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再訪!アムステルダム・コンセルトヘボウ [海外音楽鑑賞旅行]

早く終わりたいから1日2本。(笑)
本気モードの日記はこれでオシマイ。
旅の最終を飾るのは、もちろんアムステルダム コンセルトヘボウ。

ヨーロッパで最も慣れ親しんだコンサートホールで懐かしさいっぱい。ご承知の通り、思わぬトラブルで、このホールでロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団を聴く!という夢は破れ去ってしまった。

彼らの来日公演でリベンジします。

自分的の世界の三大ホールは、

ベルリンフィルハーモニー
ウィーン・ムジークフェライン
アムステルダム・コンセルトヘボウ


世間一般では、ベルリンフィルハーモニーではなくて、米のボストン・シンフォニーホールを挙げるのが通例。やはり音響的に有利なシューボックスで統一する、というのが常識の線だが、自分はそうは思わない。

やはりそのホールのレジデンス・オーケストラがそのクラシック界に与えてきた影響力というのを考えると、ボストン響よりもベルリンフィルだと思う。

だからワインヤードのベルリンフィルハーモニーを入れる。

確かに建築音響の世界では、いにしえよりシューボックスというのはコンサートホールの基本なのかもしれないし、音響的にも優れている。でも、観客許容席が少なくて、ステージの視認性もよくないシューボックス(後方席!)は、いまの最新鋭のホールのご時世に合わないスタイルだと思う。

いまはどちらかというと観客許容数が多いアリーナ型でありながら音響もよくするという方向のホールが今向きだと思う。

大昔に造られたヴァイオリンのストラド(ストラディヴァリウス)が、現在の最新鋭のコンピュータグラフィックスなどを駆使してなんとか真似して同じデザイン設計で、同じ音色を作ろうと努力しても決して、同じ音色は作れない、真似できない。

これはヨーロッパのコンサートホールにも当てはまると思う。

何百年というエージング(経年変化)を経験してきたホールの壁質による芳醇な響きは、いくら最新鋭の建築技術で真似して作っても同じ響きは得られない。

そういう永遠の憧憬の的だったりするのだ、特にウィーン楽友協会とアムステルダム・コンセルトヘボウは!

ウィーン楽友協会は近年訪問予定だが、もう仲間と紙面で語り尽くした感があり、行って実際聴く前から、もう頭でっかちの理論武装だったりする。(笑)

ちょこっと、ネタバレをすると、1番の特徴は、響きが豊かで美しいこと。シューボックスなので、側方四面が,二面ずつ平行に向き合っている。この平行面が音の反射の回数を多くし豊かな響きを作ってたりする。壁だけじゃなくて、天井や床も!四方だらけ。さらに、ここの座席は吸音ものをいっさい使っていないので、椅子までも!響きに囲まれている感じ。

さらに四方は艶やかな彫刻の凹凸で音が拡散して煌びやかに。

でも、じつは1番の”きも”は体育館のようにドカドカ鳴る木の床だったりするのだ。(笑)
観客席の床から階段、さらにステージの上までも全部木の床。つまり床振動で全体を鳴らすようにするため、ステージ上でオケが音を出した瞬間、音圧が上がった時に、床が木でホール全体を通して連なっているのでどっと盛大に鳴り、つまり音が化けるように出来ている。(床振動って大切で固い床ではダメなんですね。オーディオルームの床造りと同じです。)いわゆる”ハコ鳴り”というやつでハコ(ホール)全体が鳴っているように感じる。仲間の考察は鋭いと思った。

「ホールは楽器です。」という名文句はここから来ているのだと思う。

これはムジークフェライン特有かもしれませんね。

はっきり言って自分が行ってから、自分が聴いてから書けよ!(笑)という感じで、もう行く前から周りから漏れ聞くので自分的にはウィーンはもうおなか一杯だったりするのである。


そんなウィーン楽友協会とはちょっと雰囲気が違うホールであるアムステルダム・コンセルトヘボウ。外観からして壮厳たるお姿で美しいですね。

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じつは向かいにスーパーマーケットがあったりします。
私のお気に入りの調達するお店なのです。

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中は普通のスーパーマーケットですが、なんかやっぱりヨーロッパ人のスーパーマーケットってなんかすごいブツも大きくてダイナミックな感じがしますね。

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写真を撮るのを忘れましたが、コンセルトヘボウの前には、一面に広い緑の公園が一面に広がっているのです。本当に美しい。スーパーマーケットでお寿司(相変わらず(^^;;)とジュースを買って、この公園の芝生でみなさんの横に座って腹ごしらえをしていたのでした。


そして再び建物の中に入って、ボックスオフィスでチケット現地引き取り。

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さらにホールのほうに向かっていく。

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コンセルトヘボウのホール。
美しすぎる!じつはRCOの公演はこの撮影ポジションの座席から俯瞰して聴きたかったのでした。残念!

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ベルリンフィルハーモニーの幾何学的なデザインの美しさ、ウィーンムジークフェラインの黄金で煌びやかな空間、とはまた違ったコンセルトヘボウ独特の美しさがありますね。赤が基調でベージュのツートンカラーで視覚的にもすごい優しい空間。自分はこのホールが本当に好きだということを実感。


1階に降りて、ステージから後方を俯瞰した図。

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測方。

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最終日の公演は、オランダ放送フィルハーモニーの公演。座席は1階席の平土間のここでした。

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ブレーク時

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ドリンクコーナー

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なんとこのホールのドリンクはみんな無料サービスなのです!3年前はワインのサービスもありましたが、さすがに公演中に眠くなったらマズいので、今年はみんなソフトドリンクでした。

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コンセルトヘボウの座席の特徴は、後方にいくにつれて、傾斜がいっさいないこと。ずっとそのまま同じ高さが続くのである。だから後方にいくにつれて、ステージが見づらくなる。ステージの高さは異常に高くて、最前列の人は首が痛くなることでしょう。

座席に傾斜がないので、ある意味ステージから発する音は、遮られることなく(観客に吸われることなく)同じ条件で四方の壁に伝わり反射されるので、そういう点では音響面的にはすごくいい。

このホールは木造で出来ていて、壁の材質は、漆喰塗り。(ウィーン楽友協会もそうです。)漆喰はどこかの周波数にピークを持つことがなく、可聴帯域外ではブロードで減衰するので、耳で聴いている分には音の細やかさというか粒子の細やかさな感じがして秀逸なのである。(家庭のオーディオルームも漆喰がいいですね。)

またヨーロッパでは、よく木造コンサートホールに音響上の失敗は少ないと言われていて、その原因が木材が低音域をほとんど反射し、高音域を程よく吸収するため、残響時間に高音、低音でばらつきが少なく平坦になりやすいことにあったりする。

細かいうんちくな理論抜きで、安直にホールの音の印象を言うと、木造らしい非常にマイルドな暖色系の優しい音がしますね。弦楽器の音色や木管の音色を注意深く聴いているとはっきりわかります。オーケストラの音を聴くと、質感は柔らかいけれど、空間が広く感じてスケール感のある雄大なサウンドに思えます。ライブ録音に向いている音響ですね。


オランダ放送フィルハーモニーの演奏は、ワシリー・ペトレンコの指揮で、武満さんの「レクイエム」、ムソルグスキーの「死の歌と踊り」(ショスタコーヴィチ編曲)、そしてショスターコヴィチ 交響曲第8番。オランダ放送フィルハーモニーは、なかなか実演に接する機会のないオケだと思うが、オーディオで聴く分にはPENTATONEなどのディスクでときどき拝聴する程度。貴重な体験でした。

自分の中で最終日の有終の美という意識もあったのか、あまり欠点らしいところもないバランスの取れた演奏だったように思えた。満足でした。

わーい!これで本気モードの日記は全部オシマイ。
意外と早く終わった。気合で書きました。

あとは、散策、食関連含めてお遊び日記、お気軽日記の散文程度。あと2~3回で終わるかな?

この連載が無事終わったら、もう今年は日記納めといったところでしょう。

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2015年10月10日 14:15~ オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団演奏会 アムステルダム・コンセルトヘボウ

指揮:ワシリー・ペトレンコ
独唱:ミハイル・ペトレンコ(バス)
管弦楽:オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団

武満徹「レクイエム」
ムソルグスキー「死の歌と踊り」(ショスターコヴィチ編曲)
ショスタコーヴィチ 交響曲第8番 ハ短調


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