ドレスデンが生んだピアニスト界の巨匠・ペーター・レーゼル [ディスク・レビュー]
今年ドレスデンに行ってきた折に、FBで有難くも友人になっていただいているピアニストの高橋望さんから、素敵なピアニストを紹介された。ドレスデンが生んだピアニスト界の巨匠ペーター・レーゼル。
ドレスデン生まれで、ドレスデン音楽大学で学ぶ。現在もドレスデン在住で、母校で教えている。存在くらいは知っていたがCDを1枚くらい持っているぐらいでそれほど熱心な聴き手でもなかった。
高橋さんから教えていただいたのは、新譜として出たばかりのモーツァルトのピアノ協奏曲集。
ドレスデン生まれで、ドレスデン音楽大学で学ぶ。現在もドレスデン在住で、母校で教えている。存在くらいは知っていたがCDを1枚くらい持っているぐらいでそれほど熱心な聴き手でもなかった。
高橋さんから教えていただいたのは、新譜として出たばかりのモーツァルトのピアノ協奏曲集。
SACDでマルチ録音。じつは、この作品シリーズ化されていて過去に2作品出していて、この新譜が3枚目にあたる。結局3枚とも揃えたのだが、特に新譜はじつに素晴らしい。20番と21番なのだが、高橋さんからの感想では師の集大成のような仕上がりに思えるほど素晴らしくて、音の間に積極的に装飾を施し、これがすこぶる新鮮だ、とのこと。同じピアニストから観たこの感想がとても素敵で、いっぺんに引きつけられるような魅力を感じた。
録音も本当に優秀録音で、透明感のあるピアノの音色、その響きが空間を漂う余韻の美しさなど筆舌に尽くしがたい。
ピアノ作品をマルチチャンネルで録音するのは、あまりお目にかからないと思ったが、いままで聴いてきたピアノ作品では断トツに素晴らしい、と思う。
やっぱりマルチは音数が多く、情報量も多いので細やかな空気感とかピアノの四方に音が広がっていくさまが手に取るようにわかって、2ch録音では絶対成し得ないようなダイナミックレンジの広さを感じることができて本当に爽快だ。
前作の2枚もじつに優秀録音で、この3枚はぜひ揃えた方がよい、と思う。
私なんぞは、あまり素晴らしいので毎日聴いている愛聴盤になっています。
レーベルはKING RECORDSなのだが、この3作品が素晴らしいのは、あの音響の素晴らしい録音の名会場であるドレスデンの聖ルカ教会での録音である、というところにもすごく惹かれる。今回ドレスデンに行ったときに、この聖ルカ教会はぜひ行ってみたかった教会。名盤生産基地として超有名な教会で、オーディオマニアにとっては聖域の教会だろう。残念ながら礼拝や演奏会があるときしか開いていないようで、今回は無念の一言だった。
SACDの冊子には、この教会でのセッションの様子の写真が掲載されている。
これを見ると意外とヨーロッパの教会らしくない質素な内装空間だ。
シュタッツカペレ・ドレスデンのセッション会場として有名で、高橋さんの話では、シュターツカペレがドイツレクイエムを毎秋、この教会でやっていて2階席で聴くとその豊かな響きにうっとりするんだそう。ディスクを聴いてもそのライブで美しい響きの空間はよくわかる!
この教会で礼拝や演奏会を聴くという目的だけでも、ドレスデンに行く甲斐はあると思う。ぜひ次回でも!
今回の3作品ともドレスデン国立歌劇場室内楽管弦楽団との共演。まさにドレスデンずくし。素晴らしいピアニストに出会えた、と思う。氏は、先にベートーベンのピアノソナタ全集も完成させており、その評価も高い。
そしてペーター・レーゼルと言えば、「ドイツ・ロマン派 ピアノ音楽の諸相」と称して、3ヶ年プロジェクトで、紀尾井ホールで開催されているコンサート。
ドイツ・ロマン派の作曲家たちが、ピアノという楽器にどのように魅了され、心の動きを表現してきたのかを音で探っていく、というのがテーマの骨子。
今年が最終年の3年目。
11/6の「室内楽」公演では、共演も数多く、気心知れた名門のゲヴァントハウス弦楽四重奏団を迎え、ライプツィヒゆかりのメンデルスゾーンの弦楽四重奏曲第6番と、シューベルトの四重奏曲断章、そしてピアノ五重奏曲の最高峰ともいえるブラームスの名作を取り上げる。そして11/8のリサイタルでは、ドイツ・ロマン派を代表するブラームス、シューマン、そしてシューベルトの作品で、本プロジェクトは完結する。
両方の公演ともぜひ行くことにした。(チケット手配済み)
まさに今回のライプツィヒ・ドレスデン音楽鑑賞旅行がなければ、出会うこともなかったピアニストとも思うと、やはり音楽も出会いだと思う。みなさんも、ぜひ紀尾井へ!
ペーター・レーゼルのモーツァルト・ピアノ協奏曲集を紹介しておこう。
なぜか、アマゾンにしかないのが不思議だ。
モーツァルト:ピアノ協奏曲集 1
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第19番&第27番
モーツァルト:ピアノ協奏曲集 2
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第22番&第23番
そして、これが最高に素晴らしい新譜!
モーツァルト:ピアノ協奏曲集 3
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第20番&第21番
最後にこのペーター・レーゼルを紹介していただいたピアニスト高橋望さんをご紹介しておきます。秩父市と坂戸市でピアノコンサートシリーズを開催されていて、とても魅力的なピアニストの方です。
音楽ジャーナリストの池田卓夫さんのプロデュースで、同じくピアニストの伊藤憲孝さんとデュオを組んでいらっしゃり、そのコンサートを観に実際坂戸市まで足を運んだことがあります。みなさんもぜひコンサートにいらしてみてください。
高橋望さんのブログ
http://nozomu1223.blog.fc2.com/
2014-07-17 01:39
nice!(0)
コメント(0)
トラックバック(0)
コメント 0