懐かしい!5年ぶりのHMV渋谷復活! [オーディオ]
今年の夏くらいにHMV渋谷が復活する、というニュースを聴いていたので、非常に楽しみにしていた。
別に渋谷でなくても、池袋、新宿、原宿にもある訳だが、でもやっぱりHMVといえば「HMV渋谷」というのが圧倒的なブランドであった訳で、ここから発信される情報はひとつのカルチャーだった。
当時の渋谷の文化カルチャー発信の地であった「HMV渋谷」
いままでの自分のオーディオライフを語る上で、このHMV渋谷の存在はとてつもなく大きかった。ヨーロッパから帰任した頃が1995年頃であるから、その頃からこの店の存在を知り、本当に信じられないくらい入り浸った。
まさに自分の青春時代の想い出がびっしり詰まった場所なのである。自分はセンター街に移った、ちょうど西武百貨店の隣にあった頃から通い詰めた。なにせ長時間入り浸っている訳で、終いには、店員さんから「あのぉぉ、もしお買いにならないのであれば.....」とか言われる始末。(笑)
同期の友人からも「おまえの休みの日の行動パターンは大体わかる。渋谷に出て、そのままHMVに行って.....」とか、さらには言われてしまう始末。(笑)
東横線沿いに住んでいるので、立地的にも渋谷は必然で、週末はかならず毎週ここに寄っていろいろむさぼっていた。その頃は、まだネットショッピングなどなかった時代なので、こうやってじかに自分の足でお店に行ってCDを試聴して買う、というスタイルが当たり前だった。
どれだけのCDをこのお店で買ってきたことだろう。
店内も、まさに5~6フロアくらいの大所帯で、フロアに応じてジャンル分けされていて、その在庫、品揃えたるもの、まさに大きな図書館を見ているくらい圧倒的だった。5年以上経ったいまでも鮮明にそのフロアのシーンが頭に蘇ってくる。
2004年頃から、ネットでCDを買うというE-Commerce(死語?(笑))スタイルが普及してきて、やはり自分での最初の体験がHMVのサイトであった。以来、現在に至るまでずっとこのサイトで買い続けていてお世話になっている訳である。(HMVサイトの自分の履歴を見ると、2004年8月17日に使い始めて、累計1600枚、金額にして530万の投資をしてきたようである。(^^;;)
もちろんアマゾンさんやタワレコさんのサイトでも買うが、自分が思うには、やはりスマホと同じで、サイトのGUIはどうしても自分が長らくお世話になったデザイン・イメージから離れられなくて、視覚的に慣れたGUIでないと不便に感じる。
自分がHMVサイトを使い続ける理由は、この慣れが大きな理由で、特にCDなのかSACDなのかがピンクの枠マークで先頭に表示されるところが一番わかりやすくて気に入っている。あと、長すぎない&難しすぎない適度な長さの解説文があるのもいい。
あとレーベル、録音時期、特に録音場所がちゃんとわかりやすくクレジットされているのもいい。このポイントは、自分がCDを買うときは、1番気にするところなので尚更だ。
もちろんアマゾンさんやタワレコさんでも買うが、まずHMVでなかった場合などに、そちらに移る場合が多い。特にアマゾンさんは、すでに廃盤になったレア盤を購入するときは(中古マーケットプレイス)重宝する。これはアマゾンさん独自の強みですね。
HMV渋谷のもうひとつの想い出は、確か2Fにあった、なぜかCDショップの中に存在するJ-Waveのサテライトスタジオ「渋谷HMVスタジオ」だったりした。前職を退職して、1年間浪人していたときに、毎日16:30~20:00に聴いていたJ-Waveの番組「Groove Line」が、このスタジオで生放送されていたもので、ホントにくだらない番組(失礼)なんだけれど、失意の日々に、これを聴いていることで、どれだけ気が紛れて明るくなったことか!
実際、2人のDJ、ピストン西沢さんと秀島史香さんの顔、姿を見たくて、このHMV渋谷のスタジオまで出かけたことも何回もあった。(スタジオは透明のガラス張りで外から見え見えなのです。)
HMV渋谷は、まさに若者文化(渋谷系カルチャー)の発信の地の代表という感じでしたね。生き生きしていました。
そんなHMV渋谷も、CD販売不況などを理由に、2010年に閉店。
このとき、あぁぁ自分の青春もこれで幕が降りたな、という落胆であった。自分の心の拠り所を失った感じ。ネットでCDを購入するようになってからは、確かに直接店に行くことも少なくなったが、現実に店舗が亡くなってしまうのは、やはり寂しい。
現在はローソンと合併して、ローソンHMVエンターティメントとして再出発している。
そんな自分の青春の想い出がいっぱい、いっぱい詰まったHMV渋谷であるが、なんと5年振りに復活する、という。
これは大変楽しみであった。
渋谷マルイシティの建物を改装して、一新して「渋谷モディ」として再スタートである。
渋谷モディ
HMV渋谷は、ここの5~7Fに、「HMV & BOOKS TOKYO」という名前で仕切り直しでスタートする。
自分の頭の中には、あの強烈な物量大投資の図書館のようなイメージがこびりついていたので、この新店舗を観たとき、予想を遥かに超えるライトな感覚、というか......ちょっと驚いた、と同時にやや欲求不満みたいなものも.....(笑)
店舗は、どちらかというと本が主体ですね。その中にCDが紛れ込んで存在する、というような印象。単に本やCDを売るという目的だけではなく、、コーヒーショップなどの「食」の売り場などもあって、料理本に加え、食器や調理器具、そして本を読むスペースや休憩所など、なんかトータル的にライフスタイルを提供する、スゴイおしゃれな空間に様変わりしていた。ネットでの紹介文では、30~40歳くらいの女性客をターゲットにしている、と書いてあったので、なんか合点がいく感じ。
商品の陳列の仕方も、スゴイお洒落で、テーマごとに分けて陳列されているのには驚く。
自分は、CDを買う場所としてHMVをずっと捉えていたので、肩透かしを食らう感じだったが、帰宅してネットの紹介文を読みながら、落ち着いて考えてみれば、CDを買うならもうネットでやるのが当たり前のご時世なので、店を出すなら、それと差別化できないといけない。
そういうところから生まれたソリューションなのかな、とも感じて、なるほどと思った次第である。
(でもCDは置いてあるけれど、クラシックは置いていないというのはなぁ。クラシックを入れちゃうと品揃えが多くなって陳列に困るからでしょうか?(笑))
まずCD売り場。
なんとブリティッシュ・カルチャーというコーナーもあって、ポリスの「シンクロニシティー」や、スタイル・カウンシルの「カフェ・ブリュ」などの陳列もあった。(笑)これらの音楽は自分の高校、大学時代の世代でその層を狙っているのでしょうか?(笑)
でも名盤ですね。
出た!HMVの試聴機。(笑)昔は、黒地だったような記憶がある。
その他にも、音楽、映像関連の商品が......
雰囲気的にオシャレなテーマごとに本が陳列されていたり。
ヨーロッパの旅行ものも!!
文房具が売っていたり。
健康食品類が売っていたり。
コーヒーや食べ物などのお店もあったり。
支払いカウンター。
なんか、今風のお洒落な楽しい空間ですね。女性客向けを狙ったというのもわかるような気がします。
ネット通販と差別化を図った、という狙いがよくわかるような気がしました。
お店を出て、CDを買いたいという欲望をそらされた感じになった(笑)自分は、そのままお茶の水へ。
エム5邸オーディオオフ会に行くときに、ゴローさんとここで必ず待ち合わせ場所につかったお茶の水ディスクユニオン。
やっぱりこの風景は、安心する。
最近集め始めた廃盤などのレアなマーケットであるDG(ドイツ・グラモフォン)のSACDを探すことに。
意外と全部持っていたりするので、収穫は、最近チケットを確保できたネトレプコのSACD、オペラ・アリア集1枚だけであった。あと、グリモーのクレド(SACDのほうで再生、つまりきちんと鳴らすことが非常に難しい超難関ソフトであった「クレド」のBlu-ray Audioソフト・バージョンであった。)
ネットでCDを買うようになってからは、こういうお店に行くことも少なくなった。
でも待ち合わせに使ったときに、ゴローさんに質問され、
ゴロー「ノンノンさんは、いつもCDをどうやって買うの?」
ノンノン「大概、ネットですね。」
ゴロー「ダメなんだなぁ、それじゃぁ。」
とダメ出しをくらったりした。(笑)
ゴロー「ネットでは売っていない、なかなか手に入らない珍しい盤などが、こういうお店には出てい
る場合も多いので、できる限り頻繁に出歩いて探したほうがいいんだよ。」
と教えてもらった。
このとき、このお店で偶然見つけたのが、これ。
1997年の小澤&サイトウキネンの「マタイ受難曲」。なんと今は亡きPhilipsレーベル!
「うわぁ、これはレアだよ、こんな盤がここで見つかるなんて。だから言ったでしょう。こういうのが見つかったりするから、こういうお店に出入りして、日頃チェックする必要があるんだよ。ぜひ、これは買いだよ!」
いまでは、マタイ録音の自分のリファレンスであったりする。
そして、以前日記でも取り上げたシューマンの「女の愛と生涯」のエディット・マティスのDG録音。これもこのお店で見つけた。こういうお店に出入りすることの重要性を再確認。
やっぱりオーディオファン全般にこういう言葉を使うと語弊があるかもしれないけれど、自分のような”壊れた大人”には夢を与えてくれるお店なのだ、こういうお店は。
いくらネット通販が主流になっていっても.....
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