いまのレーベルは、録音エンジニアやスタジオは、外注業者が主である。 [録音関連]
いまのメジャーレーベルでは、スタジオや録音エンジニアなど職人に関するところは、要は儲けに直接関係ないということで、すべてコスト削減、スリム化のもとリストラされて外注のようだ。
もちろんいろいろと自分の目に触れることの多い記事や、自分なりに業界を俯瞰してのイメージに過ぎない。すべてのパターンを調べるのは、不可能であるし、一概にそうと決めつけるのは問題があるかもしれない。間違いな思い込みも多々あると思うのでご容赦願いたい。
今回のお題に関しては、自分もおおよそそんな印象を受ける。 確かに金食い虫であるだけで、儲けにはあまり関わらないだろう。
だったら、外注に頼んだほうが安上がりだ。
また外注のほうがより技術的にも専門的なスキルを持った業者が多いことも確かだろう。
レーベル社内で、そういった職人を育てていくだけでも大変なことだ。
レーベル社内で、そういった職人を育てていくだけでも大変なことだ。
そういえば、ポリヒムニアやEmil Berliner Studiosもよく考えれば外注企業だよな。
(C) Polyhymnia International BV Facebook Page
もちろんすべてのメジャーレーベルがそうだ、という訳でなく、そういうケースが多いということ。
スタジオは昔から併設されているのを、そのまま使って、録音エンジニアなどの収録スタッフを外注で雇うとか、いろいろ形態はあるだろう。
スタジオは昔から併設されているのを、そのまま使って、録音エンジニアなどの収録スタッフを外注で雇うとか、いろいろ形態はあるだろう。
でも、それってレーベルごとに受け継がれてきている伝統サウンドというものが、もう崩れてきて存在しない、ということを意味しているのではないだろうか?
DGであれば、骨格感のある硬派な男らしいサウンド。
1960年代ステレオ草創期を一斉に風靡したDECCAマジック。。。などなど。
1960年代ステレオ草創期を一斉に風靡したDECCAマジック。。。などなど。
そのレーベルごとに、そのサウンド、という特徴があって、それを堪能するのがオーディオマニアの楽しみでもあった。マニアはいつのまにか、レーベル単位で、その録音されているサウンドを想像することができた。でもいまは外注なのだから、それこそコスト重視で、アーティストごとにいろいろ違う外注に切り替えていたりしたら、それこそレーベルごとにサウンドの統一感なんて難しいことになる。
音楽が売れなくなってきているレーベルも、その体力維持だけで精一杯で、そんな職人システムを維持していくだけのパワーがないのはよくわかる。売上、儲けに関係ないんだから。。。
でも、それって本当に寂しいことだと思える。
いま現在、専用スタジオを持っていて、録音エンジニアが、その志を持って、しっかりと働いていける、そしてユーザにその作品を贈れる環境なのは、やはりマイナーレーベルなんだろうか。
彼らは、まさに「ユーザに高音質な作品を届けたい」というポリシーのもとで、会社を設立しているので、目的がはっきりしている。
だから自分の拘りぬいた専用スタジオを持つことはもちろん、優秀なトーンマイスターを極少人数でもいいから拘って雇う。というより、そのレーベルを立ち上げた本人がやっている場合が多い。
そういう点で、彼らはブレていないんだろう。
そういう彼らの作品は、確かにレーベルごとに、きちんと自分の考えに基づいたサウンド造りができている。音楽を制作している側の録音哲学(トーンポリシー)&主張がきちんとサウンドになって現れているのだ。
そういう発想を、膨大な音源を持ち、たくさん契約しているアーティストを抱えるメジャーレーベルの巨大組織に、そのまま当て嵌めるのは無理があるのかもしれない。
レーベル自身が自分の録音哲学を持っていて、それを自分の録音作品に反映する。
レーベルのカラー&ブランドをつくる。
それを実現するには、もっと小回りの利く小さな組織じゃないとダメなのだろうかな。
いずれにせよ、ネット配信が主流になってきて、音楽ビジネスのあり方も変わってこざるを得ない昨今、演奏家、そして録音エンジニアなどの音楽製作側の立ち位置、ありようもいまが過渡期なのかもしれない。
ポリヒムニアだって、PENTATONEやRCO Liveだけでなく、実際喰っていかないといけないんだから、たぶん出稼ぎ録音出張で、いろいろなレーベルの仕事を引き受けているんじゃないかな?
で、それはライナーノーツのクレジットに小さくポソッと名前がクレジットされているだけ。
もっと彼らにスポットを当ててあげたい!
世界中のコンサートホールやオペラハウスを飛び回っている大変な肉体労働者なんだから。(笑)
2017-06-02 20:18
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