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ああチケットよ! [雑感]

mixiに入会して、初めての海外音楽鑑賞旅行と称してベルリンフィルハーモニーにて、ラトル&ベルリンフィルを聴く!という大目標を立てた。自分の「ホールツアー」というライフワークの幕開けだった。

なんせ、旅行準備日記として1年も前から連載して盛り上げた。

ところが、ご存知のように、チケット発売本番日にあえなく討ち死に。(笑)
まったくもっての瞬殺ソールドアウトだった。

ラトルのマーラーチクルス、恐るべし!

まさにプラチナ!

マラ6だからな。

1年も準備してきて盛り上げてきたのに、もう怒りの鉄拳を振り落とす場所もなし。
みなさんから、たくさんの慰めのお言葉の数々。

それ以来、海外ツアーは、チケットが取れてから発表することにしました。(笑)

そんな失意のどん底にいるとき、

「はっきり行ってヨーロッパの場合、必要なのは、お金でなく根性だ。」

と言って激励の日記を書いてくれたのが、ゴローさんだった。

いまふたたび、ゴローさんのその日記を振り返ってみたい。

ゴローさんという人が、いかに無茶ちゅうか、猪突猛進というか、まぁ、とにかく行ってみるべえ精神の人だったか、ということがわかる。

SOLD OUTのチケットだから取り甲斐がある!行く価値がある!

いまの旅人には、まずマネできんだろうな。

当時の自分が、この日記にどれだけ勇気づけられたか!
なんとかなるんではないか?という気持ちになった。


とにかく読んでみてくれ。 

チケット.jpg



マイミクのノンノンさんが、ベルリン・フィルの定期演奏会のチケットが取れなくて苦しんでいるらしい。まあ定期演奏会となると、やはり定期会員というものがいるわけだから、なかなか思うようにとれない時もある。

しかし、わざわざ日本から聴きに行くとなると自分などは、完売SOLD OUTが当たり前で、それこそ、わざわざ行く価値があるのだと思うぐらい自分は、そういう公演を狙って行ってきた。


はっきり言ってヨーロッパの場合は、必要なのは、お金でなく根性だ。


10数年前は、毎年紅白歌合戦を終えて、3賀日を家で過ごした後、ニューヨークに勉強もかねてミュージカルを観に行っていた。

自分が観たいものは、その年にオープンになったばかりの新しい演目で、しかも話題になっているものばかりを、1週間かけて10演目ぐらい立て続けに観て帰るという旅なので、その半数以上がSOLD OUTなのだ。

そこで当日のキャンセル待ちに、なんと朝の4時30分から並ぶ。
ニューヨークの真冬1月である。とんでもなく寒い!

しかし朝8時過ぎまでは、劇場の玄関が開かないので、毛布を持って路上に並ぶわけ。

これは、痺れるよぉ・・・。4時30分だと、さすがに前から5人目ぐらいになるわけで、8時過ぎると一応ガードマンが正面のシャッターを開けてBOX OFFICEの前に並べるようになる。

暖房はまだ無いが、一応建物の中で小1時間立ってさらに待つ。
だいたい2人か3人で行っていたのだが、必ず自分の順番を待って一人ずつ買う・・・これがコツだった。一番先の人が、他人の分まで買おうとして3席とか言うと、ボックス・オフィスの人は並びや近くの席を取ってくれようとするので、かえって席が悪くなってしまう。

キャンセル席なので、良い席は1席ずつポツポツと出ることが多いのだ。
そうやってチケットをゲットして、ホテルに戻って暖かい朝食を取って、昼まで寝る・・・そんなニューヨーク・ツアーだった。

まあニューヨークやロサンゼルスといったアメリカの場合は、チケットロンのような合法ダフ屋があって、お金にさえ糸目をつけなければ、おおよそのチケットは手に入る。

入らないのは、例えば過日ブルーレイで出たバーバラ・ストライザンドのヴィレッジ・ヴァンガードLIVEみたいなもの。ONE NIGHT ONLYで、座席が200席も無いというような条件では、仮に100万まで出すよ!といってもチケットが取れないだろう。

自分も今となっては内容は忘れたが、カーネギー・ホールでオールスターのGALAコンサートがあって、20万円出しても良い・・・と粘ったが結局チケットを入手できなかった経験がある。

ヨーロッパの場合は、チケットロンのような合法公式なダフ屋がないので、本当に根性と気合しかないような気がする。

最初にそれで、苦しんだのが、バスチーユのオペラ座のこけら落とし公演 新演出の「魔笛」。もちろん初日ではないが、全然チケットの入手方法がわからず、ええいとりあえず行ってみるべえ・・と日本を出発。バスチーユに行って当日券のすでに長い列に絶望的な思いで並んでいると、暗くなる頃に、次々と一般ピープルがチケットを売りに来る。

なんのことはない、市民が個人のダフ屋なのであった。

1998年にやはりバスチーユで、ホセ・クーラが初役でドン・ホセを歌い、ベアトリス・ユリア・モンゾンがカルメンを歌ったときは当日売りに朝8時から並んで、開演5分前に、7列目のど真ん中をゲットした。

そのときは1人だったので、トイレに行くタイミングとか辛かった記憶がある。

しかし昼過ぎくらいになると、前後に並んでいる人たちと親しみが生まれてくるし、順番をきっちり見ている守衛さんがいることがわかったりして、ちょっと気分がリラックスしてくる。しかし、立ちっぱなしでパンや飲み物を持って、飢えや渇きを凌ぐわけで結構大変だ。

ヨーロッパで、どうしても入れなかったのは、一昨年3月にウィーンのコンツェルトハウスの小さいほうのホール、モーツァルトザールであった内田光子さんとハーゲンSQのコンサート。

これは現地に行ってから気がついたので、早くから手をまわせばとれたと思うが、当日いくら粘ってもホールのキャパが小さいのでキャンセルが出なかった。


そこにいくとベルリンは、駄目だったという記憶がない。

コリン・デイヴィス指揮ロンドン交響楽団が フィルハーモニーに来演し、ソロがアンネ・ゾフィー・ムターで カラヤンとの共演以来久しぶりにベルリンでベートーベンのバイオリン協奏曲を弾くということで話題になったコンサートがあったが、その時も全くソールド・アウトだったが、夕方から当日売りに並んで周りの気配に気を配っていたら、ドアの外に 余りチケットを売りにきたらしき人を発見、ちょっと席の位置のわりには 高い気もしたがあんまり贅沢を言っても 入れない感じだったので 現金で購入しコンサートを聴いた。


休憩時間になると隣の席の60代半ばの紳士が

「失礼ですが あなたはいくらで そのチケットを買いましたか?」と

英語で尋ねてきた。

私が正直に買値を言うと そうか結構高い値段を付けたんですね・・・とちょっぴり残念そうで複雑な表情をした。

理由を聞くと 彼の妻が風邪を引いて来れなくなったので入り口付近で 若いドイツ人に そのチケットを良心的な値段で譲ったらしい。

その男は おそらく別の人からさらに良い席のチケットを入手したので最初に買ったチケットを私に売ったのではないか・・・という話だった。

コンサートの後半が終わり、会釈して帰ろうとするとその紳士は、

「高いチケット代を払わせてすみません。 食事をご馳走させてくれませんか?」と言うのだった。
「妻は寝込んでいるので 帰っても自分で夕食を作らねばならずどこかで 食事をして帰ろうと思っていました。  一人で夕食というのは寂しいものです。どうかご一緒してください」

そんなわけで 夕食をご馳走になってしまい 結局高いチケット代の元がとれてしまうといった微笑ましいコンサートもあった。

まあ 根性と気合でチケットを入手できても長時間並んだ疲れや 席に着けた安心感で 猛烈な睡魔に襲われることもあり、なかなか大変である。   


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結局この年は、日本に居ながらして、キャンセル待ちに成功し、ラトル&ベルリンフィルのマラ6のチケットは、2日とも無事に入手することができた。

そのときゴローさんからのコメントは、やっぱり定期会員の中でも「6番が嫌いな人がいるんだよね。」というものだった。(笑)

確かにベルリンフィルハーモニーの前には、この個人の合法ダフ屋がいるのだ。(チケットの値段は高くなく普通なので、合法と書いた。)自分が、このホールに行ったときは、必ずといっていいほど遭遇した。

これだったら、ベルリンフィルハーモニーでの公演は、まったく丸腰で行っても絶対入れるな!と確信したぐらいなのだ。

現に、自分はヤノフスキ&ベルリン放送響の「ニュルンベルクのマイスタージンガー」演奏会形式のときは、この個人ダフ屋にお世話になった。なんせ、このワーグナーチクルス、大変話題でビッグなイヴェントだったので、チケットの値段が恐ろしく高かった。当時のベルリンフィルの定期公演のチケットの2倍から3倍の凄いプラチナチケットだったのだ!

なので、座席は悪いが、それなりの値段のチケットを買っていた。

ところが、この個人ダフ屋のチケットは座席がステージ近くで、しかも値段がかなり原価に近い。
思わず、チケット持っているにも関わらず買い直したのだ。


来る6/20、ついにラトルのベルリンフィル離任コンサートの最終の定期公演。

運命のマラ6!

もちろんチケットは完売!SOLD OUT!

当初の予定では、家で真夜中に、IIJ PrimeSeatのDSD11.2MHzライブストリーミングの生中継を聴いて、ラトルに最後のお別れするつもりだが、ひょっとしたら丸腰でベルリンに行っちゃうかもよ。

ぜったい奴らはいる!と思うんだよね。(笑)



注釈:チケットはやはりきちんとしたルートで買いましょう!この事実は、あくまで当時の現実を描いたまでで、非公式での購入を促進しているものではありません。ブログに載せる上で、ちょっと後ろめたい気持ちにはなりました。(笑)





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