SSブログ

N響首席オーボエ 茂木大輔さん ラストラン・コンサート [国内クラシックコンサート・レビュー]

定年ではなく停年なのだそうだ。ネットで調べてみたのだけれど、この両方の漢字の使い方は両立していてどちらが正しいか、というのは言い切れないらしい。でも停年というと、60歳のままそのまま歳をとらないというようにも捉えることができて、素敵な表現かもしれませんね。

NHK交響楽団の首席オーボエ奏者の茂木大輔さんが、この3月についに定年を迎え現役奏者としての人生にいったん幕を閉じる。いまそのラストランコンサートをおこなっている最中なのだ。 

img_data1-1387784380-2c09276[1].jpg


自分は東京公演のラストのコンサートに参加してきた。

とても身近にいらっしゃる演奏家で、普段の活動や姿を毎日、拝見しているので、とても寂しいというか、なんか万感の想いがある。

自分はオーケストラの楽器の中でも木管楽器が好きでとくにオーボエが大好きなので、なおさら、その想い入れも深い。

このラストランコンサート、最後に立ち会えて本当によかったと思う。

DSC00998.JPG
                                                   
                                                  
DSC_0994 (002).JPG


最後なのだから、ここは茂木さんのことを自分の日記で深く、そして熱く語ろう!と思ったのだが、自分は実際茂木さんと直接お会いしたり、お話ししたりしたこともないのだ、じつは。(笑)

人について熱く語るには、その方と長年の付き合いだったり、お互い良く知る間柄であれば、その言葉に説得力がでてくるというもの。実際ラストランコンサートの後の記念撮影写真をみなさん投稿されるとき、そんな茂木さんとの想い出を語っていたりすると、うわぁいいな、説得力ある!と羨ましく思ったりしていた。

実際サインや楽屋におしかけてお話しすることにチャレンジしてみればよいのかもしれないけれど、自分にはそんな勇気もない。

じつは驚くことに自分の演奏家ファンの中で、99.9%の方とは面識もないし、直接お話ししたこともないのだ。

自分の一方的な片想い。(笑)

自分はやっぱりシャイなので、勇気がないんだな。片想いしているぐらいが自分の相応にあっていいと思っている。

茂木さんのプロフィールを書き出すと、もうこれはスゴイことになるので、やめておくが、とにかく多才!その一言につきる。

オーボエ奏者でありながら、エッセイスト、指揮者、そしてコンサートプロデューサーとしての顔をもつ。そのマルチタレントな才能には本当に驚きます。

国立音楽大学を卒業され、ミュンヘン国立音楽大学に留学され、10年間ドイツを中心にヨーロッパで活躍されたんだな。(シュトゥットガルト・フィルやバイエルン放送交響楽団、バンベルク交響楽団)

1990年に日本に帰国して、1991年からN響の首席オーボエ奏者。そしてラストランまで28年間全うされた。

自分は1995年あたりからN響のコンサートを録画してきているので、DVD-RやBD-Rとしてたくさん保管してあって、それを時々観ていたりするのだが、そうするとオーボエだから必ずカメラに抜かれるのだけれど、そうすると、うわぁ~茂木さん若いな~と驚いてしまうのだ。(笑)

今のご時世、普段の姿をSNSでリアルタイムで毎日拝見できる時代なのだから、尚更その落差に驚いてしまう。

そうやってずっと首席オーボエの席で観てきたので、定年で引退されるというのは本当に万感の想い。

茂木さんの最大の魅力は、やはり子供がそのまま大人になったような暖かい人間味が滲み出るところだと思う。

クラシックの演奏家というと、やはりエリートで格好いいという流れはご多分にあると思うのだが、そういう路線とは違うもっととてもユニークで個性的で、そして子供のような一面が微笑ましい、そういう暖かみを感じる方なのだ。

だから周りに集まってくる人やファンの方もみんな暖かい感じ。
そういう人望の厚さがありますね。自分から見た感じですが。

こういう子供っぽい大人という点で、自分も普段格好良い男性でありたいと思いながら、そう成りきれない子供のような性格なので、妙に同じようなシンパシーを感じてしまうのだ。(笑)

なんか似ている・・・というような。

模型製作が大の趣味でいらして、SNSでその模型のことを熱くつぶやいて語っていらっしゃるときは、本当に魅力的だなぁ、と思います。ご自宅のウィンドウにたくさんの作って完成した作品が飾られているあの模型部屋に1度でいいから入ってみたいです。(笑)

もちろん本職のことをまじめに語られる時も当然あって、そのとき、正直、音楽学については浅識の自分にはその内容を理解できないことが多いんだな。そんなときは、やっぱり茂木さん凄いんだな、と改めて感心したりする。

文才もあって本を何冊も執筆されていて、「オーケストラ楽器別人間学」とか、とにかく着眼点がとてもユニーク。

とにかくコンサートのときはやるときはやる!という感じで決めるし、でも普段はいろいろな面で多才でユニーク。その緩急の差というのが、やっぱりすごい個性的だなと思うんですよね。ちょっと自分の観てきている演奏家の方々とは明らかに一線を画すというか毛色が違う。

それがとても暖かい感じがして人間的な魅力を造っているのだと思います。

2013年にFacebookをやり始めて、そのときにルツエルン・ザルツブルク音楽祭の旅行に行って、その模様を例によってリアルタイム投稿していたのだが、そのときにルツエルンにあるリヒャルト・ワーグナー博物館の中の写真を投稿したら茂木さんから、「シェアしてもよろしいですか?この博物館の中は、なかなかお目にかかる機会がなくて、うちのメンバー(N響)にも紹介したいので。」というコメントをいただき、それがとてもとてもうれしかったことを覚えている。

ブログのほうでも、のだめコンサートだったかな、コメントを寄せていただき、本当に心から嬉しく思いました。投稿冥利につきる、ということは、こういうことをいうのだと思います。

茂木さんとの想い出でとても大きなウエイトを占めるのが、この「のだめコンサート」。

自分もリアルタイムで、のだめ世代なので、この茂木さんがやっているのだめコンサートの存在を知った時、とても驚いて夢中になった。

たしかいままで合計で3回通っていると思う。

のだめカンタービレの作者の二ノ宮知子さんと信望が厚く、ドラマや漫画の監修にも参加されている。

こののだめコンサートは、茂木さんの解説MCつきのコンサートで、取り上げる作品について、いろいろ解説をしていって聴いている聴衆のみなさんにとてもわかりやすい、作品を理解しやすい、とてもやさしいコンサートなのだ。

最大な驚きは、ステージ背面に吊るされているスクリーンでの投影システム。

のだめの漫画のシーンと、作品の解説などが投影され、その曲の演奏とリアルタイムに進行していって、これが観ていて、そして聴いていてそのあまりに曲ときちんとシンクロしていて、じ~んとめちゃめちゃに感動するのだ。

かなり芸術品レベルです。

オーボエ奏者としての人生にひとまず幕を下ろした茂木さんだが、その後の第2の人生としては指揮者としての人生を歩まれるそうだ。

大人のための解説コンサート。

このスタイルで行くらしい。

誰にもマネできない茂木さんらしい個性的でユニークなスタイルの指揮&コンサートになりそうだ。

さらなるご発展の第2の人生になることをお祈りしています。


m_DSC04866[1].jpg
2016/8/6 のだめコンサート調布(高橋多佳子さん、茂木大輔さん、池田昭子さん)


m_DSC00937[1].jpg
2017/1/21 のだめコンサート川越 (茂木大輔さん、岡田奏さん、高橋多佳子さん)







オーディオファンの諸兄。コンサートに行こう!

音楽ではなく音を聴いている。
我々によく向けられる有名な言葉だ。

ならば、その先をもう一歩行ってみて、音楽を聴くと同時にさらに人(演奏家)を応援してみよう。

人を応援する、愛する、そういった内容の日記を書くと、人間というのは心から幸せな気分になれるし、それだけで1週間は暖かい気分でいられるものなのだ。

外国人の演奏家の方より、日本人の演奏家の方のほうが感情移入できると思う。

こちらの想いが伝わっているような感じがするし、繋がっているという感覚がするから。

そうするだけで、理論、物欲だけの世界から、もっと人間味のある生きた音を再生できるようになるのではないのだろうか?










nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。