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安永徹さんの近況 [クラシック演奏家]

去年、mixiのコミュニティの「安永徹」の管理人が不在だったので、立候補しようと思ったら入会日数不足でだめであった。本日久しぶりに覗いてみたら、まったく盛り上がっていない。(笑)トピックスがひとつだけ立っているだけでほとんど白紙状態。原因を考えてみたら、コミュの開設日が2010年5月5日で、安永さんがベルリン・フィルを退団したのが2009年。いわゆる日本に帰国してからの活動の情報がまったく取れないのが原因だと思う。

聞く筋からだと、北海道の旭川にログハウスを所有していて、そこで奥さんのピアニストの市野あゆみさんとともに室内楽活動を北海道を拠点におこなっている、とのことだった。

安永徹さん
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奥さんのピアニストの市野あゆみさん
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確かにあれだけ輝かしい経歴の持ち主ながら、帰国後、ほとんどメディアへの露出はない。ネットで検索しても、ほとんどそれらしい記事が出てこない。軌道に乗るまで時間がかかるのかもしれないが、すごく不思議だ。

本日久しぶりにネットで検索してみたら、なんと!それらしき記事を発見!東京都新宿にあるアーツ・プラン株式会社というところが、安永徹・市野あゆみコンビのマネジメントをしているようで、その活動の予定が網羅されていた。

嬉しい!やはりマネジメント会社は東京にないと駄目なんだろうなぁ。活動の場は北海道だけではなく、全国に渡って、いろいろな場所を回っているようだ。

しかもプロフィール情報を見ると、安永さん、現在は洗足学園音楽大学・大学院客員教授に就任している。奥さんの市野あゆみさんも同じく洗足学園音楽大学・大学院客員教授だ。

.....ということは、現在のお住まいは北海道旭川ではなくてやはり東京?それとも旭川に住みながら、東京に出向いている?でも奥さんも同じということは、やはり前者なのかしら?

でも嬉しかった。

着実にその活動の足場を固めているようで順調のようでホッとした。もともとベルリン・フィルを退団した理由というのも、

「定年の65歳までいたら、その後にエネルギーが残らない。20年ぐらい前から市野と2人でデュオの演奏をしていて、2人を中心に若い人と室内楽をすることもある。そういうとき自分が充実しているのを感じる」

「コンサートマスターをしていると、次(の公演プログラム)の準備に時間がかかり、公演が重なると自分の時間がなくなってしまう。デュオや室内楽のことを考えると、技術的にも基本的なことからやり直さないと間に合わない。これから年をとる一方だし、どちらかにしぼらないと、と退団を決めました」

とのことだったので、当初の目標通りと言えるんだろう。

これは私が常々個人的に思っていることで、人によってものさしの基準が違うかもしれないが、欧州クラシック界で最も成功した日本人は小澤征爾さんとこの安永徹さんの2人だと思っている。

いまでこそベルリン・フィルは日本人奏者がいることは当たり前の風潮で驚かないが、1970年代のベルリン・フィルは日本人奏者はおろか女性奏者も禁制だった時代で、いまと比べて格というかカリスマ度が違うというか一種独特の雰囲気を持っていた。帝王カラヤンのもとでミッシェル・シュバルベ、ブランディス、シュピーラーといった伝説の名手達がズラリと勢ぞろいで凄い迫力だった。

日本人奏者は唯一、ヴィオラの土屋邦雄さんがいた。シュバルベに師事していた安永さんがコンマスに選ばれたのは、まさにびっくり仰天というか、凄い驚愕な出来事だったと言える。

あのカラヤン/ベルリン・フィルの第1コンサートマスターに日本人!これが当時どれだけ凄いことだったか!

これに相当するのは、例えはよくないかもしれないが、あの野茂が大リーグに移籍してノーヒットノーランを達成したときぐらいだろうか。安永さんを日本人の英雄、誉れだと思う。見た目の外見も、いかにも昔の東洋人、生真面目な日本人という風情で、その奥ゆかしい性格にも惚れた。

コンマス就任時の記者会見で、「自分がコンサートマスターになったことより、(外国人である日本人の)自分をコンサートマスターに選んだ方(ベルリン・フィル)がすごいことだ」コメントしたのだそう。安永さんの人柄が偲ばれるひとこまだと思った。

安永さんの日本への凱旋コンサートは、当時テレビ朝日で放映された1983年の大阪シンフォニーホールでの来日公演になる。このときのライブ映像作品がその後なかなかパッケージメディアにならなかったのだが、4年前くらいに カラヤンの遺産シリーズの「ライブイン大阪」として発売。嬉しかった。

安永さんのまさしくコンマス就任時の日本への凱旋コンサート、晴れ舞台で、いまでもかけがえのない宝物である。その作品の中で安永さんのショットや、ソロパートも多くとても興奮した。

それ以来、カラヤン、アバド、ラトルと3世代に渡ってベルリン・フィルの黄金時代の第1コンサートマスターを担ってきて、ずっとこのオケを見続けてきた人だけに、退団後から今に渡るまで全くメディアに露出しないのは、なんか不思議と言うか、悲しいというか、寂しい感じがしていた。

奥ゆかしい安永さんのことだから、まだ時期尚早ということで、メディアを避けているのか、とも思ったり...... でも着実に活動の足元を固めていることが、今日分かってすごい安心した。

数年前、NHKで「夢の音楽堂」という番組があった。8時間に渡るクラシック特別番組で、「ベルリン・フィルのすべて」とか当時、ウィーン国立歌劇場の音楽監督だった小澤さんのオペラの番組であるとか、本当にクラシックファンにとっては堪らない番組だった。 ご存じ小林悟朗さんが制作した番組だ。

その中の「ベルリン・フィルのすべて」は、焼き直しをしたりして2回くらい繰り返し放映されていて、そろそろ第3段を期待していたのだが、悟朗さんご逝去で、その後どうなるのか、まったく白紙だ。このような大作を引き継ぐ後任者など現れるだろうか?

あの歴史的名盤のBDである小澤征爾/ベルリン・フィルの「悲愴」もこの番組から生まれた。もし3回目の制作が実現するのであれば、前回のスタジオのゲストは土屋邦雄さんだったので、次回はぜひ安永徹さんをと思うのである。  

安永さんには活動が定着したら、どんどんメディアに露出して欲しいと思うのである。たとえば本の執筆でもいい。カラヤン、アバド、ラトルと3世代に渡って知り尽くしたベルリン・フィルについてぜひ世間にいろいろ開示して欲しい。本の出版は絶対あると思う。過去に安永さんの書籍は1冊しかなくて、対談集をまとめたものでしかないが、その中で当時のベルリン・フィルのコンマスの年収が当時のレートで800万程度だったとか驚きの告白があったりした。

そういう下世話な話でもいいから、いろいろ知りたいのである。

こちらに新しいマネジメント会社であるアーツ・プラン株式会社による安永徹・市野あゆみコンビの活動内容のURLを貼っておきます。(↓) 

安永徹・市野あゆみの活動計画

 
このコンビの演奏会のスケジュールが網羅されている他、CDの情報も掲載されている。(退団後の新録音はないみたいだが)

都内開催で注目なのは、2013年3月2日での自分の職場でもある洗足学園音楽大学ホールでの大学・大学院オーケストラとの共演と、2013年11月下旬での東京文化会館小ホールでのデュオ・リサイタルだろうか?
洗足学園音楽大学ホールでのコンサートは学校主催なので、洗足学園音楽大学のHPからチケットを購入することができます。チケットは当日会場に取り置き、という形です。東京文化会館小ホールのほうはこの会社でいいそうです。ただし来年の4月くらいに発売とのこと。

私はぜひこの2つの公演行ってみたいと思っています。 さっそく洗足学園音楽大学のほうのコンサートはチケットを購入しました。もうすぐ公演日ですので、すごく楽しみにしています。

演目は、

2013年3月2日(土) 洗足学園音楽大学ホール
大学・大学院オーケストラとの共演
 <曲目>
 モーツァルト ピアノ協奏曲 第24番 K.491 ハ短調
 マルテイノフ ヴァイオリンと弦楽のための “Come In! “
 シューベルト 交響曲第3番 ニ長調 D200

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今後も安永・市野コンビの活動を暖かく見守っていきたい、と思っています。

また、演奏家の方々はたいていそうなのですが、安永さんもこれまでオーディオ再生、いわゆる聴く方には全く興味がなかったそうです。それが数年前突然に音楽の再生の世界にも興味を抱くようになり、現在はTANNOYのターンベリーを、天井の高さが8メートルある旭川のご自宅の練習室兼リスニングルームでお聴きになっているようです。

下の写真は港区青山にあるあの至極のハイエンドオーディオショップARISTCRATに奥さんの市野あゆみさんと来店したときの様子。オーディオにも興味を持たれているようで、同じオーディオマニアとして嬉しい限りなのです。(↓)

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コメント 4

森永

今日キタラへ、室内楽を聴きに行って来ました。コントラバスを導入し、また違った音楽を聴かせてくれました。安永ファンになってしまいました。もう一度行って聴きたいです。
by 森永 (2013-03-30 20:18) 

ノンノン

森永さん

コメントありがとうございます。北海道の方なんですね。私も北海道出身です。今年のGWに帰省して、かねてから気になっていた札幌コンサートホールKitaraを体験したいと思っています。安永さんがKitaraで室内楽をやるのは知っておりましたが、ちょっと平日には無理でしたね。でも安永さん全国を駆け巡って元気そうでなによりです。
by ノンノン (2013-03-31 19:45) 

NO NAME

なんとなく、父の昔からの親友である「徹おじちゃん」こと安永徹で検索してみました。最後に会ったのは多分10年くらい前ですが…子供の頃は「あゆみお姉ちゃん」共々年に最低1回は会っていた様な記憶があります…

今考えるととんでもなく恵まれすぎだというか恐れ多いというか…(実家で普通にお二人の演奏を聴かせてもらったりしていました)。でも今なら子供故に理解の出来なかったお二人の演奏をきちんと正面から聴くことが出来ると思います。まあいい大人になったんですから、北海道でもなんでも行ってみたいですが。
by NO NAME (2015-01-23 01:59) 

ノンノン

コメントありがとうございました。安永さんご夫妻と親交がったとは羨ましい限りです。そのような思い出というのは、そのときは、その有難味というのがわからないものですが、後になって後悔するものなのですよね。(笑)私もこのコメントをいただき再び安永さんのことを思い出し、コンサートに行ってみたくなりました。
by ノンノン (2015-01-25 16:52) 

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