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神尾真由子さんのメンデルスゾーン・ヴァイオリン協奏曲 [国内クラシックコンサート・レビュー]

昨日の病院での検査結果は本当に参った。11月検査値まではふつうだったんだよね。年末年始はかなりやりたい放題だったので、じつは今月病院に定期検査に行くのがかなり憂鬱だったのだ。


絶対悪いだろうな、と思っていた。


ショックなことはさっさと午前中に終わらせて、午後のコンサートを楽しもう、すぐに頭の切り替えをしようと思っていた。


しかし、あそこまで悪化しているとは思ってもいなかった。
いままで経験したことのないような前代未聞の危険水域にまで達していた。


もうめまいがしてしまい、相当具合が悪くなってしまいました。
日常の創作活動に影響を及ぼすと思いました。


コンサートが始まる直前にホールの椅子で座って待っていた時も、もう頭の中はグルグル状態で憂鬱でショックを引きずっていた。


でもコンサートが始まると、一気に復活!
終演後には、ようやくつぶやきや日記などを投稿できるいつもの自分に戻っていた。


趣味の世界って本当に大切。
人生を救ってくれますね。


健康あっての人生。
体を壊しては、趣味も何もあったものではありませんね。


これから徹底した食生活の改善で、旅行の5月まで節制した生活をする。


毎度この繰り返しなんですけどね。(笑)

悪くなって、節制生活をして下がってきたら、また油断して食べ過ぎて悪化する・・・。
そのタイミングは、やはり年末年始になります。魔の季節ですね。




ひさしぶりの神尾真由子さんの実演は、予想以上に素晴らしかった。
ショックを引きずっていた自分を一気に現実の世界に引き戻してくれた。


メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲は、もうヴァイオリン愛に溢れた自分の人生の中でも実演、録音双方において、もっとも縁のある曲。


女性的で優しいこの曲を、男性的なアプローチの神尾さんがどのようにパフォーマンスするか、がひとつの見所だった。


昔と違って、いまは柔和で温和な雰囲気になったと思っていたが、まったく全然だった。(笑)


昔とまったく変わっていなかった。

相変わらずすごいパワフルで情熱的だった。


ビブラートをたっぷり効かせ、とにかく泣きの旋律に溢れ、すごい濃厚な演奏。

濃い!演奏だなぁとずっと思っていた。


スペインや南米の情熱の赤のカラーが似合うような感じです。


自分は、たくさんの女性ヴァイオリニストが、このメンデルスゾーンのコンチェルトを弾いているのを数知れず聴いてきたが、それらの演奏が、みんな美しいけれど淡泊な演奏に思えてしまうほど神尾さんの演奏は濃かった。


メンデルスゾーンのあの旋律って、なんか女性が泣いているような泣きの旋律じゃないですか?
その泣き方がかなり訴えかけてくるような感じで深い泣きなんですよね。


そう思わせる要因に、やはりパワフルなので、ヴァイオリンの発音能力がずば抜けていたこと。
自分はホールのやや後方だったけれど、ヴァイオリンが本当によく鳴っていた。


そして大仰ではなく、ごく自然な振る舞いの範囲内でタメを作ったり、全体のテンポ構成に抑揚を作っていた。


だからとても愛情たっぷりのとても濃厚な演奏に聴こえてしまった。

ある意味、神尾真由子というヴァイオリニストには、こういうパワフルで濃い演奏、というのはもうそのままイメージ通りなんだと思いますね。


ヴァイオリンの奏法としては、弓を少し縦気味にボーイングする特徴があって、動的なパフォーマンス。昔と全然変わっていなく、ある意味安心したところもあったかも。


いやぁじつに神尾さんらしい素晴らしいパフォーマンスでした。



この日の公演は、沼尻竜典さん指揮で東京都交響楽団のパートナー。
都響はやっぱりうまいなー。


1番冒頭のヨハン・シュトラウスの曲の演奏を聴いた途端、もうびっくり。


一糸乱れぬアンサンブルとはこのことで、厚みのある弦の音色がピタッと全粒揃って、破たんする箇所などまったくない、完璧なビットパーフェクトな演奏。


もう病院宣告であまりにショックだったので、今日どこの楽団が演奏するのか、事前にまったく確認してなかったのだけれど、この冒頭の曲であまりにウマいんで、思わずチケットでどこの楽団か確かめてしまいました。(笑)


都響は、たぶん在京楽団の中でいま一番ウマイんじゃないですかね。

冒頭の曲から終演時まで、このパーフェクトな演奏は終始、変わることはなかった。

そういえば都響はここしばらく聴いていなかった。
恐れ入りました。


神尾さんの公演は、旦那さまとのリサイタルを含め、何候補かあったのだけれど、この日の公演は、指揮が沼尻竜典さんだったので、この日に決めたのでした。


そうしたらメンデルスゾーンだったのです。(笑)
運命ってそんなものです。


沼尻さんは、自分にとって本当に久しぶりで、日記で紐解いてみたら、なんと!2011年の当時は、サイトウキネンフェスティバル松本と呼んでいたときのバルトーク・シリーズで、「中国の不思議の役人」以来。


まさに公演直前で小澤征爾さんが体調不良で降板。
まさに突然のピンチヒッターでした。


あの金森譲さん率いるNoismが大活躍した公演ですね。
衝撃でした。


そのときのカーテンコール、しっかり撮っていました。


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じつに9年振り!!!


沼尻さんは、最近では自分に飛び込んでくる近影は、びわ湖ホールで、ワーグナーのニーベルンクの指環の4部作を、京都市交響楽団(京響)とやっていらっしゃる。


確か今年の3月は最後の神々の黄昏ではなかったでしょうか?

このびわ湖リングと呼ばれるシリーズ、もうすごい人気なんですよね。

全年とも必ず満員御礼となるプラチナ公演。
ものすごい盛り上がるんですよ。(笑)

いつも羨ましい気分でした。


びわ湖ホールやこのびわ湖リング、1回は経験してみたかったけれど、予算が・・・(笑)
あと海外で活躍されているのではないでしょうか?


そんな思いもあって、今回はぜひ沼尻さんの指揮で!という決断だったのでした。


超テクニック集団の都響をものの見事にコントロールしていらっしゃって、パフォーマンスというような指揮者としての派手な演出を嫌う?とても堅実な指揮ですね。


カーテンコールの挨拶を見てもとても謙虚というか腰が低くて、指揮者って大体みんなすごいオーラで威圧感たっぷりなのですが、沼尻さんは視線がボクら聴衆と同じ位置に感じる方と思いました。


9年前の中国の不思議な役人のときは、ピットの中だったのでよく見えませんでしたので、
ある意味、沼尻さんの指揮を見るのは今回が初めてかも?


この日の自分の座席はここ。


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サントリーホールはいつも皇族VIP席のRBブロックを取るのですが、ここRCブロックもいい音響でしたね~。最近自分の好みの座席が変わってきたかも?


つい最近までは、かぶりつきで腹に響き渡る前方席が良かったですが、最近はステージを上から見渡す上階席がいいですね。ステージからオーケストラの音が上に上がってきて、位相差なくバランスよく聴こえてくるステージに近い上階席が好みになってきました。


そして今日のコンサートは、自分の今年度の初聴きの日。
この日の公演はニューイヤーコンサートという位置づけでした。
日本赤十字へのチャリティーコンサートなのでした。

ホールの飾りつけもニューイヤーコンサート!


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あ~せっかくいい気分で落ち込んだ気分が復活したのだから、早く健康体を取り戻さなければ!(笑)



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(c)神尾真由子FB


2020年1月11日:サントリーホール大ホール

第61回日本赤十字社 献血チャリティー・コンサート
ニューイヤーコンサート2020


指揮:沼尻竜典
ヴァイオリン独奏:神尾真由子
管弦楽:東京都交響楽団


ヨハン・シュトラウスⅡ:ワルツ「春の声」
メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲


休憩(インターミッション)


モーツァルト交響曲第41番「ジュピター」


アンコール~

グリーグ作曲:「ホルベルク組曲」より第一曲












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