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チケット争奪戦 [海外音楽鑑賞旅行]

それでは最後にチケット争奪戦について、その悪戦苦闘を記しておこう。
いまだから語れる、この奮闘記はどうしてもこの日記に外せない。


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現在のチケット獲得状況は、交響曲第2番だけを除いて、全部確保できている。
第2番だけ、いまなおリターンチケット待ちなのである。


でも必ず出てくる確信あります。
絶対穫れる!


2017年にこのフェストの存在を知った自分は即座に、いつもお世話になっている旅行会社と情報共有を図り、ぜひ現地とのパイプをお願いします、と依頼した。


いつも自分を担当してくれている女性のコンシェルジェは、そのようなフェストって存在するんですね、って驚いていた。内部で相談した結果、数日後に連絡があり、自分の担当のコンシェルジェを男性のY氏に交代するという。


Y氏はオーケストラに所属していたこともあり(金管、トランペットだったかな?)、大のマーラーファンだという。今回の極秘プロジェクトは、もううってつけの最適任者である、という社内の判断だった。


自分はこの旅行会社にお世話になって、担当はずっと女性のコンシェルジェだったので、男性ということで、男性ならではのプロフェショナルさと頼もしさを感じて、期待していた。


今回は難解な極秘プロジェクトだったので、自分個人でチケットを取るより、やはりプロの方に任せるほうが安全と確実性があるだと思った。まぁその分、手数料込でチケット代金は高くつくが仕方がない。


値段より安全を選んだ。

彼ならやってくれる!と期待していた。


電話でお互い自己紹介して、「ノンノンさん、私もマーラーが超大好きなので、必ずやノンノンさんの夢を叶えます。そして私自身も、全公演をコンプリートして現地で全公演を経験したいと思います。こんなフェストがあるなんて、まったく知りませんでした。お知らせ頂きありがとうございました!」


でも、そう簡単にはすんなり行かないんだな。


普通、海外の公演カレンダーは、公演日の早くても半年前くらいにチケット発売オープンになる。
もっと普通は3か月前くらいが妥当か。。。


2020年5月の今回のマーラーフェスト2020だと、半年前なら2019年12月、まさにいまの時期だ。
チケット発売はこのくらいかな、という皮算用。旅行会社も以下同文。


そういうことも含めて、公演カレンダーをつねにチェックしていたことは言うまでもない。

ところが予想に反して、よりによって約1年半前の2018年12月に発売オンセールが始まってしまったのだ。


自分も旅行会社も、まだまだだろう、と完璧に油断しきっていた時期。


自分はそれをSNSの投稿で知った。
すでにオンラインで発売が始まっていて、8番の初日の日はすでに完売。


げげっ!


もう青ざめました。


あわててネットで公式HPを確認。

そうしたら確かに記載されていて、すでに発売が始まっている。


旅行会社さん、だからちゃんと現地と密でコンタクトとってお願いしますね、と言っておいたのに、何やっているのよ~という怒りモード。


HPの記載内容を確認すると、発売になったのは、いわゆるセット券。いわゆる全公演がセットになっているチケットだ。値段もそれなりにふさわしい大金だ。


自分が気づいたときは、すでにこのセット券は売り切れ完売になっていた。
個別単位の公演のチケットの発売日は、その後の2019年6月1日である、とのこと。


自分は仕方がなしに、この個別単位の発売日にかけるしかない。

Y氏ともその旨、位相合わせをして、再度襟を正して再挑戦する。


セット券が入手できていれば、いままでのような苦労はしなくて済んだのだ。

終わったことはもう水に流そう。


ターゲットの6/1が近づくにつれて、そわそわしてしまい、自ずと緊張が走る。1か月前になってもさらには発売日のギリギリの1週間前になってもY氏からなんの連絡もない。ふつう1か月も期限が切れれば、それなりの準備をすすめるべく連絡があるはずだ。


それが土壇場の1週間前になっても連絡がないとは。


特殊なフェストなので、情報のパイプラインがなく苦労しているのは想像はできた。

自分はだんだん焦りと怒りが増幅してきた。


そしてある日、このようなキレた内容の抗議文をY氏に送った。


もし従来通り、女性のコンシェルジェだったならば、このようなキツイ調子でクレームは絶対できなかったと思う。そこは同性の男性であるが故の自分の甘えというか、遠慮、配慮がなかった。


ノンノン:


情報を掴もうという努力をなさっているとは思いますが、やはり遅すぎです。
こちらの依頼に対して、いつも後手後手になっていて、対応が遅すぎます。
待っているほうは、どうしても感情的にイライラします。

もう少しマメに連絡を入れていただけると救われると思います。
(現在の状況も含めて。いつも簡単な結果だけになっています。)


今回のチケット手配は、こちらの温度感からすると、普通のチケット手配と違って、
相当試練の困難な争奪戦と理解しています。私が掴んでいるまわりの雰囲気もそうです。

そちら&現地との温度差がないように、お互いのフェーズを合わせたいと思いますので、
よろしく気を入れていただくようお願いします。


情報がないせいだと思いますが、今回の対応の遅さを鑑みると、今後のことが
不安になってきます。


超困難な手配ですから、全滅で、キャンセル待ち前提の闘い、ということも当然
覚悟しています。だから、そうなると1年後の公演開始までずっとキャンセルが出るまで
待ち続ける、という長い戦いになると覚悟しています。


今回の旅行のために、3年間海外旅行をお休みした訳ですから、この旅行のために
かけているのです。


それだけかけていますので、こちらの気持ちをくんでいただきたい、と思います。


キツイ言い方をさせていただきましたが、ずっと御社を利用してきたカスタマーの立場、
経験上から、いつもの手配と違い、かなり対応が遅いので苛立った次第です。


今後1年先まで長いお付き合いになりますので、いまアドバイスしたほうがいいと思い
筆を執った次第です。


お許しください。



Y氏:


ノンノン様

メール拝見いたしました。
今回のご旅行でノンノン様がどれだけの思いで
マーラーフェスティバルを心待ちにされているかを
しっかり汲み取ることが出来ず申し訳ございませんでした。

レスポンスが遅いということはご指摘の通りであると反省しております。
情報不足においても、ご不安思いをさせて申し訳ございません。

チケット発売まで間もなくではございますが、
直前まで情報収集に努めさせていただきます。
ベストな手配が出来るように、ノンノン様とも密なやり取りをさせてください。

この度はご指摘をいただいて申し訳ございません。
引き続きよろしくお願いいたします。




このような返事をもらっとき、正直イラっとして感情的になった自分は後味が悪いというか言い過ぎた、感情的になり過ぎた、と反省モードしきりだった。


それから数日後、一週間もしなかったと思う。


チケットが手配できた、という連絡。


さすがに2番と3番は完売だけど、それ以外の公演は全部抑えたという。

Y氏はきちんと仕事をしてくれた!
やることはきちんとやってくれた!


2番、3番はリターンチケット待ちするしかない。


男は言葉多くより、ちゃんと実績で答えるのみ!という男の姿を見せてくれた。

もちろん感謝の気持ちをたくさん伝えることは当然だった。


それから2週間経過したくらいだろうか・・・Y氏が1か月の休職に入ってしまった、という連絡。
そして1か月後に連絡したら、そのまま退職された、とのこと。


自分は相当ショックで立ち直れなかった。


理由は聞けなかったが、あくまでも自分の推理。

たぶん病気になってしまったのでは?と思った。
病気になり、1か月休職して、それまでに治癒できなかったのでそのまま退職手続き。


出会ったとき、「自分もマーラーの大ファン。自分も現地で全公演をパーフェクトに体験したいです!」と熱く語っていた。そんな前向きだった男が辞める理由は見当たらない。


もし、あくまで自分の想像に過ぎないけれど、もし病気での退職だったならば、まさに志半ばにして倒れるとはこのこと。そして自分に叱咤激励され、きちんと男としてその結果を出した。


自分はそう思うと泣けて泣けて仕方がなかった。


いままで一緒に闘ってきた想いもよぎり、朝の満員の通勤電車の中で人目はばからず大泣きしてしまった。


まさに今回のノンノン2020プロジェクト、なによりもY氏のためにも絶対に成功させないといけない。


Y氏の後任は、また女性のコンシェルジェに担当してもらい、今後の調整などサポートを受けている。


第3番は、ほんの数日前に、リターンチケットが出てきて、無事確保しました。
あとは第2番「復活」のみ!


毎度のことながらチケット争奪戦はひとつの人生のゲームだとつくづく思います。










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マーラーフェスティバル2020に行きます! [海外音楽鑑賞旅行]

クラシックの作曲家は大半がそうなのかもしれないが、グスタフ・マーラーは作曲家として生前はまったくと言っていいほど評価されず、逆に批判、罵声を浴びながらその生涯を終えた。


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マーラーの作品が評価されたのは、本当につい最近のことで、マーラーの作品を演奏指揮した直弟子のブルーノ・ワルターなどいることはいるが、マーラーの作品を頻繁に世間に取り上げ、真に商業的な成功に導いたのは、レナード・バーンスタインではなかったであろうか?


それ以来、マーラーブームと呼ばれるブームが何回も起きるほど大人気になり、いまではマーラーの交響曲、歌曲はクラシックファンに最も親しまれている作品のひとつと言えるようになった。世界中のクラシック業界どこもかしこもマーラー・ツィクルスが実演された。自分もあまりに多くて全部思い出せないけれど、自分がコンサートに参加したものでは、ラトル&ベルリンフィルのマーラー全曲演奏会、そして日本では、インバル&東京都交響楽団のマーラー全曲演奏会。


前者は、現地ベルリン・フィルハーモニーで交響曲第6番「悲劇的」、後者は、東京芸術劇場&横浜みなとみらいで全公演に参加した。


マーラーをコンサート演目に取り上げるのは、正直言うと、自分はもう少々食傷気味という感じがするくらいで新鮮味という点では、あまりに演奏され過ぎた。


いまではそんな感もある。


マーラーはウィーンで音楽の教育を受け、ウィーン国立歌劇場の音楽監督に就任し、ウィーンで作曲家、指揮者としての活動をスタートさせるのだが、オペラを指揮しながらも、自分の作品を作曲していく過程で、そのウィーンでの評論界では全くと言っていいほど評価されず、まさに不遇の時代を過ごした。


その後、ヨーロッパを離れ、海を渡り、アメリカへ移住。ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場の音楽監督に就任するが、やはり批判、罵声などの評価から変わらず。またクラシック不毛の地アメリカのオーケストラ、クラシック業界に対してマーラー自身が偏見の眼差しで見ていたこともあって、やはりそこでも不遇の時代となり得た原因があった。


そういう常に”評価をされる”という点ではまったく冷遇され続けてきたマーラーではあるが、唯一オランダ、アムステルダムでは、とても暖かく受け入れられ、まさに熱狂と言っていいほどのフィーバーであった。


当時コンセルトヘボウ管弦楽団の首席指揮者であったウイレム・メンゲルベルクとの出会いがそのような不遇のマーラーの人生を変えた。メンゲルベルクは、1902年6月のドイツのクレーフェルトの音楽祭で交響曲第3番を指揮するマーラーに出会い、一気に一目ぼれ。ぜひマーラーをアムステルダムに呼ぼうと企てるのである。


メンゲルベルクは、自分の一生涯をかけてマーラーをサポート、啓蒙していこうと決心した。
マーラーにとって、メンゲルベルクはまさに自分の音楽家人生にとって最愛で最強のパートナーとなった。

アムステルダムの聴衆とメディアはマーラーに対して暖かかった。
つねに熱狂と大歓声に囲まれた。
そしてメンゲルベルクの熱いサポート。


アムステルダムにいると新しい作品に対するインスピレーションを得ることも多く、またメンゲルベルクとの強力なコンビネーションですでに書き上げていた作品などの補筆なども頻繁に行う促進力を生むことも多かった。そしてなによりも自分の作品をここアムステルダムで演奏することで大絶賛を浴び、マーラーをとても暖かく迎え入れてくれた。


これをすっかり気に入ったマーラーは、その後メンゲルベルクに招聘され、何回もアムステルダムで客演を重ねる。マーラーにとって、アムステルダムは、”音楽の第2の故郷”となった。


こうやってアムステルダムは、マーラー演奏のメッカとなっていく訳だが、マーラー没後に1920年に盟友メンゲルベルクによって最初のマーラーフェスト1920がアムステルダム・コンセルトヘボウで開催され、メンゲルベルク&ロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団によってマーラーの交響曲、歌曲などの全作品が演奏されたのである。


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このマーラーフェストの第2回は、その75年後の1995年に開催された。このときはRCOだけではなく、ベルリンフィル、ウィーンフィル、そしてその他の楽団によって、アムステルダム・コンセルトヘボウでマーラーの全作品が演奏された。


自分はこの1995年当時、ヨーロッパに住んでいて、アムステルダムに同期の友人が住んでいて、現地で頻繁に交流していた。その友人は筋金入りの大のクラシックファンだったのだが、マーラーについてはいままであまり聴いたことがなく食わず嫌いだったところが多かった、ということだった。


でも自分が住んでいるこのアムスでのマーラーフェスト1995に4曲通って、初めてマーラーという作曲家を理解できたし、自分のクラシック人生に大きな転換期になった、と熱く語ってくれた。


とてもユニークなフェスで、普通はほとんど誰もよく知らないであろうマーラーファストであるが、自分がその存在を知ったのは、このアムスの友人の1995年度大会の体験談を通じて初めて知ったのであった。


その話を聞いて、ぜひそのマーラーフェスト1995の次回大会を熱望していた。


いったいいつのことになるか、まったく想像できなかったけれど、2017年のときに偶然ネット検索で、2020年にそのマーラーフェストが開催されることを知った。1920年大会、1995年大会は、マーラーフェスト(MAHLER FEEST)であったが、今回の2020年から改め、マーラーフェスティバル(MAHLER FESTIVAL)と改称された。


3回目のフェストがなぜ2020年なのか、だが、単純に想像して、第1回の1920年から、2020年が満100年にあたり、大きな節目と考えられたから、だと思う。


自分はもう色極めだった。


もうこれは絶対行くしかない。こんなユニークなフェスは絶対自分に合っている!
そこからは、このフェストに行くべく、猛努力を重ねてきた。これは先の日記で書いた通りである。


マーラーフェストについてはこんな経緯である。


今回のマーラーフェスティバル2020の日程表である。


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ロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団、ベルリンフィル、ウィーンフィル、グスタフ・マーラーユーゲント管弦楽団、ブタペスト祝祭管弦楽団、そして今回新たなメンバーに加わったのが、ニューヨークフィルである。ニューヨークフィルもマーラに所縁のあるオーケストラで、バーンスタインはこのニューヨークフィルの音楽監督、首席指揮者に就任していたとき、このマーラー作品を頻繁に演奏項目に取り上げ、またマーラー録音の教科書とも言える作品も数多残した。


それが近年のマーラーブームの礎となった。


だからニューヨークフィルの参加は至極当然と言えば当然である。


指揮者は、ヤーブ・ヴァン・ズブェーデン(ニューヨーク・フィル)、チョン・ミョンフン(ロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団)、キリル・ペトレンコ(ベルリンフィル)、ダニエル・バレンボイム(ウィーンフィル)、ダニエル・ハーディング(グスタフ・マーラーユーゲント管弦楽団)、イヴァン・フィッシャー(ブタペスト祝祭管弦楽団)と蒼蒼たるメンバーである。


でも前回の1995年の一連のスター指揮者と比べると、今回はやや小ぶりかな?という感じは否めない。各々の楽団に所縁のある指揮者が選ばれるが、RCOにチョン・ミョンフン氏とは意外だった。


確かにRCOは首席指揮者で最有力候補のダニエレ・ガッティが女性スキャンダル(#MeeToo)問題で引責辞任したのが一番痛かったであろう。そしてハイティンクの現役引退、ヤンソンスのご逝去・・・とめぼしい候補が軒並みスピンアウトした。RCOのマネージメントはいまなかなか厳しい状況にあるそうで、フェストの指揮者選びは難航に難航を重ねたと思われる。


でも、しかしチョン・ミョンフン氏とは!

これは背後にある権力と金が働いたものと推測される。
この報を聞いたとき、すぐにピンと来ました。(笑)
・・・以下自粛。(爆笑)


ベルリンフィルの指揮者がペトレンコというのも楽しみだ。


おそらく、そう、おそらくだ。自分がベルリンフィルを振るペトレンコの図を見るのは、これが最初で最後になるに違いない。昔の予算体力と違い、いまやベルリンフィルが来日公演をおこない、それに4万~5万をかけて通うというのは、いまの自分にはできないというか不可能だ。


担当する曲は、交響曲第4番と交響曲第6番。

第6番をやってくれるというのは嬉しかった。


自分にとって、マーラー交響曲第6番「悲劇的」と言えば、絶対ラトル&ベルリンフィル。
自分はマーラーをバーンスタインで勉強してきたことはもちろんだけれど、自分のマーラー演奏の教科書は、近代のマーラー解釈の先駆者であるアバドやラトルによるところが大きい。


第6番の第2楽章と第3楽章をどのような順番で演奏するのか?
旧来は、第2楽章にスケルツォ、第3楽章にアンダンテと演奏するのが常であった。


それを第2楽章にアンダンテ、第3楽章にスケルツォの順番で演奏し始めたのが、アバドが最初であった。ラトルもそれに倣った。ベルリンフィルのシェフとして両先輩にあたるこの両人がこの順番で演奏したのに対し、新シェフであるペトレンコは、はたしてこの順番で演奏するのか?注目する点である。


これに向けて、ラトルのベルリンフィルの離任コンサートになった第6番の自主制作のCDも購入して、いま聴いている。どのような解釈の違いがあるか、楽しみである。


マーラーの歌曲には、じつはマーラーは、オーケストラ版と室内楽版の2つのヴァージョンを作曲している。リュッケルト歌曲集、子供の不思議な角笛、亡き子をしのぶ歌、大地の歌。


これらがオーケストラ版は、メインホールで交響曲とペアで演奏され、室内楽版のほうは、リサイタルホールの方でピアノと歌手の組み合わせで演奏される。前回の1995年大会と今回が違う点は、この室内楽版が演奏される点であろう。

自分はもちろんこの室内楽版も全部行くことにした。


アムステルダム・コンセルトヘボウのリサイタル・ホールも初体験である。


このマーラーの歌曲については、上の演目の他に、マーラー夫人であったアルマが作曲した歌曲、アルマの友人・愛人が作曲した歌曲を歌唱演奏する日もある。

これはかなりレアであろう。(笑)
マーラーフェストならでは、である。


もうひとつ楽しみなのは、オランダの室内楽ユニットのアムステルダム・シンフォニエッタの実演を体験できることだ。マーラー、シュトニケの室内楽版を演奏してくれる。


アムステルダム・シンフォニエッタは、Channel Classicsに所属しており、彼らの新譜はよく聴いていたので、その存在を知っていた。ピアソラのブエノスアイレスの四季などのアルバムは絶品だったし、自分もディスクレビューで絶賛の日記を書いた。


彼らが、日本に来ることはたぶんかなりの可能性の低さなので、こうやって現地に赴くしかないと思っていたが、まさかマーラーフェストで実現するとは思いもしなかった。


大変楽しみにしている演奏日である。


今回のマーラーフェスティバル2020、もうロゴ、カタログ、ポスターのデザインも決まっている。


フェスティバル・ロゴ

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カタログ

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ポスター
まさに人生に1回のチャンス!と書かれていて、まさにその通りである。

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アムステルダム・コンセルトヘボウのホールのホワイエの壁には、このようにフェストのポスターが他のポスターと並んで貼られている。

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前回の1995年大会は、赤色がトレードマークだった。


アムスに住んでいた友人が、当時のフェストに行ったときに通った4曲のカタログ。今年の6月に久し振りに同期会の飲みとして2人でサシで飲みました。そのときに写真に撮らせてもらったものです。


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マーラーフェスト1995の非売品CD。やっぱりトレードマークは赤色です。
とてもレアな録音なので、ヤフオクで10万のプレミアで入手しました。


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録音はオランダ放送協会によるもの。
このセットはベアトリクス女王も含むごく少数の人しか出席していない、
コンセルトヘボウホールの前マネージャー退任記念パーティで配布された
自主制作盤で、他にも世界中の大きなラジオ局には少数配布されたようですが、
一般には全く流通していない大変貴重な非売品。
(もちろん権利関係ははっきりクリアした正規盤である。)

これも本番までの予習材料で何回も聴き返すことになるでしょう。



この非売品CDに入っているカタログに掲載されているこの写真。


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その飲み会で友人が語っていたこと。


そうここ!


このコンセルトヘボウの前にある広場で特設の会場が設置され、ここでメインホールで演奏されるフェストの模様が、ここでパブリックビューイングされていたんだよね、と熱く語っていました。


これは前回の1995年大会だけに実在したオプションであった。

今回の2020年大会も同じような催しが行われれます。
ただし、現在の最新技術を使ったいまの時代にあった仕様のイヴェントになります。


その他、本番の公演前にシンポジウム、討論会、インタビューや座談会なども行われる。


ファスティバル期間中、コンセルトヘボウはひとつの大きな展示会場スペースになる。マーラーの個人的な所持品などが展示される予定。~たとえばマーラーの未亡人であるアルマの家族アルバム(マーラーの孫娘:マリナ・マーラーからお借りできるもの)からの写真の数々。そして同様に、パリのマーラー音楽図書館からお借りできる物の数々など。


我々訪問者は、あのマーラーの有名なメガネ、スコア原稿、指揮棒、そしてシャツのカウフスボタンのようなものを実際じかに見ることができてさぞかし感激することになるであろう。


これは楽しみ!いっぱい写真撮ってきます。


まさに一期一会のフェスト。
このフェス期間中は、アムステルダムがマーラー一色に染まる期間なのである。


この3年間、この写真を自分のパソコンの壁紙に貼り付けて、”行くぞ!コンセルトヘボウ”と毎日自分に叱咤激励をしていたのでした。


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そんな3年間なのでした・・・じつは。


マーラーフェスティバル2020は公式HPが出来ていて、そこに関する記事、”マーラー・イン・アムステルダム”など興味深い記事の数々。


年明けてから、それの邦訳を日記でお送りしたいと思う。


自分も訳していながら、とても勉強になったというか、マーラーとアムステルダムとの関連について、自分の血肉になりました。


本番の2020年の5月まで、これからマーラー一辺倒の偏った投稿内容になりますので、そこはぜひご容赦を。










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iTunesライブラリーをPCからMacに移植する。 [オーディオ]

これからは歳をとるだけだから、耳を大切にしたいので、もう耳を塞ぐインナータイプ型のオーディオ(iPodやウォークマンなどのDAP)は、やめることにした。


そうなると、iPodの中に入っている曲がもう聴けなくなる。
これを救済したかった。

なんせ自分のいままでの財産ですから。
たぶん1000曲以上入っている。


最初はソニーのウォークマンだったのだけれど、2004年からiPodに変えた。


自分のお気に入りのCDを、WindowsPCでしこしことリッピングして、iTunesに取り込んで、iPodに移してきた。15年間の自分の財産です。


インターネット音楽配信は、1990年後半にムーヴメントとして起こって、なかなか本流にならなくて、24年経過した現在、紆余曲折を重ねながら、ようやく現実味を帯びてきた。


幸運にもその黎明期の時に自分も関われたので、なんか感慨深い。
長いよね。研究の段階から、ビジネスになるってそういうもんだよね。

試行錯誤を重ねながら、モノになる、世間に受け入れられるって時間がかかるよね。


1990年代当時、メーカーでディスカッションされていて、いまだにきちんとしたビジネスになっていないものって、あと「デジタル放送とインターネットの融合」と「量子コンピュータ」がそうであろうか?(笑)


日本でも始まったハイレゾ・ストリーミングをやることにしたのと、このiPodライブラリーの救済をしなければいけないことで、なんか自分のPCオーディオ・ライフが急展開し始めた。



iPodライブラリーの救済。


これはすなわち、WindowsPCにあるiTunesライブラリーを、音楽再生専用にしているMac BookProに移植して、iTunesを再生エンジンにしてPCオーディオしたいのである。


iTunesのライブラリーを、メインスピーカーで聴きたいのである。


これはWindowsのミュージック・フォルダにあるiTunesライブラリーをUSBメモリーにコピーして、それをそのままMacにペーストすればいいだけ、と思っていたが、PCとMacの異環境に跨る作業は、初めてなので、やはり安全のため、Appleに確認。


そうしたら、そんなに簡単ではなかった。(笑)


こんな移植マニュアルをいただいた。


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「ファイルを統合」という作業が必要で、マニュアル通りに・・・そしてUSBメモリーにコピーしようとしたら、容量が足りません。(笑)っもう!もっと大容量のUSBメモリーを購入して、今日決行。


やっぱり一発ではうまくいかなかった。


みんなのSNSの投稿見ていると、すごく簡単そうにやっているもんだから、あまり心配していなかったのだが、自分の場合、うまくいかなかった。


まず、USBメモリーのファイルシステムがデフォルトではWindows専用のFAT32なんだね。
これをMacでも読めるようにexFATのファイルシステムでフォーマット初期化しないといけなかった。


音源を3時間かけてコピーして、いざMacにUSBメモリーを挿し込んだら、コピーしたはずの音源データが見えないんだよね。自分はWindows派の人なので、そのことを知らなかった。


もう一回やり直し。


今度はMacでデータが見えるようになったけれど、うまくMacのiTunesに移植できない。

仕方がないから、Appleサポートセンターにヘルプして、画面共有してやった。


でも最初のサポートセンターの人でも解決できなくて、結局iTunesのプロの専門部署の人がヘルプしてくれた。やっぱり一発ではいかなかった。ドツボに嵌ったようだ。


その専門のプロの人も相当難儀。


その人が指示するように、ただその通りにクリック進めるんだが、その専門プロもなにが原因なのか、わからなかったようだ。


まず原因追求のための切り分け分析。

結局1時間半ぐらいやっていたんじゃないかな。


本来ならMacのミュージック・フォルダのiTunesのフォルダにその音源データを置くだけで一発でいくものを、自分の場合はドツボに嵌ってしまい、ことごとくマニュアルでやらないといけなかった。


様々なトラブルがあったようだけれど、1番大きかったのは、Macのミュージック・フォルダにiTunesライブラリーを複写したのだけれど、それがMacのiTunesに統合されない、連携しないのだよね。


ファイル統合がうまくいっていない。


もうマニュアル作業で、苦労していろいろやりましたよ。


まさに苦心中の画面。


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朝10時にスタートして、巨大音源データのコピー時間も含め、無事完了したのが夜の8時。(笑)


丸1日かかってしまった。


ついに完成!


ただし、1発で出来なくて、トラブりながら、ことごとくマニュアルでやったので、iPodの中の全曲がちゃんと全部移植されているかどうかは定かではありません。


1000曲以上あるので、確認できません。


音楽再生専用のMac BookProでのiTunes再生。


アルバムごと。


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アーティストごと。

 

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曲ごと。


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最新のストリーミングのGUIに比べると、iTunesってなんて地味なんだろう。(笑)


またCDリッピングしたとき、ちゃんとネットのCDDBでジャケットを拾ってこなかったから、ジャケット写真も歯抜けだらけだ。(笑)


AppleはもうiTunesはやめたからね。


そして音源再生。

おぉぉぉ~ちゃんと再生できている。


PCオーディオしている!


iTunesはAACとMP3の圧縮音源。
自分はAAC圧縮で取り込んでいたと思う。


AAC圧縮音源なのに、すごいいい音!


ハイレゾ・ストリーミングとそんなに遜色ないよ。ホントに。すごくいい音。

まぁそこら辺は、自分は年寄りの駄耳ですから、あまり信用しないでください。


予想以上にいい音で再生してくれたので、もう丸1日潰した疲れも飛んでしまい、うれしくて堪らない。


だって自分の好きな曲だけを集めた言わば最高の個人嗜好、データーマイニングされたライブラリーが救済され、いまここにPCオーディオで聴けるんですから・・・やったーです。


個人嗜好の解析はいまや当たり前の技術で、そのような解析ソフトウエアが埋め込まれて、履歴、ジャンル分けなど解析するんだけど、iPodのライブラリーはそんなソフトウエアの力を借りない、まさに自分がこれが好き!て自分の意志で選んだ曲ばかりなので、まさに世界最強の個人嗜好のマイベスト・ライブラリーなのです。



急展開した我がPCオーディオ。


音楽再生専用のMacには、このようなコンテンツ・プレーヤーを集中して管理することになった。


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これでROONをインストールすれば、横串検索で、ローカル・ストレージと、外のクラウドとを見境なくシームレスに、縦横無尽に自分にカスタマイズされた検索できるようになるんだろうが、まだまだ先の話。まずインストールするお金がない。(笑)


ROONってローカル・ストレージしかない場合、あまり意味がないような気がします。


ストリーミングをやって初めて、外のクラウドと連携込みで考えて、初めて大きな効果がでるような気がするんだが・・・違うのかな?


でもやっぱり自分はパッケージメディアが最高です!(笑)











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ハイレゾ・ストリーミング [オーディオ]

自分のPCオーディオ感。


PCオーディオってどこか音として線が細く、S/Nが悪く、解像感は高いけど、もっとオーディオとしての基本である定位感やクリアな感じは、やっぱりパッケージメディアがいい、という意見だった。


PCってノイズの海だし、そもそもオーディオ再生に適応されて生まれた機器じゃないですから。音楽を聴くための機器じゃない。そこにある程度割り切ることが必要なのだと思っていた。


徹底的に改造に改造を加えて、ブラッシュアップをかければ素晴らしいPCオーディオが聴ける、という話もあるが、そういうことをしなければいけないこと時点で、もう普及させないといけないミッション、世の中のスタンダードになる、という点でアウトである。結局一塊のマニアだけの世界で終わってしまうだけで、話にならない。


普通のITやオーディオに詳しくない方々にも簡単に再生できる高品質なPCオーディオというスタンダードなステータスに持っていくことが、大事なことなのではないか、と思っている。


逆に、そういうITやオーディオに詳しくない人にユーザーフレンドリーで、そういうノイズの海を避けるという点では、PCよりネットワークレシーバーのようなネットワーク・オーディオ機器のほうがいいのではないか、と思われるかもしれないが、ネットワーク/ITの世界は技術進歩が著しくスピードが速く、商品として出しても、あっという間に時代遅れ、古臭いものになってしまうというデメリットがある。もちろん機器自体をDSPなどのファームウエアアップデートできるようにはなっているのは当然のことと思うが。。。


そういう点では、自分はPCを使ってのシステム構築のほうが、そういう技術進化のスピードを十分吸収囲い込むことができ、そんなに買い替えも必要ないと考えていた。


だからノイズの海のPCとお付き合いしていかないといけないのだから、音楽を聴くための機器ではないし、そのように作られていないのだから、そこはある程度割り切りが必要、と思っていたのだ。


だから最低限のノイズ対策、PCオーディオ構築のマナーを投資している。できれば外部クロックの使用は、絶対やったほうがいい、と思うが、ノンノン2020のため予算不足のため断念。(いつかはやりたい。)


PCオーディオはソースのハイレゾ感、解像感はあるかもしれないけれど、上のような理由から長時間聴いていて、オーディオとして楽しくないのである。


オーディオマニア垂涎のソフトを聴いているときのあの豊潤な世界、いわゆるハイエンド・オーディオの世界、そういう高級なリッチな気持ちになれない。とにかくPCオーディオは聴いていて面白くない、楽しくない、という気持ちの一念で、PCオーディオのシステムを構築したけれど、あまり稼働率も高くなく、普段はやっぱりパッケージメディアを聴いているという日々だった。


そのほうが定位感、クリアな感じで、解像感だけでは絶対得られないオーディオの大切なものをパッケージメディア再生のほうが持っていると思っていた。


本当に素晴らしいPCオーディオの音を聴いたことがない。


ある意味そうかもしれない。
そうなるにはどれだけ時間が必要なのだろうか、と思っていた。


お気に入りのCDをリッピングして、NASに格納して、再生するときにたとえば再生エンジン、コンテンツプレーヤーのほうでDSD5.6MHzでアップサンプリングして聴く。Native DSD Musicやe-onkyoのサイトから音源をダウンロードしてそれをNASに格納して聴く。


いわゆるNAS主導型。ある意味初期時代のPCオーディオの基本型ですね。


自分もこれだったが、そのときの感想が、上の内容だった。(聴いていて面白くない。ハイエンド・オーディオを聴いているようなリッチな気持ちになれない。)


こういうNAS主導型の難点は、NASに格納されたデジタルファイルをどのようにファイルシステム管理していくか、などの管理手法、タグづけとかやらないといけない。リモコンであるiPadでジャケット写真を並べてとか、そこからコントロールできるようなシステム、いわゆるコントロールGUI(Graphic User Interface)を作らないといけない。これらは全部自分がやらないといけない。


これも初心者には普及しない障壁だと思っていましたね。


これがストリーミングだと一気に解決されてしまうんですよね。


デジタルファイルが自分の手元のローカル・ストレージにあるから、どうしてもそういうファイルシステム管理が必要になってしまう。GUIも自分が作らないといけない。


ストリーミングだとそういうファイルシステム管理やGUIを作る面倒・苦労はいっさいない。


全部コンテンツプロバイダー&サービスプロバイダー側がやってくれる。


ストリーミングは、そのサービスプロバイダーがGUIを作っていて、ストリーミングでは当たり前の機能、マイアルバムなどのお気に入り登録、アクセス履歴、個人嗜好の解析などのデーターマイニング技術が組み込まれている。


ただそれだけである。ユーザがなにかやらないといけない、というのはあまりない。
なんて楽なんだろう!と思いました。
これが自分のストリーミングの第1印象。


この簡易な操作性の一般大衆化は、絶対一般人に受け入れられる、と間違いなく思いました。


インターネット音楽配信は、もともとダウンロード型よりストリーミング型のほうが主流になっていくだろう、とういうのは、著作権者にとって、自分のコンテンツがどんどんコピーされて、世界中に拡散されていって、それを著作権者が管理できないというのが最大の問題であって、やっぱり自分のコンテンツはサーバー側にあり、ユーザーはそれを手元にコピーできなくて、あくまでストリーミングで聴くだけ、というのが著作権者に好まれる管理体制である、のが1番の理由である。


ストリーミングは、SpotifyやDeezerなどあるが、これらは音源のフォーマットがCD諸元以下もしくは同等である。やはり自分がやるならハイレゾストリーミングからやりたい、と思っていた。


欧米ではTIDALやQubozが先行してサービスをやっていた。これらは日本からは契約できないし禁止されている。それをVPNを使ってやるマル秘の契約方法があって、オーディオマニアは結構契約して密かにやっている人がいるが、日本からは契約できないことになっているサービスに日本から勝手に違法契約してはいけません。(笑)


そういうことで、日本向けのハイレゾストリーミングとして、ようやくAmazon Music HDとソニーのmora qualitausがスタートした。自分はここからやろうと思っていた。


まず、Amazon Music HDを契約。


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予想以上に全然いい音じゃん。ULTRA HDで聴いているんだが192/24だ。拙宅はパイプが細いのでストリーミングだめと思っていたけど全然OK。なんでも10Mbpsのビットレートらしいからまったく楽勝だ。


宇多田ヒカル最高!


Amazon Muisc HDのほうは、音源のフォーマット諸元の数値を表現しない。
HDかULTRA HDで表現。


PCMで44.1/16,96/24,192/24の3種類と思う。


44.1/16をHDと表記するのは確かに自分は抵抗がある。

ULTRA HDは192/24ですね。


Amazonのインタビュー記事を読んだが、初心者ユーザにとって、96/24とか、192/24とかわかりずらい。画像の世界で、HDってメジャーだから一般大衆に浸透しているからそれに倣ったとのこと。


彼ららしい鋭いアイデアだ。


自分はオーディオマニアだから、やはり96/24,192/24のほうが全然いい。



そしてソニーのmora qualitasのほうも契約。


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こちらは、ハイレゾは96/24のみ。音源の諸元の表現に、44.1/16や96/24と数値で表現してくれるからオーディオマニアにとって全然こちらのほうが実感が湧くし、わかりやすい。


さっそく、Amazon Music HDとソニー mora qualitasを使い勝手、比較試聴をおこなった。


じつはまだたくさんの曲を聴き比べした訳でもないし、まだ慣れていなくて使い勝手を徹底的にマスターしたわけでもない。だからmixiのつぶやき以上のことは書けない。


まぁこれから徐々にまた発信します。


まず、GUIの使い勝手。


これはやっぱりAmazonのほうに分があるかな~。


Amazonのは、GUIを見た瞬間、どこを押せばどういう機能になる、というのが初心者に一見してわかりやすいことですね。ユーザーフレンドリーです。


それに対して、ソニーのほうは、徹底的に勉強してマスターしないとダメ。一見して理解できない。彼らは丁寧にもちゃんと機能説明のページを作ってくれているので、それを読んで自分で何回か触ってみれば、あっソニーもストリーミングの機能として最低限のものを完璧に備えていて、ストリーミングのGUIとして全然問題なし、と断定できた。


ソニーのGUIでわかりにくい最大の欠点は、GUIの左下にある「。。。」のボタンを押さないとすべてが理解できないところだろうか。なにも書いてなく、ただ「。。。」とあるだけだから全然気が付かなく、ここを押さないと前に行かないため、いろいろなボタンを押しても全然ダメで自分は、最初ソニーはバグが多すぎると早合点してしまった。(笑)


GUIのセンスってデザイナーの感覚と一般庶民の感覚とずれがあるとダメですね。
デザイナーがいかにいいセンスと自分で思いながら設計しても、ユーザの感覚は千人十色。


難しい仕事です。


肝心の音は、ソニーのほうが音はいいと思う。


まだいろいろな曲を聴いたわけではなく、限られた音源しか聴いていないので、判断時期尚早かもだけれど、同じ宇多田ヒカルのFirst Loveで聴き比べたら、やはりソニーのほうが音がいい。


まずソニーほうが10dBくらい録音レベルが高いんですよね。
慌ててAVアンプのボリューム下げました。


音の鮮度感が高くて、ソニーの96/24が決して、Amazonの192/24に負けていない。
音の輪郭もソニーの方が明瞭だし、ソニーのほうが音はいいと思いました。


ソニーは自社の3D Audio技術である360 Reality Audio技術を、Amazon Music HDに提供している。ライバルに太っ腹だな、とも思うが、自社のみで抱え込むより、いろいろなサービスプロバイダーに使ってもらってdefactoスタンダードにしてしまったほうが有利だと思ったのだろう。


ソニーのハイレゾストリーミング・ウォークマンもソニーのmora qualitasだけでなく、Amazon Music HDも当然聴けないといけない訳だから、自社の3D Audio技術がサービスプロバイダの上手側で採用普及してくれると下手側の他社のDAPメーカーにも、この3D Audioモジュールの搭載が必須になっていくからね。ビジネスとして儲かっていくはず。(この技術がDAP側にそういうデコードモジュール・プラグインが必要かどうかもわかりませんが。)


ソニーはこの3D Audio技術はライバルのAmazonに提供するとは言っているけれど、自分のところには入れているのかね?まったくアナウンスしていないので、最初は入っていないのかもしれないけれど、自分はひょっとしてソニーのほうが音がいいのは、この360 Reality Audioの技術がdeaultで入っているんじゃないの?と思ってしまいました。


3D Audio技術で言えば、Emil Beliner Studios(EBS)のほうでも、Amazon Muisc HDの自分たちの音源に、自分たちの3D music productionのプロジェクトで開発した3D Audio技術をバッチ処理した、という発言をしていました。
3D Klassikで検索できます。


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あと、Amazonにはないが、ソニーのほうには排他モード(USB-DACに直結できる)ができることを確認。ソニーのmora qualitasのほうは、せっかくソニーなんだからPCMのハイレゾだけじゃなく将来はDSDストリーミングもライブラリーに加えてほしいと思いました。DSDはデータ容量が大きいから工夫が必要だけれど、そうしたほうがソニーらしくていいと思います。


あと登録してある曲数は、これはもう圧倒的にAmazonのほうが多い。ソニーはまだまだ曲が全然足りないと思います。


ハイレゾストリーミングの音を聴いて、まず抱いた感想は、予想より高S/Nでクリアな音で、全然いい音じゃん!ということだった。既述のようにPCオーディオの音に対して、あまり前向きな印象ではなかったので、あまりにいい音にびっくり。ハッキリ言って、このときこれはヤバイと思いました。(笑)


そしてなによりもNAS主導型にあるような面倒なユーザ設定、ユーザ管理がいっさい払拭され、ユーザの管理の負担がまったくなくなったこと。この障害がなくなって、とにかくストリーミングは便利なので、これは確かに一般大衆に受け入れやすいし、普及することは間違いないと確信します。


でも自分はストリーミングに対して、すべてが全歓迎でウエルカムではありません。


それはストリーミング・サービスの決済方式、サブスクリプション(定額利用料の月決め決済)方式、通称”サブスク”。これは昔からストリーミングに抱いている問題点なのだが、アクセス回数に応じて収入が決まったり、スキップレート(ちょい聴きでつぎつぎ飛ばすこと)で一定時間じゃないと収入にならないとか、あまりに著作権者に対して酷すぎる。演奏家の方々、生活に支障を及ぼすんではないか、と心配しています。


パッケージメディアだったら1回買ってしまえば、あとはそれを何回家で聴こうが関係ないですからね。そのほうがやっぱり収入安定していると思います。アクセス回数に応じてってかなり酷ですよ。サブスクがビジネスとして成り立っている仕組みは詳らかにされていないけれど昔からそこが気に入らないのですよね。


ボクは演奏家の方々の味方ですので。


ストリーミング、サブスクを心から傾倒、のめり込みたくないのは、そういうどこか黒の部分があるからなんですよね。よくSpotifyのポップ広告で、「~万曲無料で聴き放題。」というのを見るけど、吐き気がするね。


いまの若い層は、音楽はただで聴ければそっちのほうが全然いいじゃんくらいの感覚しかないのかもしれない。そして、サブスクの宣伝文言はそういう”蛇口をひねれば、水はタダで無限に飲み放題”的なニュアンスを隠すこともなく、そのほうが返って集客しやすい、ユーザはアクセスしやすくなる的に見ているところがあって、そこにつけ込んでそれを堂々と宣伝文句にしている。


ここに自分はものすごい生理的に受け付けない嫌悪感があり、彼らの手口には乗りたくないという反骨芯があるんだよね。これでも一応前職でインターネット音楽配信の著作権の仕事をやっていたことあるので。(笑)


作曲家、演奏家など音楽家にとって、音楽をやる、制作していくにはお金がかかるものなのです。
 
ソニーもAmazonも月額1900円台ですから!これで本当に食べていけるというか、収入になるのか、サブスクってそんなにうまい帳尻あわせの仕組みがあるのか、昔から疑問視しています。この部分って触れて欲しくないのか、なんかきちんとパブリックに公表している記事って見たことありませんね。



そんな昔から気に入らない部分もあるストリーミング、サブスクなのだが、やはり便利であることは認めざるを得ない。


アラベラさんに対するPENTATONEの最近のプロモートの仕方に変化があります。
それはアルバム・リリースの前にシングル・リリースするようになったこと。


ストリーミングをうまく使うようになりました。
確かにこういうときストリーミングは便利。


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昔ならシングルカットはシングルCDという8cm版のミニCDを買わなければならなかったけれど、ストリーミングなら検索してすぐに聴けてしまう。


上は来年の新作アルバム、ヴィヴァルディの四季と、ピアソラのブレノスアイレスの四季からのファースト・シングルの秋です。


そしてこれが、シングル・リリース第2弾のヴィヴァルディの冬です。


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アルバムはもちろんのことシングルごとに、こうやってジャケット写真を撮ってくれるのはファンとしては、とても嬉しい。シングル・カットという販売方法がこの時代にまた復活するとは!


J-Popではアルバムからのシングル・カットって当たり前だけど、クラシックはアルバム中心の世界ですからね。交響曲とか4楽章もあるのに、1楽章だけとか、あり得ないよね。(笑)クラシックでシングル・カットできるのは、今回のような向いてる作品ってありますね。あるいは不向きの作品もあるし。


とにかくストリーミングは便利。
聴きたいと思ったら、すぐにその場で聴けますから。


でも・・・


自分は深い深いソフト愛好者なので、今後もパッケージ愛好者で居続けると思います。ハイレゾストリーミングとの住み分けは、なにか新譜など聴いてみたい時に、まずストリーミングで聴いてみて、気に入ったら、そのパッケージソフトを買う、という使い分けになるんだろうと思います。ストリーミングは便利だし、これだけ音が良ければね。


やっぱり所有感の時代に生まれ育ったので、パッケージソフトじゃないとさびしいんですよね。


あと、邦楽を聴くようになるかな?


ご存知のように、自分はお金でアナログレコードやCDを買うなら、幼いころからクラシック、ジャズ、そしてロックと決まっていた。邦楽にお金を出してCDを買おうという気持ちにはなかなかなれなかった。


でもストリーミングだと、その場ですぐに聴けちゃうので、邦楽を聴くのも億劫にならずに済む。


これは大きいね。

自分の未体験の音楽を聴くチャンスが増えますね。


今回じつに久し振りに宇多田ヒカルを聴いて嵌ってしまいました。
宇多田ヒカルを聴いたのは、あの大センセーショナルなFirst Loveを聴いて以来。


CD売り上げ新記録樹立とか大変なフィーバーだったね。もちろん自分もあのときは夢中になりました。


今回ストリーミングで集中して聴いているのは、「Utada Hikaru SINGLE COLLECTION Vol.1」というベストアルバム。


宇多田ヒカルは本当に素晴らしい。
このベストアルバムを聴いていると、First Loveの曲だけでなく、かなり聴いたことのある曲が多いので、そういえば、宇多田ヒカルは結構いいシングル曲が発売になって自分が気に入ったら、シングルCDを買って、MDに録音してよく聴いていたな~と思い出しました。


邦楽の中でも彼女はかなり聴いていましたね。


彼女の曲のスゴイところは、あの独特のリズム感と韻をふむ感じのメロディがまったく日本人離れしていることだと思います。だから昔から自分は思っていたのだけれど、彼女の曲は日本語の歌詞が合わないんだよね。


日本語の文節の区切りとかに、メロディのノリとかリズム感が合わない。


だからメロディ、リズム感主体の音楽で、そこに無理やり日本語歌詞を詰め込んでいるというかパッケージしている感じなんですよね。


だからメロディ主体の音楽だと当時から思っていた。


だからこそちょっと日本人では出せないリズム感、ヒップホップな感じのメロディでそれが他の普通の日本人歌手の歌とはかけ離れている独自のキャラクターができているのだと思っていました。


昔からずっとそう思っていた。


最近の新譜は、ずっと大人になってきたというか、そういう日本語の歌詞が染み入るようにはなったと思います。


ストリーミングを始めなければ、宇多田ヒカルに再びフィーバーで聴くこともなかっただろうし、自分の音楽生活の大変革のときなのだろうとは思います。


ROONの導入はまだ必要性(横櫛検索)を感じない。まだずっと先。


各々のサービスプロバイダーのGUI,データーマイニング機能で十分だし、各サービスのGUIを楽しむのがとても楽しいから。ROONで統一されると返って・・・かな?










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