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ピアソラ・タンゴなどのアルゼンチンものが面白い! [ディスク・レビュー]

拙宅オフ会の難しさは、招待するゲストの嗜好に応じて、かける音楽のジャンルをいろいろ考えないといけないこと。

ゲストは普段自分が聴いている音楽を基準に聴くわけだから、音がいいかなどの判断基準など、やっぱり自分のテリトリーじゃないと判断するのは難しいだろう。

なんせ、ウチはクラ専門で普段クラシックしかかけていないのに、こういうときに、いきなりジャズとかJ-POPSをかけても鳴るわけはない。(笑)そんなにオーディオは甘いものではない。

tackさんに指摘された低域の量感、解像度不足も、やはり目指す音楽性の違いというか、ジャズ特有の太い音像に、分厚いけだるく色っぽく唄う低音は、やはりSPの種類やクラシック専用にチューニングしているセッティングからは難しいものがあると思った。

オーディオオフ会って難しい。

そんな中で、3人目のお客さんのムサシさんをお迎えするときに、ぜひ披露してみたいディスクがあった。

CHANNEL CLASSICSの新譜をあさっているときに、非常に惹かれるディスクがあって、ピアソラ、タンゴなどのアルゼンチンもの。 

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ピアソラ:ブエノスアイレスの四季、ゴリホフ:ラスト・ラウンド、ヒナステラ:
弦楽オーケストラのための協奏曲 アムステルダム・シンフォニエッタ


自分は、結構このタンゴ、そしてさらにその発展形のピアソラのアルゼンチンものの音楽が大好きで、南米アルゼンチン独特の民族色の強い旋律が非常に自分に嵌るというか、聴いていてツボにくる、というか自然と体でリズムをとってしまう心地よさを感じてしまう。

ムード音楽的演奏から、マランドのように歯切れの良いリズムを重視したアルゼンチンスタイルなど様々なスタイルがあるのだが、共通するのは、やはり夕暮れどきが似合って、激しいリズムの後にくるゆったりとしたメロウな旋律が漂うようなムードがとてつもなく堪らない。

特に自分はピアソラが好き。アルゼンチンタンゴの世界に、クラシック(バッハのバロックも!)やジャズなどの音楽を融合させたアストル・ピアソラという人によって創作されたジャンルの音楽なのだが、タンゴ特有の強いビートの上にセンチメンタルなメロディを自由に展開させるという独自の音楽形態を作り出して、単に踊るためのタンゴの世界から一皮もふたかわもむけた素晴らしい音楽の世界を作り出した人だ。

ピアソラの音楽は、リベルタンゴやブエノスアイレスの四季など、絶対みなさんなら聴いたことがあるはず、というくらいの超有名曲ぞろい。

そんな世界をSACDのサラウンド音源でぜひ聴いてみたいと思い、触手が伸びたディスクなのだ。

今回のこのCHANNEL CLASSICSの新譜は、23人による演奏を基本形態とするオランダの常設弦楽オーケストラである「アルゼンチン・シンフォニエッタ」によるピアソラの演奏で、タンゴの世界のバンドネオンやアコーディオンの世界とは違って、弦楽器だけで、演奏するピアソラがたまらなく素敵だ。

特に、ブエノスアイレスの四季は、ヴァイオリン6本、ヴィオラ3本、チェロ2本、コントラバス1本という少数精鋭のアンサンブルで実現されていて、どちらかというと低弦中心という構成なのだが、聴いてみると、じつに低弦ぶりぶりという迫力で、こんなぶりぶりの音色で、ピアソラの激しいリズムとメロウな旋律が奏でられるのは、かなりイケテル感じだ。聴いていてじつにカッコイイ!

録音もダイナミックレンジが広いし、それぞれの弦楽器の弦の音色も立っていて混濁することがなく、分離されていてじつに明晰で、いい録音だと思う。

じつは、このブエノスアイレスの四季がメインなのだが、この後の5トラック目からのヒナステラ:弦楽オーケストラのための協奏曲という曲が、音楽と言うよりは、オーディオ的にじつにオイシイ音なのだ。現代音楽のような感じなのだが、大音量で高音から低音まで一気に上がったり下がったりする音の急激の変化のダイナミズムが迫力があって、これはオフ会向きの曲だなぁ、と思った。もちろん本番ではムサシさんにお聴かせした。

「アルゼンチン音楽をサラウンドで聴く」、というには持って来いの素晴らしいソフトだと思います。

このソフト以外に同じピアソラ・タンゴなどのアルゼンチン音楽のソフトとして、もう2点ほど補足で紹介。

こちらもCHANNEL CLASSICSの録音なのだが、こちらのブエノスアイレスの四季はコントラバス奏者とヴァイオリン奏者によるデュオで、録音を聴く限り、録音レベルもすごく高くて、鮮度感も高くて、先述の録音よりいいと思うくらいだ。 

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ピアソラ:ブエノスアイレスの四季、ロータ:ディヴェルティメント・コンチェルタンテ、
ファリャ:7つのスペイン民謡 ストーティン(コントラバス).



こちらはBISの録音なのだが、内容はその名の通りのタンゴ尽くしで、バンドネオンの神ピアソラの「リベルタンゴ」「ブエノスアイレスの四季」をはじめ、ガルデルの「帰郷」、ファン・カルロス・コビアンの「私の隠れ家」など充実の選曲。

前紹介2作品が、どちらかというと弦楽器主体の構成なのだが、こちらは、まさにバンドネオン主体の、まさにタンゴの世界という印象だ。 

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「タンゴフォリア」 クリスチャン・リンドベルイ、イェンス・リンドベルイ、ペンティネン.


いずれにせよ、アルゼンチンものが面白い!

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