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サン・サーンス讃 [クラシック作曲家]

いまサン・サーンスがマイ・ブームである。このフランスの作曲家、いまいち日本ではメジャーに成り切れていない、というか過小評価されているというか、脚光を浴びていない。

自分もあの有名な交響曲第3番の第2楽章を聴いて、感動したのがきっかけである。この曲のほかにも動物の謝肉祭など、TVで放映される演奏を聴いて、その度に、わぁぁ~いいなぁ、と思いながら、この作曲家にほのかな恋心を抱くようになっていった。

マイ・ブームとなるきっかけになったのは、ゴローさんの日記で取り上げられていた、ピアノ協奏曲第5番、第2番のティボーデ盤を入手できたことから始まった。この盤、限定盤なので、いまは廃盤で入手できない。そうなればなるほど無性に手に入れたくなる。(笑) 
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サン・サーンス ピアノ協奏曲第5番、第2番
ティボーデ(ピアノ)デュトワ&スイス・ロマンド管弦楽団


新宿や御茶ノ水のDU(ディスク・ユニオン)まで出向いて捜したり、世界中のアマゾンのサイトを捜しまくったが、入手できなかった。それでつい最近ヤフオクに出品されているのを発見!思わず飛びついて、気合で落札した。嬉しかった。

2007年のジュネーブでの録音で、さっそく聴いた。2chソフトだが、録音が良かったのはもちろんだが、その演奏がじつにすばらしかった。目の覚めるような見事な運指が想像できるかのように目の前に展開する感じ、リズミカルで歯切れの良い活発な演奏に、瞬く間にこの演奏の虜になってしまった。

このことがきっかけになって、あの名曲、交響曲第3番「オルガン付き」も聴きなおすようになった。この交響曲第3番、そしてピアノ協奏曲第2・5番は、本当にすばらしい曲で、いわゆる巨匠の筆致という感がある。

交響曲第3番は、最新録音のサラウンド音源のこのディスクで聴いている。
素晴らしい録音だ。 
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サン・サーンス交響曲第3番「オルガン付き」
ワールト&ロッテルダム・フィル


またつい最近、エム5さんちで聴かせてもらったこのサラウンド音源、これもじつにすばらしい優秀録音だ。さっそく購入した。

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サン・サーンス交響曲第3番「オルガン付き」
エッシェンバッハ&フィラデルフィア管


この曲の第2楽章を聴くと、本当に壮大なスケール感な美しさがあり、涙してしまう。

現在は、ピアノ協奏曲第5番、第2番のほうの新しい録音の音源を捜している。

サン・サーンスの曲調の表現として中庸の美という感覚を抱く。すっごい派手で華麗というところまではいかないし、でも決して地味でもない。なんか程よくスパイスの効いた感じが絶妙で、普通の感じの曲調なんだけど、随所に、いわゆる人の心に印象に残る旋律が散りばめられていて、聴いていて、ちょっと小洒落た感覚になれる幸福感がある。なんかパリの街の感覚だ。

サン・サーンスはフランス音楽なのだけど、そのものずばりの直系ではない感じ。ドビュッシーやラヴェルに代表されるフランス音楽というのは、ハーモニー重視のところがあってメロディーと呼べるわかりやすい旋律がないのが特徴だと思う。メロディーをわざと曖昧にすることで音楽が大きく揺らいだり、ぼんやり聴こえたりするところにその魅力がある。

きっちり系のドイツ音楽とは正反対な位置づけで、ドイツ音楽偏重だった自分にとって、初めの頃とっつきにくい、というか聴いた!という感じがしないのがストレスだった。

でもサン・サーンスは、そこまでフォーカスの甘い音楽には聴こえない。

ゴローさんの日記では、サン・サーンスはハイドン・モーツァルトとモーリス・ラヴェルをつなぐ架け橋なんだそう。

フランスでは、ハイドン・モーツァルトから、グノー、サン・サーンスを経てドビュッシー、ラヴェル、ブーランクに至る。 そういった系統があるので、直球のフランス音楽に聴こえないのだと最近思うようになった。

この作曲家、大変多才な人で、交響曲、ピアノ協奏曲、ヴァイオリン協奏曲、チェロ協奏曲、室内楽、そして歌劇まで手がけてたくさんの作品を残している。自分が知っている作品は、まだまだ少なくてほんのごく一部にしか過ぎない。これをいい機会にいろいろ聴いてみたい、と研究中(また膨大なCD購入の散財しまくり。(笑))なのである。

2/23(土)、本日、準・メルクル/N響の定期公演が横浜みなとみらいで開催される。お目当ては、サン・サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」。チケット掲示板でチケットを購入することができた。

準・メルクルは水戸室と、児玉桃さん(最近Facebookでお友達になれました!)ピアノで、サン・サーンスのピアノ協奏曲第2番を水戸芸術館で披露している。ぜひ行きたかったのだが、無念なことに所用があって行けなかった。今回は準・メルクルが解釈するサン・サーンスを聴ける、という意味で、とても楽しみにしていた。

実際公演に接してみて、じつに素晴らしかった。本当に感動した。なんと言っても、あのオルガンの重低音!あれは絶対オーディオでは無理!コンサートホールの中があの重低音で揺れていました。 やっぱり生演奏は凄いなぁ。この秀逸曲をこうやって実際のコンサートで体験できると、ますますサン・サーンスの魅力に陥りそう。終演後、あまりに素晴らしかったので、しばし呆然。興奮の酔いが覚めたのは2時間後くらいか。

準・メルクルの指揮はじつに格好良かった。この人の指揮振りは非常にわかりやすくて、センスの良さというか歯切れがいい、というかじつにきびきびした指揮振りで格好いいと思った。将来を期待される若手指揮者ですね。

今日の公演を聴いて、ますます自分のサン・サーンス熱は収まりそうにない。(笑)こうなったら、とことん嵌ってやる!(笑)


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コメント 2

pat_mthny7205

ノンノンさん
さすがです。
地元でのコンサートは確実に抑えていらっしゃいますね。
私もサン・サーンスの第三番は二枚ほど所有していますが、
このコンサートのことを知っていたら間違いなく行っていたと思います。
やはりチェックを怠ってはいけないと反省しております。
この曲は最近はあまりに聴きすぎて少し抑え気味にしている程度ですが、
仰るようにこれはとても感動する素晴らしい音楽ですね。
フランスの作曲家というとラヴェル、ドビュッシーが真っ先に思い出されますが、
考え方を変えると私はこの二人がクラシックの中でspecialなだけというような気がします。
まるでアヴァンギャルドな絵画を観ているかのような・・・
とはいえ決して否定をしているわけではなく、
その逆で両者の音楽は早い段階でわたくしの中に入り込んでおり、
お気に入りの上位(ベスト5)に位置しています。
とくにラヴェルは何の違和感もなく自然な感じで体の中に入ってきたという記憶があります。
話をもどしますが今度はきっとチェックしたいです。
出来れば横浜で!
by pat_mthny7205 (2013-03-02 20:12) 

ノンノン

pat_mthny7205さん
コメントありがとうございます。
というか、確認したらshigy65さんではないですか!(笑)
そうですね。私もフランス音楽にはそういう想いを感じています。
ドビュッシー、ラベルが特別な感じがしますね。
準・メルクルはサン・サーンスには特別のこだわりを持っている指揮者ですので、彼の公演をチェックすると、意外とすんなり行くと思いますよ。
by ノンノン (2013-03-05 00:13) 

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