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オーディオオフ、広島遠征 [オーディオ]

昨今ずっと、鳴くことを忘れたカナリア状態であったが、久しぶりに本業のオーディオに復帰した。
広島のオーディオ友人のアテンドのもと、4軒のオーディオファイルのお宅を回ってきた。

毎年恒例でやってきた地方遠征オフ。

どちらかというと、近辺にいる者との切磋琢磨するオフというより、親交を深めるセレモニー的な意味合いが強いオフといったほうがいい。

幸せなことに、自分には地方のオーディオの友人さんが多いことから、1度も顔を合わせないで、オンラインだけで付き合っているより、1度お会いしてお互い大好きなオーディオでオフしましょう、ということで出向くというのが主旨なのだ。

これを済ませると、不思議と以前よりも、”つながっている”という感覚が強くなるから、不思議なのだ。

四国遠征×2回、関西遠征、九州遠征とやってきて、今回ついに広島遠征。

今回を最後に、この遠路オフ、一応完結しようかな、とも考えている。

今回のコンタクト・パーソンは、ひでたろうさん。

いろいろ根回し、事前準備していただき、本当にありがとうございます。(毎度、地方遠征するときは、このコンタクト・パーソン様には、本当に頭があがらない想いなのです。)

広島に行くなら、必ず寄らなければいけない場所であった原爆ドーム。

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ここで、将来にわたって不戦の誓いを自分の心に刻んだのであった。

原爆投下という悲劇があった場所の割には、周りが木々、草原の緑が多く、また川も前に流れていることから、結構、風光明媚な場所にあるんだなぁと思った。

たくさんの人が集まっていて、さすがに観光名所である。


広島市内は、プロ野球の広島東洋カープの25年振りのセリーグ優勝(V7)で、垂れ幕があちらこちらに下がっており、否が応でも賑わいを見せていた。

今回の広島オフはとても信じられないようなハイエンドなシステムを持っているお宅を回ることができた。

常々思うことなのだが、一般庶民の感覚から、あまりに金銭感覚的に離れているハイエンドなシステムというのは、たぶん普段のオーディオファンからすると、実際聴くチャンスというのは、ほとんどないであろう。

あったとしてもショップかオーディオショーくらい。

でもショップといっても、SPだけ、とか、アンプだけとか、の個別で入荷しているくらいで、それも店頭にポン置きで調教もなく、ただつなげている状態だけ。良心的なショップであれば、試聴に向けて、ある程度セッティングしてくれるところもあると思うが、周りの環境もリスニング環境として、適切とはいいがたいところも多く、せっかくのハイエンドも、きちんと鳴っているところなんて、なかなかないだろう。

これはオーディオショーにも言える。さすがにポン置きとまでは、いかないまでも展示会場は再生環境に適していないし、短時間でセッティングしただけのはずだから、きちんと鳴るはずもない。

オーディオの調教というのは、持ち主が長年かけて、試行錯誤で努力した結果で、ハイエンドであればあるほど、調教に時間がかかるし、エージング含め、鳴るようになるには時間がかかるはずだ。

そういう点で、このようなオーディオオフ会でそのようなハイエンドのフルシステムを持っていらっしゃるお方のお宅を回れるというのは、十分に調教されたシステムの音を十分に出し尽くしたサウンドを聴ける、つまりそのハイエンドのポテンシャルを十分に聴くことができる最高の幸せなのだ。

(さらにホストの方は、このオフ会に向けて、当日に最高潮ボルテージになるように調整をしているはず。)

そういう意味で、こういうお宅を訪問できて、その音、サウンドを聴けるというのは、オーディオファンにとって人生の宝といってもいいし、そのようなお宅と知り合っている友人を持っていること自体、人生の宝だと思うのだ。

そんなことを実感した今回のオフ会であった。


もうひとつ感じたことは、やはり地方のオーディオマニアの方のオーディオにかける情熱、財力がハンパでないこと。みなさん、社会的ステータスの高い職業でいらっしゃり、収入も高い。これだけのハイエンドな機器を購入できるならそれも納得のいくところ。それでいながら、お会いしたら、みなさんとても紳士的で、人格者な方ばかりなのだ。

やっぱり人徳とお金って結びつくものなのだな、と感じた。
(だから、ハイエンドオーディオを趣味にしている方は、全国でも人数が限られていて、とても狭い世界なのだ。)

我々首都圏のオーディオマニアは、もちろん素晴らしいリスニングルームを持っていて、ハイエンドなシステムを持っていらっしゃる方もいるが、やはり首都圏は土地代、リスニング環境にハンデがある。

それを補ってくれるのが、コンサートホールがたくさん集中していて、生演奏に接する機会が容易であるということ。生の音を知っている、というところがアドバンテージになるのでは、と常日頃思っているところ。

自分もそれを唯一の心の支えにして、これからもオーディオをやっていくのかな?


そして、これもとても大切なことなのだが、オーディオの場合、やはり他人の音を聴いてみること。それもたくさん聴くこと。他人の音を聴くと、自分には持っていないサウンド、自分にはなにが足りないのか、さらにその反対で、ここは自分のほうが優れていて、自分のサウンドの長所がわかるものなのだ。

自分の音しか知らないと、これは永遠に解決しないし、井の中の蛙。

他人の音をたくさん聴いてみて、こういうところを自分のサウンドにも取り入れたい、という欲が出てきて、そのためにどういう風にすればいいのか考えて、さらに調教をして切磋琢磨するものなのだ。

素晴らしいオーディオサウンドというのは、やはり経験値がものをいう。

これは自分がコンサートホールをたくさん経験したい、とコンサート通いする理由にも当て嵌まる。

やっぱり数多く通うしか解はない。いろいろなホールを通って、回数多く通うと、自分の耳の感覚に、あるリファレンスというものが出来てくるものなのだ。回数、経験が少ないと判断できないと思う。

なにを持ってホールの音響をジャッジするのか、音響がいいホール、音響がよくないホール、自分の好みの響きのホールとか、響きの質という判断は、いろいろなホールを通い尽くして、自分の耳に"ある基準"が出来てきて、その経験に基づいて、判断できるようになる。

あと、この音響をどのように表現するか、”意識して聴く”ということだろうか?自分が心がけているのは。。。

音響だけじゃない、コンサートホール(内装、外観、などいろいろな点)に対する着眼点なども、数多いホールを通い尽くすと、いろいろなところに対してピンと自分の感覚、アンテナに反応するものなのだ。(あっこういうところが、このホールは面白い、とか。)

そのアンテナの敏感な感度も、経験値がものをいう。


コンサートホールでの生演奏のサウンドを多く聴いていると、自分のオーディオルームでどのようなサウンド造りを目指せばいいのか、という基準が自分の頭の中にイメージされるので、そういうメリットでコンサート通いをしていることも確かだ。

コンサートホールのサウンドを、自分の部屋で再現するというのも、もちろん定説なことで、異論はない。でも、最近の自分の考え方は、生演奏は、生演奏、オーディオはオーディオというように、楽しみ方を分けて考えたほうがいいという方向にある。

生演奏なら、あの低域の再現力、そして信じられないくらいの広大なダイナミックレンジ、空間表現力の豊かさ、これはオーディオでは適わない。でも生演奏は、定位が甘いというか、雑というか、オーディオを聴いているほうが遥かに気持ちがいいと思うことも数多くある。

オーディオのほうが完璧な理想形の演奏でもある。録音は編集に編集を重ねているから、臨場感がなくてイヤだという人もいるが、自分は全く反対。オーディオのような完璧な演奏を聴いているほうが快感である。また録音というプロセスについて評価する楽しみというか、録音のいいディスクに出会うと、それを作成した録音エンジニアたちの苦労を心から讃えたくなる、そういう楽しみもあるのだ。録音は一種の芸術作品。その過程、作品を称賛するという姿勢を常に持ち続けたい。

オーディオは、限られた制約の中で、自分の好みのサウンドに仕立て上げていく、その過程が面白いし、オーディオ機器という所有感(男性にとっての車と同じ。)を楽しみながら、人生、心を豊かにしてくれる、そんな大切な趣味だと思っている。


生演奏は、その日の演奏の出来不出来も多く波がある。

でも反面、生演奏は、その瞬間に立ち会えている、という、その臨場感を楽しむもので、公演が大成功した場合のその瞬時の感動は爆発的なものがあるだろう。一生の思い出に残る。

もう、やめておこう。生演奏派か、オーディオ派か、という話題になると、ウルトラ長文になるので。(笑)


今回の広島遠征オフで、勉強になったのは、ホーン型SPを勉強できた、ということだろうか?
ドライバーというユニットの存在をお恥ずかしながら、知った。要は、現代SPでいうならミッドレンジのことなのだが、ドライバーにホーンを取り付けて、ウーハーとツィーターといっしょに組み上げる。そしてクロスオーバー周波数調整する。

こんなホーンSPでは当たり前のことを、いままで薄っすら認識していた程度であったが、はっきり理解できたことであった。ゴローさんのGOTOのSPの形態がやっと理解できた。(笑)

そして、今回のお宅(ホーン型SP利用の方はみんなそうなのかも?だが)は、SPについている既存のネットワークを使わず、外部でチャンデバを利用して、ユニットごとにマルチアンプ駆動されておられた。

いわゆる自作SPの原点ともいえるものなのだが、みんな筋金入りだと思った。こういうオーディオ友人を持てて(いまのご時世じゃこういうマニアは皆無でいないだろう。)、幸せだと思った。

今回廻った4軒は、以下の布陣。

●ALTEC A5とアキュのホーン型マルチアンプ駆動。

ALTECのホーン型SPは、都内でA7を聴いたことがあるのだが、今回のA5で組まれたシステムの音は、経験してた、予想していたALTECの音とは違って、かなり美音系で驚いた。いい意味でALTECらしくない音といおうか・・・そしてなによりも34畳ある広大なエアーボリュームを見事に埋めていたし、定位感が抜群であった。

●JBL4550系を4組組み合わせた38cmウーハー8発のホーン型マルチアンプ駆動。

38cmウーハー8発と聴いていたので、さぞかし低音過多と想像していたが、予想をはるかにいい方向に裏切る中高域ふくめて帯域バランスの取れたいい秀逸なサウンドであった。波長の長い低域を再生するには、十分すぎる30畳のエアーボリューム。このとき感じたのは、低域がしっかりしていて土台を支えると、その上に乗る中高域が逆にもっと煌びやかに映えて聴こえるものだ、ということ。オーディオ再生では、部屋スペースが大きく取れないために低域の再生ってボトルネックになるものなのだが、それが見事にクリアされていた。

なによりもいままで聴いたことのない初めて体験するスケールの大きいサウンドであった。音場が広いのとはちょっと違う感じなのである。

●オリジナルノーチラスと純正チャンデバおよび自作4chアンプ×2台で駆動。

オーディオマニアになって生まれてはじめてB&Wのオリジナルノーチラスを聴く。やはりB&Wらしい、細やかで繊細な解像度の高いサウンドで、これは普段自分が聴いているB&Wサウンドの延長線上にある等身大のサウンドだと感じた。オリジナルノーチラスは低域が鳴らないSPということで有名だそうだが、きちんと低域は出ていたし、音場も豊かであった。やはりクラシックをかけると、とてもよく鳴っていたというか、クラシック再生にぴったりだと感じた。オリジナルノーチラスは、ネットワークがついていない。どうやって駆動しているか、というと、初期の頃のオリジナルノーチラスについていた純正チャンデバと、なんと自作の4chアンプを2台で駆動していた。部屋は8畳のニアフィールドリスニング。

●初期型パラゴンを真空管アンプで駆動。

パラゴンというSPほど鳴らすのが難しいSPはないだろう。
都内の知り合い宅でパラゴンは見たことがあるのだが、調子がいまいちで、音は聴けなかった。今回はじめてパラゴンを聴く。友人のコメントでは、パラゴンのバックキャビティって凄く小さいので難易度メチャ高い。 ユニットもまるで前期と後期の性質がまるで違うし、部屋も含め、調整は大変らしいとのこと。 ほんとうに美しいデザインで、珍しいSPだが、貴重な体験であった。このお宅のは初期のパラゴン。サウンドは、あまりにも素晴らしかった。音場がすごく豊かで低域から高域まで隈なく出し尽くしていたと感じた。ほんとうに鳴っている、という感じ。こんな難しいSPで、こんなに鳴っているのを聴けたのは、貴重な体験であっただろう。


オーディオオフ訪問記は、詳しくは、写真付きも含めてmixiのほうで。。。

しかし、これだけのシステム、サウンドを聴いて、空港の帰路で考えたことは、確かに、いまのご時世、若い世代を含め、低額でオーディオライフを楽しめる、オーディオを身近にするという考えが基軸になっていて、それ自体、なんら異論はないし、マーケット的には正しいことだとも思うが、いまのハイレゾ&ヘッドフォンのスタイルの方向に進んでいくのを見ていると、自分は、今回の経験を踏まえて、やはり音楽は、ちゃんとスピーカーで聴こうよ!と思ったことも確かである。


広島でのひととき。。。

広島お好み焼き。

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これは最高にウマイ!関西風となにが違うかというと、具を混ぜるのが関西風だとのこと。あと空気の入れ方も微妙に違う。広島の方からすると、お好み焼きは広島が元祖で、関西のが、あくまで「関西風」、「広島風」と言ったら広島市民に怒られてしまうとのことでした。(笑)

そして、瀬戸内海での名産物の小いわしと広島産牡蠣。

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うますぎ!都内でも出店あるかもですが、意識しないと行かないし、地元名物を堪能できてよかった。

ひでたろうさん、本当に今回の貴重な体験の調整、アテンドをありがとうございました!


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