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アナログレコードって壊れやすいんですね。 [オーディオ]

まさかなことが起こってしまった。


エミール・ベルリナー・スタジオによる渾身のダイレクトカットLPの第3弾のヤクブ・フルシャ&バンベルク響のスメタナ「わが祖国」のレコードを床に落としてしまった。


ラックの上にちょこんと無造作に置いていて、しかもそのレコードを聴いている最中だったから、ハードケースから取り出している状態だ。


ラックの高さは1mもない90cmくらいの高さ。


そこで、自分はそのラックの傍を通るときに、そのレコード一式に体が触れてしまい、そのレコード一式3枚を床に落としてしまったのだ。


バン!という音が鳴って床に落ちた。

「あちゃ~(号泣)」


慌てて、レコード盤面を眺めたが、割れたりとか、ヒビが入っていたりとか、損傷は見た目ではまったくなく、あぁぁ~大丈夫だった。


よかったぁと胸をなでおろした。


そして翌日、またそのレコードを聴こうと思って、ターンテーブルにかけて再生すると、いきなり強烈なスクラッチノイズみたいな音が、「バリバリバリ」と鳴る。


スクラッチノイズのちょっと大きい感じだったから、レコードを何回もクリーニングしたり、カートリッジの針先をクリーニングしたりしたが、症状変わらず。


れれれ~?レコードプレーヤーが壊れてしまったかな?

もう大ショック。

またプレーヤー買う予算なんてないよ~!

でもいい機会だから、これを機に高級ターンテーブルを購入といきますか?(笑)

なんて邪な思いも頭を過り、困ったな~どうしよう?と思っていた。

昨日までごく普通に再生できていたのだ。


プレーヤー、もしくはオーディオのPHONO経路の故障なのか、はたまたレコード盤の損傷なのか、原因の切り分けをしないといけない。


他の33回転のLPを再生したところ、別に問題なし。

フルシャのダイレクトカットLPは45回転なのだ。

45回転だけおかしい、ということはなかろう。


あちゃぁ~そうするとレコード盤の損傷。
そういえば昨日、床に落としたしなぁ。

でも見た目、全然綺麗でいっさい異常なし。


正直大ショックだった。


貴重な貴重なダイレクトカットLP。限定生産1111枚で、当然もういまや全部どこでもソールドアウトの完売。


しかたがないので、ネットで中古市場を探しまくった。

苦労して探した結果、あった!

eBayでアメリカ出品で新品未開封なものが。

もうすぐに落札。

USD$250


もうまた今月のクレジットカード決済の請求書、大変なことになっているはず。

まさかダイレクトカットLPを2組セット買う羽目になるとは思いもよりませんでした。(笑)


もしこれで再生してダメだったら、オーディオ側の故障。そうなると修理費用など大変なことになるなぁ。またアナログはしばらく聴けないということか・・・


ちょっと落ち込んでブルー気分に。

そうして1週間後、新品未開封が送られてきた。
急いで開封して、ドキドキしながら再生してみる。


いっさい異常なし!!!


よかった~~~。


レコード側の損傷だったんですね。見た目、まったく問題なくいっさい外傷などないのだけれど、やはりレコードの内なる内層のところでひび割れが入っていたんでしょうね。


3枚ともNGだったから、3枚とも逝ってしまったとは。

しかしアナログレコードって壊れやすいんですね。

1mもない高さからでも成仏してしまうとは。


昔のSPレコードなら、割れやすいので床に落としたりしたら割れたりするのは当然だった時代があったけれど、LPレコードもこんなに損傷しやすいものだったとは改めて驚きました。


まっ床に落とすということ自体やった経験がありませんでしたので。(笑)


でも結果オーライ。


お高くつきましたが、貴重なダイレクトカットLP第3弾が無事復活してよかった、よかったです。こうやっていま我が家には、フルシャ&バンベルク響のスメタナ「わが祖国」が2組セットあるのでした。(笑)


DSC03647.JPG



ちょっとこの場を借りて一席ぶつことをお許し願いたい。自分が常日頃思っていたこと、考えていたことで、いつか日記で書きたいと思っていたことだ。


アナログレコードとCDの違い。


もちろんその音源の録音の良さに左右されることはもちろんだけれど、記録媒体そのものがもつ音質の差というのは、いまから書くことに起因しているのではないだろうか。


アナログレコードとCDの自分の聴感上の1番の違いは、アナログレコードは、周波数レンジ(F-レンジ)が広大であること、高音域や低音域の軸方向に音が伸びていると感じること。


つまり音が濃い、すごい濃厚なんですよね。


この表現が一番わかりやすいしっくりくる表現なのではないかと思う。よくCDは音が冷たいけれど、アナログは音に温かみがある、なんていう印象もここに起因するんじゃないかな。


CDを聴いて、アナログレコードを聴くと、「音がいい」と感じる感覚は、この周波数レンジの違いが1番大きいのではないか、と自分は思うんですよね。


CDは、高域は20KHz以上をLPFでカットしているし、低域も20Hz以下をHPFでカットしている。CDが20kHz以上の高周波数帯域をカットしている理由は、人間が聴くことの出来る音の周波数が、平均的に20Hz~20,000Hz (20kHz)であるということに基づいている。


超低域は耳の健康に悪いし、まずオーディオ機器を壊しますよね。(笑)


でも・・・


音楽、とくにクラシック音楽は、楽器や声の基音に対して、その倍音成分が音を素晴らしく美しく聴こえさせるために重要な役割を果たしていることはみなさんも知っての通り。


それをフィルタで倍音成分を全部カットしてしまったら、その音を美しく聴こえさせる成分がなくなってしまうんだから、それはなんとも味のない音になってしまうのはもちろんのことだ。


コンサートホールの生の音は、周波数帯域の高音側も低音側も全くカットしていない。


人の可聴領域の外の超高音や重低音を本当に人が音としては感じていない可聴領域の外の情報に、じつは人間の快感や感動があるということだ。


もっとぶっちゃけた感想をいうと、アナログを聴いた後にCDを聴くと(最近同じアルバムをCDとLPの両方買って聴き比べることが多い。)なんか音の情報の欠落感、角が全部取れて情報が欠落している感覚がありますね。


それもここに起因するところなのではないか、と思います。


自分は昔からアナログが音がよく聴こえてしまうのは、ここなんじゃないかな、と常々思っている。でもアナログの場合、カートリッジの性能次第で、この周波数レンジは違っていたりする。高音質に対応するカートリッジとレコードプレイヤーを使用して再生することが不可欠であろう。アナログレコード (LPレコード)の録音は周波数帯域がカットされていなくても、カートリッジ(レコード針)の仕様に再生可能な周波数帯域が決められていて、そこで制限されていたりする。


九州へオーディオオフ会、地方遠征に行ったときのお宅で聴いたあのアナログレコードの音の濃さは忘れられないです。あのぶっ太い濃い音は、自分のアナログ再生ではまず無理です。


これがアナログの音かぁと思いました。(まだアナログブームの始まりかけた昔でしたが。)


いっぽうで、自分はアナログ派か、というとそんなことはまったくない。(笑)
アナログはまったくの腰掛程度である。

やはりここはCDのほうが優れていると思うところもたくさんある訳で。


自分が、CDのほうが断然いいと思うのは、そのダイナミックレンジ(D-レンジ)の広大さだ。これはダイナミックレンジというのは音のレベルの高低範囲、いわゆる深さのことをいっていて、いわゆる記録媒体での器の大きさみたいなものだ。


これは文句なしにCDのほうがいい。


特にオーケストラの大編成の音楽を聴いていると、ダイナミックレンジの違いはあきらかに違うし、その空間表現、ホール感の再現なんか、完全にCDのほうが卓越していると感じる。


自分の録音の嗜好は、クラシック音楽の録音だったなら、やはりダイナミックレンジがとれているかどうか、を非常に重要視していて、D-レンジが広いと、必然とこの音源は録音がいい、と自分の耳が反応してしまう。


ダイナミックレンジが広いと、その音空間が立体的に聴こえますね。


逆にアナログレコードはダイナミックレンジがあまり広くない記録媒体なのだ。


音声信号は、解析軸として周波数レンジ(F-レンジ)(高音域~低音域)とダイナミックレンジ(D-レンジ)(高レベル~低レベル)の2つがあり、周波数レンジに思わず耳が反応してしまう人と、ダイナミックレンジについつい耳が反応してしまう人と、その人の固有な耳の特徴なのだと思う。


ハイレゾ表示の96KHz/24bitの96KHzが周波数レンジで、24bitがダイナミックレンジのことです。

16bit録音と24bit録音では、もう天と地の違いがあります。クラシックのオーケストラ録音は16bit録音はだめですね。絶対24bitはD-レンジが必要です。


2chステレオ再生よりサラウンド再生のほうがごく自然で素晴らしいと思うのも、このダイナミックレンジの違いがダントツに素晴らしいことが一番の理由である。


人間の耳は、生まれた赤ん坊のときからサラウンド環境なのである。
いろいろな方向から音が飛んでくるのを、2つの耳が感じ取っている。


コンサートホールの座席で聴こえる音も、ステージからの直接音、天井、壁、床からの四方からの反射音など、いろいろな方向から飛んでくる音を聴いている。


その空間を正確に再現するには、やはりマルチチャンネルでないと不可能なのである。前方に置いた2本のスピーカーからの再生では無理、限界があるのだ。


その空間を多数のマイクで集音し、それぞれの音が伝搬、やってくる方向から同じようにきちんと再生してあげることで、本来の生音の空間に近づけるのではないか。


オーディオ界はいろいろなポリシーを持った人の集まり、いわゆる流派というのがあるけれど、自分はこの論者の派閥に属する。


CDのほうがアナログレコードより優れているところは、まだまだある。


レコードの持つノイズ、回転ムラ(ワウ・フラッター)の排除、ダイナミックレンジの拡大、チャンネルセパレーション(左右の音声信号の分離度)の向上といった点は、やはりCDのほうがいい。・・・というか、こういうレコードの持つ欠点を改善するためにCDというフォーマットが生まれたのであるから当たり前といえば当たり前だ。


特にS/N感の良さ、クリアな感じ、そしてなんといっても定位感の良さは、やっぱりCDのほうが断然いい。ノイズフロア自体がすごく低いレベルにある感じで、このメリットは大きいと感じる。


最近のアナログレコードの大飛躍、そしてCDの衰退、というギョーカイ現象を逆手に、「アナログこそ最高、CDなんてクソくらえ!」的な世評があることに自分は1席ぶち込みたいと常日頃から考えていた。(笑)


オーディオだってCD再生できちんとCDの中身を完全に出し切ることのできない人が、アナログレコードを再生しても、いい音を出せるはずがないのだ。


自分の趣味嗜好で言わせてもらうならば、音の濃いアナログレコードで聴くならば、ロックやポップス、そしてジャズ、そして空間再現性が優れているCDで聴くならばクラシックという感じでしょうか・・・。



アナログレコードは、やはりターンテーブルであの再生するまでのひとつの儀式がいいですね。あの一連の所作がやはり音楽を聴いている、という実感を深いものにしてくれますね。


自分は、疲れているとき、面倒なときは、やはりCDのほうが再生するのは簡単だし、曲のスキップなんかも簡単にできるので、CDのほうがいいと思いますが、休日でやる気満々なときはレコードをかけるという作業がとても趣があっていいと思います。


やはりアナログレコードが好きな人は、やはりその世界というのがある訳であって、そこをとやかくいう資格はないわけです。


アナログレコードでないと醸し出せない価値観というのがあります。


自分もそういうアナログの世界を自分のモノにしたいと思うけれど、やはり高級なターンテーブルと豊富なレコードコレクションがないとなかなかそういうレベルの気持ちに到達できないんじゃないかな、とも思います。


自分もレコードショップで”漁る”という作業をやってみたいです。(笑)









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