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再び、伝説となる! [雑感]

すみれが、ラー博にもたらした効果は絶大だ。そして、すみれを一気に全国区に押し上げたのもラー博のおかげだ。

お互い持ちつ持たれつなのだ。新横浜ラーメン博物館は、1994年に、日本初のフードテーマパークとしてオープン。その昭和ノスタルジーなレトロな館内の空間は、当時センセーショナルだった。

自分は、ラー博には1995年から通い始めたが、すみれとは、その当時からのお付き合いで、その激動の歴史は先だっての日記に書いた通り。(笑)

道産子にとって、札幌味噌ラーメンはやはり故郷の味。
やっぱりずっと拘ってきたんだな。

まさに今日読んだ記事によると、「日本のラーメン店においては、オープンして1年以内に50%以上のお店が閉店しているという現状がある。さらに10年続くお店は20%、20年続くお店は3%と言われている。その中で長く続き今もなお繁盛しているお店には、トレンドに左右されない魅力がある。」なのだそうだ。

いわゆる全国ラーメン人気でつい商売に手を出したものの、そんなに世の中甘くないということなのだろう。本当の真の実力を兼ね備えた者のみが、長年に渡って生き残っていける。

自分はラーメンは大好きだけれど、いわゆる麺通と呼ばれるファン層の方から比べると、毎日新しいお店のラーメンを開拓したい、という気持ちが極めて少ない。「生涯何千食、食した」とは縁のない世界。

たぶん自分が大金持ちだったら、毎日いろんなラーメンを開拓したい、という気持ちも湧くだろうけれど、限られた予算の中で生活している身分になると、やっぱりせっかく身銭を切るなら、自分がよく知っている大好きなラーメンを食べたいと思う派なのである。

だから、いわゆる中毒性があって、あぁ~また食べに行きたい~と思うような、お気に入りのラーメンを飽きもせず、毎日食べる、という、そんなラーメン・ファンなのだ。

自分がそのように思うラーメンは、ほとんど99%以上の確率で、いわゆる「トレンドに左右されない魅力を持っていて、何十年も長続きしている・・・」そんなラーメン屋さんばかり。

一過性の人気で評判になったお店で食べても、自分に対して来るものがないことがほとんどだ。

すみれは、まさに23年間に渡って、愛し続けた故郷愛のラーメンだった。

相当熱狂した。

でも知っての通り、ここ数年、ラー博のすみれは、自分が熱狂していた頃の面影はなく、寂れていくばかりの感じで、だんだん足が遠のいていった。食べるたびに後悔するのだ。これはダメだ。もう来るのはよそう。

札幌で真実を追求しよう。

そう思って4~5年。

そんな、すみれがラー博を卒業する。
12/2に卒業。あと45日。

閉店間際になると激混みが予想されるので、早めに詣でしたいと思っていた。

館内に入った途端、こんなものを目にする。


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「再び、伝説となる。」「札幌以外で、すみれが食べられるのは、ラー博だけ。」
たくさんの花束贈呈で、みんな別れを悲しんでいる。

思わず、グッとくるものがある。開館当初から、一緒に汗を流してきた同士を、華やかに送ってあげたいというその気持ち。SNSでも毎回、「すみれ」の連載特集を組んで、お別れムードいっぱいだ。もうなんか、金輪際、ラー博には入店しない永遠のお別れみたい。(笑)

この卒業にちなんで、最近連載されている「すみれ」の歴史特集で、この自分が知らないこともあった。

当初、村中明子さんが創業した「純連」。純連と書いて、すみれと呼ばせていた。
でも看板の、そのフリガナのひらがなが風雨で剥がれてしまって、漢字の純連だけになってしまった。その看板を見ていた通行人は、いつしか、そのままの音読みで、「じゅんれん」と呼ぶようになって、そのままその特徴ある味噌味とともに「じゅんれん」という名で巷には定着してしまったのだそうだ。

お母さんの純連は、病気で、いったん閉店するが、数年後に再開。

そのときは、巷にすっかり馴染んだ「純連(じゅんれん)」という名で再スタートした、という経緯なのだそうだ。あとは、ご存知、「純連(じゅんれん)」は、長男の村中教愛氏が店を継いだ。

その後、三男の村中伸宜氏が、純連と書いて「すみれ」と呼ぶお店を開店。その後、ひらがなのみの「すみれ」で定着する。

そして家族、親戚一同の大反対を押し切って、ラー博に出店。そして、「すみれ」を全国区のスターダムに押し上げて、純連は押しも押されぬ札幌味噌ラーメンの王道を走ることになった。

ある意味、村中伸宜氏の大英断がなければ、今日の純連、すみれの立ち位置はなかった。
いまや、濃厚な札幌味噌ラーメンのことを、「純すみ系ラーメン」とか、「村中系ラーメン」と呼ぶのだそうだ。

そしてたくさんのラーメン職人の若手たちが、純連やすみれで修行をして、おそらく店主の許可を得て、自分のお店を出す。

それも純すみ系のスープの味で。。。

その中には、10年続くお店は20%、20年続くお店は3%、トレンドに左右されないで生き残っているお店はどれだけあるだろうか?

自分の経験からすると、二番煎じは、絶対初代を超えることはできない。

たとえ、よくできている、親方と似ているスープだと思っても、毎回また通いたいと思わせるようなお店はないだろう。



激混みを避けて、卒業45日前に来てみたが、年々劣化していくそのスープの味に、だんだん客足が遠のいていく感じで、来るたびに閑散としていて、往年のファンにとって淋しいよな~と思っていたんだが、今日来てみたら、行列ができていた。(笑)

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でも、全盛期のすみれの大行列を知っている身からすると、やっぱり寂しい。
酷いときなんか、このお店から、ラー博館内の半周するくらいの距離まで大行列ができていて、いったいいつになったら食べられるんだろう?と気が遠くなるんだが、それでも食べたいから並ぶのだ。

すみれの場合は、それが常であった。

食べ物を食べるのに並ぶことを嫌う人は多い。
でも自分はさほど苦はならない。大行列をみた瞬間、さすがにめげるが、でもそこまでしても食べたいという気持ちが大きい。

自分がこの10年で、行くたびに毎回行列して食べていたのが、このすみれと新宿にある「麺屋武蔵」だった。麺屋武蔵も当初は相当嵌った。やっぱりこれは本物だと直感がわいた。毎回行列しても食べたいと思わせるお店だった。

ところがこの麺屋武蔵も、ご多分にもれず、スープの味が劣化していった。最近数回行ったが、印象は変わらず、もうガッカリ。

ラーメン屋さんにとって、スープの味を何年も続けて同じに保つことが如何に大変なことなのか!

麺屋武蔵も14年前のあの頃は、毎回大行列だったのに、いまは全然空いていて楽勝だ。(笑)
すみれといい、名店の行く末というか、難しいものがあるとしか思えない。


ラー博のすみれと最後のお別れ。
味噌ラーメンと鬼めしをいただく。

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おっ!いつものガッカリするスープの見た目からすると、今回はちょっとマシに見える。
やっぱり最後だと贔屓目もあるかな?有終の美にしたい、ちゅう。

鬼めし、というのは、すみれ独自の看板メニュー。炒飯もいいが、自分は、すみれに来たら、この鬼めしを一緒に食べることをおススメします。卵焼きの千切りをご飯の上にかけて、とても辛い豆板醤(?)みたいなものをかけて食べます。

これがすみれの濃厚味噌とよく合う!

最後のすみれの味噌ラーメン。




あかん!(笑)やっぱりあかん!

自分が知っている全盛期のすみれはこんなんじゃない。
ちょっと面影がある程度にしか思えない。

でもここ数年、マズすぎる!と徹底的にこき下ろしてきたレベルに比べると、今日はちょっと濃厚さがやや感じられて、幾分マシのように思えた。見た目の改善は味にちゃんと現れていた。

最後のお別れというセンチメンタルな気分が、自分をそう思わせているのだろうか?

味噌があのころのような濃厚~って感じじゃなくて、どうしても薄く感じるんだよね。
物足りんのだよ。

そして表面を覆っているラードも全盛期に比べると薄いし、これじゃダメだ。

ひょっとすると、札幌本店もふくめ、多少のイメチェンはあるのだろうか・・・。

自分が全盛期と思えるすみれの写真は、これが一番近い感じ。


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色的にもいかにも濃厚~ってな感じで、これこそ純すみ系の味だ。
ラードも厚い。

いまのは、全般的に薄いんですよね。


これがラー博だけの現象なのか、札幌本店もそうなのか、今年の年末帰省して自分のこの目、この舌で直接確かめます。

もし万が一、不幸な事態に陥ったら、自分は、お店の人に直接なぜこんなに味が変わったんですか?と直接聞いてみようと思っている。

もちろんクレーマーと思われて、本家のお店出入り禁止になったらこちらも困るので、ソフトな語り口で対応することはもちろんのことだ。自分が1995年からの熱烈なファンで、横浜のお店でここ最近味が変わったように感じるのですが、ここ札幌本店でも同じように感じるということは、スープの味のイメチェンでもされたんですか?

こんなソフトなイメージで。

たぶんお店の女性の方は、自分じゃ対応できないと思い、もしその日に厨房に居たら、三男の村中伸宜氏に直接談判できるかもしれない。(笑)

失礼のないよう、クレーマーに思われないよう十分な配慮が必要だ。

自分が全盛期だと思ったすみれはこんな感じでした・・・というような展開を予想して、上の写真を自分のスマホに入れておいた。(笑)

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どんな展開が待っているのか、もういまからワクワクである。

トレンドに左右されない本物のラーメンというのは、絶対また食べたい~というような中毒性を持っている。

自分がここ数年、これも毎回行き倒しているのは、日本橋にある京都銀閣寺ますたにラーメン。
あの三層になっている豚骨醤油背油ラーメンがたまらない。週末の休日になるとついつい行きたくなる。

1998年頃から通い続けて、もう20年目。

この日本橋のラーメン屋さんに行く楽しみは、じつはその途中に乗っていく銀座線でレトロ仕様の銀座線に遭遇できるのでは?というところにも楽しみがあるのだ。(笑)

もう2回も遭遇した。

念願かなって、京都の本家の北白川の「中華そば ますたに」も経験できた。

これからも、数多くのお店を体験するのではなく、こうやって自分が入れ込んだ本物のお店に何回も行き倒すというラーメン人生が続くんだろうな。

今年の年末にすべての真実が明らかになるが、自分は信じたい。

あの全盛期のすみれの味が、またラー博に戻ってくる!ということを。








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