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DECCAに移籍していたユリア・フィッシャー [ディスク・レビュー]

知らなかった....あせあせ(飛び散る汗)最近、PENTATONEがやたらとアラベラ・美歩・シュタインバッハーを看板娘として売出し中&宣伝アピールするものだから、ユリア・フィッシャーはどうしたんだろう?と思っていたのだ。

自分のイメージでは、PENTATONEの看板娘と言えばユリアだった。

なにげなく調べてみたら、なんとユリアはユニバーサル・ミュージック傘下のDECCAに移籍していた。

それも2008年に!

自分がmixiに入会したのが、2009年だから、物心ついたときからすでに移籍していたのだ。自分がPENTATONEを知って、ユリアを聴き始めたときは、もうすでに過去のアルバムを聴いていた、ということになる。正直ショックだった。

でもDECCAに移籍したとはいえ、じつはPENTATONEからも従来通りアルバムを出すという二刀流のようだ。(少し安心。) ユリア・フィッシャーはドイツのヴァイオリニストで、とりわけ有名なのは、ヴァイオリンとピアノの二刀流をこなす才女ということだろう。若くして10代の頃に8つの国際コンクールで優秀するという凄さで、そのうちピアノ部門が3つというから、本当に恐れ入る。2006年7月には23歳の若さでフランクフルト音楽・舞台芸術大学の教授に就任している。(ドイツ史上最年少記録!)

PENTATONEには2004年から録音をスタートさせていて、いろいろなアルバムを出しており、自分にとっては当レーベルの間違いない看板娘という印象であった。当レーベルの彼女のSACDはほとんど所持しているのではないか?

どのアルバムも外れがなくて、やっぱり録音がすこぶる良い!クラシックの過去の名演奏・名盤を味わうというスタンスももちろん尊重するが自分はオーディオマニアなので、やはりもうひとつのファクターとして「録音がいい」という基準は絶対譲れない線でもある。

そういった意味で、PENTATONEから出るユリアの録音は、演奏の素晴らしさはもちろん録音が素晴らしいので、Vn協奏曲、Vnソナタのジャンルでは1番再生回数の多いディスクであった。

そんなユリアがDECCAに移籍してからのアルバムを聴いてみたい、と思い、2枚購入した。 


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ブルッフ&ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲 ユリア・フィッシャー、ジンマン&トーンハレ管弦楽団



自分はブルッフのコンチェルトが好きなので、迷わずこれを選んだ。ドヴォルザークもチェロのほうは有名だが、ヴァイオリンのほうは知名度がいまひとつのところもあるが楽しみにしていた。

最初に奏でられる音を聴いたとき、まず録音レベルが小さくて、解像度があまりよくない、というか鮮度感がない、というかパッとしない印象であった。DECCAの録音を聴いたのも久しぶりなのだが、正直あまりいただけない。

ユリアの録音は派手というイメージがあるので、どうも全くの180度正反対のような感じでユリアの弦の音色も冴えない。
どうも自分は、この録音は苦手だ。

そして恐る恐る2枚目。 

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『ツィゴイネルワイゼン〜ユリア・プレイズ・サラサーテ』 J.フィッシャー、チェルニャフスカ



このアルバムは、ユリアの1番最新のアルバムであろう。これは溜飲を下げた想い。きちんと空間を感じることが出来て、音色に響きの美しい余韻を感じることができる。こちらのほうが録音レベルも普通で、鮮度感もままある。1枚目の録音に比べると、かなりイイ。

2013年7月16-18日の録音で、グリュンヴァルト、アウグスト・エファーディングザールで録音されている。

2014年に生誕170年を迎えるサラサーテに焦点をあてて臨んだ新録音。もちろん「ツィゴイネルワイゼン」が目玉であるが、超絶技巧だけでなく、スペイン民謡を主題にした作品での絶妙なフレージングも心をとらえる。

久しぶりにメジャーレーベルの音を聴いてみたが、やっぱり至極真っ当というか普通の録音だよな、と感じるところがある。優秀録音という範疇の中でも、すごく優等生的なサウンドなのだ。確かにPENTATONEのような高音質指向型レーベルの音に慣れてしまうと、メジャーレーベルの音というのは、そのように感じてしまうのかもしれないけれど、ある意味派手な化粧を施したような録音に耳の感覚がマヒしているのかもしれない、とも感じた。

そういう意味でマイナーレーベルの高音質指向型レーベルの録音というのは、オーディオ的快楽を強調したテイストなのだ、と改めて強く感じた。そしてそれが彼らがメジャーレーベルに対抗するためのひとつのアイデンティティにもなっているのだろう、と改めて考えさせられたのだ。

だって、このDECCAのアルバムを聴いて、とてもユリアの弦の音色とは思えなかったのだから.....それだけ固定観念が出来てしまっているのである。

メジャーレーベルの音といえば、久しぶりにDG録音を聴いてみたい。
SACDが世に出る前のクラシック録音としては自分のリファレンスの録音だっただけに....


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