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デジタルコンテンツの著作権について。 [オーディオ]

先日ハイレゾに関して、自分の思うところを書いたが(投稿内容にいろいろ秘匿性があって公開しない方がよいと思い削除した。)、まずハイレゾ視聴のためのいろいろ準備を始める前に、自分が1番ネックだと思っていたところの本当にコンテンツがあるのかどうかチェックしてみた。

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インターネット音楽配信というのは、要はシステムはできるけど、著作権の問題が複雑で、コンテンツホルダーがネット配信にあまりコンテンツを供給したがらないという問題がある。だからこの曲を聴きたいと思っても、ネット配信のページを見ても、コンテンツの数が少なく、その当時は使えない、と思っていた。著作権者はパッケージメディア優先が基本なのだ。

でもあれから10年以上経過したいま、暗号、電子透かしなどのセキュリティー技術の向上、そしてネット配信でもきちんと著作権者に収益が還元される仕組みが出来上がってきているはずだろうから、その当時と比較してだいぶ垣根が低くなっていると思っていた。

そこで、e-onkyoをはじめとして、有名どころのハイレゾ音源配信サイトを覗いてコンテンツの様子を覗いてみた。

かなり愕然としてしまった。

やはり圧倒的にコンテンツが少ない。これではとてもなにげなく不自由なく使えるメディアとはとても思えない。自分はクラシック専門なので、J-POPSやジャズなどの分野がどうなのかは、わからないというか興味がないのだが、ことクラシックに関して言えば、高品質の新しい録音の新譜などはほとんどないっと言って良い。過去の古い録音をハイレゾ化してみましたというような高音質の本質化からは外れるようなコンテンツばかり。

正直10年前に抱いていた印象とほとんど変わっていないのに驚く。

世の中のネット記事などで、さかんにCD売り上げ減少、ネット購入大躍進などと煽っているが、ことクラシックに関しては、このコンテンツのリストを見る限り、果たしてどうなのかな、と思うところだ。

またもうひとつ思うところは、ハイレゾ音源のコンテンツの単価が、まだまだ異常に高いことだ。これはとても実用レベルとは思えない。

デジタルコンテンツの著作権のポイントは、デジタルなのでコピーしても品質に劣化しないところに難しさがあって、そのポイントに著作権者は非常にシビアである。

自分のコンテンツと同品質のレベルで世の中に複製されたり、販売されたりすることはご法度なのだ。インターネット音楽配信の草創期の頃は、コンテンツを圧縮する(ロッシー:損失圧縮)のが前提だった。だから品質は、元ソース(CD)より劣化する訳で、それなら著作権者も許諾するという感じだった。

でもいまのハイレゾは、逆に元ソースよりもサンプリングレートを上げたりして、ユーザに届けるまでに、さらに高音質化する。これは著作権者にとって、自分のマスターコンテンツよりもさらに高品質なものにしてしまう訳で、それを世の中に販売するということになると、垣根が高くなり、著作権の問題は非常に複雑になると思う。

それに見合うだけの収益の還元を求めるなら、やっぱり単価はかなり高くならざるを得ないのではないか、と思った。

だから、サンプリングレートを上げるだとか、量子化ビット数を上げるだとか、そこの部分の技術を一生懸命頑張っても、肝心のコンテンツがついてきていない、著作権の問題が解決されていない、普及価格帯とは遠い世界でビジネス的にどうか?と思うばかり。サンプリングレートや量子化ビット数を上げていけば上げていくほど、どんどん著作権の問題は難しくなると思う。この問題は、両者間でどこか落としどころを見つける必要があるのだろうな。ただ単に技術をうなぎのぼりに開発するだけではだめで、著作権奢との落としどころを見つけてビジネスの軌道に乗せることのほうがずっと肝要かと思った。

別件でコンサートホールがいかに優秀であっても、それを生かすも殺すもその演奏者の質の高さ次第という話をしたと思うが、それと全く同じこと。

やぱり10年前と根幹がまったく変わっていないというのは、本当にがっかりだった。

少なくともユーザーがこのコンテンツを欲しい!と思ったら、パッケージメディアであれは必ず存在する。でもハイレゾ配信の場合、ほとんど存在しないのが現状ではないか?ハイレゾ化されている音源リストから、どれかを選ぶ、という狭い選択肢だ。(ハイレゾ音源を聴いてみたいという理由で。)

どちらかというと、J-POPSのようなジャンルであれば、ネット配信でダウンロードして、携帯端末で聴く(それもCDより高音質)という若者層をターゲットとした、そういうスタイルが、このハイレゾ配信にはフィットしているように思う。そういうジャンルでマスなビジネスを軌道に乗せるという感じだろうか。

でも自分のようなインドアでハイエンドオーディオでクラシック音楽を楽しみたい、というユーザにとっては、このコンテンツのバリエーションの少なさであれば、まだまだ道のりは遠いと思わざるを得ない。(あとクオリティ的にもどうだろうな、という想いもある。)

ハイレゾ自体も実際始まったのは、ここ1年くらいだろうから、まだこれから進展していくか、わからないのだろうが、正直がっかりしたことは否めない。

この状態であれば、なにも無理して急いでパソコンを新調してPCオーディオをやる必要はない、と判断した。他にお金をかけたいことはいっぱいある。


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