アラベラ・美歩・シュタインバッハー&読響のマチネ・コンサート [国内クラシックコンサート・レビュー]
1年間の中で楽しみにしていたコンサート。
そのときはあっという間で、興奮は一瞬だが、終われば心地よい疲労感。
年間に書く日記の中で、1番ミーハーな記事になりますこと申し訳ありません。(笑)
アラベラさんのメンデルスゾーンのコンチェルトは、3年前の2015年にヘンゲルブロック&NDRの日本縦断ツアー(大阪、名古屋、東京)をずっと追っかけたことがあって、今回の2公演含めると、通算5回聴いたことになる。
また、そのときの東京サントリーホールでの公演は、NHKが収録していて、オンエアされたものを録画してあって、もう数えきれないほど、本当に擦り切れるくらい何回も観たので、もうこのメンデルスゾーンの曲の最初から最後まで、曲中のどの部分で、どういう弓使いや体の動かし方をするかなどの動作が完璧に頭の中に入っている。
このライブ映像は、彼女の1番輝いているときの演奏で、最高傑作だと思っている。
ある意味、病理的かもだが、熱心なファンというのはそういうものだ。
そういうバックグランドの中で、今回の演奏を観た場合、結論から言うと、やはりヴァイオリニストという演奏家は、ある曲を演奏すると、もう自分の型というのが決まっていて、既述のどこでどういうアクションなのか、その魅せ処って決まっているものなんだなぁと改めて感心しさせられた。
今回の演奏は、もちろん素晴らしかったのだが、自分の中では、3年前に観た演奏スタイルの範疇を超えるものではなく、決め処での決まったアクションなど、演奏の流れの作り方、作法など、それはいわゆるアラベラさん流儀というものがあって、それをしっかりと再認識させられた感じだった。
彼女は、レパートリーもじつに豊富で、すべてのそれぞれの曲において、そういう自分の奏法、型や作法というのをしっかり持っているんだと思う。
今回、自分がよく知っているメンデルスゾーンだったので、そのことに気づいたのだが、よく考えてみると、それってある意味当たり前のことなのかもね。
でも今回は、前回と比較して、幾分柔らかめというか、優しい表現に自分は感じました。
東京芸術劇場につくと、こんな素敵なポスターが出迎えてくれた。
愛、憧れ、そしてドイツ・ロマン派名曲選。
なんて素敵なんだろう!
すごい春らしい。
いっぺんに自分の心が華やいだ。
そしてこれから遭遇するであろうコンサートに、さらなるワクワクの期待が。。。
2日間のマチネ公演に、こんな素敵なポスターを作ってくれるなんて読響ってなんて気が利くというか、センスがいいなーと感じた。
今回の座席は、もちろんヴィジュアル優先なので、かぶりつき。
ヴァイオリニストがソリストの場合は、自分はステージに向かって右側の前方を取るようにしている。
顔が対峙するし、音の流れもそんな感じがする。
初日
2日目
アラベラさんは、ベージュのドレス。これまた、いかにも春らしくていっぺんに空気が華やいだ。
メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲は、とても華があって、春らしい、可愛らしい、明るい感じの演奏であった。
ある意味とても女性的で優しさに満ち満ちた演奏解釈。
でも、それは解釈というより、彼女が持っている本来のキャラクターですね。
小柄でキャシャな体格なので、線は細いが、そのイメージに沿うような女性的な演奏スタイル。
演奏の型は、とてもビジュアルを意識した美しいフォーム。
特に弱音表現の美しさが彼女の持ち味だと思います。
曲調、つなぎ目に合せての弓使いや体重移動など、この曲に合わせて、あらかじめ自分が考案したのであろうと思われる美しいフォーム。
それが演奏にさらに華を添えていて、とても優雅なメンデルスゾーンに感じてしまった。
そして旋律の筋書ドラマの起伏に対して、とても広いレンジで対応できていて、その強弱、緩急のつけ方など見事であった。
完璧!
コアなファンである自分をも完璧に満足させてくれる最高の出来だと思った。
1年間楽しみにしていただけのこと、見事に報われたと思いました。
読響を聴くのは、じつに久しぶりで、自分もいつ以来なのか記憶にないくらい。
昔、ベルリンコンツェルトハウス管弦楽団のコンサートミストレスの日下紗矢子さんが読響のコンマスも兼任するというニュースを聴いたとき、これは、ぜひ1度聴きにいかないといけないな、とずっと思っていた。
とくに最近は、乗りに乗っているオケで、とてもよい評判を漏れ聞いていたので、ぜひ久し振りに聴いてみたいとは思っていたのだ。
読響を聴いた第1感の印象は、とてもバランスがいいということ。オケを聴いていると、得手、不得手のセクション含め、バランスよく聴こえてくるというのは、とても難しいこと。弦5部、木管、金管、打楽器含め、とてもよくまとまっていて、演奏のメリハリが効いていて気持ちがよかった。
各楽器のアインザッツの一致感や、音の瞬発力みたいなものが、自分に向かってど~んとやってくる感じで、それでいて美しいハーモニーが織なっている様式美みたいな感覚も兼ね備えていてとてもいい。
聴いていて、耳触りが良くて、バランス感覚が秀逸だと感じた。
その中でも特に弦の音色は、素晴らしいかな。自分の前方座席でも、その倍音豊かな響きは恍惚なものがあった。
とてもいいオケですよね。
よい評判は本物だと思いました。
前半のウェーバーの歌劇「オイリアンテ」序曲や、後半のシューマンの交響曲第3番のライン。ある意味スマートすぎるところもあるのかもしれないが、自分には、とても小気味のよい明晰な演奏に感じた。
指揮者の謙=デヴィッド・マズア。まさに期待の新鋭だが、長身でなかなかのスタイリッシュ。
指揮もとても明快でわかりやすく、動きが大きく機敏性に富んだ指揮だと感じる。
とてもわかりやすいので、演奏しやすいタイプの指揮者なのではと感じたりする。
読響を聴いていて、ちょっと面白いな、と思ったのは、最初のA(ラ)の音でやる調音のとき。
ふつうは最初のオーボエ奏者のラの音に合わせて管楽器奏者が合わせて、その後に弦楽器奏者が合わせるというのが9割方だと思うのだが、読響は逆なんだよね。
弦楽器が最初で、管楽器が後。
これって、調音のやり方っていろいろあるのかな?
面白いと思いました。
とにかく、超久しぶりに聴く読響とアラベラさんのコンビネーションがものの見事にあって、じつに素晴らしいひとときでございました。
これで、自分の2017-2018年シーズンはお終いでございます。(笑)
またつぎの目標に向かって、地道に平常生活に戻るだけです。
アラベラさんのFB公式ページから。
そして、サイン会でのひとこま。
ふつうは、何連射も撮影した中から、これは!という1枚を選ぶものだけれど、今回は、どれも捨てがたいショットばかり。
え~い、全部載せます。ミーハーでスミマセン。(笑)
そのときはあっという間で、興奮は一瞬だが、終われば心地よい疲労感。
年間に書く日記の中で、1番ミーハーな記事になりますこと申し訳ありません。(笑)
アラベラさんのメンデルスゾーンのコンチェルトは、3年前の2015年にヘンゲルブロック&NDRの日本縦断ツアー(大阪、名古屋、東京)をずっと追っかけたことがあって、今回の2公演含めると、通算5回聴いたことになる。
また、そのときの東京サントリーホールでの公演は、NHKが収録していて、オンエアされたものを録画してあって、もう数えきれないほど、本当に擦り切れるくらい何回も観たので、もうこのメンデルスゾーンの曲の最初から最後まで、曲中のどの部分で、どういう弓使いや体の動かし方をするかなどの動作が完璧に頭の中に入っている。
このライブ映像は、彼女の1番輝いているときの演奏で、最高傑作だと思っている。
ある意味、病理的かもだが、熱心なファンというのはそういうものだ。
そういうバックグランドの中で、今回の演奏を観た場合、結論から言うと、やはりヴァイオリニストという演奏家は、ある曲を演奏すると、もう自分の型というのが決まっていて、既述のどこでどういうアクションなのか、その魅せ処って決まっているものなんだなぁと改めて感心しさせられた。
今回の演奏は、もちろん素晴らしかったのだが、自分の中では、3年前に観た演奏スタイルの範疇を超えるものではなく、決め処での決まったアクションなど、演奏の流れの作り方、作法など、それはいわゆるアラベラさん流儀というものがあって、それをしっかりと再認識させられた感じだった。
彼女は、レパートリーもじつに豊富で、すべてのそれぞれの曲において、そういう自分の奏法、型や作法というのをしっかり持っているんだと思う。
今回、自分がよく知っているメンデルスゾーンだったので、そのことに気づいたのだが、よく考えてみると、それってある意味当たり前のことなのかもね。
でも今回は、前回と比較して、幾分柔らかめというか、優しい表現に自分は感じました。
東京芸術劇場につくと、こんな素敵なポスターが出迎えてくれた。
愛、憧れ、そしてドイツ・ロマン派名曲選。
なんて素敵なんだろう!
すごい春らしい。
いっぺんに自分の心が華やいだ。
そしてこれから遭遇するであろうコンサートに、さらなるワクワクの期待が。。。
2日間のマチネ公演に、こんな素敵なポスターを作ってくれるなんて読響ってなんて気が利くというか、センスがいいなーと感じた。
今回の座席は、もちろんヴィジュアル優先なので、かぶりつき。
ヴァイオリニストがソリストの場合は、自分はステージに向かって右側の前方を取るようにしている。
顔が対峙するし、音の流れもそんな感じがする。
初日
2日目
アラベラさんは、ベージュのドレス。これまた、いかにも春らしくていっぺんに空気が華やいだ。
メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲は、とても華があって、春らしい、可愛らしい、明るい感じの演奏であった。
ある意味とても女性的で優しさに満ち満ちた演奏解釈。
でも、それは解釈というより、彼女が持っている本来のキャラクターですね。
小柄でキャシャな体格なので、線は細いが、そのイメージに沿うような女性的な演奏スタイル。
演奏の型は、とてもビジュアルを意識した美しいフォーム。
特に弱音表現の美しさが彼女の持ち味だと思います。
曲調、つなぎ目に合せての弓使いや体重移動など、この曲に合わせて、あらかじめ自分が考案したのであろうと思われる美しいフォーム。
それが演奏にさらに華を添えていて、とても優雅なメンデルスゾーンに感じてしまった。
そして旋律の筋書ドラマの起伏に対して、とても広いレンジで対応できていて、その強弱、緩急のつけ方など見事であった。
完璧!
コアなファンである自分をも完璧に満足させてくれる最高の出来だと思った。
1年間楽しみにしていただけのこと、見事に報われたと思いました。
読響を聴くのは、じつに久しぶりで、自分もいつ以来なのか記憶にないくらい。
昔、ベルリンコンツェルトハウス管弦楽団のコンサートミストレスの日下紗矢子さんが読響のコンマスも兼任するというニュースを聴いたとき、これは、ぜひ1度聴きにいかないといけないな、とずっと思っていた。
とくに最近は、乗りに乗っているオケで、とてもよい評判を漏れ聞いていたので、ぜひ久し振りに聴いてみたいとは思っていたのだ。
読響を聴いた第1感の印象は、とてもバランスがいいということ。オケを聴いていると、得手、不得手のセクション含め、バランスよく聴こえてくるというのは、とても難しいこと。弦5部、木管、金管、打楽器含め、とてもよくまとまっていて、演奏のメリハリが効いていて気持ちがよかった。
各楽器のアインザッツの一致感や、音の瞬発力みたいなものが、自分に向かってど~んとやってくる感じで、それでいて美しいハーモニーが織なっている様式美みたいな感覚も兼ね備えていてとてもいい。
聴いていて、耳触りが良くて、バランス感覚が秀逸だと感じた。
その中でも特に弦の音色は、素晴らしいかな。自分の前方座席でも、その倍音豊かな響きは恍惚なものがあった。
とてもいいオケですよね。
よい評判は本物だと思いました。
前半のウェーバーの歌劇「オイリアンテ」序曲や、後半のシューマンの交響曲第3番のライン。ある意味スマートすぎるところもあるのかもしれないが、自分には、とても小気味のよい明晰な演奏に感じた。
指揮者の謙=デヴィッド・マズア。まさに期待の新鋭だが、長身でなかなかのスタイリッシュ。
指揮もとても明快でわかりやすく、動きが大きく機敏性に富んだ指揮だと感じる。
とてもわかりやすいので、演奏しやすいタイプの指揮者なのではと感じたりする。
読響を聴いていて、ちょっと面白いな、と思ったのは、最初のA(ラ)の音でやる調音のとき。
ふつうは最初のオーボエ奏者のラの音に合わせて管楽器奏者が合わせて、その後に弦楽器奏者が合わせるというのが9割方だと思うのだが、読響は逆なんだよね。
弦楽器が最初で、管楽器が後。
これって、調音のやり方っていろいろあるのかな?
面白いと思いました。
とにかく、超久しぶりに聴く読響とアラベラさんのコンビネーションがものの見事にあって、じつに素晴らしいひとときでございました。
これで、自分の2017-2018年シーズンはお終いでございます。(笑)
またつぎの目標に向かって、地道に平常生活に戻るだけです。
アラベラさんのFB公式ページから。
そして、サイン会でのひとこま。
ふつうは、何連射も撮影した中から、これは!という1枚を選ぶものだけれど、今回は、どれも捨てがたいショットばかり。
え~い、全部載せます。ミーハーでスミマセン。(笑)
第205回 読響土曜・日曜マチネシリーズ
2018/3/10&3/11 14:00~ 東京芸術劇場
指揮:謙=デヴィッド・マズア
ヴァイオリン:アラベラ・美歩・シュタインバッハー
コンサートマスター:小森谷巧
前半
ウェーバー歌劇「オイリアンテ」序曲
メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64
~アンコール
バッハ 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第3番「ラルゴ」
後半
シューマン 交響曲第3番 変ホ長調作品97 <ライン>
2018-03-11 22:29
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