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Channel Classicsの新譜:人の声~ブラームス ミサ曲&モテット集 [ディスク・レビュー]

Channel Classicsはオランダのレーベルでジャレッド・サックスというもとはフレンチホルン奏者だった人が創設したレーベル。

いろいろ趣味でやっていた録音を本職にしてしまったということらしい。1990年から始めたレーベルで結構歴史があって、いまでは多数の国のアーティストと仕事をしている。

2000年ころからSACDをリリースしていて、いまはすっかり高音質指向型レーベルというイメージが定着したようだ。

看板アーティストにイヴァン・フィッシャー&ブタペスト祝祭管弦楽団と、女性ヴァイオリン奏者のレイチェル・ポジャーがいる。クラシックが専門であるが、タンゴやブラジル音楽を始め、結構守備範囲が広い。

自分の印象は、鮮度感というかエネルギー感溢れるサウンドで、聴いたら一発でわかる、という特徴的なサウンド。

でもじつは結構当たり外れがあって、お財布に限界がある一般人の自分にとっては、その新譜の選び方が難しいと感じるレーベルでもある。

最近もイヴァン・フィッシャー&ブタペスト祝管のブルックナーを購入したのだが、低音がスカスカで、ブルックナーで低域が入っていないのは、聴いていてかなりツラいものがあった。(苦笑)ヴァント盤を再生して、あぁぁ〜やっぱり低音が入っている〜と安心する始末。

でも逆に楽曲の良さや録音のよいものも多く、完成度の高い作品も多いので、本当に難しいレーベルなのだ、自分にとって。

その中で、思い切って新譜4枚を購入。
今回テーマに取り上げる新譜はとりわけ素晴らしかった。

ダイクストラ&スウェーデン放送合唱団によるブラームスのカノン・ミサとモテット集。 

 
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モテットというのは自分にとってあまり馴染みのない音楽だったのであるが、ライプツィヒの旅行でバッハのモテットを猛勉強して、その芸術性がわかるようになった。

ブラームスのミサ曲&モテット集ということで、バッハの明るい階調の曲とは、ちょっと趣が違って、もう少しモノトーン気味でレクイエムを少し明るくしたようなイメージ。

じつは、購入当時、マルチチャンネル機器が故障でドッグ入りしていたので、2chで聴いていたのであるが、最初の印象はパッとしなかった。でも故障から帰ってきてマルチチャンネルで聴いてみると、前方のステージ感がぐっと広がって、ア・カペラによる人の声だけで周囲を包囲されるその感覚は、じつに素晴らしくて目(耳?)からウロコが落ちる感じであった。

モノトーン調の旋律もじつに美しいと思えるようになった。

そうやって何回も聴きこんで大好きなディスクになっていった。

自分はオペラ歌手などの声楽が大好きなので、1人の歌手からの発声も酔えるのだが、でもこういうア・カペラのような合唱団による何重にも重なり合った声のハーモニーもじつに美しくて心が洗われるようだ。人の声による音の厚みだったり色合いがじつに耳触りがイイ。

澄み切った空気のなかにナチュラルな音像が浮かぶ良い録音だと思う。

人の声で紡がれる音楽って素敵だと思う。

やっぱりア・カペラってサラウンドで聴くと尚一層効果抜群だなぁ、と感じる。
(でもこれはサラウンドに比べてガクッと落ちてしまう自分の2ch再生能力にも問題がありますが。(^^;;
2ch再生をしっかりされているお宅ではきちんとその素晴らしさは体験できる、と思います。)

今回の役者たちは、オランダの合唱界の若き巨匠ピーター・ダイクストラと、北欧のスウェーデン放送合唱団。

彼らをオーディオで聴くのは、じつは初めてで、前作が「ノルディック・サウンズ2」という北欧プログラムだそうで、これもぜひ聴いてみたくなった。今回が、そこからのブラームスというドイツ・ロマン派へのイメチェンだが、前作を聴いていないけれど、じつに守備範囲が広い素晴らしい合唱団のように思える。

録音スタッフは、プロデューサー&録音エンジニアはジャレッド・サックス、そして編集・マスタリングもこの人がやっている。

ジャレッド・サックスは既述のようにこのレーベルの創始者で、フィリップスのOBで諏訪内晶子さんのデビュー録音からフィリップス・レーベルでリリースされたアルバムをずっと担当してきたオランダ人のプロデューサーであるハイン・デッカーという人とずっとコンビを組んで、このChannel Classicsレーベルで、イヴァン・フィッシャー&ブタペスト祝管のシリーズ
録音をいっしょにやってきた人だ。(ゴローさん情報です。(^^;;)

そこで、今回は、すべてジャレッド1人での制作ということで、その録音の素晴らしさ、称賛である。

他の録音のクレジットを全部確認した訳ではないけれど、たぶんほとんどのアルバムはジャレッドが関わっているのだろう!

Channel Classicsレーベルのマスタリング編集ルームの写真は観たことがないのだが、クレジットによると、

SPは、B&W 803Dを5本。そしてPWR AMPがCLASSE 5200!

くぅぅぅ〜、やはりこのレーベルもB&WとCLASSEの王道の組み合わせかぁぁ〜(笑)
クラシックの分野で、ヨーロッパのレーベルで使用されるオーディオ機器と
しては、このコンビがひとつのモニターというかリファレンスになっていますね。

なにはともあれ、これは声楽好き、合唱好きな方には、ぜひお勧めのディスクです!

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