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N響首席オーボエ 茂木大輔さん ラストラン・コンサート [国内クラシックコンサート・レビュー]

定年ではなく停年なのだそうだ。ネットで調べてみたのだけれど、この両方の漢字の使い方は両立していてどちらが正しいか、というのは言い切れないらしい。でも停年というと、60歳のままそのまま歳をとらないというようにも捉えることができて、素敵な表現かもしれませんね。

NHK交響楽団の首席オーボエ奏者の茂木大輔さんが、この3月についに定年を迎え現役奏者としての人生にいったん幕を閉じる。いまそのラストランコンサートをおこなっている最中なのだ。 

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自分は東京公演のラストのコンサートに参加してきた。

とても身近にいらっしゃる演奏家で、普段の活動や姿を毎日、拝見しているので、とても寂しいというか、なんか万感の想いがある。

自分はオーケストラの楽器の中でも木管楽器が好きでとくにオーボエが大好きなので、なおさら、その想い入れも深い。

このラストランコンサート、最後に立ち会えて本当によかったと思う。

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最後なのだから、ここは茂木さんのことを自分の日記で深く、そして熱く語ろう!と思ったのだが、自分は実際茂木さんと直接お会いしたり、お話ししたりしたこともないのだ、じつは。(笑)

人について熱く語るには、その方と長年の付き合いだったり、お互い良く知る間柄であれば、その言葉に説得力がでてくるというもの。実際ラストランコンサートの後の記念撮影写真をみなさん投稿されるとき、そんな茂木さんとの想い出を語っていたりすると、うわぁいいな、説得力ある!と羨ましく思ったりしていた。

実際サインや楽屋におしかけてお話しすることにチャレンジしてみればよいのかもしれないけれど、自分にはそんな勇気もない。

じつは驚くことに自分の演奏家ファンの中で、99.9%の方とは面識もないし、直接お話ししたこともないのだ。

自分の一方的な片想い。(笑)

自分はやっぱりシャイなので、勇気がないんだな。片想いしているぐらいが自分の相応にあっていいと思っている。

茂木さんのプロフィールを書き出すと、もうこれはスゴイことになるので、やめておくが、とにかく多才!その一言につきる。

オーボエ奏者でありながら、エッセイスト、指揮者、そしてコンサートプロデューサーとしての顔をもつ。そのマルチタレントな才能には本当に驚きます。

国立音楽大学を卒業され、ミュンヘン国立音楽大学に留学され、10年間ドイツを中心にヨーロッパで活躍されたんだな。(シュトゥットガルト・フィルやバイエルン放送交響楽団、バンベルク交響楽団)

1990年に日本に帰国して、1991年からN響の首席オーボエ奏者。そしてラストランまで28年間全うされた。

自分は1995年あたりからN響のコンサートを録画してきているので、DVD-RやBD-Rとしてたくさん保管してあって、それを時々観ていたりするのだが、そうするとオーボエだから必ずカメラに抜かれるのだけれど、そうすると、うわぁ~茂木さん若いな~と驚いてしまうのだ。(笑)

今のご時世、普段の姿をSNSでリアルタイムで毎日拝見できる時代なのだから、尚更その落差に驚いてしまう。

そうやってずっと首席オーボエの席で観てきたので、定年で引退されるというのは本当に万感の想い。

茂木さんの最大の魅力は、やはり子供がそのまま大人になったような暖かい人間味が滲み出るところだと思う。

クラシックの演奏家というと、やはりエリートで格好いいという流れはご多分にあると思うのだが、そういう路線とは違うもっととてもユニークで個性的で、そして子供のような一面が微笑ましい、そういう暖かみを感じる方なのだ。

だから周りに集まってくる人やファンの方もみんな暖かい感じ。
そういう人望の厚さがありますね。自分から見た感じですが。

こういう子供っぽい大人という点で、自分も普段格好良い男性でありたいと思いながら、そう成りきれない子供のような性格なので、妙に同じようなシンパシーを感じてしまうのだ。(笑)

なんか似ている・・・というような。

模型製作が大の趣味でいらして、SNSでその模型のことを熱くつぶやいて語っていらっしゃるときは、本当に魅力的だなぁ、と思います。ご自宅のウィンドウにたくさんの作って完成した作品が飾られているあの模型部屋に1度でいいから入ってみたいです。(笑)

もちろん本職のことをまじめに語られる時も当然あって、そのとき、正直、音楽学については浅識の自分にはその内容を理解できないことが多いんだな。そんなときは、やっぱり茂木さん凄いんだな、と改めて感心したりする。

文才もあって本を何冊も執筆されていて、「オーケストラ楽器別人間学」とか、とにかく着眼点がとてもユニーク。

とにかくコンサートのときはやるときはやる!という感じで決めるし、でも普段はいろいろな面で多才でユニーク。その緩急の差というのが、やっぱりすごい個性的だなと思うんですよね。ちょっと自分の観てきている演奏家の方々とは明らかに一線を画すというか毛色が違う。

それがとても暖かい感じがして人間的な魅力を造っているのだと思います。

2013年にFacebookをやり始めて、そのときにルツエルン・ザルツブルク音楽祭の旅行に行って、その模様を例によってリアルタイム投稿していたのだが、そのときにルツエルンにあるリヒャルト・ワーグナー博物館の中の写真を投稿したら茂木さんから、「シェアしてもよろしいですか?この博物館の中は、なかなかお目にかかる機会がなくて、うちのメンバー(N響)にも紹介したいので。」というコメントをいただき、それがとてもとてもうれしかったことを覚えている。

ブログのほうでも、のだめコンサートだったかな、コメントを寄せていただき、本当に心から嬉しく思いました。投稿冥利につきる、ということは、こういうことをいうのだと思います。

茂木さんとの想い出でとても大きなウエイトを占めるのが、この「のだめコンサート」。

自分もリアルタイムで、のだめ世代なので、この茂木さんがやっているのだめコンサートの存在を知った時、とても驚いて夢中になった。

たしかいままで合計で3回通っていると思う。

のだめカンタービレの作者の二ノ宮知子さんと信望が厚く、ドラマや漫画の監修にも参加されている。

こののだめコンサートは、茂木さんの解説MCつきのコンサートで、取り上げる作品について、いろいろ解説をしていって聴いている聴衆のみなさんにとてもわかりやすい、作品を理解しやすい、とてもやさしいコンサートなのだ。

最大な驚きは、ステージ背面に吊るされているスクリーンでの投影システム。

のだめの漫画のシーンと、作品の解説などが投影され、その曲の演奏とリアルタイムに進行していって、これが観ていて、そして聴いていてそのあまりに曲ときちんとシンクロしていて、じ~んとめちゃめちゃに感動するのだ。

かなり芸術品レベルです。

オーボエ奏者としての人生にひとまず幕を下ろした茂木さんだが、その後の第2の人生としては指揮者としての人生を歩まれるそうだ。

大人のための解説コンサート。

このスタイルで行くらしい。

誰にもマネできない茂木さんらしい個性的でユニークなスタイルの指揮&コンサートになりそうだ。

さらなるご発展の第2の人生になることをお祈りしています。


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2016/8/6 のだめコンサート調布(高橋多佳子さん、茂木大輔さん、池田昭子さん)


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2017/1/21 のだめコンサート川越 (茂木大輔さん、岡田奏さん、高橋多佳子さん)







オーディオファンの諸兄。コンサートに行こう!

音楽ではなく音を聴いている。
我々によく向けられる有名な言葉だ。

ならば、その先をもう一歩行ってみて、音楽を聴くと同時にさらに人(演奏家)を応援してみよう。

人を応援する、愛する、そういった内容の日記を書くと、人間というのは心から幸せな気分になれるし、それだけで1週間は暖かい気分でいられるものなのだ。

外国人の演奏家の方より、日本人の演奏家の方のほうが感情移入できると思う。

こちらの想いが伝わっているような感じがするし、繋がっているという感覚がするから。

そうするだけで、理論、物欲だけの世界から、もっと人間味のある生きた音を再生できるようになるのではないのだろうか?










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すみれ横浜店 [グルメ]

すみれは神奈川、横浜に育ててもらった。神奈川、横浜に恩返ししたい。

新横浜ラーメン博物館で純連・すみれを全国区人気に押し上げた村中伸宜社長が、横浜に店を出す決意をしたのは、そういう想いが強かったからだという。

でも野毛っていう街をご存知でしたか?(笑)

自分は、今回までまったく知らなかった。

すみれ横浜店は、横浜と言っても、JR桜木町駅から徒歩数分の野毛という街に店を構える。横浜のどこに店舗を構えるか、村中社長はいろいろ候補を回る予定だったらしいのだが、1番最初に訪問したこの野毛の店舗を見て、「ここだ!」と1発で直感で気に入り、もうそこに決めてしまったらしい。

今日、お店を訪問するため、その野毛の街を歩いてみたのだが、確かになにもないと言ったら失礼だが、完全な飲み屋街で、すみれ横浜店は、その飲み屋街の一角にある。飲み屋街だから昼間はシャッターが下りていて寂しいが、夜になると活気がでる街という感じなのだ。

去年年末と今年の年初に札幌の本家で、純連とすみれの真実を詳らかにしてきたばかり。(笑)
2か月前くらいにラー博ですみれが卒業したことで、首都圏で、もう純連・すみれを食べられないことになってしまったので、ずいぶん寂しい想いをしていたのだが、このすみれ横浜店オープンの話が飛び込んできたときは、もう一気に明るくなった。

開店は3日前の2月13日。

ネットでいろいろ情報を集めてどんな感じなのか調べていた。
開店当日は、もう店の前に開店祝いの大きな花の飾りがたくさん贈られてきて凄い様相だった。
その喧騒も冷めていない本日。いよいよ体験してきた、という訳だ。

JR桜木町駅から徒歩数分のすぐそばだ。

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この建物の1Fと2Fを貸切る。
1Fにすみれ横浜店が入って、2Fに同じ村中社長がプロデュースしたフリースタイル・バー「nob」が入る。

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2Fのバー「nob」は、村中社長の名前の伸宜の「のぶ」から取っているらしい。
オープンは3月末とのことで、まだ閉まっていたが、店内の内装もなかなか雰囲気があってお洒落な感じだ。村中社長が横浜にいるときは、このバーで村中社長とともにいっしょに飲める可能性もあるらしい。(笑)このバーではもちろんすみれのラーメンが食べられる仕組みにもなっている。

このすみれプロデュースのバーは、札幌に先陣があって、横浜にもその第2陣ができた、という感じなのだろう。

そしていよいよ、すみれ横浜店。

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赤い暖簾がいかにもお洒落だ。
札幌の本家は青い暖簾だったが、横浜は赤い暖簾だ。
横浜というお洒落なカラーにぴったり合う感じでじつにいいセンスだと思う。

扉を見てほしい。これはバー「nob」と全く同じ仕様になっていて、じつに重々しくて高級感がある。およそラーメン屋さんとは思えない雰囲気だ。


オープンしてまだ3日。もう完璧に予想はしていたが、恐ろしい長蛇の列。これは覚悟していた。
店からある程度離れた交差点まで列が続いて、そこを曲がっても列ができていた。

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この列を見て、もうはぁぁ~という感じ。まっ仕方がないね。
ラー博の全盛時代はもっと凄かったからね。


お店の壁にすみれの看板。

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やっと入店できて、さっそく自動券売機。
これは札幌の本家と全く同じで電子タッチパネル式。

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じつはこの横浜店には、このお店にしかない裏メニューというのがあるのだ。
それは、”村中社長のラーメン”(笑)。

村中社長が横浜店にいるときのみ、食べられるという裏メニューのラーメンで、この券売機で普段は売り切れで操作できないようになっているが、食べられる時は買える仕組みになっている。

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自分は王道の味噌ラーメンの大盛をオーダーした。
¥1000は、大体ラー博のときと同じ価格帯ですかね。


そしていよいよ店内。

全体的に薄暗い照明で、バー的な雰囲気があって、かなりお洒落な雰囲気あります。
予想通り、すみれ全店舗の中で1番お洒落だと思います。

店舗自体はそんなに広くない。どちらかというと狭い部類に入るのではないだろうか?

カウンター

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テーブル席

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テレビが壁掛けされています。

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天井は開放感を出すために打ちっぱなしにしたのだそうだ。
なんか成田空港のLCCの第3ターミナルみたいですね。(笑)

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厨房は、結構奥行きが広く設計されていて、本家の中の島本店よりはるかに広い感じがした。
残念ながら村中社長はいなかった。事前の情報では、厨房スタッフは、ラー博時代の3~4人が中心だとか。

いやな予感がした。(笑)

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開店から先着1500名様に、このようなすみれ特注の乾麺がプレゼントされた。
さっそく今晩美味しくいただきます。

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待っている間、心臓バクバク。
これでダメだったらシャレにならんよなぁ。そのときは黙秘権使おう・・・とかいろいろ考えていた。(笑)

そしていよいよ運ばれてきた。

すみれ横浜店の味噌ラーメン。

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結論からはっきり言おう!


純連・すみれを25年間食べ続けてきた自分だからはっきり断言できる。

すみれ横浜店の味噌ラーメンは、昔からのすみれの王道の味、そのものである!!!
歴史と伝統の味は、見事にここ横浜にも引き継がれていた!

運ばれてきて、スープを観た瞬間、それでもう一発でわかってしまう。
あっこれは本物だ、ということが。

食べてみたら、その濃厚な味噌の味、そして紛れもないすみれのトレードマークである表面にアッツアッツのラードがびっしり覆っているさま。これはまさに本物のすみれだなぁとひしひしと嬉しさを噛みしめる。

ただ、王道の基本路線は間違いなのだが、ちょっと横浜店特有の特徴があることも事実だった。

年末年始に札幌の中の島本店で食べた味と全く同じか、というと、そこは微妙にちょっと違うニュアンスがあることも確かなのだ。

それはまず第1に、味噌のスープの色。
横浜店はやや白味噌っぽい明るい色だ。

札幌中の島本店やいままで25年間食べ続けてきたすみれの味噌味というのは、もっと黄色というか、ガッツリ視覚に訴えてくる味噌の直球ど真ん中の濃厚な黄色なのだが、横浜店のは、明るい白味噌系だ。

これは晩年のラー博のすみれもそうだった。

これには自分的には確信があって、晩年のラー博のすみれがあまりにマズいので(笑)、ラー博のHPで確かめたのだ。そうしたら村中社長、自ら、すみれは新しいチャレンジをします。いままで使ってきた味噌を新しい〇〇〇味噌に変えて革新を図りますってなことが書いてあった。

芯になる味噌は、横浜店特有なのかもしれない。
中の島本店とはあきらかに違う。


そして第2が、ものすごくしょっぱいこと。(笑)
すみれは25年間食べ続けてきたが、こんなにしょっぱい味噌ラーメンは初めての経験だ。(笑)

3日前の開店オープンの時にSNSの投稿をいろいろ拾ってみたのだが、みんな一応にしょっぱいなぁ~と言っていたので、あながちウソではなかったんだな、と思った。

もちろん違和感を感じるレベルではなく、許容範囲なので、いい意味で美味しいのだが、すみれを食べていてこんなにしょっぱいのは初体験だ。(笑)

この2点かな。ちょっと横浜店特有かな、と感じるのは・・・

でも全体の評価点はあきらかに、すみれの王道の味噌味を踏襲していて、これぞ!本物!と自分は確信したので、自信をもって、これが札幌の味噌ラーメンの王様、すみれ、ここにあり!と断言できると思います。

店の外、そして店内に充満するあの濃厚な味噌風味の香り、自分はこの匂いをかいで、あぁぁこれはあきらかにすみれの匂いだ!と確信した。この匂いで、横浜店は間違いないとこの早い時点で確信できた。

この香り、匂いが外に漏れていくこと、そして長い行列・・・そういうものがクリアできるのが、まさにこの野毛という街で、ここに店舗を開く決心の要因だったのだろう。

すみれが首都圏で食べられる、というのは、この上ない幸せと安堵な生活がまた日常生活に戻ってきたと確信いたします。


ちょっと感動だったのは、スープを全部飲み干した後、ドンブリの底に”感謝”という文字が大きく印字されているのが、現れるところなのだ。まさにすみれが今あるのは、横浜に感謝!という気持ちを込めた心意気なのだろう。


自分は、これにかなり胸がキュンとしてしまい、涙が溢れそうでした。







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