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静止画の美学 [雑感]

プロのカメラマン・ネタで最近もうひとつ思っていること。

それは、最近スマホの発達で誰もが簡単に動画を撮影できるようになった。
なので、FB,Twitter,InstagramなどのSNSでも動画のアップが頻繁にみられる。

もちろんこのことに遺憾を唱えるつもりは毛頭ないのだけれど、自分は”静止画の美学”というのは絶対あると思う。

カメラ、そしてカメラマンが芸術とされるその最たる理由は、”その一瞬”の画像があまりに人の心を捉える、そういう芸術性というのがあるからだ。

プロのカメラマンが、画展、写真展などを開くとき、そこに掲示される撮影してきた数々の写真は、みな”その一瞬”を見事に捉えた作品ばかりだ。

そこに観る人は、みんな究極の感動を覚える。

自分も限りなく、その一瞬の絵に、動画では絶対無理である”静止画の美学”というものを感じてしまう。

これもじつは人物画なんて顕著にその差が出そう。

スポーツ選手の撮影なんてそうですね。その競技をしている最中のスポーツ選手のじつに生き生きとした一瞬のショットは、誰もが感動し、動画よりも与える印象は深い。

さすがプロのカメラマンと思う一瞬だ。

また自分の趣味で申し訳ないのだけれど、クラシックでいうならば、最近はコンサートの模様をプロのカメラマンが演奏中の演奏家の姿、カーテンコールのときの瞬間を撮影され、その楽団のSNSなどに掲載されるケースが多い。

そこはさすがにプロのカメラマン!

みんな、そのアーティストの最高の一瞬を見事に捉えている。

自分は、昔、恐れ多くもクラシックのコンサートのカーテンコール撮影を趣味としていたことがあって(笑)、その素晴らしい一瞬を捉える難しさをよく理解している。

あのような一瞬を捉えるには、もう何百枚という連続撮影をして、後で観たところ、その大半が失敗作で使えるショット、演奏家の方々がいい表情をしているショットは、ほんのわずか、数パーセントにすぎない・・・そんな世界なのだ。

まさにここに静止画の美学がある。

最近、なかなかアピールしすぎるくらい(笑)、強調するショットだなぁ、と思ったのは、先だってのサントリーホールでおこなわれた、DG創立120周年ガラコンサート 小澤征爾さん、アンネ・ゾフィー・ムター、そしてサイトウキネンオーケストラという夢のコラボのコンサート。

これがライブ録音されCDになったが、そのジャケットに使われたこの写真。


81VZyS6qo0L._SL1500_[1].jpg


何百枚も失敗作があったに違いない。(笑)

自分は、このように写真の世界が持つ”静止画の美学”に限りなく、その価値観を理解できるので、最近SNSでみられるカーテンコールを動画で撮影アップする手法は、まったく感動できない。

動画だと、冗長的過ぎて、その一瞬のインパクト、その感動具合、アピール度が全然伝わってこないのだ。

だからカーテンコールは絶対静止画に限る!

あっ、でも、動画の投稿のほうがいい場合もある。

それはネコ関連の投稿。(笑)

これは絶対動画のほうがいいです。(笑)

動画に向いているもの、静止画のほうが感動するもの、やはりそれぞれ向き不向きってありますね。







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