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安否確認会 [グルメ]

第二波来ているけれど、特徴は大半が20歳代~30歳代でほとんど無症状というから、やはり検査数が増えているのと検査精度が上がっているだけで、いままであぶりだされなかった人たちが表面化されているだけじゃないの?とあくまで現実逃避、楽観主義で。(笑)(こんなこと書くと怒る方もいらっしゃるので。)


でもやはり気を付けましょう。不要不急の外出も控えて。


じつは、この第二波が来る前、6月頃に自分がいままで日記で取り上げてきた飲食店のお店たちがはたして、このコロナ禍を生き延びているのか、を1軒1軒訪問して確認する”安否確認会”をおこなってきたのだ。


まだまだ完遂とは行かず、途中なのだが、ちょっとまたこれ以上続けるのは、難しそうだから、とりあえずこれで一丁上がりとしたい。


自分のグルメ日記で取り上げてきたお店たち。


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全部で22軒あるんだね。
ノンノン流らしく、いかにも自分好みのお店たちで気に入っています。
本当に想い出一杯で、愛すべきお店たちである。

みなさんもあ~読んだことある、というお店たちばかりであろう。


それでは1軒づつ報告していこう。
実際訪問できたのは、黄色に塗ったお店である。


その際、感染拡大防止対策としてどんな対策を取られていたか、も報告しよう。
あっでも別に自粛警察をするつもりはまったくありません。(笑)
ただ単にあ~やっぱりやっているんだな~と気づいたことをメンションするだけです。


結論からすると、訪問したお店は、全店舗とも元気、生き延びていました。
本当によかった。

自分の愛すべきお店なので、本当にうれしかったです。
これからも頑張ってほしい。
またお世話になります。



●京都銀閣寺ますたに 2020/6/20


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自分が毎度通っているラーメン屋さん。1996年あたりから通っているからもう24年通い続けている常連さん。京都ラーメンの代表格で背脂ちゃちゃちゃという感じで、あっさり系京都ラーメンとは一線画す感じだ。京都の本店にも行ったことがある。そこから暖簾分けしてもらっているいるお店なのだ。日本橋にある。昔は田町にもあったんだけれど、閉店になっていた。


とにかく間隔があくと無性にまた食べたくなる中毒性のあるラーメン。
なんだかんだ言って、ある一定間隔あくと必ず通っているラーメン屋さんなのだ。
愛すべきお店。


ここは緊急事態宣言とか、外出自粛期間のときも我慢できず、ちょくちょく目を盗んで通っていて、そのときから閉店時間は早いのだろうけれど、ふつうのときと一切変わらず営業していたので、潰れているということはないだろうと安心していた。


やっぱり常連さんが守ってくれたんだろうね。

感染防止対策はあまりやっていないみたいでした。(笑)



●すみれ横浜店 2020/6/6


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もうみなさんもご存じのように、北海道味噌ラーメンといえば、自分は純連・すみれ。純連・すみれの味噌ラーメンも1996年あたりから通い続けているからもう24年のベテラン。


まさに自分のソウルフード。これも日記で散々熱く語ってきたけれど、新横浜ラーメン博物館に入っていたすみれが卒業と言うことで、純連はもう東京ではやっていないので、純すみ系ラーメンがいっさい東京首都圏で食べれないという緊急事態になった。でも、すみれの村中伸宜社長がすみれが育った横浜に恩返ししたいということで、横浜野毛の街にすみれ横浜店を開店した。


いま東京首都圏で唯一食べられる純すみ系ラーメンだ。

ここもやっぱり間隔があくとまた無性に食べたくなるラーメン屋さん。
結構通い詰めている。ここも元気だった。


すみれ横浜店の味噌ラーメンは、自分がかつて愛したあのすみれの味噌ラーメンとはちょっと違うというか、こんなんじゃないと思っていたところがあった。北海道の本家本元では、そう!間違いないこのスープの味!という安心があったから、すみれ横浜店もうちょっとなんとかならないかな、と思っていた。


あの強烈なパンチ力が足りないのだ。


でもひさしぶりに行ってみたら、ちょっと味が進化していたのだ。あの濃厚なパンチの効いた味噌味に近づいていた感じがした。おぉぉ~まさに自分が昔食べていたあの味に近づいたよ、という感じで嬉しかった。


ここも感染防止対策はあまり気が付きませんでした。(笑)



●骨付き鶏「一鶴」横浜店  2020/6/14


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このお店は、もともと四国オーディオオフ会で、香川県のオーディオ友人を訪問した時に、紹介してもらって初めて知ったお店。香川県丸亀市に本店がある香川県のソウルフード。日テレの秘密のケンミンショーにも登場したことがある。


横浜にも分店があることを知って、それ以来通い詰めているのだ。2009年から通っているから11年のベテラン。ここの骨付き鶏も間隔があくと、もう無性に食べたくなる中毒性がありますね。


ご覧のように、ほんとうにからっと焼かれていて、塩、コショウだけで味付けされていてスパイシーな味付けでアツアツのところをがぶっと遠慮なくかぶりつくところにウマさがあります。本当に病みつきになる味。


ひなどりとおやどりがあります。初心者には柔らかいひなどりがいいですが、慣れてくるとおやどりのあの固いほうがやみつきになります。


横浜店には、本場香川県丸亀本店にはない、とり茶漬けというメニューがあって、自分はこれが大のお気に入り。本当に美味しいです。


ここの感染防止対策は、入り口で検温、手の消毒があって、昔は箸が各テーブルにたくさんあったのが、いまはお客にひとつだけ配られるようになっていました。


コロナ禍に負けず元気でやっていました。



●梅が丘美登利寿司  2020/6/21


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ここは、まさに就職で東京に上京した時からお世話になっている自分の故郷のようなお店。もう33年のベテラン。途中ブランクが空きましたが、いまやクリスマスはここのお寿司を食べて1年間ご苦労様というご苦労さん会を開くようにしています。


お寿司屋さんは東京には名店含め数えきれないくらいありますが、やっぱりここのお寿司は本当に安くて食べ応えがあって美味しい。ビジュアル的にも素晴らしいですね。


この梅が丘店はその美登利寿司の総本山のお店。
本当にいつ来ても大行列必死の大人気店です。
外出自粛期間でもこの有様ですから(笑)。


いつもは板さんおまかせにぎりを頼むのですが、もうこのメニューがなくなっていました。ショック。代わりに季節の板さんおまかせにぎりになっていました。ボリュームで圧倒する前作と比べて、少し上品さが加わりましたかね。


お寿司は、なにも言わないと大体2貫づつやってきますが、上のような写真を撮りたいので、”大皿に一緒盛り”、”大皿に全部乗せ”でお願いします、という特別オーダーをします。(笑)


ここの感染拡大防止策は、手の消毒、席間隔をあける(でも見た目いつものふつうと変わらず)でした。



●東大正門前喫茶ルオー  2020/6/27


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ここは常連というより最近知ったお店です。「喫茶ルオーのカレーはウマい!」という噂とともにそのカレーを堪能してみたく訪問したのでした。この喫茶ルオーはまさに東大本郷キャンパスの東大正門前(赤門とは違う)にあって、東大生の心のふるさとのような喫茶店なのです。


学生運動時代からずっと東大生のたまり場となってきた。有名人も通い詰めていた。この喫茶店の名物がこのセイロン風カレー。ちょっと結構スパイシーだけれど、本当に美味しい。


コロナ禍ではこういう個人経営のお店が一番危ないと思われたのですが、元気そうでなりよりでした。


喫茶ルオー、そしてセイロン風カレーの噂をかぎつけて、今年の2月に初体験で訪問させてもらったのですが、あとで知ったこと。FB友人の方が、じつはこの喫茶ルオーの初代オーナーで、そしてその奥様がこのセイロン風カレーを考案した方であるということ。その方の投稿を見て、もうびっくり!(笑)自分の周りには、やっぱりこのような運命の赤糸で結ばれているような絆があるんだな、と思いました。もちろん自分は全然そのことを知らない訳です。


感染拡大防止対策は、テーブルの上にあったナプキンがなくなっていたことでしょうか?



●麻布十番 福島屋   2020/6/21


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いったいどれだけ煮込んだらこのコクと色が出るんだろう?(笑)

中まで真っ黒。
これには思わず反応してしまいます。

これは本当にウマい!
甘くてじつに濃厚な八丁味噌の味。中まで真っ黒に染みこんでいる。

白いご飯がどんどんススムくん、です。


グルメなFB友人の投稿に思いっきり反応してしまい、知ったお店ですが、本当にこの味噌おでん定食が食べたくて何回も通い詰めました。


なんか前回にも増して真っ黒。(笑)さらに前回にも増してトロミが加わり濃厚になっていました。


ここも個人経営のお店だと思いますが、元気そうでなりによりでした。


感染防止対策はとくにやっていないようでした。



●鎌倉麻婆豆腐かかん 2020/6/8


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このお店は、いまから3年前の2017年に自分が猛烈な鎌倉マイブームに陥ってしまったときに、鎌倉で発見した麻婆豆腐専門店です。麻婆豆腐はもう大好物でいろいろなお店を堪能しましたが、ここのお店の麻婆豆腐はちょっといままで体験したことのない美味しさなのです。


甘いんですよね。麻婆豆腐といったら、辛い美味しさだと思うのですが、ここは甘いんですよね。独特の味、香辛料を使っている感じでこ~れはちょっといままで食べたことのない美味しさだな、ということですっかり嵌ってしまいました。


鎌倉に行ったときは、必ずここに立ち寄りこの麻婆豆腐をいただきます。


本当に2017年はすごい鎌倉マイブームでしたから、本当にこの麻婆豆腐をよく食べました。またこれを食べたいために、そのためだけに鎌倉に行ったこともあります。


ここも個人経営のお店でしたが、頑張って生き残っていました。
やはりここも常連さんあってのお店だと思います。
結構人気あって、いつも劇混みなのです。

感染防止対策は入り口での手消毒ですかね。



●人形町の玉ひで  2020/6/26


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言わずと知れた日本で親子丼の発祥のお店。もういつも大変な大行列で、自分の経験ではもう1時間以上並び続けてようやくありつけたときは、あまりのウマさで瞬殺で終わってしまうという(笑)・・・そういうお店です。


とにかくすごい並ぶので、毎度は行けません。それこそ2010~2013年あたりまでは結構通っていましたが、さすがにいまは元気がなくて通っていません。


この安否確認会でひさしぶりに玉ひでの親子丼を食べたいなーと思い出し、決行したのでした。さすがにコロナ外出自粛期間中もあって、いつものペースの時間帯に行ったところ、なんと自分が1番乗りでした。でも開店間際になると、やっぱりの大行列。


ひさしぶりに玉ひでの中に入ると、なんと正面相席にならないように、コロナ対策がされていました。親子丼をすくうしゃもじは1本でビニール袋に入っている。完璧な感染防止対策です。さすが名店だけあります。入口の手消毒もありました。


ひさしぶりに玉ひでの親子丼を食しましたが、いやぁ~やはりうまいな~。
なんだろう、この味。巷では絶対食べられない絶品の美味しさですね。
卵が醤油と甘さでなんとも香ばしくて本当に美味しいです。
日本一の親子丼ですね。


ここはもう確固たる常連さんががっちり守ってくれるので、コロナ禍でも大丈夫ですね。



●お台場 bills


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世界一美味しい朝食をたべさせてくれるお店 bills。


ここはやはりリコッタパンケーキが有名。本当に美味しいです。あのレオナルド・デ・カプリオが来日中に、毎日通い続けて食べたことで有名なメニューです。東京には何店舗もあるのですが自分はいつもメインのお台場のbillsに行きます。お台場に行くには、新橋からゆりかもめ線でお台場まで行きますね。このお台場billsの手前には、レインボーブリッジが眺められる絶好のロケーションにあるんですね。お台場billsは遠いけれど、やはり空いているのでいいです。都内店や横浜店は、すごい劇混みですから。


なんか店内は、広々としてすごい爽やかな雰囲気があって最高ですね。
ちょっと都内では味わえない雰囲気です。

リコッタパンケーキとノンアルビールで。


リコッタパンケーキ、ひさしぶりに食べたけれど、やっぱり美味しいなぁ。

感染防止対策は、入口で検温があったのと、席間隔を開けるということでした。



●大かまど飯 寅福 青山本店  2020/7/6


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ここはゴローさんから教えてもらったお店で、美味しいご飯を食べさせてくれるお店という和食のお店でした。とにかく美味しいご飯が売りなのです。店内にはこんな感じで大かまどでご飯を炊いているのです。


ここも1,2回通いましたが、このコロナ禍の中、元気かな~と思い再訪してみました。元気でやっていました。よかった。


やっぱり高級和食という感じがしますね。おかずの一品も特産地から取り寄せるような拘り。美味しい、絶品を堪能した感じです。


売りのご飯はお代わりし放題です。
2杯いただきました。


でもさすが高級和食だけあって、高いんですよね。(笑)
自分は和食党ですが、毎度の食事処としては高いような・・・

感染防止対策としては、このようにアクリル板を立てていました。



●ラーメン二郎〇〇〇〇店 2020/6/23


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ラーメン二郎はまさに男の世界ですね。(笑)でもこれも間隔が空くと無性に食べたくなる中毒性がありますね。若いころのようには食べられないけれど、いまも時々食べたくなり通っています。二郎は本当に都内に数えきれないほど店舗ありますが、やはり店によって全然スープの味が違いますね。その中で自分のお気に入りの味の店舗を探し出すのは結構大変です。三田のオヤジがやっている三田本店も交差点のところにあったときは本当に美味しいと思いましたが、店舗を慶応三田キャンパス側に移してから味が激変しましたね。もうあの頃の面影まったくなしで、もうがっかり。


苦労して自分のお気に入りの店舗を自宅付近で見つけ、そこに通っています。二郎はただでさえ混みますので、秘密です。(笑)


店内やラーメンの写真は絵柄的に、いままでの店舗と比較して問題ありと思いますので(笑)やめときます。


でもそんな二郎がこうやってコロナ対策をやっているのには、予想もしていなかったので、思わず笑ってしまいました。



以上安否確認会のご報告終わりです。
いやぁ全員無事で本当によかった。
やっぱり助けてくれたお客さんは常連さんなんでしょうね。

常連さんは、そのお店がなくなってしまうと本当に困るから通い続ける。
そんな絆を感じました。


残りのお店もまた感染状況が落ち着いてきたら、再開したいです。








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技術は必ず追いつきます。 [雑感]

ライブ配信否定派がいるという話をよく聴くし、彼らの言っていること一理あるし、よく理解できる。


”やっぱり臨場感、迫力、息遣いなど生演奏に敵うものはない。”


まさにその通りでしょう。
いっさい異論を挟む余地はないです。

自分もまさにその通りだと思います。
自分も生演奏第1主義だからです。

彼らが言っていることごもっともだと思っています。


でもね、技術って必ず追いつくもんなんですよ。


散々けなされていても、必ず技術の進歩で数年後には必ず追いつきます。


それは過去の歴史が証明してきている。

アイデアを出すと、そんなことできるわけないじゃん!とか、一蹴され、バカなんじゃない?とまで散々言われる。


でもその十数年後、必ずやその技術は、いまや誰もが不思議にも思わない当たり前の技術になって世に普及しているものなのです。


技術は必ず追いつきます。


いまやスマホや携帯電話なんて、誰もが当たり前に接している技術ですが、遠い昔、これは遥か彼方の夢物語と言われていたのです。


でもそのアイデアは、いまや当たり前の技術として現実のものとなっている。


技術者がアイデアを出し合うとき、こんなこと言っちゃバカにされるとか、夢物語とか臆してはいけない。


技術はかならず追いつくものだからです。


現実離れしたアイデアほど実現する可能性が強いかもしれません。


技術の世界ってそういうものなのです。


33年間会社生活をして常々そう思います。


ある技術があったとして、その現在抱えている欠点を公にあからさまに揶揄したとしましょう。間違いなく、必ずその欠点を克服してきます。


そういう世界です。


自分であからさまに揶揄した後、技術者の顔が目に浮かんできて、今に見てろ、という感じでものの見事に克服してくるのでは、とその反骨精神を怖く感じることもあります。


逆に直してほしいから、欠点を揶揄するという心理状況もあります。


技術は必ず追いつきます。


「ライブ配信は、生演奏に敵わない。」


いまは当然の理と思われるかもしれませんが、必ず将来、生演奏と比較しても変わらないくらいの臨場感、それも高額なハイエンド・デバイスでなくても普及価格帯の安価なデバイスでそれが実現可能となる日がやってくると思います。


それはそこにそういうニーズがあるからです。


そうして、生演奏に敵わないとレッテルを貼られているからです。


必ず、なにくそ、という感じで、追いついてきます。


技術の世界ってそういう世界なのです。


果てがない永遠のかけっこみたいなところがあります。


技術はかならず追いつくものなのです。




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そんなに危機を煽らなくても。 [雑感]

コロナ禍により、3月の緊急事態宣言にて休業要請などで最大の危機にさらされた飲食業界。補償なき休業要請。。。など波乱含みだったが、ここにきてようやく再開ムード。特に小さな個人経営などのお店はもろに影響を受け、そのまま倒産してしまうところも多かった。


諸悪の根源とも揶揄されたライブハウスなんかも同様。もうどうなるの?という感じ。自分にとっては名古屋ブルーノートが倒産してしまったのは最大のショックだった。これからも日本だけでなく、世界中でまさかここが倒産?という話は続くだろう。


最近になって、東京はまた第二波とも思われる急激な感染拡大。
これに伴い、緊急事態宣言をもう一度という声もあるけど、自分はそうかな?と直感的だけど思う。


3月のときは、日本だけでなく、世界が初めて遭遇する危機でもあって、ロックダウン(都市封鎖)とか、緊急事態宣言とかも必然の流れだったけれど、いまはそうなのか、というとあの頃とは状況が違うと思う。


あの頃のようにまた経済を止めることはもう無理だろう。
また休業要請をすることもまず無理だろう。

もしまたやることになったら、もう経済も致命的に壊滅状態になるだろう。


クラシック業界だって、せっかく有観客でコンサートをできるくらい立ち直って復活してきているのに、それをまた一斉休業自粛してください、と言っているようなものだ。


もうこの復活ムードを元に戻すなんて、時の流れからして無理である。
コロナの素性がわからなかった3月の頃とは違い、ある程度わかってきている今は、もうこれは仕方がないと思って、”ウィズコロナ”としてどうやって経済回すのといっしょに混在させるか、を模索するときなのだろう。


休業などの自粛要請をすると補償の問題が必ず上がる。
もう政府にも東京都にもそんなにお金はないと思われる。(笑)


東京都は財政の貯蓄の9割はすでに取り崩し済みと言われていて、そこに来て、また休業要請とかするとそんな補償を出すのは無理なのでは?


すべてにおいて3月の頃とは状況が違いますね。


国は、よく大規模な兆単位の予算を組んでいるが、どこからその財源を持ってきているのか?自分がいつも抱く疑念である。それ?どこから持ってきているの?ってな感じで。


年初の予算作成時に、必ず緊急事態発生時の予算という枠を確保していて、そこから持ってきているのか、あるいは本当にそれだけでは賄えない予想外の緊急事態ということで、国債を発行しているのか?


自分はここら辺は専門ではないので、素人考えだけれど、国債は国の借金である。国債を発行し続けると、当然世の中に副作用が出てくるわけで、インフレになってしまう。(インフレとは、モノの値段が全体的に上がり、お金の価値が下がること。)


日銀が勝手にお金を発行することは出来ない。政府が国債をどんどん刷って、それを全部直接日銀に引き受けさせれば、日銀は結果的にお札をどんどん発行することが出来る。太平洋戦争中、実際にそれをしたことによって、日本経済は大変なインフレになってしまった。


だから今も日銀は政府が発行した国債をすぐ引き受けるということはやっていない。政府が国債を発行すると、いったんは一般の銀行や私たち個人が買う。日銀は、一般の銀行が買った国債を買い上げて、同じだけのお金を発行する。なんだか複雑だが、こうすることで政府が国債を発行するのを抑えて、お金の流れをコントロールしているのだそうだ。


そんな複雑なコントロールをしていているのに、国債を発行し続けるのはなかなかリスキーなことであると思うのだ。


いつも政府がかつてない大規模な緊急対策予算を組みました、と言うが、その財源どこから持ってきているの?と本当にいつも不思議に思うのだ。


そんなお金のやりくりで大変なのに、また全国一斉に休業要請なんて無理だと思われるのだ。


復旧の流れにあるものをまた止めるのは、なかなか勇気のいることである。

もういまや政府も東京都もそんなお金がないと思われる。

そんな状況の中で、日本中の経済をまた止めることは、絶対やらないと思われる。


コロナがこんなウィルスで、どのように感染するかがわかったところで、いまは経済と一緒にどう”ウィズコロナ”するのかをやるのが賢明なのか、と思うのである。


先日、主治医の先生と雑談したのだけれど、日本人にはじつは集団免疫がすでにできている、という説を教えていただきました。(その先生も、他の先生から聞いた話らしいですが。)


じゃないと、他の世界中の国民と比較して、日本人のこの致死率の低さが解明できないとのこと。いま、コロナは散々恐怖がられているけれど、これからのウィズコロナの時代、コロナはインフルエンザと同程度の認識、扱いになるのでは?とか。(笑)


インフルエンザは毎年のように、感染し、体内に抗体ができ、そして1年ほどで抗体が消滅して、その翌年にまた感染し、また同じことを繰り返す、いまや我々はインフルエンザにあまり恐怖を抱くところか、当たり前の行事となってしまった。


そんな感じになるのでは?(笑)


いまのご時世に、こんなことを言うと、もう徹底的に同調圧力から大バッシングされるかもしれませんが、なんかいまのやたらと恐怖を煽るだけのメディア報道の在り方に自分は???と思っているので、案外こういう捉え方の方が安心できて信頼がおけるような気がします。


まぁ、コロナの場合、インフルエンザと違い感染の仕方のおかげで、それが経済ビジネスに影響を及ぼしていて、そこが厄介なのは、確かですが。。。


どんなに危険を煽っても、世の中、みんな食っていかないといけないので、営業していかないと生きていけないといけないので。だから自粛期間中でもこの有様なのです。(笑)


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じゃあどうすればいい?の問いかけには自分には導けないが、つくづく思うのは、自分が首相や都知事の立場になくてよかったと思うことだ。(笑)










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ラ・メール・プラール東京店 [グルメ]

安否確認会として、昔訪問したことのある横浜のラ・メール・プラールみなとみらい店の無事を確認をしようと思ったのが、そもそもの発端である。


でもみなとみらい店に行くなら、どうせなら日本第1号店の東京店(有楽町店)を訪問してみたいと思ったのである。


みんなに人気のモンサンミッシェル名物のふわふわオムレツ、本場のラ・メール・プラールに原点回帰してみよう。


世界遺産モンサンミッシェルは、ヨーロッパ駐在中に、アムステルダムの友人とドライブで訪問したことがある。天候がいまにも雨が降りそうなどんよりした天気で、時折小雨が降っているようなそんな天気だった。


ちょうどこんな感じの天気。


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遠い記憶によると、モンサンミッシェルの到着する前の麓の街のレストランで、ランチを取ってノルマンディ上陸について熱く語り合った記憶が。。。(笑)そしてモンサンミッシェルのあの城を徒歩で登っていくわけだが、あの城の中にも小さな小洒落たレストランがそれなりに存在するのだ。その中に入って、あのフルイ・デ・メア(海鮮の幸)を食した記憶があります。


いま思えば遠い遠い懐かしい想い出です。


もういまや海外旅行と言えば音楽が必ず絡まないと、行かないようになってしまったので、これからまたモンサンミッシェルに行く、ということもないだろうと思います。


いま思えば、そのときの唯一の後悔。それはモンサンミッシェルの名物ふわふわオムレツで有名なラ・メール・プラールの本場のお店を訪れなかったことだ。当時ボクの頭や友人の頭の中には、オムレツのことはこれぽっちもなかったね。


そんなこともあり、この日記で、ネットからの情報で、もう一度モンサンミッシェルのふわふわオムレツ、そして本場のラ・メール・プラールについて楽しんでみよう。



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フランス・ノルマンディー地方の世界遺産「モン・サン=ミッシェル」。
1888年、この地を訪れる巡礼者のためにアネット・プラール氏(プラールおばさん)が開業した宿屋から、ブランドの歴史は始まりました。


彼女は巡礼者のために素晴らしいレシピの数々を生み、栄えある女性料理人「ラ・メール・プラール」の名で呼ばれるようになったのです。


そして現在、ラ・メール・プラールのレストランは、世界中で人気に。
特に伝統を受け継いだオムレツは名物となっています。


「ラ・メール・プラール」という店名は、じつはこのオムレツを考案した女性料理人の名前から由来するものだったんですね。


この名物オムレツのはじまりは、アネット&ヴィクトール・プラール夫妻が1888年に開いたオーベルジュ「ラ・メール・プラール」。料理上手なプラールおばさんには700ものレシピがあり、後に名物となるオムレツもそのなかのひとつだったのです。


現在のように交通機関が発達していなかった当時は、潮の満ち引きで命を落とす危険もあるモンサンミッシェルへの巡礼は非常に困難なものでした。それでも何とか辿り着いた空腹の巡礼者たちのために、プラールおばさんはメイン料理を待つ間に食べられるようにと、すぐに作れておいしいオムレツを振る舞い、彼らの旅の疲れを癒したそうです。そんな温かな心遣いが込められたオムレツですから、今もモンサンミッシェルを訪れる人々に愛されているのです。


では、そのモンサンミッシェル本場のラ・メール・プラールのお店です。


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夜はこんなに素敵です。
いかにもモンサンミッシェルという小さな街の中に佇むという感じですね。


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やっぱり赤が基調のカラーなんですね。



あのオムレツはどうやって作っているの?


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卵は大きなボールに入れられて、「パン パン パン パン…」とテンポよく泡立てられています。若い男性が、立ちっぱなしで泡立てる。そして、その横で、婦人が泡だった卵を受け取り、薪の中で焼いていきます。



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ここで、登場が、柄の長~いフライパン。超強火の薪の上で、上手に距離をとって焼いていきます。最初は、バターを溶かし、強い火のところに置いていて、プツプツとなった頃合いを見て 少しだけ火から離す。そして、出来上がりつつある オムレツは、火から遠いところに置くけれども… 火からは離さない。


卵を混ぜる(男性)と オムレツを焼く(女性)は 完全分業制。


銅製のボウルでたっぷりの卵をリズミカルに泡立て、ちょうど良い状態になったところでバターを溶かしたフライパンに流し込み、炭火で焼き上げます。卵を泡立てる小気味よい音はお店の外まで聞こえ、お店の中に入れば作っているところが見学できます。ちょうどスフレのように、外はサクサク、中はふわっふわでとても軽く、フランスのいわゆるオムレツとも違う、まさに"モンサンミッシェルのオムレツ"です。できあがりは大きく膨らんでいますが、ちょっと時間を置くとシューッとしぼんでしまうので、写真を撮りたい方はスピードが肝心です。



本場のラ・メール・プラールのお店では、男性はこのように赤のポンチョみたいなものを上からかぶる感じで、女性は、赤いエプロンなんですね。そして、元祖のプラールおばさんの写真もそうでしたが、伝統のその長~い、長~い柄のフライパンで暖炉のようなところでオムレツを焼くんですね。火は薪で維持されているのです。


これがひとつの伝統のオムレツ調理スタイルですね。


それでは、その本場のラ・メール・プラールのお店の中をちょっと覗いてみましょう。
旅行者の日記の方のお写真をお借りしています。


こちらが店内です。


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案外素敵なんですね。びっくりです。オリジナルはもっと古くて質素なお店なんだと思っていました。(ある意味全世界展開しているブランチのお店の方がゴージャスなんだと。)


こちらが調理場。フライパンがいくつもぶら下がっているのは、このお店のひとつの特徴ですね。


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そして、このお店のもうひとつの特徴と言っていいのが、たくさんの絵画のコレクションが壁に飾られていることです。ここ本場では壁にはラ・メール・プラールを訪れた世界各国の著名人のポートレートやサインが飾られています。


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本場のお店では、メニューには、フランス語と英語、日本語が記載されているそう。たくさんの日本人が訪れているのでしょうね。(笑)前菜・メイン・デザートのコースで49ユーロ。(約6000円!)結構なお値段ですね。


以上が、本場のモンサンミッシェルのラ・メール・プラールと、ふわふわオムレツの由来。


情報の引用元


自遊人 個人旅行記 モン・サン・ミッシェルの名物!ラ・メール・プラールのふわふわオムレツ♪



旅のアシスト 柔らかく世界を歩いて行こう!
ラ・メール・プラール伝統のふわふわオムレツ(Mont-Saint-Michel/モン・サン=ミッシェル)



Travel Value モンサンミッシェル観光で堪能したい地元グルメ



株式会社モントワール



トラベルブック




ここからが、自分の実体験である。


フランスの世界遺産モンサンミッシェルより130年の伝統を誇る"ラ・メール・プラール"が2011年海外初出店として東京にオープンした。


なんと海外第1号店が東京店だったとは!
やはり現地モンサンミッシェルは日本人観光客が多いということなんでしょうね。


日記をひも解いてみると、自分は2013年6月に、これまたオープンになったばかりのみなとみらい店を訪問している。そのとき東京店にも行ってみたいと思ったのだけれど、そのままになっていて7年。


ようやく実現できたことになる。


東京店は、2018年6月にリニューアル・オープンしているそうだから、自分はリニューアル・オープン後の様子を体験できたことになる。


やっぱり安否確認会とはいえ、みなとみらい店を再訪するより、東京店に行くのが前向きだろう。東京店は、東京有楽町国際フォーラムの中にある。(1番端っこ)国際フォーラムなんて、TIASオーディオショーに行く時くらいしか行かないから、こんなところにラ・メール・プラールがあるなんて、夢にも思わず。


ラ・メール・プラール東京店


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創業1888年!


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やっぱり東京店はすごいな。高級感、お洒落度合いが抜群。
基調カラーの赤が思いっきり映えています。


コロナ外出自粛のときだったから、恐る恐る外出して、開店一番に乗り込んだのだ。


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いいなー。素晴らしい内装空間。
感動してしまいました。


フライパンが飾られているとか、絵画コレクションが飾られているとか、きちんとオリジナルの現地の本店の特徴は受け継がれていますね。




自分は、こちらの間に通されました。
これまたテンション上がる~!!!


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コロナ対策としては、メニューの扱いは難しいですね。いろんな人が触るので、かなり危険要因になる。でもここはこんな感じで、食事メニューとドリンクメニューは、QRコードをスマホ携帯で読み込ませて、携帯で見てね、という感じで対策していた。


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自分はあらかじめ、HPでメニューを決めていたので、その旨伝えました。


あとでマスターとも思える年配の男の店員さんから、あらかじめ決めていらっしゃるとはありがとうございます、とか言われてしまいました。(笑)


メニューは、やっぱりあらかじめ、自分でHPでじっくり考えて決めたほうがいいと思います。




前菜のスープ。(クリーム系)


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そしてふわふわオムレツ。(フォアグラ入りのリゾットも添えて)


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デザート。


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ここまでさんざん持ち上げておいて、ここに来て急に落とすのもなんなんだが、やはりこのオムレツうまいか?(笑)


2013年のみなとみらい店で初体験したときは、あまりの無味無臭にがっかりしてしまい、これがこれだけ騒がれているだけのことがあるのか?と吠えたが、7年ぶりに食すこのふわふわオムレツ・・・う~む、やはりそんなに印象が変わらず。


あっでも、みなとみらい店のより、ちょっと塩味がついていて、東京店の方がはるかに美味しかったです。


まぁ、こんな感じですな。


そんなに期待もせず、ただ東京店を体験したいのが目的だったので、そんなにショックでもなく。モンサンミッシェルのふわふわオムレツは、まぁこんなもんです。(笑)


また食べに来ることあるかな?



この日、渋谷で見た光景。


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まさにこの思いを胸に秘め、先を見通せないこれからの毎日を過ごすうえでちょっと元気をもらった気がした日であった。











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PENTATONEの新譜:アラベラ・美歩・シュタインバッハーの奏者人生としての転機 [ディスク・レビュー]

いったいいつまで続くのか、コロナ禍でちょっとした鬱スランプであったのと、最近は1日中仕事のことで頭がいっぱいで、プライベート活動、SNSどころではなかった。普段の楽しい自分の生活スタイルを崩しつつあった。


アラベラさんの新譜も6月中旬にはすでに入手していて、すでに聴き込んでいたのだが、なかなか筆が進まなかった。ようやく気分一新。取り組みたいと思う。



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ヴィヴァルディ:四季、ピアソラ:ブエノスアイレスの四季 
アラベラ・美歩・シュタインバッハー、ミュンヘン室内管弦楽団



今回の新譜は、とても有名なヴィヴェルディの四季と、ピアソラのブエノスアイレスの四季をカップリングしたアルバム。ヴィヴァルディとピアソラの曲を交互に演奏していくという試みである。


ヴィヴァルディの四季:春・夏・秋・冬は本当に有名な曲で、クラシック初級編ともいえる敷居の高さを感じないみんなから好かれている曲ではないだろうか?一方で、ピアソラのブエノスアイレスの四季は、これも有名な曲ではあるが、ポピュリズムというより、もうちょっとクセのある特定ジャンルに族するような特殊性があって、玄人好みでとても熱くなる曲である。


自分は、とくにタンゴ、ピアソラの世界が大好き。


とにかく情熱的で、あの南米の赤くて熱いパッションが弾けるような旋律は、聴いていて血が騒ぎますね。自分は、このタンゴ、そしてさらにその発展形のピアソラのアルゼンチンものの音楽が大好きで、南米アルゼンチン独特の民族色の強い旋律が非常に自分に嵌るというか、聴いていてツボにくる、自然と体でリズムをとってしまう心地よさを感じてしまう。


ムード音楽的演奏から、マランドのように歯切れの良いリズムを重視したアルゼンチンスタイルなど様々なスタイルがあるのだが、共通するのは、やはり夕暮れどきが似合って、激しいリズムの後にくるゆったりとしたメロウな旋律が漂うようなムードがとてつもなく堪らない。。。なんて感じである。(笑)


特に自分はピアソラが好き。アルゼンチンタンゴの世界に、クラシック(バッハのバロックも!)やジャズなどの音楽を融合させたアストル・ピアソラという人によって創作されたジャンルの音楽なのだが、タンゴ特有の強いビートの上にセンチメンタルなメロディを自由に展開させるという独自の音楽形態を作り出して、単に踊るためのタンゴの世界から一皮もふたかわもむけた素晴らしい音楽の世界を作り出した人だ。


ピアソラの音楽は、リベルタンゴやブエノスアイレスの四季など、絶対みなさんなら聴いたことがあるはず、というくらいの超有名曲ぞろい。


ピアソラのブエノスアイレスの四季といえば、自分はオランダのアムステルダム・シンフォニエッタのChannel Classicsのアルバムが愛聴盤。以前ディスク・レビューで紹介したことあります。



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ピアソラ:ブエノスアイレスの四季、
ゴリホフ:ラスト・ラウンド、ヒナステラ:弦楽オーケストラのための協奏曲 
アムステルダム・シンフォニエッタ



ぜひ聴いてみてください。
この曲の自分のリファレンスとなっているアルバムです。


もしマーラーフェスト2020が開催中止になっていなければ、アムステルダム・コンセルトヘボウのリサイタル・ホールで、このフェスティバルで、マーラー所縁の曲でアムステルダム・シンフォニエッタを初体験できる予定だったのに、返す返す残念で堪りません。こちらから海外に出向かないと、縁のないアーティストですね。


今回のアラベラさんの新譜は、ヴィヴァルディの四季とピアソラのブエノスアイレスの四季を交互に、春・夏・秋・冬の順番で交互に並べているのだ。


南半球の四季、ブエノスアイレスの四季は、夏から始まる。


ピアソラが作曲していった順番も夏→秋→冬→春だ。そういう意味で、合うのかな、とも思うのだが、これが全然違和感なく、アルバムとしての統一感があって、曲の並びがすごく自然だ。


ヴィヴァルディは各季節に3楽章づつあるが、ピアソラのブエノスアイレスの四季は各季節に1楽章の構成だ。やっぱりヴィヴァルディの四季は名曲中の名曲だけあって、音楽が整っているというか、全体として、形式感、様式美があって、日本のように四季がはっきりと違う美しさを表現していますね。


優美に輝く「春」、うだるような暑さと天候の変化を見事に表現した「夏」、収穫を祝う「秋」、凍てつく「冬」。本当にこんな感じで各季節に個性があってメリハリがあって、曲として形式感が整っている。名曲中の名曲だと思う。


ブエノスアイレスの四季は、これは本当に情熱的でエモーショナル、官能的で陰影のあるグルーヴ感に酔いしれる。カラーで言えば、情熱の赤だ。もう自分には堪らない。この曲は本当に自分にはクルものがある。


ブエノスアイレスの四季は、もともとバンドネオン、ヴァイオリン、ギター、ピアノ、コントラバスという編成による作品なのだが、この録音ではペーター・フォン・ヴィーンハルト編曲によるヴァイオリンと室内オーケストラ版で収録されている。


特に夏や秋ではおそらく原曲はバンドネオンが表現していると思われるグリッサンドなところも、ヴァイオリンではスライド奏法させて弾いているような感じで、もう鳥肌モノである。


秋では重音奏法のオンパレードと言う感じで、アラベラさんの超絶技巧が冴えわたる。


このアルバムでは、従来にも増して、アラベラさんの技術力の高さ、安定力を再認識する感じだ。もうヴァイオリニストのキャリアとしても中堅どころ。超一流の技術力を兼ね備えた実力派ヴァイオリニストと堂々と宣言してもいいだろう。


そしてなんといっても、自分にとってブエノスアイレスの四季といえば、冬。自分はこの曲ではこの季節が1番好きだ。次から次へとたたみ掛けてくるような熱いパッションを感じる旋律で、とにかくかっーと激しく燃える。


最高である。


ヴィヴァルディは、冒頭の春の第1楽章が有名だが、自分は夏や冬が好き。やはり激しくて燃えるのがいいのだ。やっぱり自分は熱いのが好きなのだろう。(笑)



今回のパートナーはミュンヘン室内管弦楽団。


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ドイツ・ミュンヘンを本拠地とする室内オーケストラである。


アラベラさんとは縁が多いオケで、演奏を聴くと、そのアンサンブル能力の高さ、弦の厚み、弦楽としての発音能力などとてもすばらしいオーケストラだと毎度のことながら思う。


2018年7月に、ミュンヘン=ゼンドリンク、昇天教会で録音された。


録音は、エンジニア&バランスにジャン=マリー・ヘーセン氏、編集、ミキシングにエルド・グロード氏といういつもの安定の最強タッグ。


いつもにましてオーディオ的に作り上げた感のあるテイストで、いつもの彼女のアルバムとはちょっと違う録音テイストである。よりオーディオマニア好みに仕上がっている。


いままでとちょっとプロモーションが違うのは、アルバムの発売に伴い、先行でストリーミングによるシングルリリースを先駆けたことだった。彼女の妊娠で、アルバムが当初よりも1年延期になったのだが、ストリーミング・シングルという新しいプロモーションが実現したのも、曲の録音がすでに完成している過程でのひとつの試みなのだろう。


2019年9月20日にピアソラ ブエノスアイレスの四季”秋”
2020年1月25日にヴィヴァルディ四季の”冬”

すべてのストリーミング・プラットフォームで配信された。


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今回、アラベラさんはライナーノーツで、こんなことを書いている。


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ヴィヴァルディの四季は、クラシック音楽の歴史の中でももっとも有名な作品のひとつだと思います。おそらくその中の一部の楽章は、誰もが知っていることでしょう。正直なところを申しますと、この曲を録音した作品は、世の中にはもう数えきれないくらい存在すると思いますので、この作品を取り上げることは少々躊躇したところがありました。でも、それは別に気にすることではない。私にとっては最初のレコーディングなのだ、と思うことにしました。


特に完全にタイプの異なるピアソラの四季とのコンビネーションは、ピアソラの作品の中でも特にこの曲を長いこと愛してきて、とてもメランコリックで熱情のあるこの曲とカップリングすることが私の夢だったのです。


私の親愛なる友人、ペーター・フォン・ヴィーンハルトによって美しくアレンジされ、それをもってみなさんとこの情熱的な旅をシェアできることをとても幸せに思います。



アラベラ・美歩・シュタインバッハー



自分も正直、アラベラさんの次のアルバムはなんであろう?と期待していたとき、それがヴィヴァルディ四季と知ったときは、ちょっとがっかり(笑)というか、う~ん、ありふれているな、と思ったことは確かである。


やはりアラベラさんもそう感じていたんだね。


でもピアソラの四季とのコンビネーションが一気にアルバムに多様性を生んだ。
ピアソラのエモーショナルな曲がアラベラさんも大好きだったことはとてもうれしい。


でも自分はこの新譜で、改めて、ヴィヴァルディ四季の曲として完成度の高さ、美しさを再度認識した次第である。



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アラベラさんの演奏家人生として、今はひとつの岐路、転機にあるように思える。


2004年デビューで着実にキャリアを重ねていった。自分は、2011年頃から応援を始めたファンとしては遅いほうだったが、自分が応援を始めたときからいわゆる演奏家としての絶頂のときだったのではないか、と感じている。


それこそ、ピークは2015年のヘンゲルブロック&NDRとの日本縦断ツアーで、大阪、東京、名古屋を追っかけしたこと、そして2019年に至るまで彼女は全世界のコンサートホール&全世界のオーケストラと共演を重ね、忙しくワールドツアーを転々としていたのだ。


まさに演奏家人生としてはピーク、頂点と言っていいと思う。


演奏家人生のひとつの転機となったのは、やはり結婚。そして子供を授かったこと。
SNSに投稿する写真は、上のようにいままでと違って一変した。(笑)


子供を持つことになった女性アーティストは、いままでの尖った格好良さ、ビジュアルな方向性から、より母性本能が表面に出てくる柔和で優しい人間性が滲み出るようになって、アーティストとして、より、もっと人間性として深いところに達観するのではないか、と思う。


いままでの路線とは違ってくるように思えます。


そして誰もが体験している、まさかのコロナ禍。


アフターコロナの時代、クラシックのオーケストラやアーティストはみんな手探り状態で今後どうやって活動を続けていくべきか、を暗中模索している。


これは彼女にもあてはまるだろう。育児と重なる時期と言うこともあるが、間違いなくいままで通りと簡単には事は運ばないような気がする。


これは彼女だけではない。
みんな苦労している。
その洗礼を彼女も受けるに違いない。


願わくは、彼女には(もちろんみんなにもですが。)幸せが待っていてほしい。


あのNDRと日本縦断ツアーをしていた頃のようにまた復活して輝いてほしいと思う次第なのです。







 


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ダイレクトカッティングはワンポイント録音がいい [ディスク・レビュー]

ベルリンフィルのダイレクトカットLPを購入した。ラトルのブラームス交響曲全集のときは、悩んだのだけれど定価が8万円台だし、自分はアナログは腰掛け程度でメインストリームではないので、見送った。


今回、第2弾のハイティンクのブルックナー交響曲第7番が出ることになり、それが3万円台なので、価格的にも範疇内なので、つい誘惑に負けて購入してしまった。


そうすると、どうしても第1弾のラトル盤も揃えたくなる。
買っておけばよかったなーと後悔だ。


いまラトルのダイレクトカットLPはなんと中古市場で25万から30万で取引されているという大変なプレミア盤なのだ。そんなとき、舞夢さんが、こっそりラトル盤、ヤフオクに出てます、と教えてくれた。11万5千円だ。おう!これはターゲット内。でも終了時間間際で跳ね上がるのだろうな、と思い、15万までなら出そう!という覚悟を決めた。


そしていざ勝負。なんと誰も入札せず、自分だけが入札してあっさり11万5千円で落札できた。


ラッキー!である。しかも新品未開封なのだ。舞夢さん、ありがとう!


こうなるとラトル盤、ハイティンク盤と完遂することができた。


届いてじっくり聴き込もうと思ったが、なにせアナログ再生は、最近すっかりご無沙汰である。日記を紐解けば、2016年にアナログプレイヤーを購入して再生して以来だから、じつに4年ぶりだ。


学生時代にコレクションした100枚のLPを再生したい、ということ、そして昨今のアナログブームから、やはりプレイヤー持っていないとダメだろう、という想いから購入したのだ。


でも腰掛け程度だから、高級なターンテーブルを購入するつもりもなく、ソニーのPS-HX500というアナログ出力をPCにDSD5.6MHzで取り込めるという付加機能が売りの安いプレイヤーを購入した。カジュアル向けのプレイヤーですね。


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アナログが本筋ではない自分にはこの程度で十分である。でもそれ以来、すっかり死蔵扱いで、埃をかぶり、その上にCDが山積みされている状態であった。


4年ぶりに動かすし、きちんと音が鳴るのかな、とも思い、恐る恐る鳴らしてみた。
この日のためにインターコネクトのケーブルも新調した。


アルゲリッチ盤とグリモー盤で鳴らしてみた。


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案の定、聴くに堪えない酷い音。
こりゃあかん!ということで、調整開始。
久しぶりアナログ触るから、もう試行錯誤。


ハム音が鳴ったりで、かなりケアレスミスも多く、あーだ、こーだとやること3時間半。
ようやく4年前に聴いていた感じのサウンドに戻ってきた。
久しぶりにオーディオやったという感じ。(笑)


ラトルのダイレクトカットLPは、舞夢邸で聴かせてもらったことから、舞夢さんにメッセージして、いろいろアナログのことを教えてもらった。


気になるのはアナログ再生時のゲインが低く、CD再生時より15dBも低い。


舞夢さんのアドヴァイスは、「確かにディスクによっては録音レベルが低いものはありますが、この盤の録音レベルは特に低いわけではないようです。(拙宅の場合はCDと大差ない音量差です)考えられるのは、カートリッジの種類(MM、MC)とのマッチングです。AMPのPhonoイコライザーは、RIAAカーブで周波数特性を元に戻すと共に、レベルを昇圧しますが、これはMMカートリッジの再生レベルまでです。通常、MCカートリッジはMMカートリッジよりも出力が低いために、MCヘッドアンプもしくはMC用の昇圧トランスを使用して出力レベルを補正します。


アンプ側でMC、MMの切り替えはできるようになっておりませんでしょうか。少なくともAVアンプにPhonoポジションがあるので、イコライザーアンプは入っていると思われますが…。ちなみに拙宅のアンプではポジション切り替えがあり、MCカートリッジをMMポジションで聴くと仰るようにかなりゲインが低く、それに伴ってS/Nも大幅に劣化します。でも、もし、カートリッジがMMでこの症状だとしたら、どちらかの機材に不具合がある可能性がありますね。


あと、もうひとつ、カートリッジシェルはアームから外せますよね?期待薄ですが、ここの接点を布で(できればアーム側も綿棒で)磨いてみてください。」


ソニーのプレイヤーは、MMカートリッジ。MMのフォノイコライザー内蔵のようだ。
だからゲイン不足というのは機器の不具合なのか?(笑)
まぁとりあえずこのままAMPのVOL上げてそのまま続行。


カジュアル向けのプレイヤーなので、固定アームでカートリッジ交換不可能とずっと思っていたけれど、そうではないようだ。


ゼロバランス、針圧3gも再調整。なんとインサイドフォースキャンセラーも調整できるのだ。(笑)


いろいろ調整したけれど、オーディオオフ会でオーディオの友人宅で聴くような、あのアナログ特有の太くて濃い濃厚な音ってやっぱり無理なんだな。


アナログLPはダイナミックレンジ(Dレンジ)は狭いけれど、CDのように音域をカットしたりしていないから周波数レンジ(Fレンジ)は広くて、かなり濃い音が楽しめるはずなのだが、う~む、厳しい・・・。


やっぱりカートリッジの差が大きいかな。5万円のプレイヤーだからこんなもんかな、と妥協。


久しぶりにアナログ聴くから、グリモーさん&バイエルン響のブラームス、なんと途中で針飛びしてしまい、前へ進まない。えっ4年前に数回聴いただけで、そのまま保管していただけなのに、なのに、なぜ?目視しても傷や障害物もなさそう。


ショック。大好きな盤なので、中古市場で買いなおしました。(完全限定版だからいまは売ってないんですよね。)


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後日レコード店で相談してみよう。


まっこんな感じなのである。
ようやくアナログ再開の準備は整った。


ベルリンフィルのダイレクトカットLP。


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とにかく高級品そのもので、最初触るのはすごく怖かった。
ラトル盤は、500枚完全限定。あっという間に即完売だった。

ハイティンク盤は、1884枚完全限定。


自分のシリアル番号は、ラトル盤は450番(/500番)
ハイティンク盤は、1428番(/1884番)


ハイティンク盤(なんと日本語解説がついている。ラトル盤にはなかったことだ。)


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ラトル盤


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ベルリンフィル・レコーディングスによる制作との宣伝だったが、中を見たらやはりエミール・ベルリナー・スタジオ(Emil Beliner Studios)による制作だった。まぁ、EBSはもともとDGの中にいたレコーディングス技術部隊でDG時代のベルリンフィルを録音していたのだから、別に問題はなし。


ライナー・マイヤールさんプロデュースだ。



さっそくハイティンク盤から聴いてみる。


ハイティンク盤は、2019年5月に行われたベルナルド・ハイティンクのベルリン・フィルにおける最後の演奏会、ブルックナー「交響曲第7番」をダイレクトカットLPで収録しようとした試みだったのだ。


ハイティンクは、ベルリンフィルとも200回以上の演奏会をおこなった縁の深い指揮者で、そんなハイティンクに対して花道を飾ってあげようというプレゼントだったようだ。


ディスクの最終面(LP2‐B面)にはハイティンクとベルリン・フィル団員のサインが刻み込まれている。


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ダイレクトカット録音は、マイクで採音された演奏を、直接ラッカー盤面に刻み込んでいく方法で、編集はいっさいない。もちろん演奏自体も失敗が許されないから、すべてにおいて一発勝負なのだ。


従来のようなアナログマスターテープを介さないからテープヒス音もない、高音質という触れ込み。


ハイティンク盤を聴いて、そして引き続いてラトル盤を聴く。

聴き比べてみて、自分が想ったこと。


それはオーケストラ録音の難しさ。


ジャズやポップスはオンマイク録音、クラシックはオフマイク録音と言われる。


オーケストラ録音って、やっぱり音場型録音だと思うのですよね。


あのコンサートホール全体に響き渡る音場をそのまま、まるっと抱え込むというかその音場空間をそっくりそのまま捉え録音するのがオーケストラ録音の基本なのだと思うんですよね。それがまず第1前提で、その次に各楽器の解像感や分離感などを追求していくような順番なのだと思うのです。


コンサートホールで生演奏を聴いている、あの感覚を蘇らせるには、やはりあの全体の音場感がファースト・プライオリティ。


ラトル盤はワンポイント録音だった。


舞夢さんの話では、ハイティンク盤ではアンビエンス・マイクを使ったマルチマイク録音だそうだ。メインマイク3本とサブマイク2本の5本構成された構成だったようだ。


ハイティンク盤とラトル盤を聴き比べると、自分はこの差がサウンド的な印象を決める決定的な要因のように思えた


結論からすると、自分はマルチマイク録音のハイティンク盤より、ワンポイント録音のラトル盤のほうがよかった。


ハイティンク盤は、音場感が潰れている感じで音が伸びてこないというか、平面的で空間を感じないのに対し、ラトル盤はすごく音が伸びる感じで、ホール空間がそのまま目の前に現れるような感じがした。ラトル盤はホール感がありますね。


よくワンポイント録音は音場感をそのまますっぽり取り込めることができ、自然な音場感を得ることができる反面、マルチマイク録音は、メインマイクの他に、スポットマイクなどで採音し、それを後で、パッチを充てるように継ぎはぎしていくから、位相がぐちゃぐちゃになり、位相合わせなどの調整が難しくて自然じゃない。だからマルチマイク録音はダメ、と言い切る方がいらっしゃるが、自分はそうは思わないです。


確かにワンポイント録音だと抜け感がいいというか、スコーンと抜けるような空間感があって、いいのだけれど、逆にワンポイントだから各セクションが遠くて、解像感や分離感が悪くて団子のように聴こえるというデメリットありますね。あと、マイクから遠いからオーケストラが持っている躍動感の表現も苦手ですね。


そういうのを解決するのに、補助のスポットマイクで録ってあとで、継ぎ足しする訳ですが、そういうワンポイント録音の苦手な部分を補ってくれるのだと思います。


指揮者の背面の天井近く高いところにメインマイクがあって、そこで全体の音場をキャプチャーして、そういう解像感や分離感、躍動感などをそっと後から補完してあげるというそんな作業なのではないでしょうか?


確かにマルチマイクって継ぎはぎだから、聴いていて、抜け感が悪くて、どこか空間が詰まっている感じで、抜けるような自然な音場感という感じはしないかもしれませんが、それってエンジニアの腕次第だと思うんですよね。


自分が普段聴いているレーベルはマルチマイク録音が主流ですが、きちんと位相合わせの技が妙で、シームレスに繋がってそういう不自然さを感じないし、広大な音場、明晰な音像を両立させていると思います。


すべてエンジニアの腕次第だと思うのです。


音声信号で、位相って本当に大事なパラメータです。音声信号の時間軸の管理、調整のことです。


今回、ハイティンク盤で音場が潰れてホール感を感じないのは、マルチマイク録音で録ったものを、きちんと後でその継ぎはぎのときの位相合わせなどの編集ができないからだと思うのです。


ダイレクトカット録音は、もちろん編集はいっさいなしのマイクで採音した音をダイレクトに盤面にカッティングするのでそういうマルチマイクで録った音の位相合わせなどがきちんとできていなかったのでは、と思うのです。


なぜハイティンク盤をマルチマイクで録ったかと言うと、それはブルックナーが大編成を要するので、ワンポイントだと全体を捉えられないという理由からそうしたのだと思います。


でもマルチマイク録音は編集してなんぼの世界ですね。


エンジニアが徹底的に編集を施して、きちんと継ぎ目をスムーズにして、位相合わせして、完成度をあげて初めて成果がでるやり方ですね。


ダイレクトカット録音はそれができないから、簡単なミックスでは、どうしてもそういうつなぎ目がうまくいかず、位相がぐちゃぐちゃになって空間、音場感を壊してしまうのでは?と思うのです。


ライナー・マイヤールさん率いるエミール・ベルリナー・スタジオ(Emil Berliner Studios)という最高の技術スタッフを以てしてもこんな感じの印象だから、やはり難しいことなのだと思います。


ラトル盤はすごいです。とにかくすごい空間感、ホール感でよく鳴るというか、自分の5万円の安いプレイヤーでこれだけ鳴るのは、やはりオーケストラ再生冥利だと思います。グリモーさん&バイエルン響もオーケストラ演奏ですが、全然ラトル盤のほうが凄かったので、やはりダイレクトカット録音はすごいと思ったほどです。


編集がいっさいできないダイレクトカット録音では、やはりワンポイント録音のほうがいいのではないか、というのが自分の導き出した結論です。


もちろん最初からそんなことを思いつくはずもなく、ハイティンク盤を聴いて、う~ん。ラトル盤を聴いて、う~ん。なんでこんなに違う感じなのだろう、ということを感じて、自分で後で無理やりこじつけて理論づけただけなのです。


つじつまが合うようにした後付け理論なのです。

もちろん間違っているかもしれないです。
反論も多いと思います。甘んじて受けます。


自分の安いプレイヤーではハイティンク盤をきちんと鳴らし切れていないだけなのかもしれません。(その可能性も大きい。)


そういう考え方からすると、いまのライブストリーミング配信も生放送ストリーミングは編集できないから、ワンポイントマイクでやるのが一番自然な音場感、ホール感を得ることができて、いい音で視聴者に音を届けることができると思うのです。


アーカイブは、あとで、じっくりエンジニアが編集して完成度をあげていい音にすることができるから、そういう意味でマルチマイクでいいかもしれませんね。


ベルリンフィルのDCHなんてそうやっていると思います。


オーケストラ録音って本当に難しいです。


今回のダイレクトカットLPについては、もともと舞夢邸で聴いたことが最初の縁でしたが、舞夢さんにはいろいろお世話になりました。


ここにお礼を申し上げます。







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