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山田和樹 [クラシック指揮者]

小澤征爾さんの後を継ぐような「世界の~」という冠が付く日本人の指揮者が、今後現れるかどうか。。。たぶん、あと20~30年は無理なんじゃないか、とも言われているし、自分もそう思う。そんな中で山田和樹氏は、将来の明るい展望が待っているそんな小澤さんの後を継ぐ1番手の将来の期待のホープであることは、誰も異存はないだろう。


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自分もとても期待している。

山田氏の音楽は、自分の場合は、PENTATONEでのスイス・ロマンドのSACDをほぼ毎日のように聴いている。

過去からずっと発売されてきた山田和樹&スイス・ロマンドのアルバムは、ほとんど全部収集して、徹底的に聴き込んできている。

どちらかというとPENTATONEの場合の山田氏へのアプローチは、大曲というよりは、小作品集といったコンセプチュアルな企画ものが多く、これがまた聴いていて、疲れないし、ついつい毎日聴いてしまう原因なのかもしれない。

最近発売されたスペインの作曲家ファリャの作品集は、これは本当に素晴らしい出来栄えで、もう毎日聴いている。

そんな万事が順風漫歩な彼なのだが、自分としては、じつはちょっと厳しい見方をしている。

それは、あまりにスマートになんでもできてしまうこと、若いのに頭も抜群に切れる見識者、そして日本のクラシック業界が彼を将来の日本を背負って立つスター指揮者に育てるべく、とても大事に扱って、いろんなビジネスチャンス&経験を与えていること。

確かにこれにとやかくいうつもりは全くないのだが、あまりに過保護というか、なんでも完璧にスマートにできてしまうことに、なんというのか、存在としての渋み、重量感がないというか、自分にとってクルものがない。

まだ若いから、なのだけれど、彼がまさに指揮者としては、60歳~80歳、つまりおそらくは大指揮者として世界中から認識されるような年頃に”巨匠”と呼ばれるような滲み出る渋み、重さのオーラが出るには、やはり若い頃の血の滲み出るような苦労、失敗の失敗を重ねてこないと、そういうものは滲み出てこないものなのだと思う。

小澤さんは、ある意味苦労の塊のような波瀾万丈な人生だった。カラヤン&バーンスタインの弟子になれた幸運もあるけれど、N響事件、日本と決別して海外でやっていく決心、小澤さんは元来、正直そんなに器用な人じゃないと自分は思う。

でも情熱と実力、そして苦労に苦労を重ね、そしてやっぱり運も必要。そういう波瀾万丈の人生を歩んできたから、晩年にその重み、年輪が発酵するような形で巨匠のオーラが出るのだと思う。


自分は、いまの山田氏を見ていると、あまりにスマートすぎて、大切に扱われ過ぎで、メディアも大絶賛、そういう苦労を重ねる上での年輪のようなものを構築するプロセスがないような気がするのだ。

ときには、メディアのバッシングも浴びなくてはならない。育てるにはそうあるべき。

自分な見方なのだけれど、人間、もうちょっと不器用なくらいなほうが、将来歳をとった時、いい味を出すんじゃないかな、と思うのだ。

まっこれは、幼少時から挫折、失敗の連続だった自分の人生なので(笑)、そういう育ち方をしてきた自分からすると、山田氏はあまりにスマートすぎて、このまま順調に歳を重ねても面白味を感じない指揮者になるのではないか、と思ってしまうのだ。

これは劣等人生だった自分のやっかみだと思ってください。(笑)

小澤さんに共鳴できるのは、けっして器用な人ではないし、苦労の年輪が見えるから。

山田氏をはじめて観たのは、小澤さんのピンチヒッターでのサイトウキネン松本。このときはピットだったので、よくわからなかったのであるが、2回目に観たときは、サントリーホールでのスイス・ロマンド&樫本大進ソリストでの公演。

大変素晴らしかったのだが、自分には騒がれている割には、軽い感じがして、指揮者としての存在感が希薄だった。

山田氏に厳しいことを書いてきてしまったが、あくまで劣等人生の自分から見てのやっかみ。才能は抜群!将来の日本を背負って立つ指揮者であることは間違いないので、頑張ってほしいことは間違いない。

苦労してほしい!メディアもただ持ち上げるだけでなく、育てるために厳しく論評することも必要。

そして巨匠と呼ばれる年代には、滲み出る様なオーラを出しまくってほしい!


応援しているからこその愛のムチです!




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