リヨン料理のブション [グルメ]
去年の2019年の春に放映された吉田類さんと倉本康子さんの「吉田類のフランス大紀行~美食と芸術を訪ねて~」の録画をまた見てしまいました。
毎日、TVやSNS TLを眺めていると、コロナ禍による毎日の地獄の世相と、見通せない今後など気が滅入り、こりゃ間違いなくコロナ鬱になると思ってしまい、現実逃避をするため。
いいなー、まさか今日が、このような地獄の世相になるとは思ってもいなかった訳で、ふたたびこのようなロケができるようになる日がくるのかどうか、いや絶対来るという希望を持ち続けたいものだ。
この特集番組サイコー!
海外好き(とくにフランス好きな人)や、酒場放浪記ファンの方にとっても最高の番組では?自分はいままで何回繰り返して観ていることか!
これを見て、ぜひ体験してみたいと思ったところが2つ。
パリのモンパルナス地区。
このあたりに芸術家、知識人が集まったのは、20世紀前半。
モンマルトルが高級住宅街となり、家賃が高騰したため、移り住んできた。
当時画家や知識人たちが集まってきては芸術談義を繰り広げたカフェがいまも残っていた。
1911年創業のラ・ロトンド。
シャガールやピカソ、モディリアーニらが通ったというこのお店。このお店、お金がなかった画家たちが、飲み代替わりに絵を描いてお店に置いていったそうです。
たしかに店内に絵が飾られていますね。
吉田類さんも若いころ、パリで画家として生活をしていて、このラ・ロトンドに通っていたんですね。ぜひ訪れてみたいです。
なんか自分はこのカフェを見ていたら、なんか東大正門前の喫茶ルオーを思い出しましたよ。喫茶ルオーも画廊喫茶としてオープンし、まさに三島由紀夫や司馬遼太郎などの著名な文化人が足繁くかよう喫茶店ですからね。なんかそういう同じ系譜のようなものを感じます。
喫茶ルオーのセイロン風カレー、また食べたいです。
はたしてその日が来るのか・・・。
はたしてその日が来るのか・・・。
もうひとつ体験してみたいのが、リヨン料理のブションの大衆食堂。
番組で取材していたのが、ノートルメゾンという食堂。
フランス料理の高尚なイメージとは違っていて、とてもカジュアルで大衆の香りがするお店。本当に素敵な店内の内装ですね。高尚なフレンチレストランと全然正反対の家庭料理的なフランス料理を味わえるお店という感じですね。
この店内には猫がいます。(笑)
このお店の店長だそうです。(笑)
番組ではその猫が登場します。
このお店の店長だそうです。(笑)
番組ではその猫が登場します。
ブションとはなにか?
リヨンの郷土料理を提供する大衆食堂。
ブションの起源は、町の女の人たちが、労働者の人たちのお腹をいっぱいにするため、貴族が食べなかった内臓を美味しく料理して出した食堂が始まり。ブションはそういう伝統的なお店のことでリヨンにしか存在しない。安い値段の内臓で労働者のお腹を満たす。こうして町の女性たちが始めたブションは瞬く間に大人気になり、リヨンを美食の町へと導いていった。
ちなみにこの牛の胃袋もそのひとつ。
白ワインで5時間煮込むと1番人気のブション風もつ煮込み。
トマトベースなので、日本のもつ煮込みとはまったく違う。
白ワインで5時間煮込むと1番人気のブション風もつ煮込み。
トマトベースなので、日本のもつ煮込みとはまったく違う。
番組中の吉田類さんのコメント。「もつには違いないけれど、香りでわかる。もつの香り残っているほわ~っと。でもテイストはすごいまろやかなので、不思議なもつだよね。しつこいイメージって全然ないね。あっさり味だね。こういうブション、下町酒場を愛する人間としては合うんじゃないですか?非常にいいですよ。」
倉本康子さんのコメント「日本のもつ煮とは全然違う。あっさり。」
いやぁ~このブション風もつ煮込み。
最高にオイシソー。
ブションについて、さらに詳しく知りたくて、2つのサイトの情報をもとに解説を試みる。
「ブション」とはリヨン特有の大衆的なビストロのこと。フレンドリーな雰囲気の下、伝統の郷土料理が楽しめます。
功労者は女性たち
ブションの伝統をつくり上げたのは女性たち、もっと正確にいえば母親(メール)たちです。19世紀、彼女たちはその細腕で自分の店を切り盛りし、シンプルながらもボリュームたっぷりの料理を振る舞いました。その信条は、「なんでも余さず使うこと」。というわけで、彼女たちはヒレ肉よりも格下とされていた脚、胸、脛など値段の安い肉を使って料理をつくりました。
独特の雰囲気
カウンター、赤と白の格子柄のテーブルクロス、くっつき合った木製のテーブルと椅子、吊り下げられた銅鍋、古いポスター、思わず唾がわいてくる料理の音や匂い...。ブションでは店内のインテリアも料理も気さくでシンプル。
ブションの名物料理は?
ブションのメニュー(あるいは黒板に書かれた料理名)を理解するのは、リヨンの方言に馴染みがない人には少々ハードルが高いかもしれません。ブションではまず、食欲を刺激するためにグラトン(豚の脂をこんがり焼いたもの)をつまみます。そしてそのあと、セルヴラ・リヨネ(ピスタチオ入りのソーセージ)、次にクネルへと移ります。
クネルは「パナード」と呼ばれるつなぎに、家禽または子牛の肉や魚のすり身を加えたもの。クネルの代わりにグラ・ドーブル(牛の胃袋)を使ったリヨン名物、タブリエ・ド・サプールもよく食べられます。
そもそも、なぜ「ブション」?
「ブション」という呼び名は、レストランの主人が自分の店を目立たせるためにドア先に吊り下げた小枝の束に由来するといわれています。しかしブション・リヨネ協会によれば、それぞれの店でそれぞれの由来を直接訊ねてみるのがいちばんとのことです...。
ブションのことを管理している協会があるんですね。
ブション・リヨネ協会。
ブション・リヨネ協会にはブションの伝統と「ブションらしさ」を守ろうとするレストランが加盟しているそうです。
古典的なブションとは
庶民的な食堂のブション。古典的なお店の内装は、赤いチェックのテーブルクロスに、木製の家具、壁には額縁に入ったたくさんの写真や銅製の鍋が飾られ、チャームポイントに豚の絵や置物が必ず店内に置いてあります。
メニューは豚、牛、羊の頭や足、胃袋、心臓など、内臓系料理が多いのが特徴。 貧富の差が激しかった当時、メール・リヨネーズたちが安価な臓物を美味しく調理し、労働者に提供していた事からこのような料理が生まれました。
前菜からデザートまで、安くてボリュームのある料理は今も昔もリヨンの人々に親しまれています。
ブションには2つのタイプがあります。昔と変わらぬ味を守り続ける安くてボリュームたっぷりの「古典的なブション」。時代にあわせて変化を加え、現代人の舌にあわせた味付けと程よい量を提供する「美食のブション」。
このどちらにも、ブションの伝統を守り、保護することを目的とした称号ラベルがあります。リヨンの人形劇のキャラクター「ニャフロン」が描かれたパネルで、扉や壁の見えるところに貼ってあります。リヨンを訪れた際はこの称号ラベルを探して、メール・リヨネーズが築いた本物の伝統の味を堪能してください。
吉田類さんの番組でのブションの食堂風景、そしてこの2つのサイトの説明の店内写真から、ブションってやはり共通点がありますね。それは、やはり店内の内装がどれもとても共通しているテイストであること、そして、内臓モツ系の肝っ玉かあさんの料理であること。
いいですねぇ~この雰囲気、サイコー!
じゃあ日本でこういうリヨンのブション料理を体験できるところはどういうお店があるのか、ネットで調べてみました。もちろん番組でのブション風もつ煮込み以外に、どんなブション風料理があるのか、も調べてみたかった。
ところがこれがほとんど皆無というか、非常に少ないんですね。
東京では、神楽坂、銀座くらいしかない。関西方面では、京都、梅田あたりですかね。
東京では、神楽坂、銀座くらいしかない。関西方面では、京都、梅田あたりですかね。
ブション料理って珍しいんですね。
それぞれの店の情報を調べてみると、ブション料理だけを食べさせてくれる大衆食堂というのではなく、基本はリヨン料理のレストランであり、メインメニューはリヨン料理で、その中にブション料理もある、という感じみたいです。
リヨンは、フランスの中では、パリに次ぐ第2の商業都市で、美食の街として知られていますからね。リヨン料理はフランス料理の中でも最高の美食のひとつです。
ネットでもっとも数多くの情報記事がアップされていたのが神楽坂の「ル グドゥノム ブション リヨネ」。コロナ収束時には、まっさきに取材挑戦してみたい第一候補のお店です。
ここはすごい高級レストランのような感じですよ。とてもブションの大衆食堂という感じではないです。見てください!この高級な店内の内装。
Specialites Lyonnaises ~リヨン料理のスペシャリテ~(全5品)
これはどうもリヨン料理の高級レストランという感じで、ブションの大衆食堂という感じではないですね。ちょっと目指しているところとちょっと違うような気がします。
ここは店内の内装はちょっとブションの大衆食堂の面影がありますね。
ブションの大衆食堂のポイントは、赤と白の格子柄のテーブルクロスが肝ですね。
でもコース料理は、やはり内臓のブション料理とは言えなさそう。
やはりリヨン料理というところでしょうかね。
やはりリヨン料理というところでしょうかね。
じゃあちょっと脱線しますが、ブションにこだわらず、リヨン料理ってどんなものなの?ということを紹介してみたいと思います。
19品も全部紹介していられないので、写真を見て、自分がビビッときたものだけ紹介します。19品全部見たい場合は、上のリンク先からどうぞ。全部美味しそうです。
リヨンのおつまみ料理
リヨンのソーセージ
リヨンのソーセージは豚肉と豚の脂で作り、10cmほどの太さで硬いサラミのこと。中にビスたちオ、オリーブ、チーズなどが入ったものもあります。それを薄くスライスしておつまみや前菜として提供されます。パンと一緒に食べたり、そのまま食べます。
リヨンの名物前菜料理
ポーチドエッグの赤ワインソース
ポーチドエッグの赤ワインソースはボジョレー産の赤ワインにラルドン(豚の薫製)や玉ねぎ、エシャロット、バターで味付けしたソースにポーチドエッグを落とした料理。グリルしたパンを添えて提供されます。
本来はブルゴーニュ地方の料理ですが、リヨン近郊のボジョレー村のワインをつかっているため、リヨン料理としても親しまれています。
リヨンのパテのパイ包み
リヨンのパテのパイ包みは豚肉や仔牛の肉やフォアグラで作ったパテをパイ生地で包んで焼いた名物料理。冷たくして薄く切って食べます。レストランで前菜として、サラダと一緒に提供されます。
リヨンの名物メイン料理
リヨンではメイン料理にも豚肉や内臓を使っている料理が多くあります。
ソシソン・ショー
ソシソン・ショーは太めのソーセージを茹でて食べるリヨンの名物料理です。茹でて厚めにスライスしたソーセージにワインなどで作ったソースをかけ、じゃがいもなどの野菜を添えた料理です。メイン料理や前菜として提供されることがあります。
プーレ・セレスタン
プーレ・セレスタンはにんにくとパセリで味付けした鶏肉をソテーし、コニャックと白ワインをフランベして、トマトとマッシュルームを添えたリヨンの名物料理です。リヨンでは近くのブレス地方で飼育された品質の高い鶏肉をつかった料理も提供されます。ブレス鶏とは、リヨン近郊のブレス(Bresse)地方で飼育されている鶏のことで、唯一家禽類として統制原産地呼称(AOC)に登録されています。
クネル
クネルは川魚カワカマス(brochet)をすり身にして円筒形に形づくり、オーブンで焼いたリヨンの名物料理です。ソースナンチュラ(sauce Nantua)というザリガニから取った出汁とクリームをつかったソースをかけていただきます。
お米(ごはん)と一緒に提供されます。オーブンから出したばかりのクネルはパンパンにふくれてスフレ状になっています。最も有名なリヨン名物料理で、ふわふわしたスフレにコクのあるソースがかかっていて、日本人にも合う料理です。
料理の付け合わせ
料理の付け合わせはメイン料理とお供として出てくる野菜や豆、コメなどの料理です。メイン料理の皿に一緒に盛ったり、別皿で提供されます。レストランによっては付け合わせを選べることもあります。付け合わせにもリヨン名物があります。
じゃがいものクリームグラタン
じゃがいものクリームグラタンは薄く輪切りにしたじゃがいもをにんにくの香りを移したグラタン皿に並べ、クリームや牛乳を加えオーブンで焼いた料理です。特に、ステーキなどの肉料理に添えられます。
リヨン料理って本当に美しく、そして美味しそうですね。
パリで食べる高級なフランス料理とはまたちょっと違ったテイストで、高級でありながらちょっと家庭的な感じもありそうですね。
さすがパリに次ぐ美食の町リヨンだと思いました。この際ですから、ブションに拘らず、リヨン料理を楽しむ、そしてメニューあればブション料理もいただく、という路線で行きますかね。
神楽坂と銀座はぜひ行ってみたいです。
わぁ~ここステキー!と思ったら、即座にそのお店に行って体験、取材できる。
コロナはそんな楽しみさえも奪ってしまった。
コロナはそんな楽しみさえも奪ってしまった。
もう信じられない悪魔の使途の仕業としか思えないが、どのくらいの時間がかかるにせよ、必ずやこういう素敵な人生の楽しみが戻ると期待しながら、現実逃避してみました。
やっぱりコロナ以前に収録されている番組をいま見ると、どうしてもSocial Distancingが気になって仕方がない。危険だなーと思ってしまう。飲食業も、ここを否定されてしまえば、まず成り立たないような気がします。
早く、治療薬、ワクチンの開発を急いでほしい!
2020-04-19 11:06
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