async [ディスク・レビュー]
今日はブルーノート東京ライブ・ストリーミングだけではなくひさしぶりに坂本龍一教授の作品を聴いてみようと思いました。
学生のときは、YMOの大ファンでしたから。3人編成、トリオが大好きでしたので。その後、戦場のメリークリスマスとかその都度耳にしてきましたが、ちょっと自分が離れてしまっていたこともあり、ひさしぶりに坂本教授の作品を聴きます。
4年前の2017年に大変話題になったasyncを聴いてみようと思いました。
async
坂本龍一
坂本龍一
8年ぶりのソロ・リリース。そしてその当時、癌発見ということで、非常に人生の節目になった大きな作品だったと推測します。盟友オノ・セイゲン氏とともに京都で録ったのではないでしょうか?
つい先日のニュースでも癌の転移を知り驚きました。いろいろな覚悟をされていると慮りますが、これからも停まることなく、更なるアーティストとしての邁進を期待して祈っております。
asyncを拝聴しましたが、これは抽象美というか、非常に哲学的な作品ですね。坂本教授の美意識の世界観をそのまま音として表現したものではないか、と思います。なんか自分には、現代アート、現代美術のあの抽象的な世界観を感じますね。
素晴らしいです。
自分が坂本教授に抱いている印象は、非常にアート的で繊細な美意識を持っていて、それはいままでリリースされているアルバムでもよくわかりますね。
あと、ミュージシャンとしてだけではなく、音楽業界の今後の行く末にも関心を持たれ積極的に発言されている姿は、本当に素晴らしいのひとことです。
今日は”おうちタイム”なので、いままでの坂本作品をいろいろ聴いてみましょう。
ストリーミングは本当に便利ですね。
ただ音楽家にとってお金になるのかどうかは知りませんが。(笑)
ただ音楽家にとってお金になるのかどうかは知りませんが。(笑)
話題になった当時ではなく、4年後のいまasyncを聴いての遅すぎる称賛でスミマセン。(笑)
オノ・セイゲン氏は、ソニーとともに、DSD推進、イマーシブ・オーディオの旗頭として活躍している日本のサウンド・エンジニアのパイオニア的存在なのは、もうみなさんよくご存じだと思うのだけれど、実際どういう音、サウンドを作る人なのかは、じつは自分はよく聴いたことがなかったんですよね。(笑)
ちゃんと対峙して聴いたことがなかった。
この坂本教授のasyncを聴いてみて抱いたサウンドの印象は、非常に実験的なサウンドですよね。立体感が素晴らしいです。計算されつくした意識した音作りをしますね。
造り込まれている感が凄いです。
ふつうにスタジオやホールでミュージシャンが演奏する音楽をそのままちょっといじって加工するという感じではないです。
それは坂本教授のasyncの作品のコンセプトがそうなのかもしれませんが。
PCオーディオのストリーミングでのふつうの2chステレオなんだけれど、非常に立体的で3D的に聴こえます。
オブジェクトベースで音源を空間配置しているような感じで、ある効果音は自分の頭の後ろのリアから聴こえてきたりしますし、前方のステレオのサウンドステージも、その音源の種類に応じてその空間に現れる位置が、前後奥行きや左右に、ポッポッといろいろ違う位置からその都度現れる感じで非常に立体的です。
まさに造り込まれている感、空間の座標軸を徹底的に計算しつくしたサウンドですね。
非常に人工的です。(笑)
ふつうの音楽を聴いている感じじゃないです。
ふつうの音楽を聴いている感じじゃないです。
結論として、ガッカリしなくてよかった、というところでしょうか。(笑)
最新のイマーシブもいいけれど、今度は、自分が普段聴いているSACDサラウンドでのサウンドを聴いてみたいです。やっぱり普段自分が聴いている自分の物差しで確認してみたいですね。
やっぱり造り込まれている感の強いサウンドだけではなく、”音楽”をどのように録るのか、を聴いてみたいです。
オノ・セイゲン氏が録ったサラウンド音源は、ファントムセンターで録っていたという話をちらっと聞いたこともあるので、やっぱり自分の耳でじかに確認してみたいです。
ブルーノート東京ライブ・ストリーミング [ジャズ]
ジャズのライブレストランでは、やはりブルーノート東京が一番歴史があって、グレードが高いだろう。でもここは敷居が高いだけあって、ディナーの値段がべらぼうに高かった記憶があります。昔ですが。さすがと思いました。
最近ではビルボードライブ横浜がオープンしたようで、ぜひ行ってみたいです。
そのブルーノート東京で、ライブ・ストリーミングをついにスタートさせた。
”ブルーノート東京のライブ配信とディナーをご自宅で”
というキャッチフレーズがすごく洒落ていて素敵じゃないですか!
ジャズのライブレストランのあの空間の雰囲気が、おうちで体験できる。
ぜひ使ってみたいとずっと思っていて、今日ようやくサイトを覗いてみました。
そうするとGUI含め、非常に洗練されていて、うぉぉ~という感じで、ちょっと宣伝したくなった。GUIがシンプルで美しくてサービスが行き届いていると、やっぱり使いたくなりますよね。
ブルーノート東京ライブ・ストリーミング
基本骨子は、各配信公演のアイコンがあって、その詳細ページに飛んでチケットを購入するというもの。
配信プラットフォームは、
ぴあ <PIA LIVE STREAM>
イープラス <Streaming+>
ZAIKO
イープラス <Streaming+>
ZAIKO
の3つ。
ある公演のサイトに飛んでみると、
実演とライブ・ストリーミングがハイブリッドで同じ画面で購入できるようになっている。何気ないことのようで、これが自分にとっては結構斬新な感覚だったりした。
いままで自分のクラシックのコンサートだと、もう実演でのチケット購入手段というのが、大昔から決まっているので、それは変えるのではなく、あくまで配信チケットはadd-on的な感じの位置づけである。こうやって同じ画面で、ハイブリッド感を出すのは、う~ん、いかにも時代に合っているなぁと思ったりする。
そうして過去の公演はこのように一覧の写真アイコンを並べる。
その各アイコンをクリックすると、その公演の情報が出てくる。
ちょっと触っていろいろやってみただけなので、まだよく使い方がわかっていないだけなのかもしれませんが、この過去の公演の各ページに記載されているのは、その公演の情報だけなんですよね。
これはもったいない。その公演の見逃し配信の配信チケット購入、そして閲覧のボタンが、この各ページにあったら、そのまま過去の公演も視聴できるので、それがあると絶対いいと思います。
もちろん、公演によっては見逃し配信もあります、とのことですので、自分の見てみたページがたまたま見逃し配信がないだけで、すでにそうなっている可能性もあります。
そしてその各公演のページには、そのコンサートで使われた曲の音源が入っているCDなどがHMVなどから購入できるような物販ECサイトへのリンクもある。
さらには、オフィシャルサイトへのリンクと言うことで、そのアーティストの公式ホームページや、Facebook,Twitter,Instagramへのリンクもある。
いいなー、いいなー。
ある意味、現状で考えられるあらゆるECサービスを全部盛り込みました的な感じですが、すごくいいと思います。
そしてなによりも、リアル配信にしろ、アーカイブ配信にしろ、有料課金というのがいいですね。当然です。
やっぱりライブ・ストリーミングのビジネスは、いま始まったばかりの黎明期なので、まだまだこれからだと思いますが、やはりいまの最大の欠点は、アーカイブ配信が永遠ではないところではないでしょうか?
期間限定ですね。1週間限定、1か月間限定で消去してしまう。
以前にも言及したと思いますが、究極はアーカイブは永遠に残すべきです。
ベルリンフィルのデジタルコンサートホールのように。
ベルリンフィルのデジタルコンサートホールのように。
そのためにはコンテンツDBの大容量化をどのように実現していくか、ということだと思います。全公演を残す必要はないと思うので、選抜して永遠に残してほしいです。(ベルリンフィルDCHも全公演ではなく、選択した公演のみ残している。)
アーカイブ永遠保存化が実現できるようになったら、ぜひコンテンツ検索について考えてほしいです。写真を並べる方法は、とても華やかで格好いいですが、膨大なライブラリーの中から希望のコンテンツを探すのはかなり骨が折れます。(笑)じつは文字入力検索やアルファベット順などの検索キーを使うほうが地味ですが、ユーザーにとっては実はそっちのほうがよかったりします。
いままでアーカイブはすぐに消していたので、そういう問題は考えなかったと思いますが、これからはこのコンテンツ検索という概念はとても重要なテーマになります。
別にコロナがあるから、という理由ではなく、今後のコンサート・ビジネスは、実演+ライブ・ストリーミングの二重の収益構造で利益をあげていくのがde-factoだと思うので、こういう配信プラットフォームをコンサートホールやライブレストランごとに自前で持っているというのは本当に理想ですね。
ブルーノート東京だけでなく、ビルボードライブ東京やビルボードライブ横浜、そしてモーションブルーYOKOHAMA、その他のライブハウスもこういう配信プラットフォームを自前で持てるような時代が来るといいですね。
ジャズがより身近に感じるようになります。
自分がいま秘かに楽しみに期待しているのが、4月に発表されるであろうサントリーホールの”デジタル・サントリーホール”。
サントリーホール開館35周年の記念事業の一環らしいです。
サントリーホールが自前の配信プラットフォームを持つようになるというのはすごい興奮します。ついにベルリンフィルのようになるんだな、と思うとワクワクです。
コンテンツ配信システムやEC課金システム、暗号化・認証システムなど、どこの配信プラットフォームを使うのか、あるいは全く新規のご披露目なのか、わくわく期待です。
コンサートだけではなく、いろいろなオンラインでやることが可能なすべてのことが対象になるのではないでしょうか。自分でも使ってみて、感想をレポートしてみたいです。
そのとき、コンサート配信については、ぜひアーカイブの永遠保存化をテーマによろしくお願いします。
ということで、非常に洗練されたブルーノート東京のライブ・ストリーミング。
全曲公演ではなく、そのうちの数曲を格納したYouTubeで楽しみたいと思います。(笑)
ジャズのライブ・ストリーミングでぜひ視聴したかったのが、ケイコ・リーさんの公演。ずいぶんご無沙汰していますが、全然変わっていなくて安心しました。いつものお馴染みのスタンダードナンバー最高です。
小曽根真さんの公演もしっかりウォッチ。いやぁいいですね。ご自身のバンド,NO NAME HORSESとの共演は初めて観ました。おうちで観れる配信だからこそ、実現できました。インタビュー付きですが、小曽根さん、めちゃめちゃ英語うまいです。ネイティブのようです。
塩谷哲さんのコンサートははじめて観ました。小曽根さんとのコラボでよくソルト(塩という意味)と呼ばれていたときを知っていただけに感動しました。いつか実演を楽しみにしたいです。
重鎮・渡辺貞夫さんのコンサートもこうやってライブ・ストリーミングでおうちで観れるようになるというのも時代ですねぇ。
大西順子さんの実演も体験したことがないので、こうやっておうちで観れるのは感無量です。いつか必ず実演を体験したいです。
大西順子さんといえば、自分でもメモリアルに記憶にあるのは、小澤征爾さん&サイトウキネンとの共演でガーシュインのラプソディ・イン・ブルーを演奏したときのことです。自分の記憶に間違いがなければ、もともと村上春樹さんに招待されて、大西順子さんの引退公演に行ったところ、終演後、小澤さんがやめるな!と叫んで、その後、自分のサイトウキネンとの共演をオファーして実現した公演ではなかったでしょうか。
小澤さんは、オーケストラでラプソディー・イン・ブルーをやるのは18番なのです。ベルリンフィルのヴァルトビューネ野外コンサートでもこの曲をやっていましたね。そのときのピアニストならびにドラム、ベースのジャズトリオは黒人だったと思いました。
うちにDVDあります。