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大姫 [雑感]

源義経を主人公にしたドラマでは絶対登場しないのである。大姫は、源頼朝を中心に添えたドラマでないと登場しないヒロインなのである。


2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の主要キャストが決まり、俄かに盛り上がってきた。来年でなく、まだ2年先のことなのに。(笑)


みんな魅力的な俳優さんばかりで、自分の期待通りのセンスの良さで大満足である。この中で、大姫役の南沙良さんは、自分の大姫に抱いているイメージ通りでいいと思った。


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楽しみである。


大姫というのは、歴史の教科書にもまず出てこないし、源頼朝の娘なので、頼朝を扱う物語でないと登場してこない人物である。


だからあまり知らない人が多いと思う。


でも自分にとって、頼朝鎌倉物語を語るうえでは、この大姫は欠かすことのできないとてもメモリアルな人物なのである。


大姫というのは、こんな人生を辿った人物である。



源頼朝と対立していた木曽義仲は、長男で当時11歳の木曽義高を人質として鎌倉に送り、当時6歳の大姫の婿とする事で頼朝と和議を結んだ。しかし頼朝と義仲の関係は破局し、翌年義仲は頼朝の送った軍によって都の郊外で敗死する。


頼朝は将来の禍根を断つべく義高の殺害を決める。それを漏れ聞いた侍女たちから知らせを受けた大姫は、明け方に義高を女房姿にさせ、侍女たちが取り囲んで邸内から出し、ひづめに綿を巻いた馬を用意して鎌倉を脱出させる。


義高と同年の側近であった海野幸氏を身代わりとして、義高の寝床から髻を出し、義高が好んで幸氏といつも双六勝負していた場所で双六を打ち、その間殿中の人々はいつも通り義高が座っているように思っていたが、夜になって事が露見する。


頼朝は激怒して幸氏を召し捕り、堀親家以下軍を各所に派遣して義高を討ち取るように命じる。周章した大姫は魂を打ち消すほど打ちしおれてしまう。親家の郎党である藤内光澄が鎌倉に戻り、入間河原で義高を討ち取った旨を報告する。


この事は内密にされていたが、大姫の耳に入り、悲嘆のあまり水も喉を通らなくなるほどだった。政子は大姫が病床に伏し、日を追って憔悴していくのは義高を討ったためだと憤り、ひとえに討ち取った男の配慮が足りなかったせいだと頼朝に強く迫り、藤内光澄は晒し首にされた。


7歳であった大姫の心は深く傷付き、その後十余年を経ても義高への思いに囚われては床に伏す日々が続く。義高のための追善供養や読経、各寺院への祈祷などあらゆる手が尽くされたが効果はなかった。


大姫入内運動は、頼朝が通親・丹後局に利用され、結果的に朝廷の反幕府派の台頭を招く重大な結果をもたらした。頼朝は大姫の死後、次女・三幡の入内工作を進めて女御となるも、自身と三幡の相次ぐ病死で頓挫する。


それまで常に冷徹な政治家であった頼朝のこれらの最大の失策は父親としての思いからとも、娘を天皇の后に立て自らが外戚になるという、中央貴族の末裔としての意識を捨てきれなかった限界とも評されている。




自分も1979年(昭和54年)のNHK大河ドラマ「草燃える」で、この大姫の存在を知った。


大姫は、頼朝と政子の長女。木曽義高と恋におちるが、最終的には義高を父頼朝に誅され破局する。これが原因で精神を病み、若くして亡くなる。


そんな悲劇のヒロインなのだ。


当時の草燃えるでは、大姫の少女時代に西尾麻里さん、斉藤こず恵さん、そして大人時代に池上季実子さんが演じていた。


このときの池上季実子さんの熱演に自分はすっかり感情移入してしまい、大姫ってなんて可哀そうなのだろう、と子供心に相当悲しい気持ちになった。


なんというのかな、可哀そうというか、切ないというか、そんな安易な言葉ではとても表現し尽せない、複雑に絡まった愛情、いま思えば、当時16歳だった子供の自分は、大姫に心底恋に近い同情をしていたのかもしれない。


大姫はまさに悲劇のヒロインなのである。ずっと父・頼朝、母・政子に心を開くことなくその悲劇の人生を閉じた。


石坂浩二さんの頼朝も、岩下志麻さんの政子も、この大姫に対してはどうすることもできなかった。


それ以来自分はこの大姫役の池上季実子さんの大ファンになってしまった。
大姫といえば池上季実子さんなのである。

それ以来、他局のドラマなどで、池上季実子さんが出演するドラマの追っかけをしていたりした。


それだけ大姫役の池上季実子さんは当たり役だった。
衝撃だった。


この草燃えるの大姫役が池上季美子さんの大河デビューだったが、この鮮烈のデビューで2年後、4年後の大役を演じることになる。1981年「おんな太閤記」の茶々と1983年「徳川家康」の築山殿だ。3作とも凄絶な美しさを発揮している。


草燃えるで特に印象的だったのが、第30話の「大姫錯乱」。


都から、大姫(池上季実子)を帝の后にという話が持ち上がる。朝廷と鎌倉をつなぐため、頼朝はこの話に乗る。しかし、亡き義高を忘れられない大姫は重い病にかかってしまい、容態が回復しないまま。


大姫の容態が悪化。自ら髪も切り「小さな女の子に戻って義高さまと...」義高はおかっぱ頭が好きだったのだ。そして容態が回復することはなく大姫はその短い生涯を閉じる。20歳。


子供心に泣いた。


それ以来、自分は意外や歴史人物として知られていないこの大姫にすごく関心を持つようになったのである。頼朝鎌倉時代を語るうえでは、大姫は自分にとってとてもメモリアルな人物だったのである。


「鎌倉殿の13人」での大姫役は誰なのだろう?とすごく興味を持っていた。


南沙良さんは、若すぎる役者さん、タレントさんで自分はよくわからないのだけれど(笑)、写真のイメージから、とても大姫にぴったりの感じがして熱演をしてくれるものと期待してしまうのである。


まだ2年もあるけれど、いまから楽しみで楽しみで待ちきれない感じである。






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