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生演奏とオーディオの魅力の違い [オーディオ]

とある友人の日記の投稿で、「オーディオは生演奏には絶対かなわない。」というような表現を見る機会が多く、激しい憤りを覚えた。こういう発言は、オーディオできちんとした再生環境を持っていて、それなりのキャリアがある人が発言するのであれば、納得もいくのだが、そうでない場合、軽はずみな発言にしか思えない。

自分は、オーディオもやるが、生演奏も国内問わず、海外まで行くほどのコンサートゴアであるので、両方の魅力、そしてお互いの一長一短についてはよくわかっているつもりだ。


確かにオーディオ再生環境がプアであれば、もう断然生演奏のほうが迫力があって、よいと思うに違いない。


でもオーディオの楽しみってコンサートの代替ではないと思う。

自分が想うには、オーディオの魅力というのは、1番には、やはりモノとしての魅力、所有感にある。たとえば男性であれば車。自分は車にあまり興味がないので、その気持ちがわからないが、車好きの人は、やはりあの外観、そしてそれを所有している魅力が堪らないのだと思う。それで洗車などで常に手入れする愛しい気持ち。これはすごくよくわかる。

高級オーディオの趣味には、これに似た感覚があって、オーディオ機器にモノとしての魅力があって、そこに男心をくすぐるロマンというのがある。そしてそのモノから美音を奏でて聴いている、というそのスタンス。インドアで部屋の中で、このようなシチュエーションで聴いているその状況がなんとも心癒されるし、オーディオというのは、心、人生を豊かにしてくれる大人の趣味なのだと思う。

またそういう自分の愛機からいかに素晴らしいサウンドを作り上げるか、という作業もたまらなく面白い。またオーディオの面白さのひとつに優秀録音のディスクを探してそれを聴いて楽しむ、というのもある。とても録音のいいディスクを見つける楽しみ、そしてそのディスク再生で聴く音楽というのは、コンサートで味わう音楽とは別世界なのだ。自分は録音がいいディスクを聴いていると、そしてそれが自分の愛機であるオーディオ機器から再生されているか、と思うと恍惚になる。そしてそういう優秀録音のディスクを発見する楽しみがお宝さがしみたいで楽しいし、そういうディスクをコレクターするのが楽しい。

生演奏の1番の魅力というのは、大音量、ダイナミックレンジの広さ(再生空間の広さ)だと思う。

こればかりは一般家庭のリスニングルームでは敵わない永遠の壁でもある。

また、そのとき、その場所にいて、その感動を得るというリアリズムが堪らなく魅力的なのだと思う。あのときのあの名公演。特に海外まで出かけるとなると、自分はコンサートホールやオペラハウスなどのハコものが大好きなので、そういう海外の名ホールを経験する、そしてそれをSNSやブログとして残しておく、ということに凄く生き甲斐を感じる。やっぱりその体験というのが人生の上で大きな財産になる。


インドアのオーディオだけの世界で閉じこもってそのサウンドしか知らないよりは、やはりたまには生演奏に出かけて、脳内ソフトの書き換えをする、というのはオーディオマニアにとっては大切なことなのだろう。



一方で生演奏は、座席による音響のムラがあるし、また演奏者の出来不出来によるムラもある。ダイナミックな迫力はあるのだけれど、結構雑というか不出来の時の生演奏ほど落胆するものはない。これであれば、家でオーディオで聴いているほうがずっとイイ、と思うこともよくある。

その点オーディオは常にベストの演奏、音響を時を選ばずして聴ける。


オーディオルームで再生されるサウンドを、コンサートホールでの実体験をそのまま再現しようという努力をされている方も多いが、それはそれで尊重されるべきでいいと思うが、自分は生演奏は、生演奏。オーディオはオーディオというように楽しみ方を割り切っている。

ただ、言えることはオーディオでのサウンド作りをする上で、実際の生演奏で聴いた感覚、経験がたくさんあると、どういうサウンド作りをするべきか、という指針が立てやすいのだと感じる。


そういう意味でも、生演奏とオーディオは持ちつ持たれつだし、楽しみ方はそれぞれ違うところにある、と思っているので、一概に、「オーディオは生演奏には絶対敵わない」などという軽はずみな発言は絶対許せないのだ。


オーディオでそういう苦労を存分にしている人の発言なら、まぁ許せるところもあるのだが.....


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