NYWCC (NewYork Wolf Conservation Center) [雑感]
エレーヌ・グリモーが創立した狼保護施設センター(Wolf Conservation Center:以下WCCと記す。)の存在をキャッチできた。NY(NewYork)の郊外のSouth Salemにあることがわかった。ありがたいことに自分のグリモーの日記にコメントを投稿していただき、いろいろ教えていただいた。
アメリカにも近い将来に行ってみる予定で、そのときに、このグリモーさんのWCCをぜひ表敬訪問したい夢を抱いていたりする。
そのコメントをいただいた方は、なんと、そのWCCのFound Raising Dinner(いわゆる寄付金集めのための親交パーティのような感じ)に2回も参加して、グリモーさんと懇親を深め、とても近距離でグリモーさんと忘れられないような想い出をたくさん作られたんだそう。
グリモーさんの実物はさらに優雅で美しく、どんな人の話もあの目でじーっと相手を見ながら熱心に聞くので誰もが吸い込まれるように惹かれてしまうそうだ。
そのWCCのHP、もちろん英語で書かれているのだが、自分のつたない英語力で、さらっと一通り読んでみて、WCCの全容を紹介できたら、と思い日記にしてみることにした。なにせ近い将来行くところなのであるから、自分のためにもなるだろう。
WCCは、グリモーさんが1996年に創立して、基本は非営利団体・教育・環境保護団体で、自分から利益を出すビジネス体ではないのだ。すべて個人や団体からの寄付で、生計を立てている。
でも、このHPには、普通の民間企業のように、年度ごとのAnnual Reportというのを発行していて、このAnnual Reportを読めば、WCCが毎年どのようなことをやってきたのかの概要が分かる。
基本は寄付で、生計を立てている団体なので、どのくらいのインとアウトなのか、というと、2014年の寄付の収入は、
総額 $1,056,175
日本円で約1億!
個人単位の寄付から、団体、組織としての寄付など様々な形態が存在する。
さらに、その年度の支出は、
総額 $748,487
日本円で、約7700万。
黒字経営だ。(笑)
もちろんお金としての寄付が前提だけれど、現物支給(In-kind)としての寄付も受け付けている。(現物支給してくれた人の名簿リストもあるが、本当にスゴイ人数。)
このHPやFBなどから、いわゆるOnline Donation(オンラインでの寄付)ができる仕組みで、自分もさっそくDonateした。
自分のE-Mailアドレスや住所などの個人情報も送るので、なんかグリモーさんと繋がっている感覚になる。
実際のところ、その後、いろいろメールでWCCの情報が送られてきて、さらにDonationへの招待含め、WCCの活動の近況情報なども送られてくる。
Donateした人は、その金額に応じて、ランクごとに、そのAnnual Reportに名簿として記載される。上は、$25,000 (¥260万)から下は、$250~$499 (¥26000~¥50000)。
ハイ、自分はもちろん一番下です。
Donateするときは、どのくらい本気なのか、を確認する項目があって(笑)
In Honor of としてなのか、In Memory of としてなのか・・・ 毎月寄付してくれるのか?
など、ハイ、自分のできる範囲です。(笑)
自分もこのAnnual Reportの寄付してくれた人リストに掲載されるかな???
正規のスタッフは、全部で、22人。
ボード・オブ・ダイレクター 9人 (この中にグリモーさんはFounderとしての肩書で掲載されている。)アドバイザリー・ボード 8人 スタッフ 5人
という内訳。
それに膨大な人数のボランティアがいる。
じゃあ、WCCってどんなことしているの?というと大きく次の3つに分けられる。
①狼を養育する。(Nurture Wolves)
②人々への狼に関する教育。(Educate People)
③支援者・資金などを結集する。(Mobilize Support)
①狼を養育する。
現在、WCCで飼育されている狼は30匹。広い敷地をランドスケープの敷居で囲まれた中で過ごしている。(28エーカーくらいの広さ。エーカーというのは広さ面積の単位だそうです。)狼の人口を回復し、狼と自然とのパートナーシップを援助、つまり自然に帰すための手助けをする。
②人々への狼に関する教育。(Educate People)
2014年だけでも、大人&子供(大半はキッズだそうです。)で4万人の人を教育。狼の生態、自然界とのパートナーシップ&今置かれている苦境などを人々に教育して伝え、支持者、資金などのサポートを得ることが目的。
教育する場所としては、屋内(In-site)の場合は、WCCの敷地内で行うし、屋外(Off-site)の場合は、アメリカの北東地域の学校、博物館、図書館、自然センターなどのロケーションで行うことが多いそうだ。
2014年だけでも、WCCの敷地内でおこなう屋内のプログラムは、385回にも及んだし、屋外の講演は、145回行ったそうだ。
ポイントなのは、このとき、その教育の対価として報酬をもらわないことですね。あくまで寄付という形で繋げるのが非営利団体の立場ですかね。
③支援者・資金などを調達する。(Mobilize Support)
ある意味、これがこの団体の命綱的なところもあるのだろう。
②のEducation Programを充実させて、その現実を人々に理解してもらったうえで、寄付してもらう道筋をつける。FBなどに代表されるようなSNSを使った宣伝、サポートも順調で、2億人のサポーターがいるそうだ。
WCCってこんな感じの団体。
狼を愛するが故の狼の啓蒙活動&教育をして、それに基づいての寄付金で狼の飼育含め、団体を運営している非営利団体。
ある意味、人間のご都合主義によって、狩猟のターゲットにされ、激減した狼の生態系。それをこのような形で、飼育してまた野生に返していく、という狼の保護団体というのが実際の姿だ。
以前の日記で記載したように、グリモーさんが単身でアメリカで究極の貧乏生活の中、苦労しつつ1996年に創立した、その狼保護団体であるWCC。
現在は、スタッフ22人に多数のボランティアを抱え、年間1億の寄付を集める巨大な団体に成長していた。
WCCの年間カレンダーには、こと細かく、Education Programの日程がびっしり詰まっている。
もし、自分がWCCを訪問したい場合は、この年間カレンダーの日程を見ながら彼らの不在のときに訪問しないような注意が必要だ。さらにWCCのあるエリアは、かなり広大で、NY都心からも離れているようなので、相当用意周到に準備をしていかないと失敗する可能性が多いと思われる。
また、これだけの規模の団体なので、もう単に興味本位で立ち寄るというレベルではなく、きちんとWCC&狼のことを深く想う気持ち、つまり本気度が必要な気がしてきた。(どれくらいの頻度で寄付する、自分の本気度があるかどうか、も含めて。)
グリモーさんを思う気持ちから、狼のことをどこまで本気で思えるかですね?
う~む、まだまだ先の話だが、気が引き締まってきた。グルルゥゥゥゥ~。
Wolf Conservation Center 公式HP http://nywolf.org/
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