BBC Proms ラストナイト [クラシック雑感]
毎年7月~9月にかけてロンドンのロイヤル・アルバート・ホールでおこなわれる世界最大級のクラシック音楽祭BBCプロムス。
この期間、100以上のイベントが行われる、と言われている。
運営はイギリスの国営放送のBBCがやっている。(だから冠にBBCがつく。)
創立当時に、BBC交響楽団が組織され、それがプロムスの中心的オーケストラとなったという経緯もある。
ロイヤル・アルバート・ホールは、もうクラシックのコンサートホールという類のものではなく、野球のドーム球場であった。(笑)
3年前の2016年に訪れたとき、いつものごとく開場前に極秘でスルスルと入り込む。
こんな感じの佇まい。
自分の座席からステージを臨む。
コンセプトは、「クラシックの敷居を低く」であり、創立者の考えは、「通常はクラシック音楽のコンサートを訪れないような人々も、チケットが安く、より親しみやすい雰囲気であれば魅力を感じてくれるのではないか」ということだったらしい。
実際、その通りで、かなりカジュアルな雰囲気で、いつもの厳粛なクラシック音楽専用ホールとは縁遠い空気感。
生音主義のクラシックではあるが、ご覧のようなホール空間なので、はっきり言わせてもらうと、たぶんPAは絶対かけていると思うし、上の写真の座席で聴いている分には、ステージ付近でこじんまりと音が鳴っている感覚で座席まで音が飛んでくるという感じではなかった。
でも目の前に広がるセレモニー的な装飾や華やかさは凄いものがあって、かなり圧倒されます。
さすがプロムス!という感じで、その視覚的な快感だけでも相当楽しめると言っていい。
そのときは、アルゲリッチ&バレンボイムで、ウェスト・イースタンディヴァン管弦楽団の演奏を聴いた。かなりプラチナ・チケットでした。
イギリス国内では、BBCラジオ3でプロムスの全てのコンサートが生中継され、またテレビでもBBC4チャンネル、あるいはBBC1やBBC2での中継放映も多い。BBCプロムス・ウェブサイトでライブストリーミング中継を聴取することもできる。
今回の日記の主旨は、この2か月間に及ぶロングランの音楽祭の最終夜のコンサート。
いわゆる「ラストナイト」。
正式名称は、最終夜「Last Night of the Proms」。
BBCプロムスで最高潮のボルテージで盛り上がる最高の瞬間のコンサートだ。
じつは、このラストナイトのチケットを獲得するのは大変なことなのだ。当然チケットの人気は高い。それ以外のコンサートの少なくとも5回のチケット購入を行うことが最終夜のチケットを獲得するための条件となっているのだそうだ。(Five-Concert Ruleと呼ばれている)
プロムスに足繁く通う、いわゆる「プロマー」と呼ばれる人たちは、当日のより良い立ち位置を確保するため、早くから行列(しばしば徹夜)することとなり、こういったことが否が応でもラストナイトの雰囲気を盛り上げていく。
ラストナイトは確実に超満員なのだ。
加えて、素敵に着飾ることも恒例。ディナー・ジャケットの者もあり、サッカーのイングランド代表チームのユニフォームを着用する者もあり、愛国的な語句を並べたTシャツを着用する者もあり、さらに国や地域などの旗や風船、クラッカーを持って入場することも自由である。
自分が行ったときは、平常時だったので、みんな普段着。でもラストナイトはお祭りだから服装もぶっ飛んでいるのだ。
そしてラストナイトは、観客は、各々がイギリス国旗(ユニオン・フラッグ)を振って愛国心を精いっぱいアピールする。まさに、このユニオン・フラッグを全員が振りまくっているのが、ラストナイトの一番の象徴シーンとも言えよう。
まさに一連の愛国的な曲、そしてユニオン・フラッグを持つ者はそれを振り、聴衆全員で歌う。
最近のプロムスは一連の愛国的な曲や、国歌の演奏時に、ステージ中央やや後方にあるヘンリーウッド(プロムスの創設者)の胸像を中心に、イギリス国旗(ユニオン・フラッグ)をあしらった照明が大きく投影されるようにもなっている。
この時ソリストが歌唱する場合は、衣装のデザインを愛国的にしたり、愛国的なパフォーマンスを行う。
まさにイギリス万歳!とも言えるすざましい愛国心一色の空間となるのだ。
ラストナイト、恐るべし!
日本じゃちょっとこういうのは難しいかもしれませんね。
演奏する曲目も、伝統的に最終夜はより軽く、くつろいだ傾向の構成で、初めにポピュラーなクラシックの曲目、続いて第2部の最後に一連の愛国的な曲である「ルール・ブリタニア」、ヒューバート・パリーの「ジェルサレム」(ウィリアム・ブレイクの詞による)、エドワード・エルガーの行進曲「威風堂々」第1番、国歌「女王陛下万歳」が演奏するのが通例だそうだ。
そんなBBCプロムスが日本にやってくる!!!
BBC Proms JAPAN 2019。
BBCプロムスが海外でおこなわれる、というのは、2016年にはオーストラリア、2017年にはドバイで開催されるなど世界的な広がりをみせていて、2019年に日本で初開催されることになった。海外展開はつい最近のことなんだね。
大和証券さんが招聘元です。
チケット発売含め、詳細はこれから発表なのだが、東京と大阪の2箇所で開催され、東京は渋谷のオーチャードホール、大阪はシンフォニーホールなのだそうだ。
なんじゃそれ?(笑)
普通のクラシックコンサートと何が違うのだろう?(笑)
ただオーケストラが、BBCスコティッシュ交響楽団というだけなことなのではないだろうか・・・
プロムスなら東京ドームあたりでやってもらってビール、ポップコーン立ち売りつきでやってくれないとあの雰囲気が出ないと思うのですが・・・
でもクラシックコンサートで、BBCスコティッシュ交響楽団で東京ドーム収容5万人を埋めるのはちと酷かもしれません。
ではそこは一歩譲って、ぜひ日本でやるなら観客にはラストナイトを日本で再現!ということで、日の丸の小さな旗を無料で現地で配布してほしいと思います。公演中ぜひ振らせていただきます。
演目もまだ公開されていないが、英国の愛国カラーなのか、それとも日本愛国カラーなのか、現地プロムスでは蛍の光も演奏されるそうですから、これは日本でもありだと思います。後者は日本の世論、風土からして難しいとは思いますが。
心なきファンからは、ラストナイトの愛国一色のカラーを出すなら、日の丸よりも旭日旗を振ればいいなどと毒づいている人もいます。(笑)
そんなことしたら、中国、韓国ふくめ猛反発で大炎上必至でしょう。(笑)
まぁ、そんな冗談はさておいて、やはりロンドンで、ロイヤル・アルバート・ホールでやってこそのプロムスだというご意見もよく理解できますが、日本の招聘元の大和証券さんが、せっかくの懇意でやってくれてると思うとBBCプロミスに所縁がある自分としては、それに応えてあげよう!という気持ちがあります。
ぜひ盛り上げていきたいと思います!
この期間、100以上のイベントが行われる、と言われている。
運営はイギリスの国営放送のBBCがやっている。(だから冠にBBCがつく。)
創立当時に、BBC交響楽団が組織され、それがプロムスの中心的オーケストラとなったという経緯もある。
ロイヤル・アルバート・ホールは、もうクラシックのコンサートホールという類のものではなく、野球のドーム球場であった。(笑)
3年前の2016年に訪れたとき、いつものごとく開場前に極秘でスルスルと入り込む。
こんな感じの佇まい。
自分の座席からステージを臨む。
コンセプトは、「クラシックの敷居を低く」であり、創立者の考えは、「通常はクラシック音楽のコンサートを訪れないような人々も、チケットが安く、より親しみやすい雰囲気であれば魅力を感じてくれるのではないか」ということだったらしい。
実際、その通りで、かなりカジュアルな雰囲気で、いつもの厳粛なクラシック音楽専用ホールとは縁遠い空気感。
生音主義のクラシックではあるが、ご覧のようなホール空間なので、はっきり言わせてもらうと、たぶんPAは絶対かけていると思うし、上の写真の座席で聴いている分には、ステージ付近でこじんまりと音が鳴っている感覚で座席まで音が飛んでくるという感じではなかった。
でも目の前に広がるセレモニー的な装飾や華やかさは凄いものがあって、かなり圧倒されます。
さすがプロムス!という感じで、その視覚的な快感だけでも相当楽しめると言っていい。
そのときは、アルゲリッチ&バレンボイムで、ウェスト・イースタンディヴァン管弦楽団の演奏を聴いた。かなりプラチナ・チケットでした。
イギリス国内では、BBCラジオ3でプロムスの全てのコンサートが生中継され、またテレビでもBBC4チャンネル、あるいはBBC1やBBC2での中継放映も多い。BBCプロムス・ウェブサイトでライブストリーミング中継を聴取することもできる。
今回の日記の主旨は、この2か月間に及ぶロングランの音楽祭の最終夜のコンサート。
いわゆる「ラストナイト」。
正式名称は、最終夜「Last Night of the Proms」。
BBCプロムスで最高潮のボルテージで盛り上がる最高の瞬間のコンサートだ。
じつは、このラストナイトのチケットを獲得するのは大変なことなのだ。当然チケットの人気は高い。それ以外のコンサートの少なくとも5回のチケット購入を行うことが最終夜のチケットを獲得するための条件となっているのだそうだ。(Five-Concert Ruleと呼ばれている)
プロムスに足繁く通う、いわゆる「プロマー」と呼ばれる人たちは、当日のより良い立ち位置を確保するため、早くから行列(しばしば徹夜)することとなり、こういったことが否が応でもラストナイトの雰囲気を盛り上げていく。
ラストナイトは確実に超満員なのだ。
加えて、素敵に着飾ることも恒例。ディナー・ジャケットの者もあり、サッカーのイングランド代表チームのユニフォームを着用する者もあり、愛国的な語句を並べたTシャツを着用する者もあり、さらに国や地域などの旗や風船、クラッカーを持って入場することも自由である。
自分が行ったときは、平常時だったので、みんな普段着。でもラストナイトはお祭りだから服装もぶっ飛んでいるのだ。
そしてラストナイトは、観客は、各々がイギリス国旗(ユニオン・フラッグ)を振って愛国心を精いっぱいアピールする。まさに、このユニオン・フラッグを全員が振りまくっているのが、ラストナイトの一番の象徴シーンとも言えよう。
まさに一連の愛国的な曲、そしてユニオン・フラッグを持つ者はそれを振り、聴衆全員で歌う。
この時ソリストが歌唱する場合は、衣装のデザインを愛国的にしたり、愛国的なパフォーマンスを行う。
まさにイギリス万歳!とも言えるすざましい愛国心一色の空間となるのだ。
ラストナイト、恐るべし!
日本じゃちょっとこういうのは難しいかもしれませんね。
演奏する曲目も、伝統的に最終夜はより軽く、くつろいだ傾向の構成で、初めにポピュラーなクラシックの曲目、続いて第2部の最後に一連の愛国的な曲である「ルール・ブリタニア」、ヒューバート・パリーの「ジェルサレム」(ウィリアム・ブレイクの詞による)、エドワード・エルガーの行進曲「威風堂々」第1番、国歌「女王陛下万歳」が演奏するのが通例だそうだ。
そんなBBCプロムスが日本にやってくる!!!
BBC Proms JAPAN 2019。
BBCプロムスが海外でおこなわれる、というのは、2016年にはオーストラリア、2017年にはドバイで開催されるなど世界的な広がりをみせていて、2019年に日本で初開催されることになった。海外展開はつい最近のことなんだね。
大和証券さんが招聘元です。
チケット発売含め、詳細はこれから発表なのだが、東京と大阪の2箇所で開催され、東京は渋谷のオーチャードホール、大阪はシンフォニーホールなのだそうだ。
なんじゃそれ?(笑)
普通のクラシックコンサートと何が違うのだろう?(笑)
ただオーケストラが、BBCスコティッシュ交響楽団というだけなことなのではないだろうか・・・
プロムスなら東京ドームあたりでやってもらってビール、ポップコーン立ち売りつきでやってくれないとあの雰囲気が出ないと思うのですが・・・
でもクラシックコンサートで、BBCスコティッシュ交響楽団で東京ドーム収容5万人を埋めるのはちと酷かもしれません。
ではそこは一歩譲って、ぜひ日本でやるなら観客にはラストナイトを日本で再現!ということで、日の丸の小さな旗を無料で現地で配布してほしいと思います。公演中ぜひ振らせていただきます。
演目もまだ公開されていないが、英国の愛国カラーなのか、それとも日本愛国カラーなのか、現地プロムスでは蛍の光も演奏されるそうですから、これは日本でもありだと思います。後者は日本の世論、風土からして難しいとは思いますが。
心なきファンからは、ラストナイトの愛国一色のカラーを出すなら、日の丸よりも旭日旗を振ればいいなどと毒づいている人もいます。(笑)
そんなことしたら、中国、韓国ふくめ猛反発で大炎上必至でしょう。(笑)
まぁ、そんな冗談はさておいて、やはりロンドンで、ロイヤル・アルバート・ホールでやってこそのプロムスだというご意見もよく理解できますが、日本の招聘元の大和証券さんが、せっかくの懇意でやってくれてると思うとBBCプロミスに所縁がある自分としては、それに応えてあげよう!という気持ちがあります。
ぜひ盛り上げていきたいと思います!