北鎌倉 幻董庵 [グルメ]
北鎌倉は、円覚寺やアジサイ寺で知られる明月院など、鎌倉を代表する著名な寺院が目白押しで、鎌倉を代表する観光地なのだろう。街並みの景観も古民家が集まっている感じで、古都らしい長閑で雰囲気がある。
その土地で、食事を3時間かけていただく・・・という普段の自分の喧騒な世界とは程遠い、そんな世界を堪能してきた。
なにせ、普段の食事なんて、ものの10分くらいで食べてしまう早食いの主。糖の吸収的にもよろしくない。そんな自分にとって別世界の体験であった。
事の発端は、SNSの投稿写真でこのお店の料理の一品を偶然見たことに始まった。
自分の美的感覚に思いっきり反応してしまった。(笑)
「これは美しい!!!」
まさに芸術品のようだった。
しかも鎌倉のレストラン。
これはぜひ取材した~い!自分の日記やブログで取り上げた~い!
かねてより、自分の鎌倉マイブームの最後の盛り上がりとして、鎌倉が1年のうちにもっとも輝く季節である”紫陽花(アジサイ)”の季節にもう1回鎌倉を訪れたいという希望があった。
だから、このレストランも紫陽花の季節にぜひ訪れたいと思っていて、ずっと心の中で温めてきたのだ。
昭和の名女優 田中絹代さんの別邸であり、そこを改装して創作日本懐石料理のレストランとしてして開店した。
田中絹代さんの本宅は、鎌倉山にあったそうだが、こちらの別邸は、近くの大船に松竹の撮影所があった頃に、そこに通う際に使っていたそうだ。スタッフや俳優さんの宿としても機能していたそうで、往年の名女優たちも集ったそう。
古民家の中に埋もれて建っている佇まいで、本当に隠れ家の中の隠れ家的レストラン。
あの映画監督 小津安二郎さんの世界に出てきそうな世界だ。(笑)
北鎌倉の駅から、徒歩10分くらい。調べないで行ったら、絶対たどり着けない。
裏の小路を歩いていく感じで、これは、本当に隠れ家だよなぁと思った。
でも確かに裏の小路だが、サイトの地図どおり行けば、意外にわかりやすく、迷うことはないと思う。
緑に囲まれた感じで、美しい門構え。
ここが、その隠れ家レストラン「幻董庵」
お店の中を入ると、まず圧倒されるのが、多数のカップ&ソーサーなどの骨董品、工芸品の数々のコレクションの展示。
お店の方に聞くと、ここの女将さんが大の骨董品好きで、このコレクションも女将さんのものなのだそうだ。お店の名前も「幻董庵」としているのも、この骨「董」品から取っているのだそうだ。
お店の内装は、もちろん木造空間でとても素敵だ。
これは雰囲気あるなぁーと感心してしまった。
完全予約制。
夜の部は、個室のみで、2人の予約しかとらないそうだから(お店に確認してください。)、勝負はランチタイムだろう。
1階と2階がある。
自分は、2階に通された。
2階は、いわゆる大所帯用の感じで、20名くらい。
その和室の空間が、とても素敵だ。
ランチのメニューは、3800円と5000円、そして8000円コースがある。
ネットのレビューなんかを見ると、普段のランチは、3800円と5000円のみだそうで、8000円のコースは稀にしかないそうだ。自分のときは幸運にも、8000円コースがあったので、迷うことなく、それを予約時に頼んだ。
なるべく写真映えするような品々を期待していたからだ。
幻董庵さんのメニューは、いわゆるお品書きは存在しない。つまり固定のメニューというものがない。その季節柄に応じた創作料理をそのときに楽しむ、というコンセプト。
だから投稿写真を見て、うわあ、これが食べたい!と思っても同じメニューを体験できることは難しいのだ。
さて、いよいよここから本番。
自分が経験した8000円コースのランチである。
食前酒の梅酒。
甘くてとても美味しい。
料理フルコースを味わったときに思ったことだが、やはり器がとても美しくて高級な趣がある。
やはり女将さんの拘りなのであろうと感じた。
右上にあるのは、ふつうの烏龍茶を頼んだのだが、この器でやってきたときは、これは雰囲気あるなぁと感じました。
先付け
南瓜、鰻のハモ、ウド、ヤングコーン、角海老、龍眼
さっそくすでに見た目にも写真映えする1品で満足。楽しいフルコースがやってくる予感。
とても不思議な味で、いままで体験したことのないような味覚だった。
とても美味しい。あまりに美しすぎて食べるのが、勿体ない感じがした。
お造り
マグロ、イサキ、カンパチ、水タコ、メジナの小造り
鮮度がよく、素晴らしく美味しかった。ふつうのお刺身なので、特に奇をてらった感じではなく、馴染みやすく満足できた。
お椀
頭鯛しんじょう。里芋やとうがんが入っている。
とても深い味のお出汁。いろいろなもので、何重にも下ごしらえされて味をとって造られた御汁のような感じであった。単一の材料ではないですね。
中の鯛の身がすごく美味しかった。
焼き物
穴子の煮凝り、茄子と牛タンの和汁、味噌田楽、かますのゆうあん焼き
今回のコースの中では、自分的には1番最高だと思った1品。
ある意味、これがクライマックスだった。
茄子と牛タンの一品のじつに美味しいこと。牛タンはとてもお肉とは思えない柔らかさだった。
こんな美味しいものはない感じだった。
一番右上にある穴子の煮凝りは、珍品でちょっといままで体験したことのないような味、食感でした。言葉で表現するのが難しい。
煮物
甘鯛と湯治蒸し
とろみのついた餡がとても和っぽい感じで、しかもダシが効いていて美味しい。甘鯛の身がこれまた美味しい。上品な1品ですね。
揚げ物
オマール海老と干しエビのから揚げ
これも美味しかったですね。海老のあの独特の濃厚な味がしっかりしていて、本当に美味しいと思った1品。自分は人生でどうしても伊勢海老が食べたいと思っていて(まだ食べたことがない。)、そんな海老愛を満足させられた1品だった。
ごはん
焼ウニと豆ごはん。
赤出汁のお味噌汁とお漬物。
焼ウニが美味しい!やはり日本人にはごはんとお味噌汁が食事には不可欠。このコースの最後のほうに出される配慮が心憎い。(笑)お味噌汁は自分は生まれ育った環境は白だしだが、赤だしは、かなり自分の好み。美味しかった!
デザート。
抹茶と懐石デザートの工夫された品々。
美しすぎる!
まさにラストを飾るに相応しい最高の1品となった。
この美しい盛り付けが、ここのお店の訪れたいと思ったその”美”のセンスをすべて兼ねそなえていると言っていい出来栄え。
いやぁ、全9品、見事なお手前でございました。
フルコースで、2時間半でした。
期待を裏切らない、素晴らしく”美しい”創作料理、そしてなによりも本当に美味でございました。
料理を運んできてくれるお店の方も、とても物腰が柔らかく、丁寧な言葉使いで、1品1品解説してくれて感動しました。
まさに北鎌倉の古民家の中に潜む知る人ぞ知る隠れ家レストランという感じで、木造の美しい内装空間、芸術品のような美しい創作料理の数々。
ぜひ自分の日記で取材したいと思ったその勘は間違いではなかったようです。
鎌倉のアジサイの季節にとったひと足早い休暇で、濃密な時間を過ごしました。
幻董庵
https:/ /tabelo g.com/k anagawa /A1404/ A140401 /140105 28/
その土地で、食事を3時間かけていただく・・・という普段の自分の喧騒な世界とは程遠い、そんな世界を堪能してきた。
なにせ、普段の食事なんて、ものの10分くらいで食べてしまう早食いの主。糖の吸収的にもよろしくない。そんな自分にとって別世界の体験であった。
事の発端は、SNSの投稿写真でこのお店の料理の一品を偶然見たことに始まった。
自分の美的感覚に思いっきり反応してしまった。(笑)
「これは美しい!!!」
まさに芸術品のようだった。
しかも鎌倉のレストラン。
これはぜひ取材した~い!自分の日記やブログで取り上げた~い!
かねてより、自分の鎌倉マイブームの最後の盛り上がりとして、鎌倉が1年のうちにもっとも輝く季節である”紫陽花(アジサイ)”の季節にもう1回鎌倉を訪れたいという希望があった。
だから、このレストランも紫陽花の季節にぜひ訪れたいと思っていて、ずっと心の中で温めてきたのだ。
昭和の名女優 田中絹代さんの別邸であり、そこを改装して創作日本懐石料理のレストランとしてして開店した。
田中絹代さんの本宅は、鎌倉山にあったそうだが、こちらの別邸は、近くの大船に松竹の撮影所があった頃に、そこに通う際に使っていたそうだ。スタッフや俳優さんの宿としても機能していたそうで、往年の名女優たちも集ったそう。
古民家の中に埋もれて建っている佇まいで、本当に隠れ家の中の隠れ家的レストラン。
あの映画監督 小津安二郎さんの世界に出てきそうな世界だ。(笑)
北鎌倉の駅から、徒歩10分くらい。調べないで行ったら、絶対たどり着けない。
裏の小路を歩いていく感じで、これは、本当に隠れ家だよなぁと思った。
でも確かに裏の小路だが、サイトの地図どおり行けば、意外にわかりやすく、迷うことはないと思う。
緑に囲まれた感じで、美しい門構え。
ここが、その隠れ家レストラン「幻董庵」
お店の内装は、もちろん木造空間でとても素敵だ。
これは雰囲気あるなぁーと感心してしまった。
完全予約制。
夜の部は、個室のみで、2人の予約しかとらないそうだから(お店に確認してください。)、勝負はランチタイムだろう。
1階と2階がある。
自分は、2階に通された。
2階は、いわゆる大所帯用の感じで、20名くらい。
その和室の空間が、とても素敵だ。
ランチのメニューは、3800円と5000円、そして8000円コースがある。
ネットのレビューなんかを見ると、普段のランチは、3800円と5000円のみだそうで、8000円のコースは稀にしかないそうだ。自分のときは幸運にも、8000円コースがあったので、迷うことなく、それを予約時に頼んだ。
なるべく写真映えするような品々を期待していたからだ。
幻董庵さんのメニューは、いわゆるお品書きは存在しない。つまり固定のメニューというものがない。その季節柄に応じた創作料理をそのときに楽しむ、というコンセプト。
だから投稿写真を見て、うわあ、これが食べたい!と思っても同じメニューを体験できることは難しいのだ。
さて、いよいよここから本番。
自分が経験した8000円コースのランチである。
食前酒の梅酒。
甘くてとても美味しい。
料理フルコースを味わったときに思ったことだが、やはり器がとても美しくて高級な趣がある。
やはり女将さんの拘りなのであろうと感じた。
右上にあるのは、ふつうの烏龍茶を頼んだのだが、この器でやってきたときは、これは雰囲気あるなぁと感じました。
先付け
南瓜、鰻のハモ、ウド、ヤングコーン、角海老、龍眼
さっそくすでに見た目にも写真映えする1品で満足。楽しいフルコースがやってくる予感。
とても不思議な味で、いままで体験したことのないような味覚だった。
とても美味しい。あまりに美しすぎて食べるのが、勿体ない感じがした。
お造り
マグロ、イサキ、カンパチ、水タコ、メジナの小造り
鮮度がよく、素晴らしく美味しかった。ふつうのお刺身なので、特に奇をてらった感じではなく、馴染みやすく満足できた。
お椀
頭鯛しんじょう。里芋やとうがんが入っている。
とても深い味のお出汁。いろいろなもので、何重にも下ごしらえされて味をとって造られた御汁のような感じであった。単一の材料ではないですね。
中の鯛の身がすごく美味しかった。
焼き物
穴子の煮凝り、茄子と牛タンの和汁、味噌田楽、かますのゆうあん焼き
今回のコースの中では、自分的には1番最高だと思った1品。
ある意味、これがクライマックスだった。
茄子と牛タンの一品のじつに美味しいこと。牛タンはとてもお肉とは思えない柔らかさだった。
こんな美味しいものはない感じだった。
一番右上にある穴子の煮凝りは、珍品でちょっといままで体験したことのないような味、食感でした。言葉で表現するのが難しい。
煮物
甘鯛と湯治蒸し
とろみのついた餡がとても和っぽい感じで、しかもダシが効いていて美味しい。甘鯛の身がこれまた美味しい。上品な1品ですね。
揚げ物
オマール海老と干しエビのから揚げ
これも美味しかったですね。海老のあの独特の濃厚な味がしっかりしていて、本当に美味しいと思った1品。自分は人生でどうしても伊勢海老が食べたいと思っていて(まだ食べたことがない。)、そんな海老愛を満足させられた1品だった。
ごはん
焼ウニと豆ごはん。
赤出汁のお味噌汁とお漬物。
焼ウニが美味しい!やはり日本人にはごはんとお味噌汁が食事には不可欠。このコースの最後のほうに出される配慮が心憎い。(笑)お味噌汁は自分は生まれ育った環境は白だしだが、赤だしは、かなり自分の好み。美味しかった!
デザート。
抹茶と懐石デザートの工夫された品々。
美しすぎる!
まさにラストを飾るに相応しい最高の1品となった。
この美しい盛り付けが、ここのお店の訪れたいと思ったその”美”のセンスをすべて兼ねそなえていると言っていい出来栄え。
いやぁ、全9品、見事なお手前でございました。
フルコースで、2時間半でした。
期待を裏切らない、素晴らしく”美しい”創作料理、そしてなによりも本当に美味でございました。
料理を運んできてくれるお店の方も、とても物腰が柔らかく、丁寧な言葉使いで、1品1品解説してくれて感動しました。
まさに北鎌倉の古民家の中に潜む知る人ぞ知る隠れ家レストランという感じで、木造の美しい内装空間、芸術品のような美しい創作料理の数々。
ぜひ自分の日記で取材したいと思ったその勘は間違いではなかったようです。
鎌倉のアジサイの季節にとったひと足早い休暇で、濃密な時間を過ごしました。
幻董庵
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