DSD11.2MHzライブストリーミング [オーディオ]
時間の問題とは思ってはいたが、突然のプレスリリースで驚いた。IIJがやっているDSDライブストリーミングで、世界初のDSD11.2MHzでストリーミングサービスを開始するという。
N響のミューザ川崎でのコンサートで初披露。
えっえっえっ?視聴環境なんかの事前の情報リリースはいっさいなかったので、まず関心事はそこ。
どうやって聴くの?
プレスリリースなんかの記事を観ても、視聴環境については、どこにも書いていないというか、積極的にページを紹介していないみたいだった。
なんか訳ありというか、不親切だなぁ(笑)という感じで少々ストレスを感じた。
時間はかかるけれど、まずはお問い合わせフォームにて、問い合わせてみる。
自分の関心ごとは、このDSD11.2MHzストリーミングをどうやって聴くのか?
N響のミューザ川崎でのコンサートで初披露。
えっえっえっ?視聴環境なんかの事前の情報リリースはいっさいなかったので、まず関心事はそこ。
どうやって聴くの?
プレスリリースなんかの記事を観ても、視聴環境については、どこにも書いていないというか、積極的にページを紹介していないみたいだった。
なんか訳ありというか、不親切だなぁ(笑)という感じで少々ストレスを感じた。
時間はかかるけれど、まずはお問い合わせフォームにて、問い合わせてみる。
自分の関心ごとは、このDSD11.2MHzストリーミングをどうやって聴くのか?
①USB-DACは、11.2MHz専用のDACが必要になるのか?それに応じて、KORGのDACであれ
ば、再生エンジンであるAudioGateも次のバージョンの5がリリースされるのか?
②PCのCPUの動作スペック的に、5.6MHzのときに比べて、さらに上のものが必要なのか?
つまりPCをまた買い替えしないといけないのか?
③家へのネット回線スピードはどれくらい必要になるのか?
④アプリであるPrimeSeatを新しいバージョンに入れ替えないといけないのか?
この4項目だった。
まず、
①USB-DACについて
これは、DSD11.2MHz対応のUSB-DACが必要になる。
いま、このIIJのサービスが推奨しているUSB-DACメーカーの中で、KORGをはじめ、11.2MHz対応のものは、まだ世の中に出ていない。(笑)つまり11.2MHzライブストリーミングを受信できるUSB-DACは、まだこの世に存在していないのだ。(笑)
どうりで、視聴環境について積極的に紹介していないわけだ。(笑)
自分が持っているのは、KORGのDS-DAC-10RというDACなのだが、5.6MHzまでで、11.2MHzは再生できない。
これに応じて、たぶんAudioGateもバージョン5がリリースされるはず。
このGUIの中に、11.2MHzの関するボタンが必要になるから。
②PCのCPUのパフォーマンスについて。
推奨スペックの変更はなし。
CPUはCore 2 Duo 2.66GHz以上を推奨する。
PrimeSeatでDSD5.6MHzの音源が問題なく再生できているPC環境であれば、DSD11.2MHzの音源も再生できる。
これは心底ホッとした。自分にとって最高に朗報だ。音楽再生専用としてMacBook Proを新規購入したばかり。これでまた買い替えだと金銭的にも、あと、PCの今後の展望においても無理だ。
PCってオーディオ機器などの家電と違って、ライフサイクルがすごく短くて、USB I/Fとか規格がどんどん変更になって、対ノイズ対策という点では、どんどん悪くなる一方だそう。
というのはPCを開発している人たちって最初からオーディオを再生することを考えて設計していないから。今後PCオーディオのような音楽再生に適したNotePCなんていうのは、もうあり得ないんじゃないかなぁ、という話。
新型のMacBook ProもいまいちUSB I/F含め、ノイジーだという話。
ただ、これは、11.2MHzをそのまま11.2MHzの再生環境、5.6MHzをそのまま5.6MHzの再生環境で再生する場合で、このような場合は、CPUの負担ってそんなにかからないのだけれど、これをダウンコンバートやアップコンバートするともろにCPUの負担が大きくなるそうだ。
だからCPUに負担がかかって音声途切れになったりすることもある。
このダウンコンバートやアップコンバートに関しては、サポート対象外だそうだ、11.2MHzに関しては。
③ネット回線スピード
DSD11.2MHz音源の再生には、常時24Mbps以上の通信速度が必要。常に安定して再生するための推奨速度は50Mbps以上。有線LANでの接続を推奨。
これは厳しい。DSD5.6MHzのときは、推奨速度は、常時12Mbps。
回線はDSD5.6MHzと比較すると倍の回線帯域が必要になる。
うちのマンションの回線速度は、28Mbps。
マンションというのは、入り口までは光回線で100Mbps来ているけれども、その屋内に入ってしまうと、既存の電話線の上位規格であるVDSLなので、ガクンと落ちてしまって、さらに多数の部屋に分岐されてしまうので、スピードが落ちるのは仕方ないのだ。
28Mbps出ていれば、御の字だと思う。
そうすると、11.2MHz再生するには、ギリギリで、常時安定であれば50Mbps必要とあれば、ちょっと無理。
やっぱり11.2MHzという大容量のネックはここなんだな、と思った。
ストリーミング再生では一番大切なポイントですね。
④再生アプリのPrimeSeat
再インストールの必要はなしで、いまので使えるらしい。従来の音源に関しては、5.6MHzまでだからGUIは変わらないし、今後の音源に関して、11.2MHzの選択肢のボタンが増えるだけなので、アプリそのものには関係ないようだ。
ただ、11.2MHzのストリーミング再生のためには、PrimeSeatのバッファサイズを最大にすることを推奨されている。
ストリーミング再生には、受信機側でのこのバッファという概念が必須で、リアルタイムでストリームを構築していくのでサーバー~家庭間でネット環境に応じて、時間軸管理で途切れた場合に、再生音がブツ切れにならないように、あらかじめ受信機側のメモリーでデータをプールしておく必要があるのだ。
ネットで途切れても、それをメモリーのデータである程度の時間、補うみたいな感じ。
やっぱり11.2MHzの大容量のストリーミングでは、このメモリーの容量、つまりデータをプールしておくのを最大限にしておく必要がある。
こんな感じだろうか。
結論は、11.2MHzになることで、視聴環境的に変わることは、
・USB-DACを11.2MHz対応のDACを新規に購入すること。
・ネット回線を太くすること。
ということになりそうだ。
ということで、いまの自分のマンションの環境では無理。1軒家に引っ越してダイレクトで100Mbpsが使える環境でないとダメだ。
敷居は高そうだ。
でも、自分はこのDSDライブストリーミングに将来的には5.1サラウンドも対応して欲しいと思ったりしているのだけれど、そうなると5ch分のストリームを通す回線となると、これまた太い回線が必要になるんだな、ということに気づいた。(笑)
結構大変なことなんだな。
11.2MHzの5.1サラウンドなんて、もう大変だし、5.6MHzのサラウンドでも容量的に大変そうだ。
あと、5chのサラウンド再生をやるなら、5ch分の位相ってどうやって合わせるの?というのもあるよね。サーバーからのストリームを家庭で再生するときに、5本のSPから出る音は全部が位相が揃ってないといけない。これって結構大変なことなんじゃないかな、とも思ったりする。
対応USB-DACもまだないのに、プレスリリースで発表してしまったのは、やっぱりDACが揃うまで待てない、ということだと思います。
ストリームの音源ができてしまったので、”世界初の11.2MHzストリーミング”ということを、まず発表してしまいたかった、というのが真相じゃないかな、ということを邪推したりします。
わかる~その気持ち。(笑)
別に攻めたりしません。その気持ちよ~くわかるから。(笑)
あと、11.2MHzのUSB-DACってどれくらいの値段で売られるかですね?
ストリーミングというのは、ふつうの音源のサービス、Spotifyとか、TIDALとか、Amazon Musicとか。。。
でもそれって、定額聴き放題だったりして、自分はどうもそこに抵抗があって、やってみようと思わないのだけれど、ライブストリーミングは、まさに演奏会のライブをストリーミングで流すので、ふつうのCDとかでは絶対手に入らない音源だし、ストリーミングというビジネス形式では、こちらのほうがユニークだし、将来性あるように思えます。
いま世界中のどこのコンサートホールやオペラハウスでも、自分のところの公演を映像&音声のストリーミングでネットに流してサービスするというビジネスは定着してきていますよね。
そしてDSD11.2MHzというスペックについて。
自分はこのスペックが出始めたときから、なんかオーディオ業界に昔から根強く蔓延る「スペック至上主義」の象徴のような感じで生理的に受け付けなくて嫌いだった。(笑)
オーディオ商品を出すときに、スペックが高いと、それだけで、なんかグレードが高い製品のような感じでマーケット商戦に強いんだと思う。逆に他の製品が高いスペックを唄っているのに、自社だけそれより劣るスペックを唄うこと自体、それだけで商戦に負けてしまうみたいな。
そういうユーザ心理をうまく突いたところにあるものなのだ。スペックって、昔から。
オーディオ、音楽って、スペックでは一義的には決まらないです。
それだけで判断してしまう人は、聴いている音楽のことをよくわかっていない、オーディオ的快楽だけ求めている、生の音を知らない、自分からするとまだまだ底が浅いと思う。
そういう自分は、まだ11.2MHzの音をじかに聴いたことがないので(笑)、偉そうなことは言えないし、改心するかもしれないけれど。
やはり生の音とあまりに乖離しているのはダメですね。いくらオーディオ的に快感であっても。
先日の仲道郁代さんのサントリーホールライブのBD。あれはたったのPCM 48/24ですよ。それなのにあれだけ生演奏の臨場感をうまく表現できていて、仲道さんのピアノを表現するのに、あれで必要十分だと思った。あれ以上のスペックは必要ないと思った。
あと、同じIIJのベルリンフィルアワーのライブストリーミング。あれもPCM 48/24。これも恐ろしく鮮度が高くて、生演奏のありようを完璧に表現できていた。あれ以上のスペックって必要?ってな感じで。
その音楽を表現するのに最適なスペックって様々に存在すると考えたほうが絶対適切だと思う。
逆にスペック高すぎの音って、人工的なHi-Fi(死語(笑))サウンドで、あまりに現実離れして自分には違和感を感じると思う。
出来る限りのハイサンプリング、ハイビットで録れば、それだけもともとの原波形に近い形で録れて再生できることになるということだから、音声信号はもとより、現場の気配感など、いままで聴こえなかった音がどんどん聴こえることになるのだろう。
でも捉えられる情報が多過ぎて、普段聴こえない音が聴こえすぎるとどうなるのか?
鮮度感が高すぎると、長時間聴いていると心臓が痛くなったりする。また一度ゴロー調布邸で、マルチチャンネルDATの音を聴かせてもらったことがあるのだが、さすがテープの音、中域にがっちりと厚みがあっていい音なのだが、暗騒音があまりに生々し過ぎて聴いていて気持ち悪くなった。
あと通常のCD製作では低域カット処理をするもんだが、そういう処理をせず、そのまま超低域までを再生しているCDもある。(なにを隠そうEmil Berliner Studiosのライナー・マイヤールさんの作品 (笑)。)そういうCDの類は音楽を楽しむというより実験的な意味合いも多かったりする。
人間が長時間リラックスして音楽を聴く上で、聴こえなくていい音、音域というのは必ずあると思う。
また確かにDSDはPCMと比べてサンプリング周波数が高いので情報量が多いかもしれないが、DSDであればなんでもいいという訳でもなく、DSDの波形処理(1bit)の仕方にあう音楽、PCMの波形処理(Multi-bit)の仕方にあう音楽というのが絶対に存在するはず。
まずは音楽ありき、のはずだと思う。
音楽を表現するのに、生音を知らない、スペックだけで判断する人は、浅はかすぎる。
(まぁこれはある意味その人の勝手でしょ?というところもあって、スペック高で税に入れる人は、その人にとって 幸せなのでしょう。)
あと、数人の専門家の方の意見を読んだことがあって、ちょっと詳しくは忘れたのだけれど、サンプリングレートが高ければいい、というもんでもなく、その弊害、後遺症が出るので、青天井に上げていけばいい、というもんでもない、と書いてあった。
その弊害、後遺症の理論をちょっと忘れてしまった。
自分の周りにも、11.2MHzに対しては否定的な意見の人が多く、我が意を得たり、という感じでもあった。もちろん肯定的な人もいます。
こればかりは、自分の耳で、聴いてみないとダメですね。
5.6MHzで聴いていても、時間帯にもよるが(夜はビジー)、2時間聴いていれば、必ず1回は途切れてしまう現象が起きてしまう。
それだけストリーミングって技術的に難しい。
そんな中で、11.2MHzにすることで、そのネット回線など負担も大幅に増になるけれど、そこまでしても、いい音なのか!!?
やっぱり旭化成のようなところが、このようなバブルのようなAD/DAのICを開発してしまうから、青天井にどんどん上に上がってしまうんだと思う。(じつは、DSD22.4MHzとか、DSD44.8MHzというのも現に存在するのだ。)
オーディオ、音楽の再生のクオリティってそんなもんじゃないんだよね。
でも確実にオーディオ業界には、スペック神仰の考えは昔から根強く存在することは紛れもない事実なのだ!
2017-07-09 02:05
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