残響7秒! 東京カテドラル聖マリア大聖堂 [教会]
東京にもこのようなところがあったんですね。知らなかった。SNSの投稿で知りました。さっそく自分も体験してきました。東京の目白駅からバスに乗るので決して地の利はいいとは言えない。
「東京カテドラル聖マリア大聖堂」は世界に名を馳せる丹下健三作品の代表とも言える建築のひとつ。国内でどうして見ておかないといけない名建築のひとつとか。
まさに圧倒される大空間。
「東京カテドラル聖マリア大聖堂」は世界に名を馳せる丹下健三作品の代表とも言える建築のひとつ。国内でどうして見ておかないといけない名建築のひとつとか。
まさに圧倒される大空間。
壁面は、コンクリート打ちっぱなしの反射オンリーのすごい世界。
三角錐の特殊の形をしている。
構造は東京大学坪井研究室により、音響設計は石井研究室にておこなわれた。
その特殊な内部形状から、特に残響時間の計算結果には特に苦労されたそうな。
当初設計では残響時間がなんと20秒。(笑)
これでは音楽はもとより、司教の言葉も参列者に明瞭に伝わらない。
そこでいろいろ工夫をおこなった。
このように三角錐の天井には、明らかに吸音材と思えるクッション性のものが敷き詰められており、天窓の役割を果たすそうだ。自分は夜間に行ったのでわからないが、昼間だとこの天窓から陽が挿し込むのだろう。
SPも壁面に所々に埋め込まれており、司教のスピーチはPAを使うので、そのために使用される。
これで、現在の残響時間が7秒!
世界の音響のいいコンサートホールとよばれるホール空間で、残響時間は2秒がスタンダード。
残響時間が7秒というのは、自分が数多経験してきた空間では想像できない値だった。相当響きが混濁している空間に違いない。だってこのぐらい長ければ、残響が消えないうちに次の発音がどんどん重なる訳で、混濁必至だと思った。
こういうところで、音楽会などの演奏会を開いたら、演奏者は残響&響きと自分が出す音量バランスとの兼ね合いを相当意識しないと、かなり難しい音響空間なんだろう、ということが容易に推測できた。
ちょっと経験するのが怖い感じがした。
自分が経験したのは、「オルガン メディテーション」というミサの一種で、司教の言葉、福音書をみんなで朗読しながら、一緒に歌い、そしてオルガン演奏で瞑想に浸るというもの。
ミサは、圧倒的に8割から9割方女性信者で、大聖堂が満員になるほどの大盛況だった。
なんか、こういう空間を経験すると、3年前に訪れたライプツィヒのトーマス教会やニコライ教会の礼拝(カンタータ礼拝)を、思い出した。
もうそっくりだ。(笑)
現地の地に根付いた礼拝という儀式は、日本では経験できないことで、まさにキリスト教に基づいたヨーロッパ市民の日常生活。礼拝ってなんと音楽に富んでいるんだろう。。。そんなことを体験した3年前だったが、まさにそれを思い出した。
オルガンは、大聖堂の背面にある。
2004年に設置された新しいオルガン「マショーニ・オルガン」。
ヨーロッパの教会は、オルガンは、教会の背面の天井近くに存在するのが普通だ。
ここの大聖堂もいかにもヨーロッパ風な造りだと感じた。
さて、自分が感じたその音響空間の印象はどうだったか?
あくまでオルガンの音色だけの印象だが、そんなに思ったほどの混濁空間ではなかった。
というか、どちらかというと、極めてノーマルに近い音響で、確かにライブではあるが、残響7秒というのはどうなの?というレヴェルだと感じた。
せいぜい残響3~4秒くらいの空間ではないだろうか?
ちょっと拍子抜けした印象だった。
音質は確かに石造りのピンと張り詰めた硬質な響きだということは感じた。
でも、この程度の音響空間なら、教会や大聖堂なら、極めて普通の部類だと思った。
あたりをグルグル見回していろいろ考察してみると、やはり天井が決して高くないと思ったこと。ある意味低い部類に思える。大聖堂としては、容積もそんなに広いほうではないと思う。
天井にす~っと突き抜けていくような音のヌケ感というのを感じないのは、そこが原因なのかな?とも感じた。2Lのソフトで、映っていた大聖堂の空間のほうがスゴイ広い空間だし、天井もとめどもなく高く、突き抜ける高さがある。(残響時間の長さは容積に起因します。)
オルガンの演奏も聴いたのだが、どうも分厚い低音の量感みたいなものも感じず、やや欲求不満だった。これはたぶん演奏の演目によるものだと思う。「瞑想」がテーマなので、そのような乱暴な曲は選ばないだろう。
大聖堂内には開始時間より2時間近く早く入ったのであるが、そこで調音やリハーサルをやっていたときに聴いたときは、凄かったのだ!
まさにオルガンのあの分厚い音の洪水に、自分が包まれるような感じがして、「おー!これは来るなー!」と相当期待していたのだ。
でも本番の音楽は大人しかった。(笑)
ということで、ちょっと梯子を外された感じの印象だったが、でもこれはオルガンの「瞑想」テーマに合った演目だけで判断してはいけない。ふつうの演奏会では、きっともっと、とても魅力的な音響空間、それこそ噂の名評判に合った体験ができるのだと思う。
第一音響空間を経験するだけが目的の不信者(笑)ではなく、きちんとミサを経験すること自体が、ここに来ているみなさんの本来の目的なのだから。
この東京カテドラル聖マリア大聖堂で、12/4の素敵なクリスマス・コンサートが開催される予定です。本来なら、こちらを目指したかったのですが、それまで待てませんでした。
アヴェマリアやクリスマス・キャロルなどのクリスマスムード一色の素敵なコンサートです。
まさにこの内装空間の神々しい雰囲気にピッタリだと想像します。この空間では、きっと素晴らしいコンサートになるはず!
ぜひ体験してみてください!
三角錐の特殊の形をしている。
構造は東京大学坪井研究室により、音響設計は石井研究室にておこなわれた。
その特殊な内部形状から、特に残響時間の計算結果には特に苦労されたそうな。
当初設計では残響時間がなんと20秒。(笑)
これでは音楽はもとより、司教の言葉も参列者に明瞭に伝わらない。
そこでいろいろ工夫をおこなった。
このように三角錐の天井には、明らかに吸音材と思えるクッション性のものが敷き詰められており、天窓の役割を果たすそうだ。自分は夜間に行ったのでわからないが、昼間だとこの天窓から陽が挿し込むのだろう。
SPも壁面に所々に埋め込まれており、司教のスピーチはPAを使うので、そのために使用される。
これで、現在の残響時間が7秒!
世界の音響のいいコンサートホールとよばれるホール空間で、残響時間は2秒がスタンダード。
残響時間が7秒というのは、自分が数多経験してきた空間では想像できない値だった。相当響きが混濁している空間に違いない。だってこのぐらい長ければ、残響が消えないうちに次の発音がどんどん重なる訳で、混濁必至だと思った。
こういうところで、音楽会などの演奏会を開いたら、演奏者は残響&響きと自分が出す音量バランスとの兼ね合いを相当意識しないと、かなり難しい音響空間なんだろう、ということが容易に推測できた。
ちょっと経験するのが怖い感じがした。
自分が経験したのは、「オルガン メディテーション」というミサの一種で、司教の言葉、福音書をみんなで朗読しながら、一緒に歌い、そしてオルガン演奏で瞑想に浸るというもの。
ミサは、圧倒的に8割から9割方女性信者で、大聖堂が満員になるほどの大盛況だった。
なんか、こういう空間を経験すると、3年前に訪れたライプツィヒのトーマス教会やニコライ教会の礼拝(カンタータ礼拝)を、思い出した。
もうそっくりだ。(笑)
現地の地に根付いた礼拝という儀式は、日本では経験できないことで、まさにキリスト教に基づいたヨーロッパ市民の日常生活。礼拝ってなんと音楽に富んでいるんだろう。。。そんなことを体験した3年前だったが、まさにそれを思い出した。
オルガンは、大聖堂の背面にある。
2004年に設置された新しいオルガン「マショーニ・オルガン」。
ヨーロッパの教会は、オルガンは、教会の背面の天井近くに存在するのが普通だ。
ここの大聖堂もいかにもヨーロッパ風な造りだと感じた。
さて、自分が感じたその音響空間の印象はどうだったか?
あくまでオルガンの音色だけの印象だが、そんなに思ったほどの混濁空間ではなかった。
というか、どちらかというと、極めてノーマルに近い音響で、確かにライブではあるが、残響7秒というのはどうなの?というレヴェルだと感じた。
せいぜい残響3~4秒くらいの空間ではないだろうか?
ちょっと拍子抜けした印象だった。
音質は確かに石造りのピンと張り詰めた硬質な響きだということは感じた。
でも、この程度の音響空間なら、教会や大聖堂なら、極めて普通の部類だと思った。
あたりをグルグル見回していろいろ考察してみると、やはり天井が決して高くないと思ったこと。ある意味低い部類に思える。大聖堂としては、容積もそんなに広いほうではないと思う。
天井にす~っと突き抜けていくような音のヌケ感というのを感じないのは、そこが原因なのかな?とも感じた。2Lのソフトで、映っていた大聖堂の空間のほうがスゴイ広い空間だし、天井もとめどもなく高く、突き抜ける高さがある。(残響時間の長さは容積に起因します。)
オルガンの演奏も聴いたのだが、どうも分厚い低音の量感みたいなものも感じず、やや欲求不満だった。これはたぶん演奏の演目によるものだと思う。「瞑想」がテーマなので、そのような乱暴な曲は選ばないだろう。
大聖堂内には開始時間より2時間近く早く入ったのであるが、そこで調音やリハーサルをやっていたときに聴いたときは、凄かったのだ!
まさにオルガンのあの分厚い音の洪水に、自分が包まれるような感じがして、「おー!これは来るなー!」と相当期待していたのだ。
でも本番の音楽は大人しかった。(笑)
ということで、ちょっと梯子を外された感じの印象だったが、でもこれはオルガンの「瞑想」テーマに合った演目だけで判断してはいけない。ふつうの演奏会では、きっともっと、とても魅力的な音響空間、それこそ噂の名評判に合った体験ができるのだと思う。
第一音響空間を経験するだけが目的の不信者(笑)ではなく、きちんとミサを経験すること自体が、ここに来ているみなさんの本来の目的なのだから。
この東京カテドラル聖マリア大聖堂で、12/4の素敵なクリスマス・コンサートが開催される予定です。本来なら、こちらを目指したかったのですが、それまで待てませんでした。
アヴェマリアやクリスマス・キャロルなどのクリスマスムード一色の素敵なコンサートです。
まさにこの内装空間の神々しい雰囲気にピッタリだと想像します。この空間では、きっと素晴らしいコンサートになるはず!
ぜひ体験してみてください!
2017-11-12 17:58
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