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ポリヒムニアのSocial Distancingな録音 [ディスク・レビュー]

今日6月25日は、日本のオーケストラ団体が立て続けに、活動再開に向けて、その指針を発表した日だった。やはり1番中心で大きな柱になっているのが、東京都交響楽団(都響)であろう。


自分たちが、日本のオーケストラの中心になって、この難局を乗り越えていく旗頭になっていこうという強い気構えを感じる。


都響は、今月の11日、12日に新型コロナ対策を踏まえた今後のコンサート活動について、東京文化会館で数々の実験を踏まえた試演をやっている。


その実験結果とその今後の方針についての指針を今日発表した。


「演奏会再開への行程表と指針」を策定



そうか、そうか・・・。


こんなロードマップ。
なんか具体的に見えてきた感じですね。


日本オーケストラ行程表.jpg


マーラーの交響曲のような大編成を聴けるようになるのは、まだ先ですね。
合唱などの声楽が1番高い障壁になりますね。


上記のリンク先にあるPDF資料を一読してみてほしい。その試演での実験結果をここまで専門的に分析してデータ化しているのは、驚きである。自分は、このPDF資料の中で1番興味を惹かれ、なによりも単刀直入で簡潔に書いてあってわかりやすい資料3。


1番読みやすく、端的にポイントを抑えているように思えた。


試演後に、関係者でミーティングした議事である。


(奏者からの飛沫)
◆ 数値の解析はこれからだが、思ったよりも粒子は飛んでいない印象。
◆ フルートは息が良く出ると聞いていたが、しぶきが大量に飛ぶということは無かった。
◆ 歌手は、飛沫は飛ぶが、大きめの粒子、下に落ちていくような粒子が多い印象。
◆ 舞台上でも、管楽器の真ん前、弦楽器の真後ろで計測していた限りでは、そこで数値が大きく変わることもなく、もう少し詰めてもあまり変わらないと思う。ひな壇に上がったとしても基本的には同じだろう。
 
(奏者間の距離についての医師の見解)
◆ ヨーロッパでは、1.5mとか 1mとかのガイドラインがあるようだが、まずは普通どおり並んでも良いのではないか。
◆ 医師も、患者と 1mは離れない程度で外来診療を行っているが、必ずマスクをし、一人診察が終わるごとに、手洗い、アルコール消毒をすれば、そう簡単にうつされるものではない。
◆ オーケストラでも、むしろそのような、練習場に入る時の手洗いなどを守っていただければ、活動を再開できるのではないか。
◆ ディスタンスは取れるのなら取った方が良いのだが、基本的には 1m取れば十分感染予防できる。むしろ、通常の感染予防対策、手洗いや体温チェックなどが大事。

◆ 一方で、歌手については比較的飛んでいるという話。感染症学では、基本的には 2m飛ぶと言ったら、安全をとってその倍の距離を取れば良いと言われる。舞台から観客席をどれぐらい空けたらいいかというのは、その辺りから分かってくるのではないか。
 
(奏者のマスク着用)
◆ マスクはした方がそれに越したことは無いが、本番の時は外しても良いのでは。
◆ むしろ控室などでの何気ない会話、食事をとる時などに、気を付けた方が良い。

(大リハーサル室の状況)
◆ 大きな通気口があり、広さとしては非常に広い、容積が大きいので、問題ない。
◆ 空気の流れの確認は必要かもしれない。
◆ 練習は原則としてマスクをするなど、多少通常よりも感染予防を徹底していけば大丈夫。
◆ ホールより狭いとしても、肩と肩がくっつくような状態で演奏するわけではない。
◆ むしろロビーで休憩する時の方が心配。病院では、食堂でも、向かい合わせになるな、基本的にしゃべるな、ということを言っている。
 
(管楽器の結露水)
◆ もし感染している人が演奏していたのだとしたら、結露水には接触感染のリスクが生じる。
◆ 今回やっていただいたように、吸水シートに必ず捨てるようにすることは必要。
 
(PCR検査)
◆ PCR検査というのは確証にはならない。
◆ リハーサルの時など、指揮者は楽団員に、大きな声で呼びかけることもある。楽団員の安心のため、という意味で、例えば指揮者のみPCR検査をするということは考えられるかも知れない。


自分が1番ビビッと反応したのは、奏者間の距離についての医師の見解。


「ヨーロッパでは、1.5mとか 1mとかのガイドラインがあるようだが、まずは普通どおり並んでも良いのではないか。」


そうか!そうか!よくぞ言ってくれた。


アフターコロナ&ウィズコロナで、自分がニューノーマルどころか、アブノーマル(笑)だと思っているのは、あのステージ上での奏者間の距離と、観客席の間引き。これがなくなれば正常に戻れる。


医師のコメントは、奏者間の距離だけの言及だけれど、観客席については、クラシック聴衆は静かに聴いているし、ブラボーなし、咳エチケットがあれば、そんな飛沫の危険性は少ないと思うんですよね。普通にお客さんを入れてもいいのでは?と思います。


早くそういうポイントでの確証がほしい。

ここが一番重要でもある。


あと、奏者のマスク。これも不要。見苦しいです。(笑)


「一方で、歌手については比較的飛んでいるという話。感染症学では、基本的には 2m飛ぶと言ったら、安全をとってその倍の距離を取れば良いと言われる。舞台から観客席をどれぐらい空けたらいいかというのは、その辺りから分かってくるのではないか。」


う~ん、これは予想はしてけれど、声楽はやっぱり厳しいなぁ。自分は声楽コンサート大好きなので。声楽は生で聴くと本当に興奮度は半端ないです。声楽こそ、生に限ると言ってもいい。



ヨーロッパは、Social Distancingについては、結構うるさい。
ガイドラインがかなりしっかりしている。


アムステルダム・コンセルトヘボウのSocial Distancing対応のオーケストラ配置。客席をとっぱらって、平土間にオケを配置して、1.5m/1.75mなどの奏者間の距離を取る。指揮者はステージ傍で、そこから奥行きにオケが展開するイメージ。


コンセルトヘボウには1.5mのSocial Distancingを命ずるロゴステッカーが貼られている。


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控室替わりのブレイク時のドリンクコーナーも距離感を持ってチェロケースが。。。


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自分は、この写真を見たとき、なんか間違っているだろう。(笑)これが今後のニューノーマルになるんだったら、ごめん被りたいところもいいとこだ。早く元の世界に戻れ!と思ったものだ。


このときのリハーサルの指揮者がグスタボ・ヒメノ。
そう、RCOの首席打楽器奏者から指揮者に上り詰めた才人だ。


自分はヒメノ指揮RCOの来日公演をサントリーホールで聴いたことがある。ソリストはユジャ・ワン。2015年だったかな。素晴らしかったよ。ヒメノは袖に下がるときに小走りに速足で去っていくのがなんか奇妙と言うか、大舞台に慣れていなさそうで初々しかった。


上の写真はあくまでリハーサルで、それは録音のためだと思っていた。
ヒメノは、現在ルクセンブルク・フィルの首席指揮者である。


この写真で録音したPENTATONE新譜がこれだと思っていた。



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交響曲、交響的変奏曲(フランク) 
グスターボ・ヒメノ&ルクセンブルク・フィル、デニス・コジュヒン



もちろんさっそく買って聴いてみた。
この写真のオケ配置、奏者間距離で果たしてちゃんと音がまとまって聴けるの?
音場や音像が膨らんじゃって、ダメなんじゃないの?


これはポリヒムニアの腕の見せ所。腕前拝見とさせていただこう、と思っていたのだ。

さっそく聴いてみたところ、自分は青ざめた。


もう全然普通にいい録音。コロナ以前のふつうのホール録音と変わらない出来で、自分はぶったまげた。さすが技術集団、ポリヒムニア。やってくれるなぁ、と舌を巻いた。


まったくの普通通りの録音テイストなのだ。

どうやってんのかな?とも思った。


実際自分がこの新譜を聴いたのは2~3週間前だったのだが、そのときにすぐに日記にすることをためらった。日本では各オーケストラが奏者間距離をいろいろ試行錯誤でやっていて、距離があるとやはり隣の奏者の音の聴こえ方が違ってくるし、アンサンブルもやりずらい。


もう真剣モードでみんな議論している。


そんな中に、いや~1.5m/1.75mで平土間でやっても、全然普段と変わらないいい録音!なんてことは言えない。(笑)いいづらい雰囲気で躊躇って、自分の心の中だけに収めておくことにした。 


そのあとブックレットを読み進んでいくうちにこの話の落としどころが待っていた。(笑)


録音日時、録音場所が、2019年7月と11月となっていて、ルクセンブルク・フィルハーモニーとなっていた。


あれ?コンセルトヘボウじゃないの?
しかもこの日時って、コロナ以前では???


これがルクセンブルク・フィルハーモニー。写真は、コロナ以後にヒメノ&ルクセンブルク・フィルが1.5mの奏者間距離を開けて、無観客生ライブ配信をする、という写真だ。
 

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ルクセンブルク・フィルハーモニーはご覧のように、シューボックスのコンサートホール。シューボックスで程よいエアボリュームだし音響も良さそう。このホール空間で、コロナ以前の普通のオケ配置で録ったなら、そりゃいい録音になるに違いない。(笑)


そりゃ昔と変わらないいい録音に違いない。
ポリヒムニアのエンジニアは若手育成のため、若手を積極的に起用していた。


コンセルトヘボウのあのオケ配置は、指揮者は確かにグスタボ・ヒメノだけれど、オーケストラはRCOなのでした。それもベートーヴェン7番とドヴォルザーク8番を、このコンビでコンセルトヘボウから無観客生ライブ配信するためのリハーサルだったのだ。


自分はこのベト7は、ストリーミングで聴きました。


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やっぱりこのご時世、まだ奏者間距離をどうとるか、は試行錯誤のときで、これで録音、商品にするまでの決断はできないのでしょう。まだ無観客でライブストリーミングする段階で止まっているというか・・・。


奏者間距離を取ると、やはり全体のオーケストラのサウンドに影響はあると思います。それは商品として聴いている自分たちのような聴衆もそう感じるけれど、なによりも指揮者、奏者にも違和感あるはず。


普通に従来の密の状態の方が音はいいですね。それで、ずっと歴史を作ってきたのですから。


コンセルトヘボウの写真のあの平土間配置であんなすごいサウンド造られたら、と思ったら興ざめでしたが、世間はまだそこまで行ってないし、いや行ってほしくないという感じでもありましょうか?(笑)


ルクセンブルク・フィルハーモニーで今回の新譜で作業を進める指揮者グスタボ・ヒメノとピアノソリストのデニス・コジュヒン。


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デニス・コジュヒンは本当に素晴らしいピアニストですね。英国グラモフォンの記者からは、自分が売れること、そういうポピュリズムから最も遠い位置にいるピアニスト、と評されるほど、玄人好みというか渋い立ち位置が自分は大好きです。


フランクという作曲家は、普段はあまり聴かない作曲家ですが、この新譜を聴いていると本当にその大物作曲家と言っても過言ではないその筆致に感動します。


完成度の高い作品だと思います。


この新譜、自分の愛聴盤に間違いなくなりそう。






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イチロー、アンチ耐性が凄すぎる! [雑感]

イチロー先生が、生徒たちの質問に答える。


生徒たち「他人から嫌われるのが怖くないですか?」
イチロー先生「僕は他人から嫌われるの大好きです。」


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「その人たちは僕に対するエネルギーが半端ないでしょう。」


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「大嫌いと言われたら、ゾクゾクしますよ、僕。」


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「無関心が一番怖い。興味持たれなくなることが一番辛いです。」


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そのほか、


生徒たち「出る杭は打たれる、ということについてはどう思われますか?」
イチロー先生「簡単。出すぎちゃえばいい。」


「結婚はギャンブル」など名言言いたい放題。


イチロー、かっけーなー。(笑)


みんな大喝采だ。



でも、みんな気づいていないかもだけれど、これはイチローの長い人生の体験から得た体中に染みついた深い深い言葉だということを忘れてはいけない。


そんなちょっとやそっとのその場の思いつきで出てくる言葉ではないのだ。


イチローの球歴は今さらだけれど、細身のしかも日本人プレイヤーとしては初の野手での大リーグ挑戦。まさに異国の地で人種差別など心ない態度などもろもろ、それはファンからだけでなく、チームメイトからもあったであろう。


日本人が異国の地で生活していくというのはそういうこと。


日本人は姿かたちの外見からして、基本的に外国人と同化はできないので、そこで彼らといっしょに暮らしていくには、日本人としての自分の存在価値、アイデンテイティをアピールをしていかないとやっていけない厳しさがある。


そんな逆風をもろともせず、大記録、大成功を成し遂げたからこそ、言える言葉ではないのか。だから、上のような一瞬ジョークとも思える笑えるようなセリフについても、自分はなんかじつは彼の本音なんじゃない?それって彼の野球人生で学んできた哲学そのものなんじゃない?とも思えるのだ。


以前日記で、「人生やっていく上で楽になる4つの大事なこと」というタイトルで説いたこともあるが、


嫌われてもOK。全人類に好かれるとか無理。


みんなにいい顔はできない。


これは人生生きていく上では、大切なことであるから、よく心しておこう。自分が近年の差し迫った環境の中で人生やっていく上で一番心掛けていることでもある。 
 

みんなに好かれようとして自分がクヨクヨ悩んで八方美人で苦労するのは、人生時間の無駄である。自分を嫌いな人をいかに好きにさせようという努力ほど効率の悪いことはない。そんなことやるくらいなら自分を好きでいてくれる人をもっと楽しませようと努力したほうがよっぽど人生効率的なのだ。


自分もちょっと前までは八方美人的な心配ばかりしてこのことで随分神経すり減らしていたが、このことを悟り、楽になった。


周りをあまり気にし過ぎて相手に合せすぎても、それだけの効果って意外とないものなのだ。「これが、自分です!」という自分の素の姿をさらけ出したほうがいい。それで去っていく人は、去る者は追わず。。。なのである。


他人から嫌われるのは、それだけ自分に個性があって、相手が危機感を感じる、自分の領域を侵される、というような感性に襲われるから、攻撃したくなるのではないか?


それだけ、自分に力、才能があって、それを他人が羨ましがっている、というように思ったほうがいい。そんな攻撃をしてくる人間は、民度、レベルの低い人たちと蔑んで見ておけばいい。


自分に本当に才能があれば、そういう類の抵抗勢力も結局圧することができ、結局自分の素晴らしさが後世讃えられる。


世の中、きっとそういうルールになっているに違いない。


イチローがそれを証明している。






 





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オーケストラの損益分岐点 [クラシック雑感]

あの劇団四季が、コロナ禍で、相次ぐ公演中止で経営難に陥っている。クラウドファンディングを開始したという。現在6000万に到達。目標1億だそうだ。


これがいまの厳しい現実。


クラシック業界も同じで、相次ぐ公演中止で莫大な負債を抱え、オーケストラの経営難で存在危機も頻繁に耳に入ってくる。


本当に心が痛い。


いつもオーケストラのみなさんから素晴らしい音楽と感動を与えてもらって、生きる喜びというか趣味の世界を満喫している自分にとって何とかしてあげたいのは山々なんだが、なにぶんたかが個人の身の分際で、なにもしてあげられない。


せいぜい寄付をするくらい。


しかも自分は超貧乏な平民と来ているから(笑)、本当になにもしてあげられない非力を感じるだけである。でも明るい兆しもある。


東京都交響楽団がコロナの環境の中で公演を開始するための実験をやってコンサート再開への道筋を模索する算段に入った。


またそれぞれで無観客ライブ配信で有料配信も始まるようになった。

徐々にコンサートを再開する兆しが見えてきている。


ニューヨークのMETとか今年いっぱいは無理だという話もあるし、ロンドンも今年いっぱいはダメだろうという観測。サイモン・ラトルは、大陸では再開に向けて動き始めているのに、なぜイギリスでは全然そういう動きがないんだ、と怒っている。残念ながら、今年の秋のラトル&ロンドン交響楽団の来日公演、マーラー交響曲第2番「復活」も中止になってしまった。自分のコロナ明けの生コンサートの予定だったので号泣である。


そういうのと比べると、日本は動きが速いし、恵まれた環境かもですね。
まぁ彼らより軽傷ではありますから。


日本の各オーケストラは、ステージの奏者間の距離、観客席の間引きなどからスタートして、そろっと始めようとしている。そういった点では室内楽のほうが敷居が低くて、まずこちらからでしょうね。


観客の間引きは、採算がとれないという問題がある。


こんな中で、はたしてこういうペースで、この数か月で抱え込んだ負債を返済していき、いずれは損益分岐点に到達するというシナリオが描けているところはおそらくどこもないであろう。


損益分岐点というのは、商品を開発するとき、まず先に開発費を投資する訳だが、その投資した分を、完成した商品を売り続けることで、あるポイントでその投資した借金を全部返済することになり、それ以降の売り上げは利益になるという、そのクロスポイントのことである。


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みんなとにかく動かないと、なにか始めないと、なにも始まらないということで動き出しているのが現状だと思う。


それで、自分の耳に入ってくるオーケストラの現状の負債は、大体どこも4億。

そうするとこのペースでやってもどんどんその負債が膨らんでいくばかり。


はやく実験の結果で平常通りのスタイルで収益が上がるようになればいいと思います。でも一度作ってしまった負債4億を、通常のビジネス形態に戻ったとしても、それを損益分岐点を迎えるまでリカバリーすることは可能なのだろうか。


自分はそれは無理だと思う。


損益分岐点は、なにもない平和の日常の状態で、投資(借金)と売り上げ(利益)で成り立つルールであって、こういう前代未聞のアクシデントで抱え込んだ負債がその上に積み重なると、それをクロスポイントに持っていくには、莫大な利益を生むハイペースでないと借金ゼロにはならないだろう。


それはクラシックは高コストがかかる割には、低コストの収入のビジネス体質なので絶対無理なペースだと思うのである。


もう自分はこれを解決するには、公的資金の投入しかないと思うのである。


日本のオーケストラが解散してしまい、あるいは統合になってしまうと、本当に日本の伝統の財産を失うことになる。それだけは避けないといけない。


1楽団が4億の負債を抱えているとしよう。


2006年の古い日本のオーケストラ・イヤーブックのデータだけれど、公益社団法人 日本オーケストラ連盟に加盟しているのは正会員、準会員含めて、34楽団である。


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そうすると、34×4億=136億。

この額は果たして、そんなに大金の額であろうか?


政府がかつてない規模の予算で臨むといつも言っている、兆単位の予算額を聞いていると、そんなに大金とは思えないんですよね。


136億あれば、1楽団あたりに4億を配給され、コロナ禍で抱えた負債を相殺できる。


もちろんそれぞれの楽団によって、そのオケを支えている経済的基盤が違っていて、たとえばN響とかは、NHKがバックにいるので比較的安泰と思われるけれど、東京都交響楽団は東京都、新日本フィルとか京都市交響楽団とかも地方自治体運営だ。


だから各オケが交渉するというより、そのオーケストラを総まとめする組織が、その136億の公的資金を調達できるような仕組みにして、それを各楽団に分配するというのがいい。


公益社団法人のルールに、収入と支出があるレベル以下になると強制的にそのオケは解散させられる、というルールがあるらしいが、この非常事態時、そんなのまったくのナンセンスである。


その縛りは、なにも起こらない平和の平常時のルールであって、こんな予想もしない世界的な危機にそのルールを適用すること自体、まったくナンセンスというかあり得ないことである。


それはいくらでも特例を作れるであろう。


そうやって、突発的に抱えてしまった今回の大負債を補填して清算してあげないと、ただでさえ、収益率の低いクラシック・ビジネスでは損益分岐点を上回って、利益体質に持っていくことは永遠に不可能だろうと思うのである。


以前、”オーケストラの収益構造”という日記で、その収益配分を日記にしたことがあるけれど、この世界、チケット収入は半分くらいの比率で、残り半分は自治体の寄付、支援などで、収支をイーブンに持って行っている業界だ。


そんなハイコスト、ローリターンなビジネスで、今回のような大負債が上乗せてしまうと、一生かかっても損益分岐点を迎えることなく、永遠に赤字であろう。


それは危機である。


文化芸術は不要不急ということで、一番後回しにされていることも理解しているし、政府の緊急対策予算も飲食業、旅行会社などの観光業、日本の経済を根幹をなす優先順位の高いビジネスにあてられているのもよくわかっている。


でも中小企業を応援する支援金、何百万という単位では全然ダメなのである(笑)、クラシックの世界は。


”文化芸術は、人間の生活の上で絶対必要なものなのである。”ということを政府が少しでも理解してくれるといいですね。


文化庁長官は、東京藝術大学出身の文化芸術に明るい方ではなかったでしたっけ?


コロナ勃発のときに、励ましの声明を出したのはいいけれど、補償などなにもなしで、みんなからポエムと言われていたのを覚えていますが。(笑)


まっど素人の安直な思いつき考えですが、ちょっと自分が普段頭の中にある不安を書いてみただけでした。





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BISの室内楽 [ディスク・レビュー]

今日からサントリーホールCMGオンライン(チェンバーミュージックガーデン有料ライブ配信)がスタートしている。ライブストリーミング配信で有料というのがうれしい。


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日本のクラシック業界でそういう流れを作るのは、まずサントリーホールが1番最初にやってほしい、という想いがあったので、とてもうれしい。


プラットフォームに、イープラスの「Streaming+」を使うという。


チケット業者のイープラスからそれが出てくるというのが意外だったけれど、この「Streaming+」って具体的にどのようなものなのかもうちょっと詳しく知りたいと思っていた。


イープラスのチケット制の動画ストリーミング・サービス「Streaming+」がグランドオープン



この記事を読んで、なるほどなぁ、と思いました。イープラスってチケット販売企業、ライブ・エンタテインメント事業企業として約20年間に渡り実績やノウハウを培ってきた企業だからこそ、こういう課金EC系のシステムには持ってこい、というかアイデア満載なのだと思うのでした。


いくら技術開発力が高くても、ビジネスのアイデアがないとダメで、そのビジネス・アイデアが豊富だからこそいろいろなEC系のビジネスのアプリケーションを展開できる発想があるのだと思いました。


チケット販売はもちろんのこと、プロモーション、グッズ販売などの販促関係もろもろ。


ライブストリーミングが今後主流になるなら、こういう課金EC系のビジネスを母体にアイデア豊富に持っている企業体が結構大きいアドヴァンテージがあるかもしれませんね。


なるほど世の中って、需要のあるところにビジネスが流れるんだな、とつくづく思いました。


自分は技術系なので、やはり気にするのは、配信環境(インターネット回線、機材、運用方法)と信号処理のCodec。Streaming+がどのようなCodecを使っているかは知りませんが、いまは世の中が急いで要求しているので、普及フォーマットを使っているのでしょう。


でもゆくゆくは、夢のある高画質・高音質フォーマットの信号処理を期待したいです。こういう伝送系の信号処理と課金EC系は配信システムの中では別途に分けて考えてもいいですね。あとでガッチャンコする感じで。。。


イープラスは、もちろんクラシックだけではなく、ポップス、ロック、ジャズなどの音楽系、舞台、トークイベントなど幅広いエンターテイメントを手掛けているので、それが全部ライブストリーミング配信になったら、それこそ、そういうライブイヴェントに紐づいて関連する販促ビジネスなどの課金EC系は宝の山というか大儲けしそうな感じですね。


期待したいです。


さて、日記の本題は、じつはそこではなくて(笑)、サントリーホールCMGオンラインは室内楽のお祭り。ひさしぶりに室内楽をたっぷりと聴きたいなと思ったのでした。


なにせ、去年の年末から半年間ずっとマーラーばっかり聴いてきたので(笑)、そろそろ衣替えをしないとという感じです。また最近深夜遅くまで音楽を聴いていることが多く、そういう場合大編成の大音量は聴けないので、室内楽を聴くケースが多い。


できればひさしぶりにBISの録音が聴きたい衝動にかられたのです。


BISはワンポイント録音のさきがけのレーベル。マイクからほどよい距離感がある完璧なオフマイク録音。温度感が低めでクールなサウンド。録音レベルは小さいんだけれど、ダイナミックレンジが広く、結構オーディオマニア好みのサウンド作りなのである。


しかもSACD 5.0サラウンド。


BISに所属しているカルテットで室内楽を堪能したいなぁという猛烈な衝動にかられる。あのクリスタルなサウンドで、隙間感のある室内楽を聴くと、もう最高!みたいな感じ。


いままでBISの録音制作を手掛けてきたトーンマイスター5人が独立して、「Take 5 Music Production」という別会社を設立している。


主なミッションは、BISの録音制作を担う、ということで、フィリップス・クラシックスの録音チームが、ポリヒムニアになったことや、ドイツ・グラモフォンの録音チームが、エミール・ベルリナー・スタジオとなったことと同様のケースのように確かに思えるのだが、ただ唯一違う点は、現在もBISには、社内トーンマイスターが在籍して、音に関わる分野の責任を持っていることなのだという。


いま最近のレーベルは、社内に録音スタッフを持たず、外注先に委託することが多いというのが現状である。大変な金食い虫でもあるし、そのほうがコスト削減で効率的なのであろう。外注のほうがより技術的にも専門的なスキルを持った業者が多いことも確かだろうし、レーベル社内で、そういった職人を育てていくだけでも大変なことだ。


でも、それってレーベルごとに受け継がれてきている伝統サウンドというものが、もう崩れてきて存在しない、ということを意味していてオーディオファイルにとって寂しい限りでもあるのだ。


DGであれば、骨格感のある硬派な男らしいサウンド。
1960年代ステレオ黎明期を一斉に風靡したDECCAマジックなどなど。


そのレーベルごとに、そのサウンド、という特徴があって、それを堪能するのがオーディオマニアの楽しみでもあった。マニアはいつのまにか、レーベル単位で、その録音されているサウンドを想像することができた。でもいまは外注だから、それこそコスト重視で、アーティストごとにいろいろ違う外注に切り替えていたりしたら、それこそレーベルごとにサウンドの統一感なんて難しいことになる。


なんかそういう時代になってきているのは、なんとも寂しいなぁと思う限り。


BISもそんな流れの一環にあって、「Take 5 Music Production」という外注も請け負える団体にすることで、BISのタレントだけではなく、いろいろな録音ビジネスの受注を受け入れるようにビジネス拡大しているのだ。


いろんなところで、あのBISサウンドが聴けるかもしれない。(笑)


BISのトーンマイスターでは、やはり自分はなんと言っても、Hans Kipfer氏。(現在Take 5 Music Production) 彼が録音、ミキシング、バランス・エンジニアを担当してきた曲を一番多く聴いてきた。


BISサウンドといえば彼というイメージが多い。  


Take 5 Music Productionの俊英たち。(その名の通り、5人によるチームなのです。(笑))

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BISのサウンドエンジニアは、みんなコアなRMEユーザーですね。
そして驚くことにオリジナルマスターは96/24でやっているのだ。
このハイレゾの時代に。


それであれだけ素晴らしい録音を作り上げるのだから、録音ってけっしてスペックで決まるものではない、という最もいい一例であろう。


ポリヒムニアも同じことを言っていて、いい録音を作り上げるのは、ハイスペックで録るということに拘っていなく、またそれが絶対条件でもなく、もっと基本的なことがあるんだよね。


それは彼らが世に送り出している作品にすべて現れている、と言っていいと思う。


BISの室内楽を無性に聴きたく、6枚を緊急購入。


キアスクーロ四重奏団


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いまをときめくアリーナ・イヴラギモヴァ率いるカルテット。イブラギモヴァ大ファンです。(笑)2005年に当時英国王立音楽大学(RCM)で学んでいた友人を中心に結成したカルテット。団体名の「Chiaroscuro(キアロスクーロ)」は美術用語で、コントラストを印象づける明暗法や陰影法を意味する。


全員がガット弦とピリオド楽器を使い、チェロ以外は立奏する。
完全なイブラギモヴァのカルテットと言っていい。


去年の2019年の4月に来日しており、これはぜひ行きたかったんだが、マーラーフェストのための予算確保のために見送ってしまった。いま考えれば本当に愚かなことをしたものだ。



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シューベルト弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」、第9番 
キアロスクーロ四重奏団




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ハイドン弦楽四重奏曲集 Op.76 1-3 
キアロスクーロ四重奏団




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ハイドン弦楽四重奏曲集 Op.20 第1集 
キアロスクーロ四重奏団





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ハイドン弦楽四重奏曲集 Op.20 第2集 
キアロスクーロ四重奏団



キアロスクーロ・カルテットいい!もう実演体験しなかったのは一生の不覚。オーディオでもわかる精緻なアンサンブル。古楽器特有のもさっとした感覚がするのだけれど、古楽器でないと表現できないこの時代特有の評価観ありますね。もうこれは頭の評価脳を切り替える必要ありますね。イブラギモヴァがぐいぐい引っ張っていってるのがよくわかる。目の前に、そのシーンが浮かんでくる。やっぱりイブラギモヴァのSQなんだと思いますね。


このカルテット、古典派と初期ロマン派のレパートリーを看板としてきたようなのだが、フランスAparteレーベルよりベートーヴェン、モーツァルト、シューベルト、メンデルスゾーンのディスクをリリースして好評なのだそうだ。そしてBISレーベルに録音を残しているのが、このシューベルトとハイドン。


かなりベテランなんですね。BISに移籍してからはハイドンが注目ですかね。


やっぱりSACDサラウンドで、BISサウンドがいいです。BISで室内楽を聴きたい!というのがきっかけなのですから。



トリオ・ツィンマーマン


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ゴルトベルク変奏曲~弦楽三重奏版 
トリオ・ツィンマーマン



ノンノンさんは、女性ヴァイオリニストしか日記にしないと思われているかもしれないが(笑)、そんなことないのである。


フランク・ペーター・ツィンマーマンは、男性ヴァイオリニストの中でもとりわけ昔からずっと注目していて、大ファンである。


特に彼のトリオであるこのトリオ・ツィンマーマンの室内楽の大ファン。


BISのベートーヴェン弦楽三重奏が愛聴盤で、数週間前にひさしぶりに聴いたら感動してしまって、BISの室内楽のSACDが聴きたい、大量に買おうと思ったのは、それがきっかけだったのである。


トリオ・ツィンマーマンは2007年に結成。「トリオは自分にとってベストなアンサンブル」と語るツィンマーマンが、長年ベストなアンサンブルができる演奏者を探し、若き天才ヴィオラ奏者アントワーヌ・タメスティと、タメスティが信頼を寄せるチェリスト、ポルテラに巡り合いトリオ・ツィンマーマンが結成された。


このトリオはとにかくすごい切れ味のサウンド。剃刀のような切れ味の瞬発力で、自分は男性トリオとしてのエクスタシーの極致を感じてしまう。女子バレーの後に、男子バレーを見る、女子テニスの後に、男子テニスを見る。それぐらいの衝撃がある。


そこに男性奏者の凄さ、底力というのをマジマジと感じてしまうのだ。アンサンブルの完成度の高さもそうだけど、自分はこのキレッキレッのサウンドにメロメロなのだ。いかにも男性的。トリオ・ツィンマーマンは全員すべて名器ストラディヴァリウスを使用している。その音色もエレガントの極みともいえるこの上なく美しい音色なのだ。


このアルバムもゴルドベルグ変奏曲を弦楽三重奏版にアレンジしたものだけれど、言うことないですね。ますます大ファンになりました。



グリンゴルツ・カルテット


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メンデルスゾーン:弦楽八重奏曲、エネスコ:弦楽八重奏曲 
グリンゴルツ・クヮルテット、META4



グリンゴルツ・クヮルテットとMETA4がメンデルスゾーンとエネスコの八重奏曲を録音したアルバム。自分は両カルテットともはじめて体験するけれど、これまた素晴らしいですね。普段、弦楽八重奏という室内楽を聴く機会があまりないだけに、とても新鮮でいい刺激でした。


やっぱり音数が多いですね。(笑)


室内楽を聴くたびに想うこと。


それはやっぱり室内楽独特の各楽器のこまやかなフレージングやニュアンスが手にとるように感じられるということ。特に実演に接するとそれがはっきりわかりますね。特にフレージングの妙は、大編成よりも室内楽のほうがわかりやすい。


楽譜をどう読む、どう解釈するかは、その息継ぎとか段落感など、演奏者の解釈によるところが多いと思うけれど、その解釈の仕方でずいぶん曲の印象が違ってきますね。自分は同じ曲なのに、このフレーズ感の解釈の仕方の違いであのアーティストの演奏はすごくよかったのに、このアーティストのは全然ダメだな、がっかり。。。というのをオーディオや室内楽の実演で山のように経験しています。というか日常茶飯事です。(笑)


フレージングは、声楽でもっと顕著に現れますね。


声質もいい、声量も抜群にある、いい声しているのに、その歌を聴いていると全然自分に響いてこない、さっぱり感動できないという歌手もいます。それはやっぱりフレーズ感、フレーズの収め方がこなれていない、というか自分の歌にできていないから、その歌について経験不足から来るものなのだと自分は思っています。


あのシャンソン歌手のバルバラの歌も、一見早口で語りかけているだけのように見えて、じつにカッコいい歌い方だと思ってしまうのは、そこに音楽的フレーズ感があるからなのだ、と思うのです。


だから音楽の演奏でフレージングって結構というか一番大事なポイントなんじゃないかと素人ながら思ったりする訳です。


室内楽はそこが一番はっきりとわかりますね。


しかし、これだけBISの室内楽を聴いたら、もう言うことなし!
まったく思い残すことないです。


やっぱりBISの録音、最高!!!






 

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アラベラさん再始動 [クラシック雑感]

なんか世界中でクラシック業界がコンサート再開の明るい兆し。なんか希望の光が見えてきた感じですね。世界中のオーケストラは、奏者間でソーシャル・ディスタンスを取ったり、観客を間引いたりと、専門家を入れてとても慎重に再開への道を進めている。


わがアラベラさんもコロナ蟄居中で、こんな一皮剥けた姿を投稿していた。(笑)
左のシャガールを模してという意味らしい。


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アラベラさんのHPでコンサート・スケジュールも確認してみたが、まったくの真っ白。


まぁ彼女の場合、赤ちゃんがいるから育児で忙しくて、ある意味ちょうどコロナで強制休業はタイミングよかった、と考えるほうがいいのかもね。


そんな世界中の明るい兆しの波に彼女も乗ったようだ。マレク・ヤノフスキ&ドレスデンフィルと本拠地ホールで無観客ライブストリーミング配信をするらしい。


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ヤノフスキ先生、元気だったんだね。高齢だから心配だったよ。(笑)


アラベラさんは、


”まさかステージに戻ってこれるなんて、なんてamazing feelingなんでしょう!こんな素晴らしい機会をいただけるなんて、本当にありがとうございます!”


アラベラさんを呼んでくれたのは、やっぱりヤノフスキ先生だったんだね。
PENTATONEレーベルでの絆は海よりもなによりも深い。


以前にも日記で書いたけれど、ソリストにとって、やはり指揮者との絆は本当に重要な演奏家人生においての宝ですね。やっぱりいくら育児があるにしても、演奏家にとって、3か月もホールのステージで演奏できない、というのは異常事態だし、精神的にかなりダメージを受けていたんでしょう。それはコンサートの生音を聴けないというストレスで悩んでいた聴衆のボクらより以上に、そのストレスは計り知れなく大きかったに違いない。


彼女のコメントには、本当にステージに戻れたことが夢みたい!という嬉しさのオーラにみなぎっている。


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でもこの写真を見ると、ソーシャル・ディスタンスもあったもんじゃないという感じに見えるんだが。(笑)


女性らしくお手製のマスクなのでしょうか・・・


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11日(今日だ!)の現地時間午後8時から、ということだが、申し訳ない。起きていられない。そんな無理できないから今回は勘弁してもらうが、精一杯楽しんでいらっしゃい。


自分は、9月だったかな、サントリーホールで開かれる予定のストラディバリウス・コンサート2020のチケットを買ってあるんだが、まだ未定なんだろうね。諏訪内晶子さんとの共演楽しみにしているのに。


なんとか開催されることを期待したい。


ボクのコロナ明けの生音初体験はぜひ彼女のヴァイオリンの音色で、といきたいものだ。



(2020.6.13 後記)


そのマレク・ヤノフスキ&ドレスデンフィルとの無観客ライブストリーミング配信のときのコンサートの様子です。


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鎌倉のアジサイで癒されました [雑感]

新型コロナウイルスで、今年の6月の紫陽花の季節どうしようか、たぶん今年はステイホームで我慢かな、とも思ったけれど、会社のコロナ対応で平日も休暇を取れるので、6/8(月)の平日に思い切って、鎌倉のアジサイを見に行った。


今年のコロナ対応で、明月院は、神奈川県在住の方のみ鑑賞可能、もし人数が過密になった場合は途中で打ち切り閉門もあるという。そして土日は閉門。要は平日しか無理なのである。


同じアジサイ寺の長谷寺のほうは、予約制で往復はがきで手続するようなことをHPに書いてあったので、今年は長谷寺は断念。


明月院のみの鑑賞となった。午前9時開門に対して8時半に到着したら、まずまず行列ができていた。距離を気をつけながら並ぶ。


明月院ブルー。


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このように人が入らない見事な写真が撮影できた。
コツがわかりました。


去年の雨天のときは、入口のところで棒状の入場禁止バーがかかっていて、強制的に入れなかったが、今年のように晴天の時も、開門一番は撮影タイムということで、みんなマナーで中に入らないで入り口のところで撮影するのある。


いわゆる撮影タイム。


それが終わったら、みんな中に入っていきます。
いわゆるアジサイ写真愛好家たちによる暗黙の撮影マナーなんですね。


だから晴天であろうが、雨天であろうが、開門一番は人が入らない状態で撮影できるのである。人が入らいない写真を撮りたいなら、開門一番に行くことです。



鎌倉の大仏さんやアジサイ寺の長谷寺で有名な江ノ電「長谷駅」。噂の改築したばかりの新駅舎を見てきました。構内の構造上は昔とそんなに変わっていないけれど、新築ピカピカになっていました。


そして鎌倉ファンに間で有名な「長谷液」の撮影に成功。
鎌倉行き方面のホームの一番端の網にかかっていました。(笑)


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なぜ、みんなこのスプレーの写真を鎌倉コミュニティにアップするのか理解できないのだけれど、「長谷液=長谷駅」とかけているのだろうか?


「今日の長谷液」という文言でこのスプレーの写真をみんなアップするのである。


ワケわかんない。(笑)

でもそれがユルくていいんだな。


このスプレーなんなのか、駅員さんに聞いてみた。江ノ電の車窓に吹きかけ洗浄するスプレーだそうです。運転席の前方のワイパーのついている窓を洗うためである。このスプレーを吹きかけて、ワイパーで綺麗にする感じ。


この長谷液の筐体に書かれている言葉がニクイというか笑える。


「数値で云えば、通勤の方は8割方回帰・・・ 観光の方は1割程度の回帰・・・まだまだヤバいぜ、江ノ島電鉄。」。。笑笑 


コロナ禍で緊急事態宣言解除 の後の世相を皮肉っているのかな。なかなかジョークのセンスありますね。この張り紙に書かれている文言が定期的に更新されていると面白いですね。今日はなにが書かれているか、それを見るだけでも楽しいですよね。



そして、江ノ電とアジサイ。
これが最近導入された江ノ電の最新型車両だそうです。どう思います?このセンス?(笑)


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やっぱり江ノ電とアジサイのショットを撮るなら、絶対旧型車両(355型/301型)ですね。江ノ電写真マニアの方々はやっぱり旧型車両だよね~ってな感じで、絶大の人気を誇ります。でも年々旧型車両の出番は少なくなっています。


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こうやって撮影した写真で、みんな簡単に撮影できると思っているかもしれませんが、とんでもありません。(笑) 旧型車両がやってくるまで、ひたすら待ち続けるのです。この日は1時間半、待ち続けてようやく念願敵いました。 その間、新型車両が何本も通り過ぎますが、それは全部パスするのです。(笑)


旧型車両がだんだん少なくなっているのを実感します。江ノ電写真マニアの方は、旧型車両が通る時間を、もう時刻表であらかじめ調べてくるんですよね。そのときにJust Timingになるように現場にやってくるのです。ボクはそんなことをやる訳ないから、ひたすら来るのを待っているのです。



最後の鎌倉に来たら、必ずこのお店に寄って麻婆豆腐を食べるという自分の贔屓のお店。


「鎌倉かかん」


安否確認会でやってきました。


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ランチタイム開店と同時に入ったので、混んでいなかった。あと平日でコロナ自粛ということもありますかね。コロナ禍に負けず、なんとか生き延びていたよう。ホントに良かった。入店の時の手の消毒はあったけれど、特に飛沫対応のビニールシートとか、物理距離を置いて座るような仕掛けとかはなかった。でも店員さんに勧められる座席は、お客さん同士が離れて、という配慮はあったみたい。


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かかんの麻婆豆腐定食


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夜はもっと大きな鉄鍋に入ってくるのだけれど、ランチタイムはとてもノーマルサイズ。久しぶりに食べたけれど、本当にここの麻婆豆腐は美味しい。天下一品!


四川麻婆豆腐なんだけれど、辛くなく、逆にすごい甘いんですよね。


このお店オリジナルの味付けだと思います。
一度経験すると、しばらくするとまた無性に食べたくなります。


鎌倉市長がいま鎌倉には来ないでください、とSNSでは言われていましたが、すみません。(笑)鎌倉のアジサイを一瞬でも堪能したく、お許しいただきたく。


コロナ禍で荒んだ心がたっぷりと癒されました。

楽しかったひととき。



  




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DGの新譜:リサさまの美しいメロディで旅する世界の都市とチャップリンへのトリビュート [ディスク・レビュー]

リサさま、カッコいいあせあせ(飛び散る汗) 

ジャケット買いとはこのことを言うのだろう。この新譜リリースのニュースが出たとき、よし、これは買い!久しぶりにまたリサさまフィーバーで盛り上がろうと決意した。 


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「シティ・ライツ」 
リサ・バティアシュヴィリ、ティル・ブレナー、
マクシミリアン・ホルヌング、ミロシュ、ラクヴェリ&ベルリン放送交響楽団


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実際、このアルバム・コンセプトを理解して、ひと通り聴いてみると、じつに素晴らしいアルバムで自分の永遠の愛聴盤になること間違いなしと確信した。

普通にクラシックの作曲家の作品を取り上げるものではなく、いわゆるコンセプト・アルバムである。

2019年に生誕130年をむかえたチャップリンの音楽と映画に触発されたメドレーを作るというリサ・バティアシュヴィリとニコラス・ラクヴェリのアイデアが、リサさまの生活する主要都市に基づいた自伝的コンセプトへと発展したというのが事の発端のようだ。

今回、クリエイティヴ・ディレクターとして、リサ・バティアシュヴィリとニコロズ・ラクヴェリの2人がクレジットされている。

「リサ・バティアシュヴィリと個人的・音楽的な繋がりがある世界の11都市と、そこに関連する美しいメロディーでその都市を旅し、そしてチャップリンにトリビュートする。」

これがこのアルバムのコンセプト。

ミュンヘン/パリ/ベルリン/ヘルシンキ/ ウィーン/ローマ/ブエノスアイレス/ニューヨーク/ロンドン/ブダペスト/トリビシ

最後のトリビシは、ジョージア国(グルジア)の首都のこと。
リサさまは、このトリビシで生まれた。生まれ故郷の街である。

彼女はトリビシに生まれ、ミュンヘンで学び、ヘルシンキのシベリウス・コンクールでキャリアをスタートし、ベルリンを精神的なホームタウンとみなしている。

「私はこれらの都市の音楽、文化、人々への私の愛を表現し、これらの都市にとって何が特別であるかを前向きかつ具体的な方法で探求したかったのです」。

楽曲はクラシック、映画音楽、民謡、と多岐にわたり全てが新編曲で録音されている。




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去年の2019年9〜11月頃に録音されているので、ちょうど世界がCOVID-19のパンデミックに見舞われる直前だったのが幸いした。世界中でロックダウン、外出自粛の中で、おそらくはリモートワーク、もしくはスタジオで密にならないように1人での作業など制約があったと思われるが、なんとかアルバムという形にこぎつけ世にリリースできた、ということなのだろうと思う。

アルバムに参加したのは、リサさまのほかのソリストとして、

ティル・ブレナー(トランペット)
マクシミリアン・ホルヌング(チェロ)
ミロシュ(ギター)
ケイティ・メルア(ヴォーカル)


そして管弦楽にベルリン放送交響楽団。
指揮は、クリエイティヴ・ディレクターのニコロズ・ラクヴェリである。

リサさま所縁の11の都市に纏わる曲は、以下の通り。

1. シティ・メモリーズ/チャップリン:テリーのテーマ(ライムライト)〜サンチェ
ス:すみれの花売り(街の灯)〜ダニデルフ:ティティナ(モダン・タイムス)〜チャッ
プリン:Awakening(ライムライト)〜チャップリン:モダン・タイムスのテーマ

2. ミュンヘン/バッハ:われ汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ BWV.639
3. パリ/ルグラン:パリのヴァイオリン(心のパリ)
4. ベルリン/シーゲル:ベルリンのスーツケース
5. ヘルシンキ/Trad.:イヴニング・ソング
6. ウィーン/J.シュトラウス1世:狂乱のギャロップ
7. ローマ/モリコーネ:愛のテーマ(シネマ・パラダイス)
8. ブエノスアイレス/ピアソラ:ブエノスアイレスの四季から「南へ帰ろう」
9. ニューヨーク/ドヴォルザーク:家路
10. ロンドン/ケイティ・メルア:ノー・ベター・マジック
11. ブダペスト/Trad.:ひばり
12. トリビシ/カンチェリ:ヘリオ・ビーチェボ〜トヴリス・パンテリ〜ラメント〜ス
ティクス



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全体の印象としては、クラシックのアルバムを腰を据えてしっかりと聴こうという感じのアルバムではなく、世界の都市を脳内でイメージしながら、その美しいメロディを聴きながら、リラックスして聴くBGM的な聴き方をするアルバムのような感じがした。

最高のBGMである。

本当に美しくて優しいアルバム。
脳内にいっぱいアルファ波が出ます。
そして多様性があって、けっして美しい優しいだけの1本調子にならないドラマがあると思う。

アルバムの最初から最後まで、なんか映画を見ているような完結された作品性・ドラマがあります。

最初の1発目に聴いたときは、あまりに美しい作品に、思わず夢中になりましたから。夢中になって5回リピートして聴きました。冷静になって分析的に聴けるようになったのは4回目あたりからかな。


このアルバムを聴いていると世界を旅行をしている感じに錯覚するし、優雅で優しい気持ちになれる。それぞれの都市に割り振られた曲は、おそらくリサさまとラクヴェリの2人で相談して決めたものだと思われるが、リサさまの強い想い入れのようなものを感じますね。

それぞれの都市に対する想い入れをそのままその曲に託した感じ。

これはやっぱりクラシックのアルバムじゃないね。

リサさまのヴァイオリンは、全体的によく泣いていて、よく歌っていたと思います。




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これから11都市を巡り世界旅行をする気分になる訳だが、特に自分が気に入った印象的な曲をかいつまんで感想を一言コメントで残していきたい。

まずアルバム冒頭のチャップリンのテーマ。
これが今回のアルバムのもっとも大事な主題テーマである。

「ライムライト」という映画。
1952年製作のアメリカ合衆国の映画。チャールズ・チャップリン監督。
チャップリンが長編映画で初めて素顔を出した作品で、同時にアメリカでの最後の作品となった。

キャッチコピーとして「美しきバレリーナに よせる心を秘めて 舞台に散った道化の恋… 名優の至芸と 愛の名曲でうたい上げる 感動のチャップリン・シンフォニー。」なんて宣伝されていた。

この映画でチャップリンが作曲した「テリーのテーマ」。
第45回(1972年)アカデミー作曲賞受賞。

これがこの冒頭の曲なのだが、これは誰もが聴いたことのある有名な曲ですね。
一度聴いたら絶対忘れられないテーマ。誰もが惹かれる旋律ですね。
映画音楽って本当にいいですね。

リサさまのヴァイオリンは朗々と鳴っています。


3曲目のパリ。
ルグラン:パリのヴァイオリン(心のパリ)。

パリの街の景観が頭にそのまま浮かんできそうなアンニュイな雰囲気があって素敵。
自分がお上りさんになってパリの街を歩いているのが思い浮かぶ感じ。

4曲目のベルリン。
シーゲル:ベルリンのスーツケース。

ムーディな雰囲気。
ピアノがふっと入ってくるところから一気に雰囲気が変わる。
トランペットがいいですね。
後半は、ジャズ的な感じになり、あのベースラインを刻む独特のリズム感、スィング感とかもう完全にジャズの世界。





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6曲目のウィーン。
J.シュトラウス1世:狂乱のギャロップ。

なんかあのシュトラウスの曲とは思えないコケティッシュな感じがいいですね。
ひょっとしたらVPOのニューイヤーコンサートで披露されている曲かも?


7曲目のローマ。
モリコーネ:愛のテーマ(シネマ・パラダイス)

ここはこのアルバムの最高の頂点の盛り上がりでしょう。
涙腺の弱い自分はここで、ついに号泣。
「ニュー・シネマ・パラダイス」1988年公開のイタリア映画。
エンニオ・モリコーネの音楽「愛のテーマ」である。

映画音楽でヘンリー・マンシーニとエンニオ・モリコーネは自分の最強の2本柱。
モリコーネの「愛のテーマ」は誰でも絶対聴いたことのある有名な旋律。
これをリサさまのヴァイオリンとホルヌングのチェロが交互に白いキャンパスにカラフルに音色を描いていく。

泣くよ、絶対に。。。
自分は号泣でした。

このモリコーネの「愛のテーマ」で、コロナで荒んだ心を一気に癒してくれ、ぐっと心に染みてくる。ここがそんな最高のボルテージだと思います。




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8曲目のブエノスアイレス
ピアソラ:ブエノスアイレスの四季から「南へ帰ろう」

もうこれは情熱の赤。
たっぷりエコー、リバーブを効かせ、空間、エアボリュームの広さを感じるスケール感の大きいサウンド。ミロシュのギターが、ボロンという感じでその広い空間で鳴るのが気持ちいい。街の喧騒の音が素敵ですね。

10曲目のロンドン
ケイティ・メルア:ノー・ベター・マジック

なんともいえない哀愁を帯びたメロディ。
ちょっとボサノバ風のケイティ・メルアのヴォーカルがいいです。


11曲目のブダペスト
Trad.:ひばり

リサさまの超絶技巧が、これでもか、これでもか、と冴えわたります。
このアルバムで一番激しい曲だと思います。
聴いていて痺れます。

12曲目のトリビシ
カンチェリ:ヘリオ・ビーチェボ〜トヴリス・パンテリ〜ラメント〜スティクス

この曲はオーディオ的に最高に美味しいサウンド。
広大なダイナミックレンジ、縦軸の沈み込みの深さ、音のトランジェント、すべてにおいて、オーディオ的なエンタメ性を感じる曲です。



録音の会場は、RBB(Rundfunk Berlin-Brandenburg) Großer Sendesaal。ベルリン放送交響楽団はベルリンの放送局の専属オケだから、その放送局のスタジオだと推測します。アラベラさんがPENTATONEの録音でよくベルリン放送交響楽団と共演しているので、そこでよくその録音会場として使っていたのを記憶しています。

録音評は、2chステレオとは思えない情報量の多さ、音数の多さで、これだけ部屋中に広がる音場感の広さはサラウンドも真っ青という感じ。DGらしい音色の骨格感や定位感も定番通りというところでしょうか。

空間の捉え方や楽器音とのバランス感覚、位置感覚も自分好みです。自分が好みとする録音ポリシーは広大な音場と明瞭な音像を両立させる、というところにあります。この2点を両立させる、というのは、現場では言うは易し、行うは難しというところですね。リサさまの弦の解像感、ゾリゾリ感堪んないです。

録音、ミキシングは、ジョナサン・アレン。バランス・エンジニアは、セバスチャン・ナットケンパー、コロネリウス・ダースト、ジョージ・ガヴァーヤッゼの3人が担当しています。

録音時のスナップショットです。
Photo is copyrighted by Lisa Batiashvili FB




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(左から右へ)
ティル・ブレナー(トランペット)
リサ・バティアシュヴィリ
ニコラス・ラクヴェリ(クレエイティヴ・ディレクター)

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(左から右へ)
ティル・ブレナー(トランペット)
リサ・バティアシュヴィリ




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(左端から)
リサ・バティアシュヴィリ
ニコラス・ラクヴェリ(クレエイティヴ・ディレクター)
(右端から)
ジョナサン・アレン(プロデュース、録音、ミキシング)
ケイティ・メルア(ヴォーカル)


コロナ前で本当に良かった。(笑)
このアルバムは、今年の自分の最高の愛聴盤になる、間違いなく。

最後に、この新譜のプロモビデオをアップしておきます。











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規則正しいUber生活 [雑感]

Uber生活を始めるようになってほぼ1か月。ついに神様のご審判を仰ぐ日がやってきた。 今日は血糖コントロールの定期検査。Uber生活が、果たして健康的にどうなのか?その審判を仰ぐという訳だ。自分的にはそんな無茶な暴飲暴食はしていないつもりだけれど、なにぶん体の肥えた感覚、特に腹回りに極端な違和感があって、あきらかにコロナ肥り。


体重でも4~5Kgは間違いなく太っている。

先日渋谷で購入した新品のスラックスがすでにキツイ。この病気は体重が増えたら、間違いなく検査値悪化は間違いない。


1番の理由は、やっぱり会社に行っていた時は、1日1食だったのだけれど、在宅勤務になって家にいるようになって、1日2食になってしまったこと。


そして通勤で毎日7000歩歩いていたのが、いきなりゼロになってしまったことだろう。運動不足は、毎日散歩などなんとかしないと、とは思っているのだが、いくら在宅勤務とはいえ、勤務時間中にそんなに外を出歩くわけにもいかず(その間にWeb会議のコールが来て不在だったらなにやっていたんだ?ということになる。(笑))、空いている時間といえば、どうしても終業後の夜になってしまう。


そうすると散歩に出るのは億劫で結局やらないことになる。


1日2食と運動不足。

これが極端にコロナ肥りの要因だろう。

この体が肥えた感覚じゃ、検査値が悪化していることは間違いない。


今年の1月に死を宣告されたも同然の検査値悪化で、それがショックで心を入れ替えて、節制生活を送りはじめ、驚異的なペースで検査値がダウンしてよくなってきたのに、また悪い意味でV字回復で悪化は勘弁だな~という感じ。


そのときは、まさか世の中にコロナ禍が起こるなんて思ってもいなかったから、想定外のできごとだからある意味自分はアンラッキーということもあり、これも仕方がないことかなとあきらめた。


今日の半月前から、毎日気分は凄いブルーでした。(笑)
絶対悪化しているだろうな~という感じで。
検査日の日が近づくと、段々憂鬱になるんですよね。


毎日、自宅の目の前のスーパーで食材を調達していれば、そんなに計算が狂うこともなかった。このパターンは経験豊富だし、これでいままで食生活コントロールしていたから。


これくらいなら大丈夫という塩梅が分かる。


それがUber Eatsなるものに手を染めてしまい、ダメだよな~と思いながら、外に1歩も出なくてもいい楽さ加減から、ついついスーパー生活からUber生活に完全移行。


Uber生活で血糖コントロールなんてまったく今まで経験がなかったから、こういう食生活をして、果たしてどれくらいになるもんなのか?想像できなかった。


だから今日の検査はある意味、人生初体験の神様のご審判の日で相当緊張したのだ。


相当悪化している覚悟でビクビクしながら、主治医の先生から検査値の言葉が・・・


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結論。


ほんの微増だけれど、先月とほとんど変わらなかった。
よかったぁぁあああ~!


いままで驚異的なペースでダウンしてきた努力が無駄にならなくてよかった!

かなり肥えた感じだったので、恐怖だったが、そんなに変わってないとは?


はたしてこのXファクターはなんなのか?(笑)


正直わからない。ただ言えるのは、Uber Eatsを使っていたとはいえ、暴飲暴食はしていないこと。


毎日規則正しく2食分だけを食べていたこと。

これに尽きるかな~?


結局食べる量なんですよね。たくさん食べなければ大丈夫なんです。これでUber Eatsを使っての食生活は、毎日定量だけ食べる規則正しい食生活であれば、そんなに極端に悪化することはない、ということが立証された。(笑)


でも微増だから反省点はある。

やはり1日2食→1日1食に生活改善するべきであろう。
肥っていることは間違いないのだから。


でもUber Eatsは使い方を間違えると、結構危険である。


普段急になにか食べたい、飲みたいと思っていても家の中は空っぽだから食べるものがなく、外のスーパーに行く余力もないということが、かえって自分には都合が良かった。それが節制コントロールになっていた。


でもUber Eatsは、スマホでちょちょっと操作すれば、ものの10分もしないうちに家にその食べ物、飲み物が届けれらるのだから、こんな便利なものはないけれど、自分にとってはある意味、超危険なツールだ。


もういまや目の前30秒にあるスーパーにすら行くのが億劫に感じてしまい、全部Uberで済ましてしまう。


食べたい、飲みたいと思ったときに、それがずっと家にいるだけで入手出来てしまう、というのは非常に危険なツールである。


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世の中には、コーヒー1杯頼むのにUberを使うブルジュアな人がいるらしいが(笑)、いくらなんでもそれはないだろう?と思っていた。でもだんだんそうなっていく自分がいるのだ。


さすがに飲み物1杯のためにUber使うのは、気が引けるので、たとえばコーラLサイズを4本まとめ買いに、心遣いでチキンナゲットを2つくらい付け加えるとか。


なんか無性にマック(マクドナルド)のポテトが食べたいぃ~と思ったら、ポテトとドリンクだけで、ハンバーガーは買わないとか、そういう使い方を平気でするようになってしまった。


でもこれは間食だからあきらかに自分にとってはよくない。今後やめたほうがいいだろう。今回検査にドキドキしてしまったのは、こういう細かな間食の心当たりがあったので、尚更後ろめたかったのだ。


Uber Eatsにとって、極端な話、飲み物1本だけの注文でも配達人は嫌な顔をせずやってくれるものなのか?考えたことがある。


これは配達人にとっては全然ウエルカムなことなのではないか?と思うのだ。


正直Uber Eatsを使うと、コスト的にかなり高くつく。商品の単価に対して、サービス料、配送手数料、少量注文の配送手数料という最低でも2種のadditional costが加算される。


結局1回の注文で結構高いお金を払う羽目になるのだ。スマホでこれとこれって商品を選んだら、TOTALが結構高くてびっくりというのは日常茶飯事である。


1か月Uber生活を続けたわけだが、自分が恐ろしいのは、来月のクレジットカードの請求額である。(笑)とんでも請求額だろう。


●「5%」か「10%」のいずれかが、 サービス料として必ず請求される。
●700円以下の注文の場合は「少量注文の配送手数料」が別途発生する。
●「配送手数料」は、お届け先の住所や配達可能な付近の配達パートナーの数などに基づいて算出され、レストランごとに異なる。


こんな感じである。


だからUber配達人にとっては、どんなに少額の買い物でも回数がそれだけ多ければ多いほど、儲かる仕組みなので、そんなドリンク1本なのに申し訳ないなんて心配する必要はない。


彼らにとって、たくさん利用してくれればくれるほど、どんどん稼げる仕組みになっているのだ。


上の2番目のように、700円以下の注文の場合は、その上さらに特別な「少量注文の配送手数料」を取られる仕組みなのだ。(笑)


Uberを利用すると、必ずスマホに商品の評価と、配達人の評価のアンケートが来る。ボクは優しいからいつも満点をつけてあげます。


最近気づいたことなのだけれど、昔は配達人へのチップは、任意だったのだけれど、ボクぐらいのヘビーユーザーになってくるともうチップを与えることがmandatory(必須)になっちゃんですよね。


配達人にチップをあげないとその画面が終われないし、その画面をスルーすることすらできない仕様になってしまうのだ。(笑)


あれ~?昔は任意だったのになぁ~という感じです。最近、途中からそんな仕様になってしまいました。


Uber Eatsは海外企業だから、そういうチップ感覚って結構常識なんですよね。1か月Uber生活を体験してみて、自分が経験上学んだことはそんな感じである。


「規則正しいUber生活。」


これがキーポイントである。


食生活節制コントロールをしないといけない身からすると極めて危険なツールである。いつどんなときでも家にいて、そのまま食べたいもの、飲みたいものが手に入る。。。


やはり乱用はいけない。規則正しく使うことが肝要であろう。


最近秘かに自分のマイブームなのは、Uber Eatsで刺し盛り(刺身盛り合わせ)をオーダーすることである。酒場放浪記で吉田類さんや女性方のみなさんが、居酒屋で刺し盛りをオーダーして食べているのを見て、あ~刺身食べたいぃぃ~、刺身そういえばもう何か月も、いやひょっとしたら年単位で食べてない。


第一いま居酒屋行けないし。刺身は大きなスーパーじゃないと売っていないし。


それがUberで取り寄せちゃうのだ。(笑)
刺し盛りとカツオのたたき(もちろんショウガ醤油で!)
辛口の冷酒がお供にあればもう最高。


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そんなプチ酒場放浪記を自宅で楽しんでいるのだ。(笑)


焼き鳥、焼き魚、刺身、・・・大体居酒屋のふつうの品なら、大体Uberで取り寄せ可能です。


深夜帯の酒場放浪記、もう夜食テロの番組というか罪作りな番組です。
自分の刺身欲を一気に爆発させてくれました。


だから、いまUberで刺し盛りが結構マイブームなのです。
刺身だったらカロリーも低いしね。




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こちらにもあるんです!プロレスラー御用達のステーキハウス・リベラ五反田店 [雑感]

いまから6年前の2014年に、プロレスラー御用達のステーキハウス・リベラ目黒店をご紹介したと思う。


まさにプロレスラー御用達。店内には、所狭しとプロレスラーの写真が飾られており、まさにムキムキキン肉マンのプロレスラーが、がっつくわらじのようなステーキ、まさに肉食獣のるつぼというお店だ。(笑)


その異様な店内の雰囲気に圧倒されること間違いなし!


でも目黒店は、交通の便が不便で、ちょうど街の真ん中にある感じで、最寄りの電車の駅というのがないのだ。だから渋谷からバスに乗っていかないとたどり着けない。


じつはステーキハウス・リベラには姉妹店があり、五反田にもあるのだ。


なにを隠そう、自分が前職に勤めていたときは、五反田にオフィスがあったので、通勤の帰路途中に、「あ~今日は無性に、リベラのステーキ食べたいぃ~!」と思ったら、気軽に寄っていた、そんな自分のマイ・テレトリーのお店だったのだ。


だから自分にとってステーキハウス・リベラと言えば、本店の目黒店というより、じつはこちらの五反田店のことをいう。


目黒店を日記で紹介した時は、ぜひマイテレトリーだった五反田店のほうも紹介したいな、とずっと心に秘めていたのだ。


そしてついに行ってきた。


JR五反田駅を降りると、ずっと縦に横断する片側3車線、合計6車線の大道路である桜田通りをずっと上っていく感じ。


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そうすると途中で見つけてしまった!

五反田の東京オイスターバー。


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うぉぉぉ~懐かしさの嵐!
コロナ禍に耐えに耐え抜いて生きていたんだね。安否確認会、無事合格。


このお店は前職時代に日本橋の京都銀閣寺ますたにを教えてくれたインテル入ってる!の友人から教えてもらったお店で現地直送の生牡蠣をたらふく食べさせてくれる牡蠣専門店のお店なのだ。


生牡蠣、焼き牡蠣、蒸し牡蠣、もういろんな牡蠣の調理のバリエーションOK!
どこの産地の牡蠣だったか、覚えていないけれど、とにかく新鮮な現地直送の牡蠣。


自分はここに入ると、フランスのパリや、ベルギーのブリュッセルで食したフルイ・デ・メアを思い出します。最後は、必ず牡蠣チャーハンで締めるのが本筋です。(笑)


自分はその後、友人との食事会で、この五反田の東京オイスターバーはよく使わせてもらいました。自分の青春の想いがたくさん詰まっているお店なんですね。このお店の外観に遭遇して、自分が若かった30歳代頃の甘酸っぱい都会生活の青春時代が一気にフラッシュバックしてきた。


話は脱線しました。

この桜田通りをずっと上に登っていくと、ついに発見!


プロレスラー御用達のステーキハウス・リベラ五反田店。


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やっぱりこの外観だよな。


何年振りだろう?1997年~1999年あたりに通いまくっていたから、もう23年以上のブランクがあり、ひさしぶりの再会だ。


店内。
懐かしい~。全然これぽっちも変わっていない。
あの当時のまんま。


この方がマスターです。


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天井にも所狭しとプロレスラーの額縁写真!


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曙も来店。写真が・・・(笑)。


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まさにこれぞリベラの店内。所狭しとプロレスラーの写真が額縁に入れられ、展示されている。まさに本家本元の目黒店の意思を受け継いでいる。


五反田店はこのように狭いんですよね。目黒店の方がぜんぜん広くて大きい。マスターに聞いてみたところ、ステーキハウス・リベラ目黒店と五反田店は、親子でやっている関係なんだそう。目黒店が親で、五反田店が子供である自分がやっている。目黒店は親父さん含め、4人のスタッフ。そして五反田店は子供の自分が1人でやっている。


両店とももう開業して、49年にもなる大ベテランだそうだ。


これからコロナ取材に来るんだよね、と言っていた。コロナの自粛休業の波のときは、どうしていたのか、聞いたら、別に休業していた訳ではなく時短営業でお店はやっていたそうだ。いつもの常連さんは来てくれたそうで、助かった、と言っていた。


ここリベラでは、ジャンボステーキとライスを3枚分、制限時間30分でペロッとたいらげたら、お代をいただくどころか、逆に一万円を贈呈します、という超有名な”チャレンジャー来たれ!”というコーナーがある。


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このことに言及すると、オヤジさんは、「無理、無理、やめとけ。あれはまさに全日本代表クラスじゃないと絶対無理。もうとんでもない量だから。」と仰る。(笑)


そうかぁ・・・ちょっと興味あったんだけれど。


メニュー


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1ポンドというのは453グラム。
いきなりステーキで結構500グラムという無茶をやっていたから、そんなにびっくりしない。

横綱ステーキというのもあります。(笑)
隣の常連さんが頼んでいました。
曙が相撲界からプロレス界にデビューしたときは、曙ステーキというのもあったんですけどね。



自分は1ポンドステーキをオーダー。


このリベラでは、こういう大根おろしに味ぽんみたいな調味料(もちろんお店特製のタレだとは思います。)をまぶしたものをステーキにかけて食べる。


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来た!
1ポンドステーキ。

ワイルド!


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2014年に目黒店に行って以来だから、じつに6年ぶりのプロレスラー御用達のステーキハウス・リベラのステーキ。


懐かしいな~そう!まさにこんな味だったよ!

ウマい!

ものの10分もしないうちに完食。
チャレンジャー来たれ!できるんじゃない?(笑)


まさに1997~1999年頃に会社帰りに通いまくっていたリベラ五反田店のわらじステーキ。満足です。この店内とか懐かしいなぁとしんみり。


当時は若かったから、1ポンドステーキ1枚じゃ物足りないから2枚追加オーダーして食べてたっけ?若いって無茶することだから、楽しい想い出。


コロナ禍を無事乗り越えて、安否確認会も合格。


思いもかけないセンチな感傷に浸った1日であった。






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