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あきらめない!今年の海外音楽鑑賞旅行はスイス・ジュネーヴ→パリ→アムステルダムに変更。 [海外音楽鑑賞旅行]

昨日まで失意のどん底にいたが、持ち前の超ポジティヴ発想で、すぐに計画を再度練り直す。

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1度、ウィーンに行くことをパブリックにしたら、なんか秋に再実行するにしても、なんかネタバレの感覚というか、新鮮味がなくてどうも乗ってこない。

思い切って発想の転換を図って、じつは今年のウィーン行きについで翌年の予定だったツアーを今年に前倒しにしようという妙案を思いついた。

ずばり、今年の秋にスイス・ジュネーブ→パリ→アムステルダムの3ヶ国を周遊しようと思う。

ウィーンは、これまでたくさんのマイミクさん、友人たちがいっぱい訪問していて、みんなコアなウィーンファンなので、なにか自分が今さら行っても、どうも新鮮味がないようにずっと思っていたのだ。

だったら、今回の3ヶ国ツアー案のほうがずっと自分のカラーを出せる。

今回の最大の目的は、スイス・ジュネーブにあるヴィクトリア・ホールでスイス・ロマンド管弦楽団を聴くこと!

スイス・ロマンド管弦楽団のことは1度じっくりと日記にしたい、と思っているのだが、非常に自分的には惹かれるオケで、昔は、アンセルメの楽器とも言われ、そのアンセルメと膨大な録音をDECCAに残している。

そのDECCA録音のメッカになった彼らのホームグランドがヴィクトリア・ホールなのだ。


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そして現在では、スイス・ロマンド管弦楽団は、オランダの高音質レーベルのPENTATONEに所属して、このヴィクトリア・ホールで数々の優秀録音を残している。日本の若手のホープの山田和樹もこのオケの客演指揮者だ。

そして、なんといっても我が愛するマドンナである(笑)アラベラ・美歩・シュタインバッハーのPENTATONEでの次回のアルバムが、デユトワ指揮でこのスイス・ロマンド管弦楽団とのコンチェルトで、メンデルスゾーン&チャイコフスキーのVn協奏曲を、このヴィクトリア・ホールで収録済みなのだ。

アラベラ嬢は、このアルバムの発売に合わせて、北ドイツ放送響(NDR)と日本に来日して、東京、大阪、愛知、そしてN響と所沢とツアーをする。不詳、この私はすべての公演、彼女を追っかけることにした。(全チケット取得済)(笑)

またヤノフスキとスイス・ロマンド管弦楽団とで、このヴィクトリア・ホールでブルックナー交響曲をPENTATONEが全曲録音していて、今年の4月に全集BOXとしてリリースされる。これもブルックナーの近代録音としては見逃せないだろう。

そしてヴィクトリア・ホールと言えば、小澤さんのスイス・国際アカデミーだ。

ヨーロッパの若手音楽家の育成のためのプロジェクトで、そのお披露目会を必ず、このホールでおこなう。ゴローさんが取材で小澤さんに帯同したことがあって、結局日の目を見なかったのであるが、その収録映像を調布邸で見せてもらって、その美しいホールの内装美に感動し、ぜひ近いうちに訪れたいとそのときに決心した。

なんか、すべてにおいて、自分の嗜好のためにあるようなホールとオケで(笑)、特にアラベラ様のPENTATONEの新譜に合わせて相当盛り上がると思うので、もしヴィクトリア・ホールに行くなら今年、”今でしょ!”しかない訳で、来年なんて悠長なことを言っていたら間延びしてしまうだけだと思った。

だから機は熟した!というか、もう行くなら今年しかない、と思うのだ。

公演スケジュールは、2016年くらいまでオープンになっていて、行くなら、10/1,10/2の山田和樹&ツィンマーマン(Vn)の公演かな、と思う。山田とこのオケはサントリーで来日公演を聴いたが、それを現地本場で聴けるのだから最高だろう。

そしてパリでは、ご存じパリ管弦楽団の新しいフランチャイズであるフィルハーモニー・ドゥ・パリをぜひ訪問したい。

あの驚くべき流線型のシュールな内装空間。いかにも芸術肌のフランス人らしい設計で、天井の反響板もなにか雲が浮いているみたい。この流線型デザインで、きちんと客席に音が返ってくる最新の音響設計だそうであるから、ぜひ体験してみたい。

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今年1月にオープンになったばかりなので、やはり来年まで待っていられなくて、今年体験することは、誰によりも早くその空間を報告できるのは、自分冥利に尽きるというか、自分らしいように思える。ものすごいエキサイティングだ!

もちろんパリ管弦楽団をここで聴きたいのだが、まだ9月以降の後期のスケジュールが公開になっていないようだ。

パリに寄ったらシャンゼリゼ劇場にも行ってみたい。前回パリを訪問した時、タイミングが合わなくて訪問できなかったホールなのだが、今回ぜひ訪問してみたい。椅子や内装の造りが非常にクラシックな雰囲気でオシャレだそうなので、楽しみだ。

そして最後の都市がアムステルダムを再訪したいと思っている。
アムステルダム・コンセルトヘボウでRCOを聴きたい。

自分がベルギーに赴任していた時、同期の友人(クラシック仲間です)がアムステルダムに赴任していた。よく休みの日にベルギーから自分の車で1時間位でアムスに着いて、その友人とアムス市内でよく一緒に遊んだ。(怪しげな危険なところは言っていません。ふふふ(爆))

友人がアムスにいた、ということもあって、自分がヨーロッパに赴任していた時に、1番多い回数通ったコンサートホールは間違いなくアムステルダム・コンセルトヘボウなのだ。
そこでRCOも何回も聴いた。

その思い出よ、カンバックという感じで2年前に訪問したのだが、シャイー&カヴァコス&ケヴァントハウス管弦楽団であった。これはこれで、よかったのであるが、ぜひもう1度このホールでRCOを聴いてみたい。

どう?このほうがウィーンより自分のカラーらしいでしょ??(笑)

これから、これらのホールの公演カレンダーを睨めっこして、うまくハシゴでいい公演が連なるといいのだが、ぜひ今年はこの方針で行ってみたい。

全部が希望通り行くわけないから、第1優先は、ヴィクトリア・ホールでスイス・ロマンド管弦楽団を聴くこと!これは絶対譲れない。

その後のフィルハーモニー・ドゥ・パリは、ホールの体験が目的であるから、最悪パリ管弦楽団でなくてもよい。アムステルダム・コンセルトヘボウもそんな感じかな。

なんか、ウィーンに行くよりもワクワクしてきた!


帰国 [海外音楽鑑賞旅行]

そして.....帰国。

恒例の帰国後の日本人であることの喜びを味わう!
やっぱり日本人は、こちらなのよねぇ~。お寿司マニアには堪りません!

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そしてハシゴでこちらも!やはりこちらもかかせないでしょう!
呑めないけど、オイシー。

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長い間、掲載してきたライプツィヒ、ドレスデンの旅行日記も今日でオシマイ。
本当にバッハの深遠なる世界に少しでも踏み込めたような貴重な体験でした。
去年体験できたルツェルン、ザルツブルク音楽祭と違って、今年のバッハフェスティバルは、地元に密着した、その土地に根付いた音楽祭というか、バッハの息づく街で、そのバッハがその生活を育んできたその世界を垣間見るというそんな匂いがする感じの音楽祭でした。まぁ教会音楽のルーツを回帰する音楽祭といった印象ですね。

聴衆のドレスコードもいたって普段着でフランク。地元民という感じで、世界の富裕層がいっせいに集まり、タキシードにドレスといった社交界的フェステバルのルツェルン、ザルツブルクとはずいぶん趣が違う、と思います。

自分が気楽で接していられる、自分の背丈に合うのは、やはりバッハフェステバルのほうの雰囲気かな、とも思いました。ルツェルン、ザルツブルクでは、ずいぶんと背伸びしていたような気がします。またいつ来れるかわかりませんが、必ずもう1回、この地に来たいと思いますね。

もうすでに来年の準備を始めました。もう2公演チケット手配済み。
また来年のこの頃にまた盛り上がりたいですね。


ドレスデンの街の景観と食べ物いろいろ [海外音楽鑑賞旅行]

ライプツィヒに来たならば、絶対に寄らなければいけない街、ドレスデン。旧東独領であるが、バッハともゆかりの深い街でもある。ライプツィヒから電車で1時間半くらいの近距離。まさにバロック様式の壮麗な宮殿や教会が立ち並ぶその景観は圧巻で、とても美しい。

第2次世界大戦のときに空襲にて一夜にして街全体が焼失してしまって、1985年に音楽の殿堂、ゼンパーオパー(ザクセン州立歌劇場)が再建されてから、再建作業が始まって、2005年に完成。美しい芸術と文化の都が復活したのだ。

まず早朝に朝食を済ませて、ライプツィヒ中央駅に向かう。

はじめて経験するライプツィヒ中央駅の構内。

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ライプツィヒ駅でのドレスデン行の列車は常に19番ホーム。反対に、ドレスデン駅でのライプツィヒ行の列車は常に10番ホーム。もうきちんと固定なので助かる。

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そして毎度DB(Deutsche Bahn)の列車を使うときに切符を買うのに利用する券売機。

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相変わらず苦手意識があります。(苦笑)
今回も試行錯誤でチケットを購入したのですが、もちろん英語メニューにしてからですが、なんとなにを間違えてかICEのチケットを買っていました。なんと勿体ない。(もちろんICEのほうが早いですが。)

そしてこれに乗る!

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車両内はこんな感じ。

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そして1時間半後にドレスデン中央駅に到着。

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出口が複数あって、旧市街のほうに出る出口がどちらのほうなのか、迷ったが人に聴いてようやくわかって外に出る。

外から観たドレスデン中央駅。

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ドレスデンという街も再建作業によって、昔の伝統の芸術の都が再建された訳なのだが、同時にじつはドイツの東西統一後の近代化への再建計画の街づくりの一環にも入っていて、この駅前はずっと長い直線距離を近代的なショッピングモールが連なっているのだ。

その風情は日本とほとんど変わらない。

今回ここに宿泊するホテルは、このショッピングモールの中にある安いホテル。チェックインしてカートなど大きな荷物を預けて、さっそく散策に出る。

やっぱり教会やドレスデン城などを巡る散策にしようと思っていた。
街の背丈が小さいので、歴史的建造物は、ひょこっと背丈が高いので、遠くからでもその存在がわかり、どの方向に歩いていけばいいのか、すぐにわかった。

まず聖十字架教会。

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聖十字架教会の合唱団は、500年以上ものの歴史を誇り、トーマス合唱団とならぶドイツの少年合唱団の名門なのだ。トーマス合唱団たちと同じく、厳しい寄宿舎生活を送り、音楽を中心として、集団生活の基礎をも学んでいく訳だ。まさに2,3年前にNHKの特集で観たトーマス合唱団の生活とまったく同じ。

内装空間
とてもシンプルで美しい空間デザインだ。
ここで礼拝などももちろん行われている。

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そしてしばらく歩いていくと、戦前は絵のように美しいバロックの街並みであったノイマルクト広場に、”石のつり鐘”と称される大ドームを持つ立派な姿で立っている教会がある。

聖母教会(フラウエン教会)。
前に建っているのが、ルター像。

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ドイツ最大のプロテスタント教会で、空襲で1日で焼失してしまったが、1994年に再建作業が始まって、2005年に昔の姿で完成した。

その内装空間は、異様なまでに壮麗で、美しい空間デザインを誇る。教会専属の楽団と合唱団がいるみたいだが(?)、他にもシュターツカペレ・ドレスデンのセッション録音やリハーサルの会場としても大活躍しているようだし、頻繁に演奏会場として利用されている。その華美な内部装飾からも音響も乱反射で煌びやかな感じがするし、さぞかし華麗な音響であろう。次回来たときは、ぜひこの教会で礼拝や演奏会を体験してみたいものだ。

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じつは今回、聖ルカ教会という教会に行ってみたかった。昔のレコード産業華やかし頃のシュターツカペレ・ドレスデンのセッション録音会場として大活躍した教会だ。いまでも現役の録音セッション会場で数々の優秀録音を生んでいる教会。オーディオマニアにとってはとても聖域の教会。この聖ルカ教会で録音されたSACDの冊子の中に、この教会内部の様子が描かれているものがあり、拝見することがあったのだが、結構教会にしては地味な内装空間だった。でもいまは、どちらかというと稼働率としては、こちらの聖母教会のほうが大きいのではないか?

聖母教会の次は、左横のほうにずっと移動するとドレスデン城が見えてくる。

ドレスデン城

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そしてその建物を廻りこんでいくように進んでいくと、センパーオパー(ザクセン州立歌劇場)のある広場に出る。そこに立つと、このドレスデン城の横に、カトリック旧宮廷教会が並んでまさに圧巻な図になる。

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そしてその反対側にセンパーオパー。

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たぶん自分の中ではこの広場から観たこの一周の景観が、一番ドレスデンらしい風景なのではないか、とその瞬時に想った。まさに恍惚のとき、である。1時間以上そこに立ち尽くしていたような気がする。本当に美しい。

ドレスデンでは結局グルメはやらなかった。
唯一入ったレストランが、このゼンパーオパーの左横にあるレストラン、アルテマイスターだ。
もうドレスデンと言えば、このレストランというくらい有名なところだが、規模自体はすごい小さなレストラン。
軽食のような感じがする。

アルテマイスター
外にはテラス席もある。

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ここでは、ドレスデン名物のチーズケーキであるアイアンシェッケをいただいた。

アイアンシェッケ

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ふ~ん、これがそうかぁ、という感じで、まぁたいしたことはないような.......(笑)

休憩が終わってから、このゼンパーオパー広場の横にあるツヴィンガー宮殿の中を散策。
かない広い宮殿で、美しい。

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その中にアルテマイスター絵画館があって、有名な絵画コレクションが保管されている。

アルテマイスター絵画館

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さきほど入ったアルテマイスターのレストランも、この絵画館の中の一環の施設なのだ。

そして夜は、ゼンパーオパーでトゥーランドットを鑑賞。
オペラ自体は演出がイマイチであったが、素敵なオペラハウスでのひとときを過ごした一夜であった。


終演後(21時半)の夜景でライトアップされたゼンパーオパー。じつに美しい。

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そして反対側を振り向くと、ライトアップされたドレスデン城とカトリック旧宮廷教会。まさにこの広場は、これこそが”ドレスデンの街の景観”と呼べるスポットなのだ。

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以上で、ドレスデン散策もおしまいです。

これで長期連載してきたライプツィヒ・ドレスデンの音楽鑑賞旅行の日記の連載もおしまいです。
明日、簡単ですが統括をします。


ライプツィヒの街の景観と食べ物いろいろ Part2 [海外音楽鑑賞旅行]

トーマス教会の周辺は、いわゆる観光客の集客のためのひとつのバッハにまつわるお店などが集中しているところなのだ。その最たる施設が、このバッハ博物館。

すでに日記で書いたように、バッハ時代の楽器と、その音色が聴ける部屋、バッハ作品の試聴コーナー、バッハが試奏した最後のオルガンの演奏台、また貴重資料展示室には、バッハ直筆の楽譜などが展示されている。

バッハ博物館

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やはり1番感動したのは、バッハ時代の楽器。もうこんな昔の時代の楽器なのに、いまとほとんど原型が変わっていないのは感動であった。またバッハ直筆の楽譜も興味深かった。

もうひとつ面白いのは、バッハトルテを食べたカフェのカンドラーのすぐ隣の隣にあるのだが、バッハ関連の書物を専門に売っている(?)本屋もあった。

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そしてライプツィヒ滞在のときにほぼ毎日利用していたレストランが、同じくトーマス教会周辺にあるレストランで、ツィルス・トゥンネルというレストラン。地元ザクセンの郷土料理が食べられるということで、事前に調べていたレストランだ。

ツィルス・トゥンネル

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なかなか雰囲気のあるお店だ。

でもここではザクセン郷土料理ではなく、そう!ドイツの春の珍味、シュパーゲルをいただいたのだ。もうシーズンとしてはギリギリの時期(6/24が最終日)なので、じつはいろいろなレストランで、もうシーズンオフでない、と言われて断られていたのだ。ようやくここでありつけることができた。

頼むとき、ポテトをつけるか?と言われてハイ....そして?をつけるか?と言われてよくヒアリングができなかったので、とりあえずハイ、と答えたら、なんと出てきたのは、白アスパラにカツレツがついてきてしまった。(笑)白アスパラだけでもお腹いっぱいになるのに、これはキツイ。

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でも完食!そしてなんかデザートでも食べたいと思って、調子に乗ってこのようなものを頼んだ。

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おじさん1人では普段はとてもオーダーできない代物だが、やはり旅先では大胆になる。(笑)
美味しかった。

それ以来、ザクセン郷土料理などを探求するのが面倒くさくなり、毎日、シュパーゲルでもいいや、と思って、ここに通い詰めたのである。ヨーロッパ・ドイツ本場の白アスパラが食べられるのだから、それで十分。

そして別の日の2回目。同じくシュパーゲルを頼んだ。
そのウェートレスさんは英語が話せなかった。
同じくポテトをつけるか、と言われてハイ、そしてmit fish ?と言われて、これは魚がついてくるんだな、とわかったが、お腹が空いていたので、魚も食べたいと思ってOKとしたら、出てきたものが......

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グ、グ、グロテスク......

一気に食欲が減退した。
普通、魚と言えばもっと切り身にして白アスパラと合うようなイメージを持っていたので、丸々1匹姿でど~んと乗せられるとは思わなかった。(>_<)

恐る恐る口にしてみると、まぁ意外や意外、結構美味しかった。でもあまりに見た目が悪すぎ。

そして、また別の日、この店で3度目の正直で、今度はなにもなし、ポテトのみ、で注文したら、ようやく、らしいものがでてきた。でもオランデーズソースはついていない。ここは基本的に塩味で味付けしているみたいだ。まあ、とりあえずよかった。

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このお店のすぐ斜め前に、偶然にも日本料理屋さんを見つけた。ラーメン屋だ。

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店員さんには日本人もいてじつに久しぶりに日本語を喋った。
さっそく味噌ラーメンを頼んだ。

でてきたのがこれ。

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なんか鮭の切り身も入っていて、見た目なんかまずそう.... さっそく食べてみたが予感的中。かなりマズイ。なんといっても麺がラーメンではなくて”うどん”なのだ!これには閉口。現地人はこれをラーメンだと思っているとは!

FBの投稿したら、ここのお店は留学生の中でも”まずいい”ということで超有名なお店なんだそうだ。(笑)
やっぱり.....

でもやっぱり汁物というか、日本人なので、マズクてもいいからまた食べたくなるから不思議だ。今度は醤油ラーメンを頼んだ。

そうしたら驚いたことに、この日にコンサートで聴く予定だった鈴木雅明氏ご夫妻が来店して目の前を通り過ぎるではないか!そして私のすぐ後ろの座席に座った。やはり日本人にはこのお店有名なのかもしれませんね。このとき、今晩のコンサートで聴かせてもらいます!とお声をかける勇気がなかったのがホントに無念!(>_<)

そうしたら醤油ラーメンが出てきました。

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うん!これは前回の味噌ラーメンよりずっとまとも!麺がきちんとラーメンしている。まぁでもちょっとマズイかな、とも思うけど、でも前回よりすっと美味しかったです。

つぎにここから中央駅に向かうと造形美術館と遭遇する。

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ここには有名な絵画がかなり集まっているようだが、まぁ絵心のない自分は、そのままパスという感じです。(^^;;)

そして中央駅から端の方に行くとワーグナーの生家跡というのを観てこようと思い、探したのだが、いろいろ人にも聴いて回ったが結局わからなかった。

ここがワーグナー広場。

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そしてカフェ・ワーグナーというカフェもありました。

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最後に教会の紹介のときに忘れたスポットを再度紹介。

ここがトーマス教会の私の出入りした入り口方面の図。右側に扉がある。そして真ん中あたりに全面ガラスでできたトーマスショップというモダンなお店がある。バッハみやげなどの観光客向けのバッハグッズのショップである。教会に直結している。

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トーマス教会には中ではなくて、外からそのまま入れるトイレがあるのだ。0.7EURとられる。

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この後はふつうのトイレです。

そしてニコライ教会。
教会内部にニコライ教会に関する本屋さんがあるのだ。

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以上こんな感じがライプツィヒでの滞在で過ごした日々です。
次回はドレスデン散策です。お楽しみに~。

最後にライプツィヒの顔であるマルクトの広場の夜景でお別れを.....

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ライプツィヒの街の景観と食べ物いろいろ Part1 [海外音楽鑑賞旅行]

慣れた街に毎度行くのなら、気疲れもないし、本当に旅行を楽しむのならそのほうがいいのかもしれない。毎年違う街にチャレンジするのは、いつも初日が1番不安。そして緊張感が解けて楽しい気持ちになってくるのは、中日以降から最終日にかけて。

いつも旅が終わるとホッとする、という感じで、楽しむという感じじゃない。そこは、やはり見知らぬ土地に1人旅というのが原因にあるのだろう。みなさん、ようやるわ、と思っているのではないだろうか?(笑)でも自分はせっかく大金をかけて行くなら、なるべくいろいろな国(ホー ル?)を経験してみたい、と思っているので、こういうジレンマは仲良く付き合っていくしかない。

今回は、いろいろな事情があって、初日に物凄い落ち込んだ。精神のリズムがどん底の時に初日にあたってしまった、という感じ。いつもの初日の不安なのだが、やはり地理関係に不安があると、どうしても前半は不安。地理関係に慣れてくると、途端に楽しくなる。これがいつも1番の原因。

あまりの落ち込みようで、日記を書くどころではなかった。今回、よし行けるぞ!と思ったのは、ニコライ教会→ケヴァントハウス→トーマス教会の順番で辿りつけた初日。ここから一気に楽しくなりエンジンがかかってきた。

音楽関連の日記はすでに終了なので、ここからは街の散策、食べ物関連を簡単に整理しておく。

今回、ライプツィヒでは音楽祭シーズン真っ盛りということで、ホテルがどこも満室で取れなくて、最初の2日は、なんと5つ星のホテルになってしまった!

The Westin Hotel Leipzig

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フロントに入るともうびっくり。そのゴージャスな空間に。

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朝食をとるレストランもスゴイ!(ディナーをとることころはもっとスゴイ。)

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でもその割には、部屋がかなり地味。(笑)

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自分はどうもこういう豪華なホテルは苦手だ。後半の安いホテルに定着した時は、本当に心が安らげた。やっぱり地が貧乏性なのだろう。自分がホテルを選ぶときの条件は、安い、立地条件、そしてネット環境。これが3大条件。

特にネット環境は、ご存じヘビーユーザだし、リアルタイム日記を書く上で必須条件だ。このネットにつながるのがすごく苦労した。まぁいつも1発ではつながらないのだが。今回はなかなかつながらず、凄い時間がかかってしまった。ようやくつながったときは、もう疲労困憊である。

ヨーロッパのホテルは、ほとんどがWiFiのネット環境。そのときホテルにキーを教えてもらう必要があるのだが、今回手違いがいろいろあって苦労したのだ。ちなみにWiFiは、写真のアップは凄い遅いです。私は写真日記なので、凄い時間がかかっているのです。

そして到着の挨拶の簡単な日記を書いて、バタンキュー。

そして翌朝、朝食を取った後に、すぐに出発。
ホテルは中央駅の左横にあるので、まず駅を目指す。

ライプツィヒ中央駅(ホテルはこのすぐ左側にあります。)

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そしてニコライ通りを目指す。その先にニコライ教会があるのだ。ニコライ教会がわかれば、そこから横一直線にケヴァントハウス、トーマス教会がある。だからまずニコライ通りを目指す。

バッハフェストという音楽祭である横断幕が張られていたので、一発でわかる。

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この横断幕を過ぎたところに、飲み物やパンを売っているお店が。

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ドイツの街では、飲み物の空き瓶を捨てる場所、衛生の問題から、こういうお店は少ないので本当に重宝した。カフェに入るのが面倒で喉が渇いたとき、助かった。

その先をさらに進んでいく。

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そうしたらあった!ニコライ教会。あの遠くに見える塔がそうである。

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さらに近づく。

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ニコライ教会

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ここで朝9:30からカンタータ礼拝を受ける。まだ時間があるので、いろいろ散策してみようということになった。このニコライ教会をさらに進んでいくと、横に走る道(Grimmaische Straβe)にぶつかる。その道にぶつかって左折してまっすぐ進むとアウグストゥス広場に出る。そこにケヴァントハウスがある。

ライプツィヒ ケヴァントハウス

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この向かいにあるオペラハウス

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そして左横側にあるライプツィヒ大学。(すごいモダンな建物!)

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さらにその横に、シティホーホハウス

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こういう建物を観ていると、なんかライプツィヒも結構東西統一以降の再建計画でモダンな街並みと歴史ある古い街並みが融合している感じ。ケヴァントハウスの左奥のほうに、メンデルスゾーンハウスという建物がある。メンデルスゾーンが音楽活動にいそしみ、そして亡くなった家を再現したものらしい。中は、1階と2階に分けられ、インテリアや所持品が展示されていたし、あとミュージックサロンも復元されていた。オーディオマニアとして驚いたのは、ブルーの証明の部屋の中に、多数本のマルチチャンネルのSPが設置されていて、ウルトラサラウンドでメンデルスゾーンの曲を聴くという試みの部屋だった。

メンデルスゾーンハウス

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そこを見学が終わって、今度は、このGrimmaische Straβeを逆の方向に向かってトーマス教会を目指す。

この通り沿いはこんな景観。

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さらに進んでいくと......

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そしてその先にトーマス教会。

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この建物がはじめて目の前に現れたときは、正直すごい興奮した!
なんと表現したらいいのだろう!
そしてバッハ像などを撮影しているときに、教会の中から地響きのようなパイプオルガンの音色が聴こえてきたときは、スゴイ興奮状態。(笑) 残念ながら音楽祭期間中は、リハーサルなどで中に入れない。公演当日まで我慢だ。

このトーマス教会の横側にあるバッハ像のある方面から観た場合。

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こちら側にいろいろバッハゆかりの施設があるのだ。
これは最初の日記で紹介したが、ここにあるカフェのカンドラーを経験。

カフェ カンドラー

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ここではバッハトルテという観光客向けのチョコレートケーキがあり、それを食べようと思ったのだ。店内には、いろいろなケーキが売っている。ヨーロッパのカフェは大抵そうなのだけれど、まず座席に座ってウェーターが来るのを待つのだ。そこではじめてオーダーする。

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これがバッハトルテ。

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このトーマス教会周辺はいわゆるバッハ観光地のメッカであり、いろいろ楽しめる。これはまた後日紹介する。

少し戻って、マルクトの広場。
ここはシンボルの旧市庁舎が有名な広場で、ライプツィヒのこれまたひとつの顔だと思う。
右側が旧市庁舎。

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この旧市庁舎だけをアップすると......
ここの1階でのレストランで食事したかった......

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上の写真は、じつは数日後に撮影した時で、このときは広場になにもなかったのであるが、初日に行ったときは、下のように特設会場が造られていたのだ。ステージの後ろにはバッハの幕が張られている。バッハフェスト関連のひとつのイベントなのだろう。(すみません、よくわかっていなくて...(^^;;))

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旧市庁舎の裏側にもじつは広場になっていて、ドイツの文豪であるゲーテ像がある。

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この広場、ゲーテ像の向かいに、メードラーパッサージュというショッピングアーケードがある。

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中に、ゲーテの「ファウスト」という作品に登場するアウアーバッハス・ケラーという有名なワイン酒場兼レストランがあって観光名所にもなっているそうなので、行ってみた。

まずアーケード内にファウストとメフィストフェレスの像がある。

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この像の左側に地下に潜る階段がある。そこを降りていくと、アウアーバッハス・ケラーがある。ここのレストランはゲーテや森鴎外も通った、というからやはり行っておかないといけないだろう。

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中はすごい華美で、天井や壁には「ファウスト」のさまざまな場面の壁画が描かれている。

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ここで頼んだ料理は、

ザクセン風オニオンスープ

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まぁ、これはなかなかいける美味しさであった。

そしてメインがトマト、ズッキーニ、ホウレン草とタリアテッレのグラタン。

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これが最悪であった。(>_<) 正直美味しくないと思う。ガイドブックに載っていたので、そのまま頼んでみたのだが、がっかりだった。あまりに不味くて食べれないので、かなり残してしまった。 トマト、ズッキーニ、など具の1品1品が味的に融合されていなくて、口の中でそれぞれがバラバラなんですよ。美味しいと思うには融合されていないとね。

ライプツィヒでの1 番の落としどころのレストランだと思っていたので、正直落胆は大きい。これで今回はグルメツアーはやめようと思いました。(苦笑)

ガイドブックでは、ドレスデンもそうなのだが、ライプツィヒのレストラン、カフェは2~3軒しか掲載されていなくて、実際あまりないのかな、と思ったが、とんでもない!実際はウヨウヨ存在する。だから自分でパブリックになっていないお気に入りのカフェ、レストラン特集を組めたりするのだ。

という訳で、とりあえずはここまで、続きは明日。


鈴木雅明指揮ケヴァントハウス管弦楽団演奏会@ライプツィヒ ケヴァントハウス [海外音楽鑑賞旅行]

音響の素晴らしいケヴァントハウス 大ホールで、鈴木雅明&ケヴァントハウス管弦楽団の演奏を聴いてきた。今回のツアーで最後を締めくくる演奏会である。

最初の1発目の音を聴いて、あまりに素晴らしい音響なので、もう自分としてはずっと天国にいる様な感じでその演奏を終始聴いていた。やっぱり自分はサウンドが素晴らしいと、演奏も素晴らしく聴こえてしまう、そういう単純明快な人なのかもしれない。演奏論などは二の次なのである。(笑)

この演奏会は、バッハフェスティバルの一環の演奏会のようで、演目はハイドンのオラトリオ「天地創造」であった。ソプラノ、テノール、バリトンが指揮者の横にいる感じで前面で歌い、合唱団がオケの後ろに陣取るという形式である。

鈴木雅明氏の指揮というのは、お恥ずかしい限りなのであるが、ミューザでBCJでマタイを聴いたときが初めてであった。でも今日の指揮を観たとき、よりその真髄を観たような気がする。たぶん演奏者からすると非常にわかりやすい指揮というか、演奏しやすい指揮者ではないだろうか。

その曲の持つドラマ展開や、抑揚のリズムと彼の振るそのタイミングというのが非常にシンクロしていて、素人の私でも観ていて非常にスムーズ流暢でわかりやすいというか、曲調リズムにものの見事にピタッと一致するというしなやかさがある。

素人の自分の尺度では、準・メルクルの指揮も結構そんな範疇に入る。そして古くはカラヤンというところか。結構曲の流れに沿ったリズムで流暢に振るというのは観ている分でも、とてもわかりやすいのだ。

ケヴァントハウス管の演奏は、ひょっとしたらピリオド楽器を使っていない、とも思えるほど、特に弦楽器群、響きが豊潤で、漂う余韻が美しく、華麗な旋律を奏でていて、実に素晴らしかったと思う。 帯域バランス的にも低弦楽器などのゾリゾリする感覚などのどっしりした量感もしっかり出ていたと思うし、弦楽器の中高域にかけての色艶のある音色もじつに妖艶であった。バランス的にも中庸でどちらかに偏っているということはなかったように思う。全体の楽器間のアンサンブルの調和、精密性なども自分が聴くには乱れたところもなかったように思えるし、オケ自体の発音の楽器間の同時性、瞬時性も気になることはなかった。非常に素晴らしかったように思う。

そしてなによりもMDR放送合唱団、これも素晴らしかった。さすがに暗譜ではないものの、余裕を持って、破綻のない音程とアンサンブルで歌いきった力量は見事であった。特に女性陣のその清澄な歌声が作品に相応しかった。

そしてソリスト、まぁ細かいミスというか気になる点はなかったといえばうそになるが、ソプラノのキャロリン・サンプソンが自分的には素晴らしかった。透き通る声質に見事な声量、申し分なしで、ただ若干強唱のときに飽和というか、ちょっと許容レンジが足りない感じで耳にキツク感じることもないことはなかったが、でもこれは敢えて粗を見つけてというレベルで気にならない十分許容範囲で素晴らしいと思えた。

とにかくホールの音響がこんなに素晴らしいと、すべてが美しく感じてしまうこのサウンド至上主義。(笑)でもその器に負けないくらい素晴らしいコンテンツだったと断言できる、自分にとって旅行の最後の夜を締めくくる素晴らしい演奏だったと思う。

終焉は、全員スタンディングオベーションで、日本の指揮者が、海外の地、観衆から、このような大絶賛を受けている瞬間を目に前にして、本当に誇るべきことだと想うし、思わず胸がぐっと熱くなる想いであった。

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鈴木雅明&ケヴァントハウス管弦楽団演奏会
2014/6/20(金)20:00~ @ライプツィヒ ケヴァントハウス 大ホール
J.ハイドン:オラトリオ「天地創造」Hob.XXI-2

ソプラノ:キャロリン・サンプソン
テノール:ジェイムス・ギルクリスト
バリトン:クリストファー・パーヴス
コーラス:MDR放送合唱団
演奏:ケヴァントハウス管弦楽団
指揮:鈴木雅明


体験!ライプツィヒ ケヴァントハウス 大ホール [海外音楽鑑賞旅行]

世界中のコンサートホールの形式は、シューボックスもしくは拡張型シューボックスのスタイルが1番数が多いのだと思う。ステージを観客席が取り囲むアリーナ型のワインヤード形式は意外と数が少ない。ここライプツィヒ ケヴァントハウスもその中のワインヤード形式の代表的なホール。ぜひ経験してみたく楽しみにしていた。

ライプツィヒ ケヴァントハウス

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中に入るとホワイエ空間が現れるが、なんか雰囲気がベルリンフィルハーモニーの幾何学的デザインの美的感覚に非常に似ている。ホールに入るまでが迷路のようになっているところも似ている。ベルリンフィルハーモニーの小型版みたいな感じ。

ちょっとなかなか洒落ているのが、壁画のデザインが大きく施されていたり、絵画などが壁に飾られているところが、お洒落だ。基本的な構造は、4階吹き抜けで、ロビーの天井はズィグハルト・ギレによる天井画「人生の賛歌」。

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ドリンクコーナー

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クローク

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そして中のホール空間に潜入。このときは本当に興奮する。(笑) ぱっと観た印象は、やはりちょっとした細かいデザインは違うけど、基本はベルリンフィルハーモニーを踏襲している感じがする。左右の横のウィングの造りなんかそっくりだ。

驚いたのは、そのキャパの狭さ。大ホールとは思えないくらい容積が小さい。これは音響がいいな、という直感が働く。フルオケをこのくらいの狭さの器で鳴らしたら、とても明晰な音になることは1発でわかる。サントリーやミューザで2000席を超えるが、ここは1900席くらい。でも見た目もっとはるかに狭い感じがする。

あと自分の座席に座って感じたことは、異常に座席の列間の傾斜が急だということ。これだけ急傾斜なホールはいままで経験したことがない。当然ステージの視認性は最高に良くなる。 そしてこれは後日聴いたことであるが、このホールは空調が、前の座席の部分に個々についていて、それでホール全体の空調を調整しているのだそうだ。(これは気付かなかった!)空調音などの心配もなさそうだ。

そして特徴的なのが、壁に施されている音の拡散作用の突起物。ここまで極端にそのデザインに盛り込んでいるホールもあまり観たことがない。やっぱりホールの内装空間の美しさを考えると、こういう拡散用の突起物は美的感覚を損なうので、どこまでやるかがトレードオフになる。ここのホールは、結構そういうチャレンジを思い切ってやっていて、それが不思議と全体の雰囲気にマッチしたデザインとして溶け込んでいるから不思議だ。

そしてステージ上方の反響板。一見反響板はないように見えたのだが、よく見ると天井の全体が長方形のブロック体で構成されていて、これ1個1個が反響板なのだと想像する。すごい造りだ。天井が全部反響板で覆われていることになる。

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このような急勾配な座席

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ワインヤード形式のホールの音響はあまり評判がよくない。要はステージから発せられる音が壁までの反射が遠いために、拡散傾向にあって音が薄くなる、というのが理由である。シューボックスのホールでは側方、後方の壁ですぐに反射され(間接音:響き)、それがステージから発せられる直接音といっしょに混じることで客席の方の耳に心地よい音響となる仕組みだからである。側面の壁からの反射音が大きいほど音源の広がりや、音に包まれた感じがする訳である。

ベルリンフィルハーモニーなどは、ステージがほぼ中央にある構造なので、その傾向が大きい。

でも、ここのケヴァントハウスはステージの横、後ろの座席が結構狭い。それには理由があって、客席を小ブロックに分離し、壁で取り囲むことによって「初期の側方反射音」を得ることができるようにしているから。ワインヤードでありながら、シューボックスのいいところを真似ようという魂胆で、さらに、こうすることでシューボックスでは難しい大型のホール感が生み出せるし、壁からの反射音によって大きな空間でも密度の濃い反射音を得ることができるようになっている。サントリーがそういう設計である。

ホール全般の壁に拡散作用、そして容積の狭さ、天井一杯を覆っている反響板、そして初期の側方反射音が得られるようなワインヤード型。

この4つの条件から、かなり音響がいいのではないか、と想像した。

そしてオケの発する最初の音を聴いた途端、これは音響が素晴らしい!と1発でわかった。たぶん私じゃなくても、誰でもがそう思うような音響の良さだと思う。容積の狭さで拡散せずに音が凝縮されていて、とても音の輪郭が明晰だし、響きもとてもライブな音響だ。ひとえに壁の拡散作用かな、とも思える。残響時間がすごい長い。要は間接音(響き)が豊かで、同時に間接音の量も多く滞空時間も長い。とても響きが豊かに聴こえる。響き自体の質感はソリッド気味だが、粒子の細かさと、しなやかさがある。そして直接音自体のエネルギーも凄く大きくて聴いている分に鮮度が生々しいのだ。発生される音源から立体感覚が豊富で、奥行き感がもの凄い豊富な感じでホール空間内を広がって行くような感じ。 

サウンドステージもくっきりと表現出来ていて、じつに素晴らしい。

音がとても濃いのである。

最初の1発で音がいいと思ったので、演奏中、その理由などを考えていたのだ。ホテルに帰ってから、ウィキペディアで調べてみると、確かに音響のよいホールで有名だそうで、後にボストンのシンフォニーホールの設計の参考にされた、と書いてある。これは自分的にすごく納得できる。

正直こんなに素晴らしい音響のホールだとは思ってもいなかった。
失礼な表現であるが、三大ホールとか知名度では、このホールはそれほどでもないので、穴場的なダークホースとして登場した、という感じで驚いている。じつはワインヤード形式としての歴史はどうか?は不明であるが、コンサートホールの歴史としては、ベルリンフィルハーモニーより先輩である、という話もあってものすごく魅力的だ。(織物倉庫)


終演後の夜景のケヴァントハウス

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モテット・カンタータ礼拝を体験する。 [海外音楽鑑賞旅行]

今回バッハの街であるライプツィヒを訪れ、そしてバッハフェステイバルというバッハの音楽祭に参加するにあたって、いろいろバッハの深遠なる世界について、ずっと勉強してきたのであるが、思いもかけないというか、現地でぜひ体験するべき重要なイベントがあることを知ったのだ。

バッハについて、ずっと研究をなされている音楽評論家の方の書籍を読んでそれを知ることができた。いままでに経験のないような、まさに脳天から衝撃を受けたような斬新な感覚だった。

それは現地で礼拝に参加してみること。

バッハの場合は、カンタータ礼拝(カンタータ上演の本来の形である、礼拝でのカンタータ上演)、つまり礼拝を通じてカンタータを経験することだった。

(教会)カンタータというのは、本来は礼拝用の音楽。バッハはトーマス教会で、トーマスカントール(ライプツィヒ教会音楽の統括者)としてライプツィヒの主要教会(トーマス教会&ニコライ教会)における礼拝用の音楽を作曲し、上演を担当してきた。バッハはカンタータをひと頃毎週のように書き、トーマス教会の聖歌隊に歌わせて、初演していた。そして現存するカンタータは200曲あまりにものぼる。

オーディオの世界でも、この膨大なカンタータ全集を全録音するのは、じつに15年以上の年数を費やし、その偉業を達成したのは、過去にトン・コープマン、アーノンクール&レオンハルトなどごくわずかしかいない。最近では鈴木雅明氏とバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)がスウェーデンの高音質レーベルBISから出した史上初のSACD全集という形で、その偉業が達成された。このような偉業を日本の団体が達成したことに限りなく誇りに感じるのである。

そんなカンタータであるが、日本で、礼拝のなかでカンタータを体験する機会はまずない。
本来カンタータは、その礼拝のために作曲された音楽なのであるから、その礼拝を通じて、カンタータを経験してみないと、カンタータの本来あるべき姿を理解するのは無理なのである。
これは日本では体験できないことでもある。

バッハは生涯の大半をルター派の教会音楽家として活動している。その実際と環境は、今でも「バッハの街」に受け継がれている。バッハが後半生の活動の拠点としたライプツィヒのトーマス教会には、今も礼拝で当時の流れを汲む音楽が演奏されているのだ。

だから、尚更、コンサート、演奏会などなかったバッハの時代に、音楽というスタイルがまだ形づいていなかった、その頃の時代の正当な音楽の場であったこのような催し(礼拝)を体験するのは、この現地でしか体験できないことで、せっかく来たのであれば、礼拝を体験しないと、ということである。

そのようなことが勉強していく内にわかってきて、身震いするような感動を覚えた。そして今回の旅行のじつは1番のメイン・エッセンスでもあると思えるようにもなった。これこそバッハの深遠なる世界へ足を踏み入れる一歩になると思えた。

●ニコライ教会でのカンタータ礼拝

ライプツィヒに到着して、その翌朝の最初の演奏会が、ニコライ教会でのカンタータ礼拝であった。
いきなりメインイベントである。(笑)

このカンタータ礼拝を受けるために、朝早く、ニコライ教会にかけつけたら、信者の方が朝早くから並んでいた。私もそこに並んだ。

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そうすると教会の方が、扉を開けて出てきて、張り紙をする。そこにはこの教会でのフェスティバル期間中の今日の演奏会メニューが書かれているのだ。

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そして時間とともに、開場で、信者の方がいっせいに入っていく。
入場のところで、ミサのときの讃美歌の歌詞などが書かれた冊子が配られる。
実際のミサの場合は、その冊子を見ながら、みんな歌うのだ。

いよいよ礼拝が始まる。
神聖なるミサ中は撮影は禁止であるから、さすがに撮影はできない。(でも一生に1度の経験なので、1枚だけこっそり撮影してしまいました。)

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私はクリスチャンではないので、よくわからないのだが、前で説教する人が祭司の方なのでは、と思う。にわか信者だから、肩身の狭い想いだが、その説教をやりすごしつつ、そうするといっせいの信者たちが讃美歌を歌うのだ。そのときに背面のオケやパイプオルガンがいっせいに教会内部を響き渡り、じつに深遠な世界になる。

結局ライプツィヒ滞在中は、このニコライ教会とトーマス教会で、2回の礼拝に参加できたのだが、キリスト教の礼拝ってひとつの共通するスタイルがあるなぁ、と感じるところがあった。進行が似ていて、たとえば祭司の方が説教する場合も、最初は祭壇のところでおこなうのだが、途中から、教会の中にある上の高いところの場所に移って、説教をするのだ。(天からの神の声という意味?)教会もそのような高い場所で説教するようなスペースがあるように設計されているのだ。ニコライ教会もトーマス教会もそういうデザイン設計になっていた。

バッハのカンタータも演奏され、説教する人がいろいろ変りながら、区切りよく説教が終わる度に、いっせいに信者たちで讃美歌を歌い、カンタータが演奏される。まさに礼拝中に音楽が鳴りっぱなしなのだ。 礼拝ってこんなに音楽に溢れているものなのか?

あふれるばかりの音楽に浸っていると、まさにバッハの時代の正当な音楽の場であったこのような礼拝で、この世に音楽が初めて存在した瞬間なのだなぁ、としみじみと感じ入ることがあった。

最後は、少しばかりの寄付金を集める作業に入って、終了。
その瞬間、私の周りにいた人たちはみんな一斉にお互いに握手。
私もにわか信者なのに、かまわず周りに人と笑顔で握手をした。

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この世の中に”音楽”というものが存在するその最初の瞬間であったこの礼拝での教会音楽。
それがいまもこのバッハゆかりの地で引き継がれて演奏されており、それを生で経験することができた。

このような催しは日本では知られていないし、経験できないことでもあるので、人生で最高に貴重な体験だったかもしれない。


●トーマス教会でのモテット・カンタータ演奏会(礼拝形式)

モテットというのもいままでの自分にとって、あまり馴染みのないジャンルの音楽であった。
今回の礼拝のために、渡欧の前に、ずいぶんと勉強した。
実際の音楽は、バッハのモテットを鈴木雅明&BCJのSACDを購入して聴いてみた。
これで一発で理解できたような気がした。

じつに美しい。心が洗われるようだ。自分はクリスチャンではないけれど、バッハの音楽って、涙して、どこか浄化されるところがある、と思う。

カンタータとモテットの違い....それは器楽のパートがあるかどうか。器楽と声楽によって成り立っているのがカンタータ。それに対して、器楽が存在せず、声楽のみで成り立っているのがモテットなのである。モテットはいわゆる今風に言えばア・カペラみたいな感じで、バッハの時代のアカペラ版教会音楽といえると思う。モテットに関してもっと詳しく言及すると、演奏は、合唱の各パートを何人で歌うか(各1名の演奏も多い)、ア・カペラか、楽器を入れるか、楽器も通奏低音のみか、各パートも管楽器を入れるか、でずいぶんと曲の印象が変わってくる。結構奥が深いのだ。

カンタータの方が華やかで変化に富み、演奏は大がかりになる。それに比べればモテットは地味で響きの変化に乏しく、演奏時間も短い。

バッハの時代のドイツ(ルター派地域)では、カンタータが当世風の教会音楽として、急速に進出していて、一方モテットは、昔ながらのなじみ深いジャンルではあるものの、大都市の教会や宮廷の礼拝堂では、カンタータに主役の座を奪われていった、という歴史的背景があるようだ。

バッハ自身も決定的にカンタータを志向していたところがあったのだが、バッハが関連するルター派の礼拝ではもちろん、モテットも必要であった。しかしバッハは、モテットには先人たちの作品を集めた曲集から既存の作品を使って間に合わせ、ほとんどの時間と労力を、カンタータに注ぎ込んだのだそうだ。なのでモテットは、数曲がばらばらに生み出されただけなのだ。

バッハのモテットは5曲しかない!

カンタータ全曲録音が、200曲あまりの録音を、まさに15年以上の月日を費やす大作業なのに対して、現存するバッハのモテット全集は、BISの鈴木雅明&BCJのこの1枚のディスクで収まってしまうのだ。

通常はBWVの番号体系でネーミングされているのだが、普通はわかりやすいように1番~5番という呼び方で呼ぶことも多い。特に合唱関係の人は、モテ1、モテ2、モテ3という呼び方をするらしい。3番が深くてやはり最高峰。でも私が一番好きなのは華やかな1番で、みんなの人気も1番。やはり1番は華がある。


さきほどカンタータは華やかで、モテットは地味と書いたが、BCJのモテット全集を聴いたら、そんなこともない。

バッハのモテットは名・難曲ぞろい。「声楽のブランデンブルク協奏曲」といわれるのも、もっともだと思う。二重合唱の曲がほとんどだし、楽譜を追うだけで大変そう。

そんな感じで事前勉強していたのであるが、バッハの聖地、トーマス教会でかねてからの念願であったモテットを体験することができた。残念ながら、いま音楽祭期間中なので、トーマス少年合唱団によるモテットは体験できなかった。

例によって1時間近くも前にトーマス教会に到着。
そうすると、門の前に、確かに今晩モテット演奏会が開催される旨の看板が立っていた。


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自分はもちろん1番乗りである。そしてずっと待っていると、どんどんみるみるうちに列が出来てくるのだ。

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開場とともに中に入ると、入り口のところで、ミサの讃美歌の歌詞などが配られる。

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結局、トーマス教会の内部の座席全部埋まるほどの大盛況であった。1番乗りした自分は、祭壇、そしてオケなどが入る背面上方の両方を見れるように、それらに対して直角の横に並んでいる座席を選んだ。自由に選べるのである。

自分が選んだ席はここ。

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ここから祭壇を臨むと....

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そして背面上方を臨むと.....

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そしていろいろ礼拝がはじまる。
例によって祭司の方の説教がはじまる。
そこで、パイプオルガンが鳴り出す。
今回はじめてわかったのであるが、トーマス教会のパイプオルガンは、背面ではなくて教会の側面にもあるのだ。(背面にもあると思う。今回の礼拝で使用したのは側面のほう) このパイプオルガンの教会内を地響きのように響き渡るその迫力はすごいものだ。 そしてその後に、信者が全員讃美歌を歌いだすのだ。 

そうすると黒い礼服に身を包んだ合唱団(オタワバッハ合唱団)が、教会後方から中央の通路を歩きながら、我々の前を行列で進んでいき、そして祭壇の方に横に並んでそして指揮のもとにモテットを歌い始めるのだ。モテットを1曲歌うたびに、祭司の説教、そして讃美歌というサイクルが続いていく。

合唱団によるモテットは本当に美しかった。ア・カペラによるものもあるし、楽器を入れる場合、通奏低音が入ったものバージョンのものもあった。そして私の大好きなバッハのモテット1番も歌われた。

この聖地、トーマス教会でモテットが聴けるなんて!

自分は信者ではないので、ある意味不謹慎ではあるのだが、いいではないか!こういう目的で紛れ込んでも! もちろん撮影禁止である。(でも例によって、一生の記念なので、信者の目を盗んでコソッと。)

トーマス教会でモテットを聴く!この夢が兼ねることができた瞬間であった。

祭壇の前で指揮のもとに合唱団がモテットを歌っているところ。
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最後にBISの鈴木雅明&BCJのバッハ・モテット全集を紹介しておこう。
録音は言わずもがなで、もちろん最高に素晴らしい。バッハのモテットの全曲がこの1枚に収められており、その美しい旋律、心が洗われるような調べがすごい魅力的。ぜひお薦めです。

私は、この1枚でモテットの魅力がわかったような気がします。

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バッハ・モテット全集 鈴木雅明&バッハ・コレギウム・ジャパン

http://bit.ly/1jFcSS5


バッハフェスティバル No.61 @ニコライ教会 [海外音楽鑑賞旅行]

やっぱり自分は一般人だし、好き勝手なことを自由に言える立場にあるのをご容赦願いたいと思うのであるが、トーマス教会よりもニコライ教会のほうがずっと音響がいい、というか自分の好みに合う音響だと昨晩確信した。

6/18にトーマス教会の音を聴いて、そして再度今日の6/19のニコライ教会の音を聴いた上での結論。

音の世界は、各個人の好みの嗜好があるので、どれが正解などはない世界。
各個人の嗜好を尊重する世界です。

そして、これはきちんと申し上げたいのは、トーマス教会がバッハの聖地であり、教会音楽の頂点に立つ聖地の教会であることには、なんら変わりはないことだし、そういった面で大いに尊敬することだし、実際ニコライ教会よりもトーマス教会を経験した時の方がずっと興奮したことは間違いない。

トーマス教会の場合、単に内装空間が美しい、音響が素晴らしいという2つのパラメータだけで評価すべきではなく、その基準をはるかに超えたところに存在する教会であることもすでに述べてきたとおりだ。そして誤解のないようにトーマス教会が音響が悪いという意味でもまったくない。自分がニコライ教会のほうが好みの音響である、という、ただそれだけである。

トーマス教会の歴史上の存在価値の大きさを認めつつも、器としてのクオリティとしては内装空間、音響ともにニコライ教会のほうが優秀である、と自分が感じたまでなのである。

この日の夜に本番を迎え、昼間、教会の門が開いており、中に自由に入れるようになっていた。そうすると中で演奏しており、おそらく夜の本番に向けての公開リハーサルだと思えた。

公開リハーサル

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前の晩にトーマス教会を聴いたばかりなので、今のこのときの音を聴いて、あぁぁやっぱり自分はこちらの音響のほうが好きだなぁ、と思えた。もちろんリハーサルなので、空席時での音響な訳で、よいに決まっている。

人というのは吸音材なので、実際の夜のコンサートで満席になった時は、音を吸ってしまい、もっとデッドになってしまうものだ。だから、その夜のコンサートのときの印象を待ってからでないと結論付けられない、と思ったが、実際夜のときの印象でも若干デッド気味にはなるにしても、基本の印象は変わらずだった。

まず、ニコライ教会の音響の特徴は、音の出どころがわかりにくい、ということ。音源の場所が決まっているにも関わらず、どこから鳴っているのかわからない状態で、無指向のように教会上部から降り注いでくるように感じる。自分の周りを包み込むように降り注いでくるというか。そして音色が、とてもライブで、響きが豊潤で、1音1音の余韻が漂う感覚がじつに美しい。聴いていると空間の広さというのを感じる。

といって、響きが豊富過ぎて、音階が連なることで、響きがどんどん混濁してしまうこともない。綺麗に分離されているから不思議だ。音像(音のフォーカス)は非常に明晰な音なのだ。

トーマス教会のほうは、はっきりと背面上方から音が鳴っているということがわかるし、もう少しドライでデッド気味の音なのだ。たぶん容積の問題が大きいのではないかなぁ、とも思う。音響って、音源のスケールに対してやはり適したキャパというのがあって、広すぎると拡散気味だし、狭すぎてもワンワンうるさくて響きが混濁してしまう。

まぁでもこればかりは嗜好の問題であるし、どれが正解の音です、などとは言えない世界なのだ。みなさんが感じるままに、楽しまれればよいのか、と思う。

バッハフェスティバルの公演としては、このニコライ教会での昨晩のコンサートが正式には最後となった。

座席は、1stCategoryの割には、3Fの1番後方で、柱がジャマで、ステージがよく見えないという悪条件であった。(ここが1stCategoryというのは、とても信じられない。)

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今回の音楽祭は、J.S.バッハだけではなくCPEバッハの曲を取り上げるのが主題で、今日の演目も半々であった。ここの音響の素晴らしさも手伝ってか、じつに素晴らしく感動できた!弦楽器も、おそらくピリオド楽器であるにも関わらず、じつに妖艶な音色で、グラディエーション豊かなその表現力が見事。そこに、この独特の響きの豊富さも相俟ってじつに美しい。そして合唱が入るパートが多い曲が多かったのであるが、この人の声、合唱の美しさも教会内をこだまするような感じで、実に荘厳で、素晴らしいものがあった。

こんな条件の悪い座席でも、けっして既述の自分の印象が崩れることはさほどなく、きちんとあてはまるのである。バッハフェスティバルの公演としては、これで3公演聴いたわけだが、その中で、今日のこの公演が1番素敵であった、というか自分の好みの音響で、それを再確認できたし、最初の頃は手さぐりの状態であったのが、それが慣れてきて、1番感動できたとも思えた公演だった。

やっぱり音楽を聴いているのではなく、サウンドを聴いている、悲しい性なのかもしれない。お目汚しの表現があったならば、本当にゴメンナサイである。

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バッハフェスティバル No.61
2014/6/19 20:00~ @ニコライ教会

J.S.バッハ:わが魂よ、主を讃えよ BWV69
CPEバッハ:Gnadig und barmherzig ist der Herr,Wq 250
CPEバッハ:Wer ist so wurdig als du,Wq 222
J.S.バッハ:神よ、われ汝に感謝す BWV 29

ソプラノ:ヨランタ・コヴァルスカ
アルト:カイ・ヴェッセル
テノール:Karol Kozlowski
バス:ピーター・ハーヴェイ
コーラス・演奏:Capella Cracoviensis
指揮:Jan Tomasz Adamus


バッハフェスティバル No.54 @トーマス教会 [海外音楽鑑賞旅行]

いまのご時世に教会でクラシック演奏するということは、至極当然のことかもしれないけれど、最初に音楽というものが生まれたその瞬間が、バッハの時代の礼拝に纏わる教会音楽であったのであれば、やはりここトーマス教会で聴くクラシックコンサートというものが、教会音楽・演奏という分野で最高の位置に相当するポジショニングなのだと思う。

そんな想いも込めて、昨日トーマス教会でのバッハフェスティバルのコンサートに行ってきた。今回のフェスティバルの中の公演では最大のイベントと言って良い。教会の印象は、前回の投稿で詳しく述べた。

今回の私の座席は、ここ。
前の祭壇を臨む場合は、こんな感じ。

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そして背面の演奏場所を臨む場合は、こんな感じになる。

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この場合、いちいち後ろを振り返って見ないといけないので、首が痛くなるというか、結構厳しいなぁという印象を受けた。あまり教会でのクラシック演奏を鑑賞する、ということに慣れていないので、教会の構造としては当たり前の背面上方のところで演奏するというスタンスにどうも慣れない。

元来クラシック鑑賞というものは、観客の前面に演奏者がいて、その演奏する姿をずっと観ながら音楽を聴いている、というのが自然のスタイルだと思う。

でも教会では、自分の視線の行く場所は、まず祭壇であり、音楽は背中から流れてくる。音楽を聴くときに演奏者が見えない、というのはすごい不安で、今回もしきりに、後ろを振り返っては、前を向きなおすという感じで落着けなかった。やっぱり慣れなのだろう。

トーマス少年合唱団とケヴァントハウス管弦楽団、そしてビラー氏が体調不良で休業状態なので、代行のゴットホルト・シュヴァルツとは言え、トーマスカントールによる指揮。そして聖地のトーマス教会での演奏。

まさに千両役者揃い踏みという感じで今回の旅行で1番盛り上がるメインイベントの演奏会であった。バッハのカンタータの演奏であるが、終始ソリストが前に出て、カントールの横で歌うというスタイルで、素敵な音楽空間を提供してくれた。なによりも自分にとってはじめてのトーマス教会での演奏会であったので、とにかく何事にも変えがたい感動だった、と思う。

特にトーマス少年合唱団のいっせいの声唱部分は、教会内部に響き渡る感じでじつに美しくて感動の賜物であった。

トーマス教会でのコンサート初体験というボーナスもあるからだろうか、自分的にはかなり舞い上がっていたことも事実。自分の座席は祭壇の方を向いているので、背面の方の演奏のほうを常に振り向く感じで、そしてなんかいつも凄いドキドキしていたような感じで、この瞬間よ、いつまでも終わらないでくれ、と想いながら聴いていた。

でもその一方で冷静に分析しながら聴いている自分もいて、通常の演奏会に通って判断するレベルで考えたとき、ケヴァントハウス管の演奏そのものや全体の演奏のクオリティという点からは、そんなに驚くほどのレベルであったとは思えない、と感じたことも事実。

各楽器間のアンサンブルのバランス、全体としての調和も乱れていたところが多々あったし、次々と前で歌うソリスト達の素の才能を引き立てつつ、同時にオケの演奏表現も主張するという程よいバランス感覚を成し得ていたのは、ソプラノ:レグリント ブフラーのときくらいかなぁ、と感じた。オケがすべてのソリストと相性がよかったとは思えなかった。選曲も難しかったのかもしれない。そして自分にとって1番大きな問題なのはオケの音色そのものであった。使用している楽器はモダン楽器ではないと思うのだが、普段古楽を聴きなれていない自分にとってはその音色はどうもピンとこないというか、美しいとは思えなかった。

じつはケヴァントハウス管の来日公演のとき、みなさん絶賛の嵐だったので、自ら日記で公表できなかった手前もあるのだが、そのオケの音色に感心できなかった経緯がある。そのときと全く同じ感覚だったのだ。なんなのだろう?今もって不思議......(でも最終日のケヴァントハウスでの公演は最高でした。)

細かいことを言い出すと、そんな感じで、自分の理想に近い最高の演奏とは言えなかったと思うが、この公演を酷評していた音楽評論家の方もいらっしゃったが、自分はそこまで酷いとは思わなかったし、聖地で聴くことができた公演としては十分満足できた、と思えた公演だった。

何度も言うように、夢のトーマス教会での演奏会、その抑揚感で終始興奮していたことも事実だし(演奏中、夢じゃないか、と思いながらずっとドキドキしていました。)、今度いつ来れるかなど全くわからないし、そういう意味で一生忘れられないコンサートだったと言えると思う。

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バッハフェスティバル No.54
2014/6/18 20:00~ @トーマス教会

J.S.バッハ:泣き、嘆き、悲しみ、おののき
J.S.バッハ:われらあまたの苦難を経て神の御国に入らん
G.P.テレマン:雷神を称えるTWV6:3

ソプラノ:レグリント ブフラー
アルト:アネッテ・マルケルト
テノール:マルティン・ラットケ
バリトン:シュテファン・ゲンツ
バス:マティアス・ヴァイヒェルト
オルガン:ダニエル・バイルシュミット
コーラス:トーマス教会少年合唱団
演奏:ケヴァントハウス管弦楽団
指揮:ゴットホルト・シュヴァルツ

最後にオマケ。
終演後にもう1度、バッハのお墓を撮影しようと思ったら、もうこの有様。(笑)やはり1時間以上も前に到着して、誰もいないホール空間を撮影するという自分のノウハウが正しいことを確信できました。少し垣間見れたバッハのお墓は、観客からのたくさんのお花で、綺麗に着飾っていました。最初の頃の写真とはずいぶんと違います。

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そうしてもうひとつ。終演後に教会でのCD売り場で、少年合唱団の少年が、販売側に回って接客していました。

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トーマスショップ [海外音楽鑑賞旅行]

トーマス教会のバッハ像のある方の正面よりの入り口の近くにトーマスショップというのがある。教会に直結しているショップで、最初は気付かなかったのであるが、今回の演奏会がある日に再び周辺を散策してみると、このショップの存在に気付いた。全身ガラス張りの造りですごいモダンな建物だ。

トーマスショップ

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いわゆるバッハみやげ、というか、観光客相手のトーマス教会に纏わるみやげ品としてバッハのデザインなど絡めた商品のように見受けられた。

それこそ、いろいろな種類のバッハグッズが販売されていて、本当におみやげとしては最適かも?

私も職場へのおみやげとしてなにか考えないといけないのであるが、こういうバッハグッズでもいいだろうか?職場へのおみやげは原則、お菓子などの食べ物類がよいとされているのだが........

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体験!トーマス教会 [海外音楽鑑賞旅行]

いよいよバッハのその後半生を捧げた教会、トーマスカントール(ライプツィヒ教会音楽の統括者)兼オルガン奏者として勤め上げた教会、そしてそのバッハが眠るお墓がある教会、そんなトーマス教会を体験することができた。

トーマス教会

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入り口はバッハ像のある方向の横側の上下2か所と、前面の真正面からの入り口1か所だと思う。私は横側の正面よりの入り口から侵入した。ところが、時間になってこの戸を中から開けようとするのだが、なかなか開かないハプニング。10分くらいすったもんだしてようやく開場。

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そして中に入った時に現れた空間を目の前にして、もうおわかりだろう。 (笑)

自分の感性、意識が逝ってしまう瞬間である。すぐに猛烈な勢いで、まず中の構造を一瞬にして把握する才能が必要。そしてどのような構図、フレーミングでの構成の写真が1番日記で説明するのに適切か、を瞬時に判断するのである。(ひとつの才能ですね。)

トーマス教会の構造は、普通の教会の構造となんら変わりはない。まず正面に祭壇があるのだ。そしてその祭壇の下の方にバッハのお墓があり、そこにバッハは眠っている。そして反対の背面側の上方部に、カントール、オケ、そして合唱団、ソリストなどが演奏するスペースがあるのだ。(パイプオルガンは横側側面にある。)

トーマス教会の場合、その椅子の並び方に特徴があって、前方より後ろ方面の椅子は、いわゆる祭壇を見つめる方向で椅子が並んでいる。ところが前方の方は、椅子が祭壇に対して、横を向いた形で設置されているのだ。

真ん中から祭壇側を観たとき、

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真ん中から背面(演奏)側を観たとき、

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最前列は特別のパイプ椅子で同じように祭壇に対して、横になるように設置されている。

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いわゆるTVなどで放映されるショットというのは、演奏者(背面上方の演奏スペース)を映したいので、この前にある祭壇のところから背面側を映している構図がそれに相当する。

つまりこれだ。

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この天井が赤い枠線のようなもので網目状のデザインになっているのが特徴。美しいというより一種独特な美的センスという特徴的デザイン、という感じがする。

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正面の祭壇のほうを映すと、こんな感じ。

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祭壇をさらに間近で観察すると、

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その下の方に、「洗礼に使われた司祭の器」

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さらにその手前に、バッハのお墓がある。

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教会の両サイドはステンドガラスが間隔ごとに並んでいる。

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このステンドガラスには、いろいろな肖像画などがデザインされていて、それを探し出すのもひとつの楽しみ。私はバッハの肖像画を探したのであるが、これで間違いないだろうか?

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じつに感慨無量であった。いま目の前に展開しているこの空間が、夢にまでみたバッハの聖地である教会空間であるとは! やはりTVで観ていても、実際その空間、空気の凄味はじかに体験してみないとその凄さはわからないだろう。

ガイドブックにはニコライ教会が1番大きいと書いてあるが、自分はまったくそう思わない。やはりトーマス教会のほうが圧倒的に容積は大きい、と思う。ニコライ教会は長方形ではあるものの、立方体に近く、比較的音響的にいい条件であるのに対し、トーマス教会は、縦に長い直方体で、容積はかなり大きい。
これが音響的に、2つの教会の違いを大きく産む原因となると思う。

そのトーマス教会の音響を確認するとき、1番最初に気付いたのは、ニコライ教会のときの礼拝のとき、いわゆるこれぞ教会音響という感じで、無指向、つまり音の出どころがわからない状態、実際は背面の上方で演奏している訳だが、信者の座席で聴いている聴衆からすると、どこから音が鳴っているか、というのが全くわからなくて、まさに圧倒されるその大音量が、シャワーのように天から降ってくるように感じる感覚があった。

ところがトーマス教会ではそれがないのだ。明らかに背面の上方から音が鳴っているということがわかる指向性がある。礼拝の時のパイプオルガンの音色は、ものすごい無指向性だったので、いまはオケ(ケヴァントハウス管)が演奏しているので、そんな無指向にはならないと思い、パイプオルガンで聴いてみたいなぁ、と思っていた。曲の途中で、その念願のパイプオルガンの音色を拝聴することができたが、結果はそんなに無指向に天から降り注いでくるという感覚にはならなかった。(しかもトーマス教会の場合、礼拝の時に気付いたのだが、パイプオルガンは横側の側面にあった。背面にはないのだろうか?)

やっぱり原因のひとつには教会の容積があるのではないのかなぁ、と感じるところがある。

トーマス教会は縦に長い教会。なので、やはり音の流れというのも全座席に均一的にシャワーのように降り注ぐことが難しくて、後方から鳴っているという感覚がわかりやすいのだろう。その点ニコライ教会は立方体のようにコンパクトなサイズなので、それが可能なのだと思った。

また音の響きも、トーマス教会のほうが、ニコライ教会に対して、あくまで幾分だが、響きがドライ、つまり乾燥質な感じでデッド気味に聴こえる。

やはり容積が広いので、反射するための壁が遠く、薄くなり散る感じになるし、壁からの反射音があったとしても、容積が大きいので客席に戻って届くまでには、反射音のエネルギーが減衰してしまうのだと思う。

あと、もうひとつ大きいのは教会内部の壁、天井の装飾デザインがトーマス教会のほうが非常にシンプルだということだ。 こういう反射する壁の面は凹凸があったほうが、反射音が拡散しやすく、煌びやかな高音を得やすいのだ。

だからいまでこそ近代的なホール建築では、ホール側面に意識的に音の拡散用の突起物などを施したデザインにしたりするのが見受けられるが、欧州の昔の建築家は意識していてわかっていたのかどうか知らないが、その突起物に相当するのが、ホールの内装空間を美しく見せるための華美な装飾デザインを施していて、それが同時に煌びやかな響きを得るための拡散効用でもある、というミステリアスな偶然を産んでいるのだ。

なので、思っていたほどに華麗な、これこそザ・教会音響サウンドという感じではなかったが、でも輪郭のくっきりした明晰な直接音はさすがであるし、特にトーマス合唱団の一斉の合唱の部分では、教会の中をこだまするその迫力感はすごいものがある。

でも、しかしである。やはりトーマス教会は特別なのだ。バッハの聖地の教会であり、ライプツィヒの教会音楽を象徴する建物でもある。

やはり体験した時の興奮度がニコライ教会と比較して、天と地ほども全然違う。
トーマス教会の時のほうが、本当に遥かに凄い興奮したのだ。
それだけの説得力というか、威厳というか、ある一種独特のカリスマがある。
そこに自分が立っているだけで、遠いいにしえの世界に誘われるような感覚に陥るような.......

だから単純に内装空間が美しい、音響がいい、というパラメータだけでは評価できない、もっと大きな存在感、凄味がこのトーマス教会にはあるのだ。

やっぱり自分のイメージとは少し違ったけれど、やはり教会音楽の王道の建築物、音響なのだと思う。

この世の中で、最初に音楽というものが生まれたその瞬間が、バッハの時代の礼拝に纏わる教会音楽であったのであれば、やはりここトーマス教会で聴く礼拝、そしてコンサートというものが、教会音楽という分野で最高の位置に相当するポジショニングなのだという想いを新たにした。

終演後の夜景のトーマス教会

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バッハ博物館 [海外音楽鑑賞旅行]

今回、教会やコンサートホールなどバッハゆかりの施設を訪れるに際して、このバッハ博物館はぜひ行かないといけないスポットであった。トーマス教会の真正面にある。2010年に全面改装され、とてもモダンな造りになった。

展示物の概要としては、バッハ時代の楽器とその音色が聴ける部屋、バッハ作品の試聴コーナー、バッハが試奏した最後のオルガンの演奏台、また貴重資料展示室には、バッハ直筆の楽譜などが展示されている。

まず、ここがバッハ博物館の正面入り口。トーマス教会のバッハ像がある方の正面にある。なんか雰囲気が、ザルツブルクのモーツァルトハウスのような感じがする。

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そしてすぐ入ったところに横の入り口にショップ兼チケット売り場があるので、そこで入場券を買う。

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そうすると中庭に出る。その先に展示室がある。

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展示室に入るとバッハの胸像が迎えてくれる。

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このエリアは、バッハが一生涯の中で、どの時期にどの土地でどのような活動をしていたのか、を整理している。

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2Fに上がると、その内容が、電子掲示板のような形で見やすいように展示されている。

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ここはバッハ作品の試聴コーナー。

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Apple MACの製品のタブレットで、HDDに入っているバッハ音楽を聴けるようになっている。

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私は、トン・コープマンのアムステルダム・バロック管弦楽団のカンタータを聴いた。音質は思った以上に良くて、バッハのカンタータをうっとりと聴いているうちに1時間くらいかかってしまった。(^^;;)

そしていよいよバッハの時代の楽器。

チェロなどの低弦楽器

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木管楽器

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ヴァイオリンやヴィオラなどの弦楽器

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そしてバッハが演奏したクラビア

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これはかなり興奮した。バッハの時代の楽器って、もうすでに現在のスタイルとほとんど変わらない、原型がこの時期にすでに完成されていたのだなぁ、と実感。背景には音色が流れており、この時代の楽器の音色だとのこと。

バッハの人生歴史館の中で、当時のトーマス教会の画が描画されている史料。

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バッハの肖像画もある。

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そしていよいよバッハ直筆の楽譜。
なにせ太陽の光に当たるだけや空気に触れているだけでも痛みやすいので、まず暗室の部屋の中で、密閉のガラスの箱の中に入れられて展示されているのだ。

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今回、バッハゆかりの施設でバッハの音楽を聴く、ということだけでも素敵なことであるが、こういうバッハの遺産を拝見するのもとても貴重な時間であった。

ある意味、今回の旅行の隠れた主役でもあったのだ。


バッハフェスティバル No.46 @ニコライ教会 [海外音楽鑑賞旅行]

昨晩、いよいよバッハフェスティバルの公演をニコライ教会にて聴いてきた。素晴らしいコンサートであった。教会でおこなわれるコンサートとしては、最高クラス、自分としては一生忘れられないコンサートになりそうだ。

バッハフェスティバルの最大の魅力というのは、この教会でのコンサートと言えるのではないだろうか。

教会で礼拝の時に音楽に接するというスタイルだったバッハの時代の音楽、そのスタイルを継承しつつ、トーマス教会と並んで二大教会であったこのニコライ教会で当世のバッハの演奏を聴ける.....これがこの音楽祭の最大の魅力と言っていいと思う。

礼拝の時は、後方上方のパイプオルガンのところのスペースで演奏などが行われていたが、コンサートはさすがに違う。祭壇のところのスペースで、いわゆる普通のコンサートと同じように観客の前で行われるのだ。

ニコライ教会の座席には、普通のコンサートホールと同じように列番号と座席番号がついている。
私の座席はここ。柱がジャマという感じもあるが、これで1'stCategoryである。

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夜8時からの公演なので、教会内部も照明がついて、昼間の教会内とはまたちょっと違った神秘的な雰囲気になる。

指揮(チェンバロ)はリチャード・エガー。
最初の2曲はJSバッハとCPEバッハのチェンバロ協奏曲であった。
いかにも古楽という雰囲気で、チェンバロの音色が軽すぎる、軽すぎる!
ちょっと自分にとっては重心が軽すぎる感があって、やや欲求不満気味。
なんと言ってもチェンバロの音がほとんど聴こえない感覚で、弦のほうが厚みがある音で目立っていたくらいですから。まぁ、これがバッハの時代の音楽なんだよなぁ、と思えばわからないでもない。

でもそういうバロック古楽独特の雰囲気が十分醸し出されていた素晴らしい演奏であったことは確かである。

そしてブレーク。

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教会内なので、もちろんドリンクサービスなどない。みんな立っていろいろ歓談する、というスタイル。ちょっと困るのはトイレ。男女共用で1人用のトイレしかなく、並ぶのだが、回転率が悪く、とても休憩時間に間に合わない。結局我慢することになった。

そして後半。モーツァルトの弦楽五重奏曲と交響曲第41番のジュピター。
演奏者もオケのスタイルで配置され、それをリチャード・エルガー氏が指揮する。
これは溜飲を下げた思い、というか、じつに素晴らしいと思った。
全体的にバランスの取れた見事な造型、申し分ない。
すべてにおいて全音均等の輝かしい音響を追求する現代演奏と比べると、どこか”古色蒼然たる”、とも言えるような簡素な音空間。これぞバロック古楽の音色なんだなぁ、と思えることは確かだが、それでも”興奮のつぼ”は現代演奏と全く違わない。特にジュピターは、ご存じあのような曲なので、後半に向けて、どんどんクレッシェンドしていく訳で、その盛り上げ方もオケも十分に把握していて、最後はブラボーがあちらこちらからの大喝采。素晴らしかった。

教会でこのような通常のクラシックコンサートを聴く、という経験は不思議と自分のキャリアの中ではほとんどない。教会音響のすごさを前回説明したが、いざ通常のオケで演奏すると、礼拝のときに感じたような極端な音響ではなく、まぁ残響リッチであることには間違いないのだけれど、いかにも普段聴いているクラシック演奏っぽく聴こえてしまうから、不思議だ。(やっぱりミサのときのパイプオルガンの雰囲気とはちょっと違いますね。)

でも教会でのコンサートは、音色ひとつひとつに美しい余韻が漂うような残像感がついていて、再生空間がより広く感じるし、聴こえてくる音色の佇まいにも立体感を感じてしまう。とてもライブで豊潤な美しい音空間だ。

まぁ敢えて言えば、現代演奏と比較すると重心が軽いかな?と思うところはあった。
普段聴いている演奏からするともう少し重心が低くてもいいような感はある。
でもそれが古楽、バロックの世界と言ってしまえば納得できる、というものだ。
素晴らしい公演だった。

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バッハフェスティバル No.46
2014/6/17 20:00~ ニコライ教会

J.S.バッハ 2台のチェンバロのための協奏曲第2番 ハ長調 BWV1061
C.P.Eバッハ チェンバロとピアノのための二重奏曲変ホ長調 Wq.47
W.A.モーツァルト 弦楽五重奏曲第4番ト短調 K.516
交響曲第41番 ハ長調 K.551 「ジュピター」


この日思いもよらないことが!

教会の入り口のところで、バッハ関連のCDを売っていて、なにか日本人男性の方っぽいなぁ、と思いつつも、私もその横に並んで、どれどれ?とCD類を眺めていたら、その男性の方は、私に「日本人の方ですか?」と聞かれ、「そうです」と答えたら、ご挨拶いただき、「高野です。」というのです。

私はびっくり!あのライプツィヒ・バッハ資料財団 広報官の高野昭夫さんだったのです!!!

高野さんはバッハフェスティバルの日本人で運営委員をやられている方で、私はこのフェスティバルのチケット取りや公演情報などまったく日本ではネットを含め、情報がほとんどない状態でしたので、自分が普段お世話になっている旅行会社経由で、この高野さんに問い合わせして情報を掴んでいたのです。実際このフェステイバルに参加するために、このように高野さんにお世話になっている日本人の方はすごい多いと思います。

そんな高野さんとお会いできるとは!ご挨拶させていただき、ちょっと世間話させていただきました。(高野さんは忙しいので、次々と来る日本人の方とご挨拶していましたが。)

写真は、高野さんがこのCDはいいんだよ~、日本で売ってないし、10EURでは普通買えないですよ、と推薦していただいたCDです。あと名刺もいただきました。(写真上)

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いや~世の中、狭いというか驚くことがおきますねぇ。

そして終演後、出口のところでもらったパンフレット。
なんともう早くも来年2015年のバッハフェスティバルの予定のパンフレットが出来ていました。来年は、2015/6/12~2015/6/21の期間にあるようです。公演内容も中を俯瞰すると決まっている模様です。

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体験!ニコライ教会 [海外音楽鑑賞旅行]

ライプツィヒに到着して1番最初に訪問したバッハゆかりの教会であるニコライ教会を紹介する。

自分がライプツィヒに到着した時、なにせはじめての街なので、どこをきっかけに制覇していくか、と考えたときに、なにかひとつの目印になる施設を見つけて、そこから広げていくのが良い、と思った。また初日は朝の9時半から、このニコライ教会でカンタータ礼拝があるので、いずれにせよ最初のターゲットの施設だった。

またトーマス教会やライプツィヒ ケヴァントハウスなども、このニコライ教会とある通り(Grimmaische通り)沿いにほぼ横一線に並んでいて、この教会さえ押さえれば、いろいろバッハゆかりの施設につながると思ったのである。

またホテルは中央駅の近くなので、そこからニコライ通りをまっすぐ歩けば、この教会に辿りつくので、そういう面でも便利な立地の教会であった。

ニコライ教会は、街の中に埋没している感じの立地状態で、狭い街中のとある一角にある。

ニコライ教会

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ライプツィヒで1番大きな教会でもある。(自分は観た感じ、トーマス教会のほうが大きく感じる。)

内装空間は異様なまでに美しく、内部はシュロの木木形の柱と天井が印象的で、明るく華やいだ雰囲気だ。なんと美しい配色の教会であることだろう!柱の上部のエメラルドグリーン、その華麗な空間デザインに圧倒された。

内装空間

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天井の美しい模様

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パイプオルガン、指揮者、オケ、ソプラノ、合唱団など背面上方にある。

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パイプオルガンは背面後方の上方にあり、下からはよく見えなかったのであるが、かなり広いスペースを持っているように思えた。礼拝のときは。このエリアにオケと指揮者、そしてソプラノ、合唱団がいっせいに入るようになっている。

6/19のこの教会でのバッハフェスティバルで、座席が3Fであったので、このスペースの撮影を試みたところ、意外やそんなに広いスペースでもなかった。

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音響はいわずもがな、まさに教会音響そのもの。すごい空間が広く、残響時間もおそろしく長い。

響き過多なので、音像が奥に引っ込んで滲んでしまう感じも抱いてしまうが、まったくそんなこともなし。原音の輪郭もシャープで明晰。音像がくっきりでいながら響きがライブというのは、まさにオーディオをやる者にとって理想形ではないか!音像(音のフォーカス)と音場(響き)の関係はトレードオフなのだから。

パイプオルガンやオケの演奏、そしてソプラノの声がいっせいに鳴ると、まさに大空間の中で音が鳴っている感じで上方からシャワーのように降り注いでくるその感覚はすごい圧迫感だ。

これは後日の投稿で詳しく述べたいが、ニコライ教会の音響の特徴は、音の出どころがわかりにくい、ということ。音源の場所が決まっているにも関わらず、どこから鳴っているのかわからない状態で、無指向のように教会上部から降り注いでくるように感じる。自分の周りを包み込むように降り注いでくるというか。

教会は天(神)から音がそそがれるように設計されている、という理論がそのままあてはまる。こういう教会音響は、やっぱりその場で実体験してみないと、その凄さってわからないと思うなぁ。その後、本丸のトーマス教会も経験したのだが、自分の好みとしては、こちらのニコライ教会のほうがずっと好みの音響であった。

このニコライ教会は、鐘の音が頻繁に鳴っていて街の中をその音色を伝えている。これがなんとも言えないくらいロマンティックなのだ。(これはトーマス教会にも言えること。)

この教会で月曜日ごとにおこなわれていた祈祷集会が民主化要求デモへと発展し、1989年のベルリンの壁の崩壊の大きな1歩となった、そんな重要ポジションにあった教会なのだ。


プッチーニ歌劇 「トゥーランドット」@ドレスデン・ゼンパーオパー [海外音楽鑑賞旅行]

念願のドレスデン・ゼンパーオパーで観劇することになったプッチーニのオペラのトゥーランドット。
結論からすると、ちょっと期待外れの感がある辛口のコメントになりそうだ。

中国の北京を舞台にしたスケールの大きいグランド・オペラなのだが、今回は、現代読み替え版という感じ。というよりは、イタリア語はわからないし、ドイツ語の字幕もわからないけれど、キャラクターの存在や、筋書き自体は、まったく従来解釈と変わらなくて、衣装などの時代考証が、現代風なのかな?と思った。

舞台芸術には、まったくお金をかけていなくて、舞台装置などほとんど存在しない安上がりなもの。舞台後方に大きなスクリーンが設置されていて、CG描画することで、効果を出すという今風な演出でもあった。

その舞台装置であるが、「?」というマークが、ひとつのキーになっていて、最初の何を意味するのか、理解できなかったのであるが、途中で「トゥーランドットが出す3つの謎」、「カラフの名前の謎」、その部分を代弁しているのが、この舞台装置の意味するところなのだと、自分で理解した。

カラフがトゥーランドットが出す3つの謎を解いたときに、この「?」が「!」に変わったりするところなど、全般的な印象からすると、表現が悪くて申し訳ないのだが、チープな感覚が伴う演出のオペラを見せられているような感じがしないでもなかった。

演出家は、アンドレアス・ホモキ。SNSの友人の話では、舞台にお金をかけない、そして変な演出ということで、彼の演出するオペラはみんなそのような傾向にあり、有名な要注意演出家なのだそうだ。(笑)


また最初の後方のスクリーンで描画されたCGのトゥーランドット姫は後姿から前に向く感じで、まさに絶世の美女という筋書き通りなのであるが、途中から実者として出てくる姫は、相当の肥満体質の女性歌手で、一気にトゥーランドット姫のイメージが崩れ去ってしまった。(苦笑)

でもトゥーランドット、カラフ、そしてリューの3人の声質、声量は本物。
声の張りだし感など白眉で、とくにトゥーランドットを演じたガルシアは、信じられないくらいの突き抜けるような高音で、その高音で強唱のときに決して耳にキツク感じることがなくて、じつに素晴らしい素晴らしい声量、あまりの迫力で驚いてしまった。カラフ役のテノールも安定感ある高音でじつに素晴らしい。あの名アリア「誰も寝てはならぬ」はじつに美しく、
素晴らしい名唱であった。

現代のプッチーニのこのオペラは、第3幕ラストのトゥーランドットとカラフの二重唱からは、プッチーニが残したスケッチを弟子のアルファーノが補筆し完成させたもの。

でも今回はプッチーニが死んでそこまでした完成できなかったその二重唱の前のリューの死の場面が終わるところで終演であった。

歌手たちの声が素晴らしく、聴いていてストレスがないのが救いであったが、全体から受ける印象が、やはりチープ感が否めなく、せっかくドレスデン・ゼンパーオパーで観るのだから、自分としてはもうちょっと豪華な演出で見たいとも思った印象であった。

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プッチーニ歌劇「トゥーランドット」
2014/6/16  19:30~ ドレスデン・ゼンパーオパー

トゥーランドット(ソプラノ):ルクレシア・ガルシア
カラフ(テノール):マルコ・ベルティ
リュー(ソプラノ):マージョリー・オーウェンズ 他

指揮:ピエール・ジョルジョ・モランディ
管弦楽:シュタッツカペレ・ドレスデン


体験!ドレスデン・ゼンパーオパー(ザクセン州立歌劇場) [海外音楽鑑賞旅行]

ライプツィヒ到着から2日滞在して、その後にドレスデンに移動する。ドレスデンは、ライプツィヒから列車で1時間半くらいの近距離にある。

ドレスデンに来た理由は、もちろんこのオペラハウスを体験したいから。ヨーロッパ屈指の歌劇場であり、ワーグナーの「さまよえるオランダ人」や「タンホイザー」の初演された歌劇場としても有名だ。初代音楽監督はウェーバーで、館内にはその頭像が飾られていた。

火災や戦災などで瓦礫の山だったのが、戦後40年にもわたり再建作業が進んでいき、完成したのが1985年だという。

中央駅からずっとエルベ川に向かって、南下していき、そのエルベ川沿いの広場に立っている。周りは、ドレスデン城やカトリック旧宮廷教会などがひしめいている場所で、この広場に立っていると、ちょっとした、これぞドレスデンの街を代表する景観なのだなぁ、と感じるスポットだ。

ドレスデン・ゼンパオパー(ザクセン州立歌劇場)
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横から見ると.....

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さっそく中に入ってみると、とても素敵なフロントエリアが登場する。

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さらにその中に入っていくとチケット発売所やクロークなどがある。

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そしてエリアは、左右に分かれるように分岐していて、それぞれの方向に階段を登っていくとホールの中に入る扉がある。2階に上がると、その左右のエリアは、吹き抜けの構造になっている休憩場所が現れて、これもなんとも美しい華美な空間デザインだ。

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そして真ん中には、ドリンク休憩場所があり、ここも本当にため息が出るほどの華美な空間で、天井画、壁画などで覆われている贅沢な空間だ。

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さて、さっそくホールの中に入る。
入った瞬間、ご存じのように自分の性格から逝ってしまう感覚はおわかりだろう。(笑)

まず最初に抱いた印象は、キャパが思っていたほど広くないというか、妙にコンパクトな感じの佇まいのように感じた。
上下の方向には5階だが、でもそれなりの威圧感がある。
ステージの広さもさほど大きくないと思う。
もちろん馬蹄型のホールで、そのシルエットはじつに美しい。
ステージの幕にも華麗な装飾画が施されていて、これまた美しい。


自分の色彩感覚からすると、たとえばパリ・オペラ座のガルニエにあるようなキラキラした荘厳華美な色彩空間ではなくて、もっとしっとりとしているというか、色の使い方が東欧の隠美な感覚を思い起こすような色合い感で、精神上すごい落着きがある感じ、だけど彫刻や壁画などは凝った美しさ、そんなアンバランスさが同居している感じがする。

本当に美しい空間だ。

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さて、音響の方であるが、今回の自分の座席は、なんと前列3列目のど真ん中センターというすごい場所。ピットのすぐ傍ということで、オペラハウスでは不利な音響も、ものの見事にクリア。

自分の座席から観たステージ。ステージのど真ん中の前の席!素晴らしい!

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ピット

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常々思っていることなのだが、オペラというのは、演出、舞台芸術、衣装、そして歌手たちの声質、声量、そして演技などいろいろな評価パラメータがあってそれの総合芸術で評価、成り立っているものなのだ。

だから音響だけで突出して良いということはありえず、ピットに入っているので、音の流れから観客席のほうにはいかない訳だからもう最初からある程度の犠牲は覚悟しないといけないものなのだ。

でもピットの近くだとオケの直接音もばっちりで、じつに迫力があって素晴らしかった。

また、人間の声というのは、楽器のピアノと同じで、すごい指向性がある。だから自分の好みとしては、歌手たちを見たいのと、声を楽しみたい、ということから平土間が結構好きだ。(それもピットに近いところ)あるいは左右のボックス席か、上方に向かって流れるピットのオケの音もくっきり聴こえ、歌手たちの声も綺麗に分離して聴こえるはずだ。

上階席だと音が上に上がってくれるホールだといいのだが、広いオペラハウスや、上階席にはうっすらPAをかけるオペラハウスも多い。でもここはPAは使っていないと思う。

自分の座席で聴いた分には、オケの音も直接音主体なのだが、すごい音の輪郭、縁取りが明確で、くっきり明晰な音だと思った。 なによりも音の迫力がある。またシュタッツカペレ・ドレスデンのオケがウマすぎで、名指しで悪いが新国の東京フィルとはやっぱり違うな、とも思ってしまった。
歌手の声もダイレクトに聴こえてきて、じつに響き渡るという感じで、素晴らしい感がある。

欲を言えば、上階席などのボックス席でどのように聴こえるのか、今度挑戦してみたい気がする。

かねてからの憧れのオペラハウスであったので、本当に夢午後地のような瞬間であった。

終演後のゼンパーオパー(夜の21時半)。ライトアップされてじつに美しい。
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体験!ライプツィヒ・ケヴァントハウス 室内楽ホール(メンデルスゾーン・ザール) [海外音楽鑑賞旅行]

到着の翌日はライプツィヒの土地勘を養うために、バッハゆかりの施設をいろいろ散策してきた。初日にして、ほぼ街の造りが理解できた感じ。公演の方は、ニコライ教会で礼拝の体験、そしてライプツィヒ ケヴァントハウスの室内楽ホール(メンデルスゾーン・ザール)のほうで2公演聴いてきた。その室内楽コンサートのご報告。

ライプツィヒ・ケヴァントハウス

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こういう横方向から観た写真は、普通ないのではないか?(笑) 本日撮影してきました。

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まず室内楽ホール。正面の入り口は大ホールへのホワイエ空間になっているのだが、室内楽ホールはその建物の右側横に別に入り口があって、そこから奥に進んでいくとホワイエがある。真ん中にメンデルスゾーンの彫刻が立っている。

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メンデルスゾーン像

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ホール空間は、意外と地味な内装デザインであった。一見なにげなさそうに見えるのだけれど、じつはいろいろな音響上の工夫がされているのだ。 まずステージ背面の幕。あきらかにオーディオルームと同じ吸音効果を狙ったもの。
SNSのホール設計者関連の友人から、このステージの背後のカーテンは音響的にダメというダメだしをもらった。コンサートホールの場合、ステージ廻りは反射系でないと、というご意見だ。

いわゆるコンサートのステージの発音体側は拡散ライブ中心、でも再生中心のオーディオルームでは仮想空間を造らねばならないのでスピーカーのエネルギーをスポイルしない程度の吸音素材をスピーカーのセンターに設置するのがよいそうで、必ずしもオーディオルームの空間でのルームチューニングとコンサートホールでの音響設定とは同一の考え方を当てはめるのは無理があるようだ。オーディオルームのようにコンサートホールにも吸音という発想があるのかどうか大いに興味のあるところだ。
 
そしてホールの側面に、装飾デザインとも思える突起物があるのだが、これはただの装飾デザインではなくて、反射音の向きなどを調整しているように思える。(いわゆる音の拡散)その場所、場所に応じて、突起物の表面の傾斜などが違うのだ。

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このように工夫されている割には、今日聴いたサウンドは、かなりデッドな感覚であった。(苦笑) いわゆるふっと浮かび上がるようなステージ感というのも乏しいし、また響きの余韻、残像感というのも不足している。もうちょっとライブでもいいと思うのだ。ひょっとしたら古楽器を利用しているせいだろうか?

コンサートの方は、昼間と夜の2公演を聴いた。
昼間は観客もめっぽう少なく、観客の洋服もラフな人が多かったので、自分も夜はそんな感じで行ったのだが、大失敗。(笑) 夜になると、途端にみんなドレスコードがかなりフォーマルで、観客もほぼ満席であった。少し恥ずかしい想いをしてしまった。

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夜のコンサートは、R.シュトラウス生誕150周年を記念した公演で、とても魅力的な作品が演奏されていた。やはり室内楽って素敵だ。室内楽独特の各楽器のこまやかなフレージングやニュアンスが手にとるように 感じられたのがすごく印象的であった。

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ライプツィヒはバッハの街 [海外音楽鑑賞旅行]

今週はバッハフェスティバルの真っ最中ということで、街中のいたるところで、”BACHFEST 13-22.JUNI 2014”という横断幕が掲げられていたり、またバッハの肖像画の壁への立てかけや旗があったり、否が応でも、ここバッハの息づく街で、音楽祭真っ盛りという盛り上がりである。

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バッハの時代というのは、まさにコンサートや演奏会などがなかった、つまり音楽というスタイルがこの世に形づいたその先駆けの時代。

その頃の時代の正式な音楽の催しというのは、いわゆる教会の礼拝のための音楽。バッハの音楽というのは、その教会音楽であり、そこにバッハゆかりの施設というのが存在する。

日曜日と祝日ごとに教会で演奏される礼拝音楽は、ライプツィヒ市民の楽しみでもあった。「カンタータ」や「受難曲」に代表される、さまざまな種類の礼拝音楽の作曲と演奏は、「トーマスカントール」と呼ばれる地位にある音楽家のつとめなのだが、「トーマスカントール」は同時に、ライプツィヒの市の音楽監督を兼ねる、ライプツィヒ音楽界の頂点であり、ドイツ全土でも指折りの名誉ある職とされていたのだ。 

トーマスカントールの音楽の面での最大の仕事は、ライプツィヒの主要教会(トーマス教会&ニコライ教会)における礼拝用の音楽を作曲し、上演すること。

ライプツィヒでは、日曜日と祝日に、礼拝に際してオーケストラ付きのカンタータが、2つの主要教会、トーマス教会とニコライ教会で交互に演奏されることになっていて、トーマスカントールは、その作曲から練習、上演までを担当することになっていたのである。

そんなバッハがトーマスカントールとしてその後半の人生を捧げたのが、トーマス教会。まさにバッハの聖地である。我々の世代での呼称では「聖トーマス教会」という呼び方が一般的だと思うのだが、現在では「聖」を取る呼び方のほうが通常のようで「トーマス教会」という呼び方が多く散見される。詳しいその由縁はわからないが、今後はこの呼び方で統一する。

いまでこそ、教会でクラシックを演奏するということはどこでも一般的なことかもしれないけれど、まさにこのトーマス教会でのクラシック演奏こそ、教会音楽の頂点というか、ここにその教会音楽のルーツがあると思うのだ。

まずそのトーマス教会から。

街の中では、トーマス教会、ニコライ教会、ライプツィヒ ケヴァントハウスは通りとしては横一線に並んでいる感じで、私はホテルからは、中央駅を経由してニコライ通りをずっと進んでいき、ニコライ教会に到達してから、この横一線のトーマス教会やケヴァントハウスを訪問していた。

トーマス教会

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この建物がはじめて目の前に現れたときは、正直すごい興奮した!
なんと表現したらいいのだろう! まさに教会音楽のルーツ、バッハの聖地がここにあり、それを実際目の前にしているその興奮はおわかりになるだろうか?

こちらはトーマス教会の前に建っているバッハ像の方から眺めたトーマス教会。

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そしてバッハ像。
昼間は、ここに観光客がたむろっていて、写真撮影などをしていた。

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この写真撮影をしている間でも、教会の中からパイプオルガンの音色が、まさに地響きがなるような感じで漏れ聴こえてくるので、すごい興奮だった。 残念ながら、フェスティバル期間中なので、日中はリハーサル練習で中の公開はなかった。 当日の公演まで我慢しないといけない。中の様子は、公演日の時に改めて体験することになった。

このトーマス教会に直結する形で、全面ガラス張りのモダンなショップがある。
トーマスショップといわれるもの。いわゆるバッハみやげなどの観光客目当ての商品でバッハのデザインを絡めたものなど、いろいろなバッハグッズが売られている。この街のバッハビジネスの一環であろう。

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そして、このトーマス教会と並んで、その礼拝音楽が演奏されていたもうひとつの教会が、こちらのニコライ教会。

ニコライ教会

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今回の鑑賞演奏会のトップバッターが、この教会でのカンタータ礼拝だったので、ひとまずお先に内装空間を経験することができた。

ニコライ教会の内装空間

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なんと美しい配色の教会であることだろう!柱の上部のエメラルドグリーン、その華麗な空間デザインに圧倒された。オケや合唱団、ソリストたちは教会の背面後部の上段のほうのパイプオルガンのところにいっせいにいる感じで、そこから音楽が流れてくる。

指揮者とソプラノが見える。

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トーマス教会の周辺というのは、いわゆる観光客目当てのバッハ関連の施設が目白押しなのだ。
トーマス教会の真正面(バッハ像のある方)には、バッハ博物館がある。
バッハ時代の楽器と、その音色が聴ける部屋、バッハ作品の試聴コーナー、バッハが試奏した最後のオルガンの演奏台、また貴重資料展示室には、バッハ直筆の楽譜などが展示されている。

今回は時間がないので、中は見学しなかったが、後日紹介する。

バッハ博物館

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そしてもうひとつこのバッハフェスティバルで大きな演奏会場になるのが、ライプツィヒ ケヴァントハウス。
世界最古のオーケストラ、ライプツィヒ ケヴァントハウス管弦楽団の本拠地である。
コンサートホール形状は大ホールはワインヤード形式のホール。

ライプツィヒ ケヴァントハウス

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ホワイエは、ベルリンフィルハーモニーを思い起こさせる幾何学的なデザイン。

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大きな芸術的な奇抜なデザイン画が印象だ。

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大ホールと室内楽ホール(メンデルスゾーン・ザール)を体験できた。

大ホール

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室内楽ホール(メンデルスゾーン・ザール)

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大ホールは、ワインヤード形式ながら非常に音響にこだわった工夫が各所でされており、音響はじつに素晴しいと感じた。室内楽ホールは、ややデッドな音響で、ホール自体にはいろいろ工夫されいてる割には、その音色はあまり感心しなかった。

トーマス教会の斜めの方向に、マルクトという広場があって、ここがライプツィヒのいわゆる顔、中心のようである。
ここには初日に訪れたときは特設野外会場があって、ステージ背面にはバッハの幕がかけられている。
バッハフェスト関連のイベントなのであろう。

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そしてその付近にはこんな掲示板が。

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最後にご紹介するのが、トーマス教会のすぐ傍にあるカンドラーというカフェ。

カフェ「カンドラー」

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店内

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基本はコーヒーとケーキが中心。
ケーキはこんな感じでウィンドウに展示されている。

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ここで注文したのが「バッハトルテ」というチョコレートケーキ。
観光客相手のいわゆるひとつのバッハ関連商品だと思うのだが、なかなか普通のチョコレートケーキではあるものの美味しかった。

バッハトルテ

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このような感じで、ライプツィヒ初日は、バッハゆかりの施設をかいつまんで散策するというように決めていたので、このようなラインナップとなった。後日、バッハとは関係ないいわゆる「ライプツィヒの街の景観」という形で他の部分も紹介していきたい、と思う。

いよいよバッハの息づく街でゆかりの施設を訪問する旅の始まりである。


2014年の海外音楽鑑賞旅行は、ライプツィヒとドレスデンに行ってきます! [海外音楽鑑賞旅行]

来週の6/14~6/22の1週間、ライプツィヒとドレスデンに行ってまいります。年に1回実行する今年の海外音楽鑑賞旅行です。この期間に開催されるバッハ音楽祭(バッハフェスティバル)に参加する予定です。

本当は、今年はGWにウィーン&リンツに行く予定だったのですが、仕事の関係上行けなくなり、急遽その翌年に実行する今回の予定を繰り上げました。

以前にもお話ししましたが、自分にとって、ライプツィヒのトーマス教会でマタイ受難曲を聴くのがひとつの永遠の夢だったのと、かねてからこの音楽...
祭に行ってみたい積年の想いがあって実行に移しました。今年のこの音楽祭のテーマはC.P.Eバッハのようでして、残念ながらマタイを聴くことはできませんでしたが、でもいろいろな経験ができそうで本当に楽しみ。(マタイはやっぱり復活祭のシーズンですかね?)

休める期間が上述の1週間だけですので、オープニングやファイナルの「ロ短調ミサ」はぎりぎり聴けないけれど、でもまぁそれなりにいい公演が組めたのではないか、と思います。

公演は、トーマス教会、聖ニコライ教会(×2公演)、そしてケヴァントハウス大ホール(フェスティバルの一環の公演だと聞きました。)になります。たぶん1番今回の最高潮のときと思えるのがトーマス教会の公演。

トーマスカントールのビラー氏の指揮、トーマス少年合唱団、ケヴァントハウス管弦楽団で、まさにバッハの聖地のトーマス教会で、カンタータという最高の組み合わせで聴けるのですから。たぶんこのとき号泣でしょう。(笑)
 (ところがビラー氏はずっと体調不良で新年度まで休業だそうで、カントール代行にゴットホルト・シュヴァルツ氏なのだそうです。)

ケヴァントハウス大ホールでは、鈴木雅明氏の指揮、ケヴァントハウス管弦楽団で、ハイドンのオラトリオを聴きます。
このバッハフェスティバルの他に、ケヴァントハウスの室内楽ホールも経験したい、ということで、室内楽コンサート、R.シュトラウス生誕150周年特別演奏会など2日入れました。これもすごく楽しみ。(*^^*)

日程の大半はライプツィヒに滞在しますが、1日半だけドレスデンに移動。
目的は、もちろんドレスデンゼンパーオーパーを体験すること。本当に外観、内装空間の美しいホールで、音響もよさそうだし、最高に楽しみなホール。ここではトゥーランドットを鑑賞します。

こうやってコンテンツもホントに最高なのですが、やっぱりハコフェチ(^^;;)なので、今回経験する一連のホールを体験できるのが最高に興奮といったところでしょうか。(笑)内装の空間のありよう、そして音響など、じっくり自分の物差しで鑑賞したいですね。

今回残念だったのは、ドレスデンにある教会で、名盤生産基地、とりわけシュターツカペレ・ドレスデンのセッション本拠地として有名だった聖ルカ教会を経験できなかったこと。演奏会、ミサ以外にはオープンしていないんだそうです。ちょうど私の滞在期間にはマッチしませんでした。2005年に指揮者サロネンがピア ニストのエレーヌ・グリモーとのシューマンのピアノ協奏曲のレコーディングにこの聖ルカ教会を使用しており、今だに現役のセッション会場である事が判明していて、ぜひその音響を確認してみたかったのですが、本当に残念至極。

あと、もうひとつすごく楽しみなのは、ライプツィヒ到着翌日の日曜日の早朝に聖ニコライ教会でのカンタータ礼拝,そして20日にもトーマス教会にてモテット・カンタータ演奏会(礼拝形式)に参加しようと思っているところ。

礼拝の中でカンタータを体験するというのは、まさにバッハの時代の音楽の場をそのまま体験できる貴重な体験。仰る通り今回の旅行の中である意味1番感動できる瞬間かも?ですね。

バッハゆかりの地ということで、いろいろ観光できるところがたくさんあるのでしょうけれど、なにせ「にわかバッハ・ファン」ですので(笑)、そんなに専門的なところは廻れないと思うし、まぁライプツィヒ・ドレスデンを普通に散策する程度、ガイドブックに掲載されているところ程度になると思いますけど、それでも自分には十分楽しめそうです。

なによりも、コンテンツよりハコ(ホール)に興味を持ってしまう自分にとって、去年ザルツブルクを経験したことでモーツァルトという作曲家に対する知欲、情感が豊かになったような気がして、クラシックの原点である作曲家に対する見識を深めたい、そんな想いのたけが、今回の旅行には詰まっているのです。

グルメもぜひ期待したいところですけれど、ライプツィヒ・ドレスデン両方ともレストランやカフェが少ないんですよね。ザクセン郷土料理というものでしょうか......
 
旅行にはつねにいろいろなハプニングがありますが、果たして今回もどんな旅行になるのでしょうか?いまからワクワク楽しみー。(*^^*)

でも、よく考えたらこの時期、世界中、サッカーW杯で一色なんだろうなぁ、くっそぉ~(>_<)。
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帰国 [海外音楽鑑賞旅行]

今ツアー最後のオオトリの公演であるドン・カルロの終演が23:30。そこから遠いホテルまで20分強かけて歩いて帰ってホテル着が0:00過ぎ。そこから急いで帰国の準備のパッキング。就寝は2:00過ぎだろうか......コンサートの余韻で興奮してよく眠れなかった。

そしてホテルからザルツブルク空港へタクシーで出発。

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ザルツブルク空港から、ウィーン空港まで行き、ウィーン経由で成田へ向かう。

乗り換え空港のウィーン空港。

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成田へ向かう機内の中で、今回のルツェルン、ザルツブルク音楽祭の一連のツアーを回想する。やっぱりまだ興奮冷めやらずの状態。これだけ素晴らしい体験ができて、本当に社会復帰できるのだろうか?会社に無理を言って18連休を取って臨んだツアーだったけれど、それは逆を言えばもうこんな無理なお願いは2度とできないということでもある。また今回のツアーにかかった費用は、これはこれは大変な額であった。毎年1回は海外音楽鑑賞旅行を実行したい、と思っている自分にとって、毎年かけられる予算額というのは決まっていて、今回はその額を大幅にオーバーする状態だったのだ。なんといってもやっぱり音楽祭はレギュラーシーズンと違ってチケット代がベラボーに高い。これがスゴイ負担であった。そのほか諸々、今回のツアーならではの出費がいっぱいあった。おかげで来年にかけられる予算が大幅に削減されることになってしまい、来年はすごくコンパクトな旅行になってしまう。(><;;)

だが、しかしだ!そこまでして大出費しても、今回のこの素晴らしい想い出、体験はそれだけの出費に見合う実に素晴らしいものだった!まったく後悔していない。これだけのお金がかかってもそれに見合うだけの素晴らしい内容だった、と断言できるのだ!本当に最高の体験だった!これだけの大感動を得られて、しかもかなりの大出費、やっぱりサラリーマン現役の間ではヨーロッパの夏の音楽祭は今回が最後になるかな?という感じ。でもわかりませんよ!(笑)あまりに素晴らしかったので、もう1回体験したい、となってしまうかも?そのときは、なんとか工面しますよ。(笑)

ルツェルン、ザルツブルクそれぞれに異なった魅力のある街、本当に素晴らしかった。特にザルツブルクは、高級感というよりは、小洒落た感じの可愛らしい街の景観で、女性の方に人気があるのがよくわかるような気がします。リピーターとなって毎年通ってしまうその魅力、男性の私でも十分わかるようなそんな素敵な街ですね。

最後に、今回の一大旅行ツアー、1年かけて準備してきましたが、その準備をいっしょに手伝ってくれた旅行会社のご担当の方含め本当に感謝の意を表明したい、と思います。このような本当に素晴らしい旅行が出来たのも、手配、準備をしていただいたその努力に対する大いなる成功結果なのだと思うのです。どうもありがとうございました。来年もまたよろしくお願い申し上げます!

そして帰国。

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やっぱり日本人はこっちなのよねぇ~。飲めないけどオイシー。


ザルツブルク音楽祭 ドン・カルロ [海外音楽鑑賞旅行]

もうNHKプレミアムシアターで放映されてご覧になったことも多いと思われるザルツブルク音楽祭のドン・カルロ。今回の私の音楽祭ツアーのオオトリの公演で、おそらく自分の鑑賞人生の中で最もチケット入手に苦労した公演で、いざ実演に接したときは、なんとも言えない感慨無量の感があった。

毎年開催されるザルツブルク音楽祭は、どの公演が完売のプレミア公演になるか予想するのが難しい、という。 大体前の年の10月に公演内容が公表されるのだが、そのときに歌手の名前を見て、大体この公演が人気でそうだ、という予想はできるけど、実際争奪戦が始まったときに、毎年どの公演が完売公演になるのか、という事実は、予想するのは難しく、やってみないとわからない、ということらしい。

完売公演は、代理店経由でプレミア付きのお値段のお高いチケットになって購入する以外に方法はない。

今年のザルツブルク音楽祭の完売公演は、人気テノール歌手カウフマン演じるヴエルディのオペラ「ドン・カルロ」であった。 この公演の人気はすざましいものがあり、いつ調べてもこの公演だけはSOLD OUTの表示。普通はプレミア付きでも必ず出てくるものなのだが、このチケットはなかなか出てこなかった。

1度キャンセル待ちでゲットするチャンスがあったのだが、オペラ1公演観るのにここまでお金払えるか!というくらいの凄いプレミア高値チケット。グズグズしている間に他の客に持って行かれてしまった。(><;;)

本当にギリギリの直前、確か渡航1週間前に、FBの友人の代理店経由でダメ元でオーダーしたころ、なんとその2時間後というスピードで、偶然ザルツブルクの有名チケット業者に出ているのを情報キャッチ。奇跡的に手配できたのだ。もちろん現地での受け取りだ。 ここに至るまで、本当に右折曲折があったので、そんな想いをして入手したチケットなので、本当に実演に接したときなんともいえない感動であった。

今回の私の座席
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このオペラは4幕構成が通常なのだが、今回の公演は5幕構成であった。フォンテンブローの森の部分が1幕として演奏されていた。確かにこの方が全体のストーリーは判り易くてよい。

あの横に異常に広い祝祭大劇場のステージを持て余すような感じで、全幕を通して意外に質素な舞台装置。このドン・カルロを観たとき、今回つくづく思うこと、それは祝祭大劇場は、やっぱりオペラが花形だなぁ、この広大なステージを舞台演出に十分に利用したら、これは本当にすごい劇空間になるなぁ、ということを再認識させられたものだった。
 
4幕のフィリッポ国王が王妃エリザベッタから本当に愛されていないことを感じ、孤独を嘆くアリアなどは、ステージの2/3を幕で覆って、残りの1/3のスペースで演じていたぐらいだ。

衣装デザインは、衣装も含めてステージ全体をつかさどる色合いが寒色系のダークネスという感じでまとめられていて、とても格好がいい。決して明るいストーリーとは言えない、はっきり言うと暗いとも言える筋書きのこの歌劇にぴったり、その雰囲気がフィットしているような感じがした。

ペーター・シュタインの演出はオーソドックスで読み替えは一切なし。王道の従来路線の演出で素晴らしかった。
 
だとしたら、今回こんなに人気が出たのは、やっぱりタイトル・ロールをつとめたカウフマン人気なのかな、と思う訳だ。確かに切れ味鋭いマスクで容姿もカッコいい。声も確かに美声だ。このカウフマンの好調ぶりは確かに際立っていた。持ち味の美声に加えて巧みな演技で5時間に及ぶ長丁場をこなし、同役の第一人者の存在感を示していたと思う。
 
カウフマンはよくベルリンフィルハーモニーでのベルリンフィルの公演で呼ばれて、その声をTV越しによく聴いていたので、いい印象だったが、実際オペラ公演を観たのは今回がはじめて。なかなか日本には来てくれない歌手で、こちらから現地に会いにいかないと直接その生声を聴くことのできない歌手の代表格だろう。ぜひ日本にも来てほしいものだ。
 

このオペラは、タイトルロールのドン・カルロ以外にも、主役と言っていい役がたくさんいて、実際ドン・カルロもそんなに出ずっぱりという訳でもなく、むしろ主役にしては出番が少ないくらい。ロドリーゴをはじめ、エリザベッタ、エボリの女性陣、など、今回みんな主役級の主張する素晴しい声を持った歌手達が多く、そういったすごい歌い手達が集まって競演される豪華なオペラで、じつに素晴らしかった。
 
特に、競演の大事な役割であるロドリーゴ役のハンプソンがすごい声質、声量の持ち主で、主張する声だったので、競演するシーンが多いカウフマンと、どうしても比較してしまい、カウフマンより目立っていた感もあるくらいだ。ハンプソンは以前にも、このロドリーゴ役を演じており、彼の当たり役だそうで、納得いく感じだ。

今回蒼蒼たるこの歌声の競演、そしてこれぞ!本格派のヴェルディのオペラ!、今年のザルツブルク音楽祭のNo.1の超人気公演を生で観ることができて、しかもチケット入手にこんなに苦労させられて(苦笑).....もう一生忘れられない想い出になるな、という感じ。

終演のときは、これですべてが終わった...という感じ。

たぶん夏の音楽祭は今回が現役では最後で、あとはリタイア後のつもり。でもひょっとしたら今回のこの感動が忘れなくて心変わりするかもしれません。(笑)夏の音楽祭は、レギューラーシーズンと違って、社交場というか華がある。一種独特の雰囲気があって、まさにこれを18日間という長期間、たっぷりと浸かって、まさに命の洗濯。本当に貴重な経験でした。

 
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ザルツブルク音楽祭2013 ドン・カルロ

8月25日18:00~ザルツブルク祝祭大劇場
指揮:アントニオ・パッパーノ
演出:ペーター・シュタイン
フィリッポ2世:マッティ・サルミネン
ドン・カルロ:ヨナス・カウフマン
エリザベッタ:アニア・ハルテロス
ロドリーゴ:トマス・ハンプソン
エボリ公女:エカテリーナ・セメンチュク
宗教裁判長:エリック・ハルファーソン
合唱団:ウィーン国立歌劇場合唱団
管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 


ザルツブルクでの自分の背丈にあったレストラン選び [海外音楽鑑賞旅行]

ザルツブルクに来た当初は、アルト・ザルツブルクやゴルデナー・ヒルシュなどの高級レストランも経験ということでチャレンジしてみたが、やはり高級レストランなので毎日の食事処として使うという気軽さがなくて厳しいものがある。 1週間、長期滞在すると、やはり安くて敷居が低くて、しかも代表的なオーストリア料理が食べられるという、いわゆる自分の背丈にあったレストランを探す必要がある訳だ。

その結果、自分がもっとも気に入ったとも言えるお気に入りのレストランを見つけることができた。

・K+K(カー・ウント・カー・アム・ヴァーグプラッツ)
・シュティフツケラー・ザンクト・ペーター

この2店舗が自分では1番大好きで、自分の背丈にあったレストランという結論に達した。

K+Kは地理条件が旧市街のいいところにあり、使い勝手がいい。

K+K
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とにかく値段が安くて、そして代表的なオーストリア料理が食べれて、客層もカジュアルで気疲れしない。料理も美味しい。 ここだったら毎日通ってもいいな、と思ったし、現に滞在期間中は、1番食事処として利用してたレストランがここであった。ここは1人でも気軽に入れて、本当に美味しいのでおススメ。

下の写真はオーストリア料理の代表格であるターフェルシュピッツとグーラッシュを頼んだときの様子。YOU1人でこれを全部食べるのか!と驚かれたが、 そうだ!と胸を張って答える。(笑)

右がターフェルシュピッツ、左がグーラッシュ 。AUMuczQWwxRcL8r1379899853[1].jpg

誠に美味でございました。

つぎにシュティフツケラー・ザンクト・ペーター。ここは岩山をくり抜いた構造の変わった趣のレストランなのだが、ここもグー!安いし、美味しいし、岩山をくり抜いただけあって店内がとても雰囲気があって素敵。ここではお菓子だが、ザルツブルク名物のザルツブルガーノッケールをオーダー。普通2人前からだそうですがスゴイ量。構わず1人で平らげる。(笑)
 
シュティフツケラー・ザンクト・ペーター
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 ちょっと残念だったのは、このレストランでもっといろいろな料理をオーダーしてみたかった。とにかく岩山をくり抜いたその雰囲気が抜群のお店なのだ。

旅先でこういう自分の背丈にあったレストランを探せるかどうか、は本当に運任せのところがある。でもザルツブルクは本当にグルメな街で、いろいろな美味しくてお洒落なレストランがいっぱいあるので、いろいろ巡って探し出すのもまた楽しみの一つ。

次回またいつザルツブルクに来れるか、わからないが、この2つのレストランは普段の食事処として愛用していこうと思っている。この2つのレストラン、本当にカジュアルで美味しい、お勧めのレストランですよ!みなさんもぜひ~!


ザルツブルク音楽祭 ラトル指揮ベルリン・フィル演奏会 [海外音楽鑑賞旅行]

ザルツブルク音楽祭の主役は、ウィーンフィルである。オーケストラ・コンサート、オペラなどほとんどの演目を、この夏休み期間、彼らが演奏するのだ。ベルリンフィルはこの音楽祭に関してはゲストに過ぎない。

ベルリンフィルというのは元々コンサート・オーケストラであるので、オペラピットで演奏することはほとんどないのだが、昔カラヤンがザルツブルク音楽祭とは別にベルリンフィルがピットに入って演奏するイースター復活祭というのを設立した。これはベルリンフィルが主役の音楽祭。いまはバーデン・バーデンで引き継がれてその音楽祭はおこなわれている。
いずれ行きたいと思っている。

そういうこともあって、今回はベルリンフィルを聴ける、という楽しみはあるものの、ウィーンフィル主役の音楽祭ではゲスト扱いだし、いまひとつ個人的に盛り上がりに欠けていたのも確かだ。しかも演目が、オール・モーツァルトの後期交響曲。申し訳ないのだが、私はモーツァルトの交響曲は普段はほとんど聴かないし、あまり好きでもない。モーツァルトの曲というのは、その音楽性の素晴らしさはもちろん認めるのだけれど、なにか表面をコロコロ転がすような軽い感じがして、
オーディオ的に面白い音、音楽性にも深みがあるとは思えないのだ。そういうこともあって、あまり過度の期待はしていなかった、というのが正直なところだ。

今回の私の座席(右側前方)
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ところが、なのである。 今日演奏を聴いてみて、これはスゴイと思ってしまった。オケの演奏のレベルというのは、ハイレベルなオケの間では、極端な力の差というのはありえなくて、そのオケ特有の色付けとか細かい演奏解釈の違いなどで異なってくる程度だ。

今日のベルリンフィルの演奏は、いわゆる曲の進行に合わせて、それでいながら華麗なフィニッシュに向けて、どんどん上昇クレッシェンドしていく盛り上がりが非常にうまくて、曲の進行に合わせて、どんどん自分が演奏に引き込まれていくのがわかるようだった。

ラトルの解釈によるものか、わからないが、演奏していって、どんどん盛り上がっていくのだ。ベルリンフィル特有の厚い弦の音色が雄大な旋律を奏でていて、じつにスケール感が大きい印象を与える。淑やかな木管の音色も綺麗に備わっている感じ。実際のオケの規模は、ほんの室内楽サイズなのだが、その少人数とは思えないくらいの組織力、支配力を感じてしまう。

そういう大きな特色のある音色を持ったオケが、どんどんクレッシェンドしていく、その勢いがすごい快感というか、気持ちが良くて、このオケは改めて凄いなと思った次第なのである。

こういう言い方をすると語弊があるが、あのつまらない単調なモーツァルトの交響曲をここまで盛り上げてくれるのは、ひとえにオケの力量そのものと感心したのである。

ウィーンフィルはウィナー楽器の使用や、その伝統に受け継がれているウィナー音色という束縛があって、華麗だが、力感に乏しいところがあり、女性的なサウンドのようなイメージを持っていた。

それに対してベルリンフィルはそういう伝統のしがらみがない常に新しいサウンド造りをしており、安定感抜群の金管、雄大な弦の優秀さもあって分厚い男性的なサウンドなのだ。

この音楽祭で初日にムーティ/ウィーンフィルを聴いたが、今日のラトル/ベルリンフィルの演奏を聴いたら、やはり私はベルリンフィルのほうが好きだな、と再確認してしまったのである。

ラトルは指揮台も使わず、珍しく指揮棒タクトを使わない指揮で、しきりにキューを出す、という普段の彼ではあまり見たことがなかった指揮振りであった。ちなみに第1コンサートマスターは我らが日本人の樫本大進でした。

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2013/08/25 11:00~ザルツブルク音楽祭2013 ベルリンフィル演奏会
会場:祝祭大劇場


モーツァルト/交響曲第39番変ホ長調K.543
モーツァルト/交響曲第40番ト短調K.550
モーツァルト/交響曲第41番ハ長調K.551「ジュピター」
指揮:S・サイモン・ラトル

 


ザルツブルク音楽祭 モーツァルテウムにてモーツァルト・マチネ [海外音楽鑑賞旅行]

昨日は自分がザルツブルクのホールの中で1番のお気に入りであるモーツァルテウムで2公演鑑賞した。 これでこのホールで全3公演を聴くことができて、聴き納めになる。この日、じつはモーツァルテウムで新しい出会いがあった。予てより、このホールを訪れるのであれば、魔笛の小屋を見たい、と思っていたのだが、初日にこのホールに来た時に、それがどこにあるのか、わからなかった。

今日は、rechts側の入り口から入る。(前回はlinks側だった。) そうすると壁にビュッフェ(Buffet)の矢印があって、その方向に行くとドリンクコーナーなどがあった。

Buffet
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Buffetの外にくつろぎの空間が.....
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そうしたら、そのBuffetから外に出られるようになっていて、外もひとつのくつろぎ空間になっているのだが、なんと!その奥に、魔笛の小屋を発見した!びっくりしてしまった。
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思うに前回はlinks側だったので、気付かず、今回運よくrechts側でBuffetの存在に気付いたので、見つけることができたのだと思う。このBuffets自体が、rechts側に存在する空間だからだ。

「魔笛の小屋」について詳しく書いてみると、モーツアルトがウィーンでオペラ「魔笛」の一部を作曲したと言われている部屋がこの「魔笛の小屋」 で、モーツァルテウムの通称「バスチオン(砦)庭園」内にあると言われている。ここが先ほど言及したBuffetから外に出たところのスペースのことだ。この庭園には、コンサートホールからのみ入ることができる、ということになる。 魔笛の小屋は、モーツァルテウムの大ホール行われるイベントの際にのみ、夏季の間だけ見学できるという貴重な建築物なのだ。

ホントにラッキーであった。音楽の神様ありがとー。

これが魔笛の小屋
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中はこのようになっている。
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ぜひモーツァルテウムにお寄りの際は、この魔笛の小屋を必ずご覧になってください。

さて、今日はモーツァルテウムでモーツァルト・マチネのコンサート。
ヘンデルのオラトリオ「アレクサンダーの饗宴」で、これのモーツァルト編曲版なのだ。前回このホールを経験した時は、室内楽だったので、小編成での音響を確認できた。でも今回はご覧のように編成が大きいし、合唱も入る。
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お世辞にも広いとは言えないこのステージでは、最大の編成規模での演奏ということになる。これまた違った魅力、どのようにこのホールで音が鳴るのか、すごい楽しみであった。前回の印象では、教会で聴いているようなすごいライブな空間というように表現したが、今回もその趣で間違いはなさそうだ。大編成で音数が多くなると、室内楽では存在しないというか目立たなかった低音がしっかりと聴こえてきて、前回と比べてぐっと重心の下がった帯域バランスのように感じた。

それでいながら弦などの高域の音も艶があり、とても綺麗な音色だ。常日頃弦がいい音色というのは、音色が厚くて、ふわっとした感じの潤い感がある、そういう雰囲気を持った音色。今回もまさにそうだった。オケはザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団で、指揮はあのガーディナー。

また合唱がとくに素晴らしかった。合唱が歌い始めるとホールが揺れる、というか、すごい圧倒される勢いでホール内をこだまするのだ。この合唱が歌い始める瞬間というのは、いつも背中にゾクッとするものを感じる。広い空間を感じる見事なホールトーンを聴くことができ、ライブな響きを伴う聴感バランスがいいこのサウンドの響きは、やはりこのホールの音響の素晴らしさを物語っている。室内楽でも大編成でも見事な音響で、本当に素晴らしいホールだと思う。ザルツブルクでは間違いなくNo.1のホールですので、みなさん、ぜひ経験してみてください!

じつは夜のソワレにもここのホールでコンサートがあった。夜の7時スタートで終演が11時。なんと丸々4時間の現代音楽の演奏会であった。このジャンルの演奏会だけにあの細川俊夫さんもお見えになっていた。

正直現代音楽はあまり得意ではない。現代音楽は素晴らしい分野とは思うけど、音楽として楽しめないところがある。どちらかと言うと、オーディオ的に面白い音なのだ、と考えている。短いフレーズ間隔で音の高さが極端に変化するそのスコアは、オーディオ再生的にはかなり難しいのでは?と思うのだ。今回の4時間の長時間演奏、聴いているのは本当に大変だったけれど、普段、これだけ現代音楽を聴くことは滅多にないのでいい機会だったのでは、と思う。

特にベルリンフィルの首席奏者のエマニュエル・パユがフルートを利用して尺八のような和楽器のような音色を出していたのは驚きで、まさにアクロバット奏法で観客が最も沸いた瞬間であった。

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2013/08/24 11:00~ザルツブルク音楽祭2013   モーツァルトマチネ
会場:モーツァルテウム音楽院大ホール

ヘンデル/オラトリオ「アレクサンダーの饗宴」 HWV 75
(モーツァルト編曲版K.591)
ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団
指揮:ジョン・エリオット・ガーディナー
ソプラノ:ハンナ・モリソン
テノール:マウロ・ペーター
バス:トーマス・E.バウアー
モンテヴェルディ合唱団


ザルツブルク散策 Part4 [海外音楽鑑賞旅行]

もうほとんど名所巡りは終わった感があるが、まだ行っていないところがあった。まず、今日はモーツァルテウムで2公演を聴く予定。マチネとソワレで、その間に、そこに行こうと思っていた。まずマチネが終わった後、正装の格好で、カフェ・モーツァルトに寄って休憩をした。

カフェ・モーツァルト
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このカフェは、じつはゲトライデガッセを散歩しているときに、そのエントランスの面構えが妙にお洒落で惹かれるものがあって気になっていたカフェなのだ。滞在中にぜひ寄ろうと思っていた。

店内はすごく落ち着いた雰囲気で、すごくイイ。そしてなによりもいいところは空いているところだ。ザルツブルクのカフェはどこも大抵は混んでいて辟易してしまうのだが、ここは適度に空いているので、ストレスがない。

調子に乗ってこんなものをオーダーしてしまった。(汗)イイおじさんなのに.....LQTRArYMVDWF6R61379746405[1].jpg

そのカフェを出た後、ザルツァッハ川にかかるモーツァルト小橋を見に行った。自分が旧市街からホテルに帰るときは、いつもマカルト橋を使うので、そこからかなりの距離を歩く。なぜ、モーツァルト小橋なのか、というと、やはりここもサウンドオブミュージックでドレミの歌を歌いながらロケされた場所だから、記念にぜひ行っておかないと思ったのだ。

モーツァルト小橋
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そうしてようやくホテルに帰る。正装から散策用の私服に着替えるためだ。まだ名所で行っていないところというのはザルツブルク市内ではない。バスで行かないといけないところだ。中央駅までタクシーで行って、そこから25番のバスに乗って、ヘルブルン宮殿まで行くことにした。Schloβ Hellbrunnというバス停で下車。あのカラヤン邸のAnif Freisacherの2つ前のバス停だ。ここは名所でみんなここで一斉にバスを降りる。 tcbEVo5xam_hf5H1379746509[1].jpg

ここで経験したいのは、水の庭園という突然水が噴き出てくる仕掛けになっていて、客も思わずずぶ濡れになってしまう、という名所だ。バス停で降りて、そこで大勢に人が降りるのでその人たちの歩いていく方向についていく。そしてヘルンブルン宮殿に到着。相当広い宮殿なのだが、どこから見ていいのかわからなくて、この水の庭園を探して適当に歩いていたのだが、やはりそれじゃいつまで経ってもわからないので、Kasseの切符売り場のお姉さんに聞くことにした。

そうしたら切符を買って、ガイドツアーに参加しないとだめだという。その集合場所を指示され、切符を買って、そこに行った。なぁ~だ!みんなといっしょに観て回るツアーなのか、とそのときはじめて知った。ガイドさんは英語とドイツ語で説明する。

ガイドツアーが始まるまでの待っている間、ブロンド美人をパチリ。長髪のブロンド美人はサングラスが良く似合う、というよく使うフレーズだ。
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最初はよかった。あきらかにここから水が噴き出る、というのがわかっているので、誰もそこに座らない。(苦笑)8MqTCT1_Zqm71iX1379746667[1].jpg

でもその後、いろいろ観て回るのだが、今度はガイドさんの予告なしに突然水が噴き出てくるのでその被害に会う訳だ。
みんな、もうキャーキャー言っている。(笑)そういう私もしっかり洗礼を受けてしまった。
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これが面白いのか?と言われればどうなんだろう?という感じだが(笑)、まぁひとつの名所な訳なので、それはそれで経験しておかなきゃ、という感じでトライしてみた。

そこが終わったら、この宮殿の中にあるガラスの家を見に行った。最初、あまりに広い宮殿なので、どこにあるのかわからくて、さっきのガイドさんに聴いてみた。そうするとかなり端っこにあるようで、ずいぶん歩いてようやく見つけた時は、おぉぉぉ~これがそうか!という感じで感動してしまった。

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このガラスの家は、やはりサウンドオブミュージックで、「もうすぐ17歳」を歌うシーンで使われたロケ地なのでひとつの名所なのだ。やはりこの映画、ザルツブルクを世に有名にしただけあって、この映画で使われたロケ地は廻っておかないと。またそういう専用ツアーも実際あるのだ。

これでホントに散策関連はすべて終了。また25番のバスでザルツブルクに帰ってホテルで正装に着替えて、夜のモーツァルテウムに出かけたのでした。ところがそこで、7時から11時まで4時間も現代音楽を聴かされる羽目になるとは想像もつかなかったのです!


ザルツブルク音楽祭 コジ・ファン・トゥッテ [海外音楽鑑賞旅行]

ザルツブルク音楽祭で、モーツァルトのコジ・ファン・トゥッテ。これはもう本当に数えきれないくらい上演されていて当音楽祭では定番中の定番。逆を言うと、もう演出パターンも限りを尽くしているというか、もう限界ではないか、という感じで、常に新しい試みが必要とされている、という点では難しい演目ではないかな、と感じる。渡航前に予習材料として2009年に当音楽祭で上演されたミア・パーション主演の演出を観たが、現代版なのだが、いまひとつわかりにくい演出で、やっぱり難しいんだろうなぁ、ということをつくづく想わされたものだった。そういうこともあって、今回のこのコジ、はっきり言って妙な不安があった訳だ。

でも結論から言うと2009年のものよりもずっと素晴らしくとてもよかったと満足できるものであった。素晴らしかったのは舞台装置。森林をイメージした視覚効果抜群な演出で、非常に自然色豊かな豪華な舞台というイメージであった。お世辞にも広いとは言えないこのモーツァルトハウスのステージでも、そのリッチ感覚は素晴らしい感があって、舞台に華を添えていた感覚がある。

主役たちの歌唱力も声質、声量ともに素晴らしく、満足。特に女中のデスピーナ役の声は素晴らしかった。声に芯があるというか通る感じで、主役2人より完全に目立っていた。(笑) 驚いたのは、このオペラの舞台装置として必ず池があるのだが、今回も円形のプールみたいな感じでステージ中央にセッティングされていて、幕が上がった1番最初のシーンがなんと!そこに全裸ヌードの女性主役2人が水浴しているのだ!

もちろん客席のほうを向いているわけではなく、2人とも後ろを向いて背中のほうを見せているのだが、かなりドキドキというか、えっ~という感じ。その後、付き人がバスタオルを持ってきて、2人に巻きつけるようにして、その場を繕うという感じなのだ。 すごい刺激的なシーンで始まってなんかすごいドキドキというか、いつまでたっても脳裏から離れなかった感じで、かなり困ったものでした。(苦笑)

あと思ったのは、女性主役の2人、どちらがフィオルディリージで、どちらがドラベッラなのか、まったく区別がつかなかった。 なんか衣装が2人ともペアルックな感じで同じなので、離れた席から観ていると、区別がつかないのだ。そんなことぐらいが気になったところで、あとは本当に素晴らしい歌唱パフォーマンス、演出で完成度は2009年より断然上出来と思いました。素晴らしかったです。望むところでは、ぜひこの作品もBDパッケージ化してほしいな、と思いますね。

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2013/08/23 18:30~ モーツァルト/コジ・ファン・トゥッテ
会場:モーツァルトハウス(祝祭小劇場)

指揮:クリストフ・エッシェンバッハ
フィオルディリージ(S):マリン・ハルテリウス
ドラベッラ(Ms):マリ=クロード・シャピュイ
デスピーナ(S):マルティナ・ヤンコヴァ
フェルランド(T):マルティン・ミッタールツナー
グリエルモ(Br):ルーカ・ピサローニ
ドン・アルフォンソ(Bs):ジェラルド・フィンリー
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ウィーン国立歌劇場合唱団
 


体験!モーツァルトハウス(祝祭小劇場) [海外音楽鑑賞旅行]

いままで祝祭大劇場の入っているこの建物に入った場合、どこからがフェルゼンライトシューレで、どこからがモーツァルトハウスなのか、よくわからなかった。でも今日モーツァルトハウスを経験して、ようやくその位置関係がわかった。

モーツァルトハウスとフェルゼンライトシューレへのエントランスMgWxHnDoQl8Qnzb1379511123[1].jpg
 

まずここに入ると、とても綺麗なフレスコ壁画が描かれた美しい空間が現れる。これは素晴らしい!
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そしてそこを左に折れて、ずっと進んでいくと、右側奥側にフェルゼンライトシューレへの入り口があり、真正面の方に、モーツァルトハウスの入り口があるのだ。これでようやくこの2つのホールの位置関係がわかった。

この関係を写真に撮るのは非常に至難の業なのだが、頑張って撮ってみると、こんな感じになる。写真の右側にフェルゼンライトシューレの入り口(黒茶色の枠がある入り口)があって、左側にモーツァルトハウスの入り口(オレンジの扉)がある、というその関係。つまり手前側にあるのがモーツァルトハウスで、奥にあるのがフェルゼンライトシューレという位置関係なのだ。
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さて今日経験するのはモーツァルトハウス。いわゆる祝祭小劇場と言われる小さな方のオペラハウスだ。祝祭大劇場のほうで、大規模なオペラをやるのに対して、比較的小作品のオペラを上映するのが、このモーツァルトハウス。

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ピット
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ステージ側から客席を見た場合wHMOZz0LL5z9M0K1379511727[1].jpg


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3階席のホワイエ
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ステージの大きさは、まぁ普通サイズという感じだが、奥行き方向にしっかりとしたスペースがあり、実際今日見たコジファントゥッテの舞台装置を観ても結構しっかりとした仕掛けを置くことも可能なステージだ。特徴的なのは、その客席の造り。かなりの急勾配だ。全部で3階席ある。一応オペラハウスとしての形態はあって馬蹄形状なのだが、両サイドの座席はほとんど申し訳なさ程度の人数だ。

今回私は3階席センターであった。急勾配でかなり高さがあるので、ずいぶんと高い位置から見下ろしているような感覚があった。オペラハウスとしてのグレードとしては、やはり中小レベルといった感覚で、おそらく単一に存在するオペラハウスとしては、このような規模は中途半端な感じで、こういう音楽祭劇場の中のひとつのホールという位置づけなら許せる、という感覚がする。

音響のほうは、とりわてて目立った音響という感じでもなく、響きも帯域バランスもごく普通のニュートラルなバランスであった。この内装空間から想像される音響よりは、想像以上によかったような感じがする。音の輪郭や隈取りがしっかりしていて、凛とした感じのサウンドで、シャープネスな感覚だ。オケの音も豊潤で、聴きごたえがあった。今日オペラを鑑賞した分には、このホールの古さを考えると、十分すぎるほどの音響で、素晴らしかったように思う。3階席はかなり高いのだが、ステージからの音(声)は、まぁまぁ上がってくる感じで、これだけ高いのだから、これくらいの音の薄さ、というのが実感できる感じであった。全体として中小規模であるものの、サウンドのグレード、オペラそのものの視認性はかなり優秀なものがあると実感した。


ザルツブルク散策 Part3 [海外音楽鑑賞旅行]

ザルツブルクは本当に狭い街なので、名所と呼ばれるところは、もうほとんど制覇した感じだ。
あとは新市街で観ていないところなどの細かな微調整になると思う。

昨日から今日にかけての進捗報告です。
まず昨日は、アーケードの中にあるBosnaグリルというホットドッグのお店にチャレンジしてみた。

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なんかここ地元では大変な人気でいつもすごい行列ができているのだ。並んでいる客層は、みんなラフな服装で、その中で、私はコンサート前の礼服という思いっきり浮いている格好で並んでいた。(笑) どうやってオーダーするのかもわからず並んでいたのだが、壁にメニューが貼ってあって、No.1,No.2,No.3というように、メニューに応じてナンバリングされていることがわかり、とりあえずNo.1と答えた。後でガイドブックを見るとNo.2(タマネギ、パセリ、香辛料、マスタード入り)が1番人気なんだそうだ。(くやしい~! (><;;))

出てきたものがこんな感じ。

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これをどこで食べるか、という問題もあるが、私は構わずその場で立ち食いしてしまった。(しかも正装の姿で.....) はっきり言わせてもらうが、大して美味しくない。(苦笑)パンもパサパサだし、ソーセージもジューシーさとは程遠い。なんか変な香辛料が振りかけられているのだが、なんかピンとこなかったなぁ。(笑)地元では大人気で、手頃な美味しさというのがあるのかもしれないが、自分はいまいち理解できなかった。これは今回限りでオシマイ、という感じ。 (笑)

さて翌日です。
カフェのトマセッリの挑戦してみた。
じつは、ザルツブルクに最初に到着した時に、旧市街を散歩していたときに、このトマセッリのカフェテラスを見て、わぁ、これはザルツブルクのカフェは男1人で入るのは勇気がいるなぁ、と思ったカフェなのだ。

トマセッリ

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でももう滞在して数日間経過すると、そういうことをあまり気にしなくなるというか、慣れてくるのだ。そういうこともあってチャレンジしてみることにした。

このカフェはモーツァルトも訪れたことのある老舗カフェだそうで、自家製ケーキが売りだ。でもオーダーの仕方がひとつのしきたりがある。あとでガイドブックを見たら書いてあったのだが、よく見ないでチャレンジしてしまった。最初によくわからないのでケーキが置いてあるショーウインドウのところで選ぶのか、と思ってしまった。

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そしてそこにいたお姉さんにオーダーしようとしたら、テーブルに座って待っててちょうーだい。と言われてしまった。(^^;;) 見ていたら、お姉さんがトレイの上にたくさんケーキを載せて、テーブルの客に選ばせている、そしてそこでお金を払っているみたいだ。なるほど向こうからやってくるのか、と思った。それで自分のところに来て購入したら、ドリンクは?と聴いたら、ドリンクは別途男性ウェイターが同じように注文を聴きに来るという。ケーキとドリンクはセパレートなんだ、と言っていた。そういうしきたりを理解するまで、ずいぶんと時間がかかってしまいました。 ここの自家製ケーキは本当に美味しかったですよ!さすが自家製が売りだけある、と思いました。

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つぎに、ドンカルロのチケットをゲットするためにマイスタージンガーを抱き合わせで購入したのだが、そのマイスタージンガーのチケットを馬洗い池のところにあるザルツブルク音楽祭の公式チケットオフィスで売ろうと思った。

カラヤン広場 馬洗い池

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公式チケットオフィス

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そうしたら、このチケットはABOチケットなので、売ることはできないチケットだ、と言われてしまった。たしかにチケットの券面に大きくABOと印字されている。そのときは引き下がったが、ABOの意味がよくわからなかった。なんでもセット券のような扱いなので、単品では売れないような感じだ。

がっかり来てしまった自分は、その公式チケットオフィスの前にあるNiemetsというカフェでドリンク休憩することにした。ここのカフェは祝祭大劇場の横のカラヤン広場の馬洗い池の後ろにあるカフェで、いつも自分は劇場に1時間以上も前に到着してしまうので、その時間つぶしにこのカフェはずいぶんと重宝した。結局2回くらい利用させてもらったであろうか.....ドリンクだけでなく軽食もある非常に便利なカフェである。

Niemets

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さて、その後は、まだ観れていない観光名所を巡ろうと思った。まずは新市街のザンクト・セバスティアン教会と墓地を訪ねて、モーツァルトの父レオポルト、妻コンスタンツェのお墓を見ようと思った。

教会にはすぐにわかったのだが、このお墓が見当たらない。墓地の中を何周もぐるぐる回りながら、結局わからないので、その教会の人と思われる人に聴いてみた。そしたらその場所へ案内された。なんと自分が目の前を何回も通り過ぎていた場所だった。お墓は予想以上に小さくてわからないのですよね~。

ザンクト・セバスティアン教会
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中央がコンスタンツェ、右側がレオポルトの墓碑
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これでひとつの目標は終了。
つぎに同じ新市街にあるミラベル庭園にもまだ足を運んでいないのだ。いつも近くを通っているが、ようやく足を向けてみた。

ミラベル庭園
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そして、サウンドオブミュージックでマリアがドレミの歌を歌っていたのはこの階段から、という場所も見つけた。(↓)
ペガサスの泉のある場所だ。
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これでほぼザルツブルク観光は完了~! 最後にレジデンツプラッツのところのフュルストのカフェでケーキを。

フュルスト
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もうお気づきの方もいると思いますが、必ずカフェで炭酸水を頼んでしまうのは喉が渇いているからなのです。もっとカフェにあったドリンクを頼めよ~と思うかもしれませんが、カフェに入るのは、喉に潤いを、が1番の目的ですから。(^^;;)

あとは、そんなに目的を持たずしてプラプラ気軽な散歩をしてみたいですね。


おまけ!モーツァルテウム音楽院大学 [海外音楽鑑賞旅行]

先の大ホールのほうの日記で書かせてもらったが、このモーツァルテウム、たぶん音楽院(大学)と大ホールの2つの建物が連なっているのだと思っている。当然大ホールのほうはコンサートで入れるのだが、大学のほうはたぶん関係者以外立ち入り禁止だと思うのだ。

モーツァルテウム音楽院大学
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ところが海外はノーガードだし、特に日本もそうだけど大学って結構部外者でも簡単に入れたりする。案の定、そ~っと扉を開けたら誰もいなくて簡単に中に入れてしまった。そうして調子に乗って2Fに行ったり、1Fの隅々まであるいて写真撮影してきてしまった。(^^;;)

モーツァルテウムの大学のキャンパスの中なんて、なかなかお目にかかれないと思うので、ぜひともアップしようと思います。キャンパスの中に入ると、結構日本人学生がすごい多いのだ。それもほとんど女性。驚いてしまった。ドレスアップしていたり、普段着でいたり、それぞれ。

キャンパスは、各Zimmer(部屋)ごとに区切られており、その中にピアノだとか置かれていたりしていて、要は練習室なのだと思う。そういう練習室がたくさんある訳だ。

私は音楽大学のキャンパスの中は知らないので、なんとも言えないが、(それこそ、のだめカンタービレのTVで見たぐらい)たぶん、そんなに予想は外れてはいないんではないかなぁ、と思うのだ。まぁ、天下のモーツァルテウムに学生で留学できるというのも本当にすごい花形なことなんだろうなぁ、と思いながら、その日本人学生達を眺めていたわけです。(^^;;)

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