンのマーラー7番。


RCO/BPO/VPO以外に、すごいバリエーション豊かなキャストだ。
恐れ入った。


もしアムステルダムのマーラーフェストが中止になった場合、自分はこのライプツィヒのマーラーフェストをどのような気分で外から俯瞰していただろう。


きっと心中穏やかでいられる訳でもなく、耐え難い屈辱に感じていたかもしれない。(笑)アムステルダムがオンラインで開催してくれることになったのは、せめての救いだろう。


問題は、2021年もCOVID-19が収束している状態にあるかどうか、だ。


1年じゃ無理。2~3年はかかるという専門家の予想なので、そうするとこのライプツィヒのマーラーフェストもきっと開催されるか、中止・延期するかで悩まされるだろう。


あるいはアムステルダムのように、Social Distancingを施した形で、無観客ライブストリーミング配信になるのかどうか。


ニューヨークでもマーラーフェスティバルは開催される。マーラーは人生晩年、ニューヨーク・フィルの音楽監督に就任して、ニューヨークで音楽活動を行っていた。そして、あのマーラー音楽の使途であったレナード・バーンスタインもニューヨーク・フィルの音楽監督であった。


ニューヨークもマーラーにとって、所縁の深い街なのだ。


いまニューヨークでは、「マーラー・デジタル・フェスティバル」というのが開催されている。


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ニューヨーク:マーラー・デジタル・フェスティバル



ニューヨークフィルのマーラー演奏のアーカイブをオンライン・ストリーミングで配信するという試みだ。

ニューヨークは、まさにCOVID-19で苦しんでいる世界一の都市だ。


いずれにせよ、ライプツィヒのマーラーフェストには直接行く予定はないので、高見の見物とさせてもらうことにしよう。ストリーミング配信してくれたら、最高だ。


自分としては、目下のところ、アムステルダムのマーラーフェスティバル・オンラインのほうに集中することはいうまでもない。









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