ロンドンの新しいコンサートホールのコンセプトデザイン [コンサートホール&オペラハウス]
かねてより噂のあったロンドンの新しいコンサートホールのコンセプトデザインが発表されたようだ。ラトルがベルリンフィルを退任してロンドン交響楽団(LSO)の音楽監督・首席指揮者に就任する条件としてロンドンに新しいコンサートホールを建築することが条件だったとか。
確かにいまのフランチャイズ・ホールのバービカン・センターのあの劣悪なデッドな音響じゃラトルがあまりに可愛そう、というもんだ。(笑)
以前にも紹介したとは思うが、ロンドンには、これは!というコンサートホールがない。
自分的にそそられるのは、室内楽ホールのウィグモア・ホールとオペラハウスのロイヤル・オペラ・ハウスくらいなものだ。大編成のオーケストラコンサート用のホールはいいホールはありませんね。フェスティバル・ホールがそれに相当すると思うが、ここは自分的にはいまいちに思ってしまう。
今度の新しいホールは、ロンドン交響楽団(LSO)のフランチャイズ・ホールの予定。
ホールの名称は、”CENTRE FOR MUISC”
このコンサートホール建設には、シティ・オブ・ロンドン、バービカン・センター、ロンドン交響楽団、そしてギルドホール音楽演劇学校がそのコンソーシアムとして絡む。
シティ・オブ・ロンドンというのは、イングランドのロンドン中心部に位置する地区。
ロンドン証券取引所やイングランド銀行、ロイズ本社等が置かれる金融センターとしてニューヨークのウォール街と共に世界経済を先導し、世界有数の商業の中心地としてビジネス上の重要な会合の開催地としても機能している。
ここはかつて住んでいたとき、車でグルグル市内を回ると、どうしてもここに入り込んでしまうんですよね。(笑)運転席から観た証券取引所の外観の姿はいまだに忘れられないです。3年前に行ったときも、想い出カムバックということで、この証券取引所の外観を観てきました。
ギルドホール音楽演劇学校というのは、イギリスのみならず、世界に誇る音楽と演劇を専門とするコンセルヴァトワール。
英国高級紙ガーディアン紙大学ガイド2019年度音楽部門で「イギリス・トップの専門教育機関」と認定された、イギリスの名門校。
ギルドホール校は、この歴史ある金融街、シティ・オブ・ロンドンに面した都心に校舎を構えている。プロフェッショナルパートナーに、芸術総合施設バービカンセンター、ロンドン交響楽団、BBC交響楽団、ロイヤルオペラハウス、古代音楽アカデミーなど、いずれも世界最高峰機関で、彼らとの協力体制が整っているのだそうだ。
ギルドホール音楽演劇学校は、現在、世界の檜舞台で活躍する芸術家を多数、輩出している。
若い世代に大人気のピアニストのサ・チェン、チェンイン・リ、ポール・ルイス、声楽家のブリン・ターフェル卿、アンネ・ソフィー・フォン・オッター、トランペット奏者のアリソン・バルサムなど。
なんと!オッター様は、このギルドホール校の出身だったんだね。
このCENTRE OF MUISCは、クラシックのコンサートホールという位置づけだけでなく、音楽教育、リハーサル、そして様々な世界規模クラスのパフォーマンスを実現する総合カルチャーセンターみたいな規模のようだ。
これがCENTRE OF MUSICの外観。
あまりに斬新的なデザインで驚いてしまう。
エントリー・プラザ
まさに外の空間から中に入るところのフロント・ゲートウエイ。
すごいモダンでお洒落!
Diller Scofidio + Renfro建設会社のデザインコンセプト。
まさにシティ・オブ・ロンドンの新しいランドマークとなる建物になることは間違いなさそうだ。
Diller Scofidio + Renfroのコンセプトデザインでは、バービカンセンターの内部に集中しているキャンパスを外に移し、新しい空間をここに造ってそこに移植する感じ。
そしてこの建物の周りはトラフィック・フリー(交通ただ)にして、あらゆる方向からのアクセスを可能にするとか。それイコール、別にコンサートチケットがなくても、昼や夜の両方に人が自由に過ごせる空間を造りたい、という意図があるようだ。野外イヴェントも可能なスペースを造る。
ビルディングの最上階はCoda(直訳すると終結部。クラシックの曲のエンディングのところをコーダ(Coda)といいますね。)。
ちょっとした展望台でロンドン市街の絶景を眺められるようにできていて、そこもラウンジのような空間になっていて、夜なんかは、ステージでショーを楽しみながら、その夜景を楽しむ・・・なんてことができるようになっている。
これがクラシックコンサートホール。
キャパは2000人収容。
ワインヤード型。観た感じ、いままでのワインヤードよりも、両サイドや後方に客席のスペースが深く取られていて、本当にステージがホールのど真ん中にある感じ。ワインヤードの音響設計では重要な客席に音を返す反響板の仕掛けがデザイン上あまり露骨に感じないのは、音響設計の進化なのだろうか・・・
客席をブロック単位に分けて、その段差を利用した壁があまりそういう感じに見えないのだ。
天井上空にある反射板もそんなに大袈裟じゃない。
ホール全体に音を回すように同心円状にグルっという感じでもない。
この空間をパッと観たとき、ステージの音がそのまま拡散してしまい、そのまま観客が音を吸ってしまうように思えるんですよね。(笑) 反射という概念が直感的に感じられない。
窓がついていて、外が見えるようになっている、というのも従来のホール・コンセプトにはありませんね。窓なんて、ホール音響の返って邪魔のようにも思えてしまうんだが。(ウィーン楽友協会は窓があります!この窓の存在がじつはあの黄金のホールの音響の秘密を握っているという論もあります。)
う~ん。音響設計もどんどん進化しているんだろうね。
自分の古い常識をどんどん超えていく。
音響設計は、もちろん永田音響設計の豊田泰久さんだ。
コンサートホールポッド(Concert Hall Pod)
音楽教育の一環で、ここからステージが俯瞰できる部屋を造って、いまの写真だとオーケストラの配置の勉強会を学生たちにしているんでしょうね。オーケストラ配置を投射しているスクリーンがいかにも近代的です。(空間に投射しているみたい)最新のデジタルテクノロジーは完璧にインテグレートされるそうだ。
MUSIC STUDIO。(スタジオ)
最新の機材を投資し、最強の録音スタジオになるに違いない。
まさにこのCENTRE OF MUSICはシティ・オブ・ロンドンにおけるカルチャー、トラフィック双方においてのハブ・ゲートウエイとなる建物になることを目標としている。
シティ・オブ・ロンドンの行政は、シティ・オブ・ロンドン自治体(CITY OF LONDON Corporation)がおこなっていて、彼らから、バービカン、ロンドン交響楽団、ギルドホール音楽演劇学校に対して2.5億UKポンドの投資ファウンディングを2018年12月におこなった。
さらに2019年中には、ネクスト・ステージとして追加の2.49億UKポンドの投資が行われる予定。
こりゃ楽しみだ。
いったいいつになったら完成するんだ?(笑)
情報元はこちら。
https:/ /www.cu lturemi le.lond on/cent reformu sic/?fb clid=Iw AR0MZe7 6o8FQHg wmfnS60 -Kj1tC4 -ptG5Sl Tu2dRk6 jsyb6n9 nniAdg- rbE
確かにいまのフランチャイズ・ホールのバービカン・センターのあの劣悪なデッドな音響じゃラトルがあまりに可愛そう、というもんだ。(笑)
以前にも紹介したとは思うが、ロンドンには、これは!というコンサートホールがない。
自分的にそそられるのは、室内楽ホールのウィグモア・ホールとオペラハウスのロイヤル・オペラ・ハウスくらいなものだ。大編成のオーケストラコンサート用のホールはいいホールはありませんね。フェスティバル・ホールがそれに相当すると思うが、ここは自分的にはいまいちに思ってしまう。
今度の新しいホールは、ロンドン交響楽団(LSO)のフランチャイズ・ホールの予定。
ホールの名称は、”CENTRE FOR MUISC”
このコンサートホール建設には、シティ・オブ・ロンドン、バービカン・センター、ロンドン交響楽団、そしてギルドホール音楽演劇学校がそのコンソーシアムとして絡む。
シティ・オブ・ロンドンというのは、イングランドのロンドン中心部に位置する地区。
ロンドン証券取引所やイングランド銀行、ロイズ本社等が置かれる金融センターとしてニューヨークのウォール街と共に世界経済を先導し、世界有数の商業の中心地としてビジネス上の重要な会合の開催地としても機能している。
ここはかつて住んでいたとき、車でグルグル市内を回ると、どうしてもここに入り込んでしまうんですよね。(笑)運転席から観た証券取引所の外観の姿はいまだに忘れられないです。3年前に行ったときも、想い出カムバックということで、この証券取引所の外観を観てきました。
ギルドホール音楽演劇学校というのは、イギリスのみならず、世界に誇る音楽と演劇を専門とするコンセルヴァトワール。
英国高級紙ガーディアン紙大学ガイド2019年度音楽部門で「イギリス・トップの専門教育機関」と認定された、イギリスの名門校。
ギルドホール校は、この歴史ある金融街、シティ・オブ・ロンドンに面した都心に校舎を構えている。プロフェッショナルパートナーに、芸術総合施設バービカンセンター、ロンドン交響楽団、BBC交響楽団、ロイヤルオペラハウス、古代音楽アカデミーなど、いずれも世界最高峰機関で、彼らとの協力体制が整っているのだそうだ。
ギルドホール音楽演劇学校は、現在、世界の檜舞台で活躍する芸術家を多数、輩出している。
若い世代に大人気のピアニストのサ・チェン、チェンイン・リ、ポール・ルイス、声楽家のブリン・ターフェル卿、アンネ・ソフィー・フォン・オッター、トランペット奏者のアリソン・バルサムなど。
なんと!オッター様は、このギルドホール校の出身だったんだね。
このCENTRE OF MUISCは、クラシックのコンサートホールという位置づけだけでなく、音楽教育、リハーサル、そして様々な世界規模クラスのパフォーマンスを実現する総合カルチャーセンターみたいな規模のようだ。
これがCENTRE OF MUSICの外観。
あまりに斬新的なデザインで驚いてしまう。
エントリー・プラザ
まさに外の空間から中に入るところのフロント・ゲートウエイ。
すごいモダンでお洒落!
Diller Scofidio + Renfro建設会社のデザインコンセプト。
まさにシティ・オブ・ロンドンの新しいランドマークとなる建物になることは間違いなさそうだ。
Diller Scofidio + Renfroのコンセプトデザインでは、バービカンセンターの内部に集中しているキャンパスを外に移し、新しい空間をここに造ってそこに移植する感じ。
そしてこの建物の周りはトラフィック・フリー(交通ただ)にして、あらゆる方向からのアクセスを可能にするとか。それイコール、別にコンサートチケットがなくても、昼や夜の両方に人が自由に過ごせる空間を造りたい、という意図があるようだ。野外イヴェントも可能なスペースを造る。
ビルディングの最上階はCoda(直訳すると終結部。クラシックの曲のエンディングのところをコーダ(Coda)といいますね。)。
ちょっとした展望台でロンドン市街の絶景を眺められるようにできていて、そこもラウンジのような空間になっていて、夜なんかは、ステージでショーを楽しみながら、その夜景を楽しむ・・・なんてことができるようになっている。
これがクラシックコンサートホール。
キャパは2000人収容。
ワインヤード型。観た感じ、いままでのワインヤードよりも、両サイドや後方に客席のスペースが深く取られていて、本当にステージがホールのど真ん中にある感じ。ワインヤードの音響設計では重要な客席に音を返す反響板の仕掛けがデザイン上あまり露骨に感じないのは、音響設計の進化なのだろうか・・・
客席をブロック単位に分けて、その段差を利用した壁があまりそういう感じに見えないのだ。
天井上空にある反射板もそんなに大袈裟じゃない。
ホール全体に音を回すように同心円状にグルっという感じでもない。
この空間をパッと観たとき、ステージの音がそのまま拡散してしまい、そのまま観客が音を吸ってしまうように思えるんですよね。(笑) 反射という概念が直感的に感じられない。
窓がついていて、外が見えるようになっている、というのも従来のホール・コンセプトにはありませんね。窓なんて、ホール音響の返って邪魔のようにも思えてしまうんだが。(ウィーン楽友協会は窓があります!この窓の存在がじつはあの黄金のホールの音響の秘密を握っているという論もあります。)
う~ん。音響設計もどんどん進化しているんだろうね。
自分の古い常識をどんどん超えていく。
音響設計は、もちろん永田音響設計の豊田泰久さんだ。
コンサートホールポッド(Concert Hall Pod)
音楽教育の一環で、ここからステージが俯瞰できる部屋を造って、いまの写真だとオーケストラの配置の勉強会を学生たちにしているんでしょうね。オーケストラ配置を投射しているスクリーンがいかにも近代的です。(空間に投射しているみたい)最新のデジタルテクノロジーは完璧にインテグレートされるそうだ。
MUSIC STUDIO。(スタジオ)
最新の機材を投資し、最強の録音スタジオになるに違いない。
まさにこのCENTRE OF MUSICはシティ・オブ・ロンドンにおけるカルチャー、トラフィック双方においてのハブ・ゲートウエイとなる建物になることを目標としている。
シティ・オブ・ロンドンの行政は、シティ・オブ・ロンドン自治体(CITY OF LONDON Corporation)がおこなっていて、彼らから、バービカン、ロンドン交響楽団、ギルドホール音楽演劇学校に対して2.5億UKポンドの投資ファウンディングを2018年12月におこなった。
さらに2019年中には、ネクスト・ステージとして追加の2.49億UKポンドの投資が行われる予定。
こりゃ楽しみだ。
いったいいつになったら完成するんだ?(笑)
情報元はこちら。
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2019-01-22 01:01
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